"認知症" の実態とその発症原因は、<脳が萎縮し老人斑が生じるアルツハイマー型認知症、脳梗塞などが原因の脳血管認知症、運動障害なども伴うレビー小体型認知症> というのが、一般的な認識であろうかと思われる。
◆ 参照 当誌過去の "認知症" 関連記事
(1) "認知症"にならないための"正攻法"!"血管性認知症"と"アルツハイマー型認知症"が壁!/当誌 2014.04.20
(2) 65歳以上の4人に1人が認知症とその"予備軍"となる見込み! 認知症に関する基礎知識!/当誌 2014.01.07
また、"認知症" と見なされる各症状は、その軽減や先送りが望めても完治することは難しいと考えられている。
ところが、"認知症" へとつながっていく "認知機能の低下" の原因は決して一様ではなく、しかも、その中には「治る」ケースも見出せるという。必要なのは、緻密な "診断技術" である、と。
今回注目する下記引用サイト記事 : 【ニッポン病院の実力】正確な画像診断技術 「治る」認知症を把握 ★東京都健康長寿医療センター・放射線診断科/zakzak/2014.07.16 は、こうした "診断技術" 重視の対応を推進している "認知症" の治療現場を紹介している。
<高齢化社会の進む中、診断や治療のみならず、福祉、介護にも関わる問題として注目される「認知症」。一般的に、脳が萎縮し老人斑が生じるアルツハイマー型認知症、脳梗塞などが原因の脳血管認知症、運動障害なども伴うレビー小体型認知症といった名称は広がっている/ ところが、画像診断技術の進歩により、従来とは異なる仕組みで、認知機能が低下するケースが多いこともわかってきた。そのひとつが「嗜銀顆粒(しぎんかりゅう)性認知症」。徐々に怒りっぽくなるといった性格変化を伴い、アルツハイマー病とは脳のダメージを受ける部分が、わずかにずれる。適切な治療により症状は改善されるのだが、アルツハイマー型認知症と診断されることは珍しくない/ そんな新たな原因を突き止めて、適切な治療へ結びつけるべく牽引(けんいん)しているのが東京都健康長寿医療センター放射線診断科/ 「認知機能の低下の原因は、細かく分ければ100種類近くにもなります。認知症は治らないと言われますが、治る病気もあるのです。だからこそ、きちんとした診断技術の確立が必要ですし、それを普及させることが重要だと思います」/ こう話す德丸阿耶(あや)部長(57)は、脳や神経の放射線診断のスペシャリスト。 コツコツと積み上げた診断力は、認知機能低下の原因が山のようにあることも明らかにしている 「アルツハイマー型認知症が発見されて約100年たちますが、国際アルツハイマー病診断基準に画像診断が加えられたのは、2011年と最近のこと。診断が異なれば、治療、看護、介護の方法も違ってくる。だからこそ、ひとりひとりの患者さんに合わせた診断技術の確立が、必要不可欠といえるのです」(德丸部長)/ 患者の脳を映した画像をアルツハイマー型認知症だと思い込むと、別の病気は見えなくなってしまう。思い込みは捨て、ひとりひとりの人生の背景を考慮しつつ、脳の仕組みをひもといていくと、見えなかったことが見えてくるそうだ。 それを後押しするのが、MRI(核磁気共鳴)や脳の血流を映し出すSPECT(単一光子放射断層撮影)などの検査機器の進化。高い診断技術の上で、德丸部長は最新機器を駆使している。/ 「嗜銀顆粒性認知症も、まだ誰もが診断できる状況ではありません。正しい診断を誰もができるようにしたい。それには、若い方々も育てなければなりません」と德丸部長。 患者の誰もが適切な医療を受けられるように、診断技術の向上と普及に尽力中だ> とある。
【ニッポン病院の実力】正確な画像診断技術 「治る」認知症を把握 ★東京都健康長寿医療センター・放射線診断科/zakzak/2014.07.16
高齢化社会の進む中、診断や治療のみならず、福祉、介護にも関わる問題として注目される「認知症」。一般的に、脳が萎縮し老人斑が生じるアルツハイマー型認知症、脳梗塞などが原因の脳血管認知症、運動障害なども伴うレビー小体型認知症といった名称は広がっている。
ところが、画像診断技術の進歩により、従来とは異なる仕組みで、認知機能が低下するケースが多いこともわかってきた。そのひとつが「嗜銀顆粒(しぎんかりゅう)性認知症」。徐々に怒りっぽくなるといった性格変化を伴い、アルツハイマー病とは脳のダメージを受ける部分が、わずかにずれる。適切な治療により症状は改善されるのだが、アルツハイマー型認知症と診断されることは珍しくない。
そんな新たな原因を突き止めて、適切な治療へ結びつけるべく牽引(けんいん)しているのが東京都健康長寿医療センター放射線診断科。「認知機能の低下の原因は、細かく分ければ100種類近くにもなります。認知症は治らないと言われますが、治る病気もあるのです。だからこそ、きちんとした診断技術の確立が必要ですし、それを普及させることが重要だと思います」
こう話す德丸阿耶(あや)部長(57)は、脳や神経の放射線診断のスペシャリスト。研修医時代、神経障害で苦しむ患者が、適切な医療とリハビリによって回復する姿に感銘を受け、診断技術の向上に挑むようになった。
しかし、当時、画像診断技術はまだ発達しておらず、脳の仕組みもよくわからない。手探り状態の中、チームワーク力を生かしながら技術を高めてきた。コツコツと積み上げた診断力は、認知機能低下の原因が山のようにあることも明らかにしている
。
「アルツハイマー型認知症が発見されて約100年たちますが、国際アルツハイマー病診断基準に画像診断が加えられたのは、2011年と最近のこと。診断が異なれば、治療、看護、介護の方法も違ってくる。だからこそ、ひとりひとりの患者さんに合わせた診断技術の確立が、必要不可欠といえるのです」(德丸部長)医学は日進月歩。患者の脳を映した画像をアルツハイマー型認知症だと思い込むと、別の病気は見えなくなってしまう。思い込みは捨て、ひとりひとりの人生の背景を考慮しつつ、脳の仕組みをひもといていくと、見えなかったことが見えてくるそうだ。
それを後押しするのが、MRI(核磁気共鳴)や脳の血流を映し出すSPECT(単一光子放射断層撮影)などの検査機器の進化。高い診断技術の上で、德丸部長は最新機器を駆使している。
「嗜銀顆粒性認知症も、まだ誰もが診断できる状況ではありません。正しい診断を誰もができるようにしたい。それには、若い方々も育てなければなりません」と德丸部長。
患者の誰もが適切な医療を受けられるように、診断技術の向上と普及に尽力中だ。 (安達純子)
<データ>2013年実績
・認知症のMRI(核磁気共鳴)検査約1200件
・脳血流SPECT検査約1200件
・物忘れ外来(週5日、完全予約制)1日平均3.5人
・病院病床数550床
〔住所〕〒173-0015 東京都板橋区栄町35の2
(電)03・3964・1141
( ※引用者注 ―― 文意を損なわないよう留意して割愛しています。)
ややもすれば、"アルツハイマー型認知症" と診断されてしまう認知症の中には、「嗜銀顆粒(しぎんかりゅう)性認知症」と呼ばれるような特殊なケースもあるのだという。
そして、これなぞは、<適切な治療により症状は改善される> とあるから、個々のケースの特殊性を洞察できる "診断技術" がいかに重要かということになりそうである...... (2014.07.18)
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