現在、がんの治療法は "三大療法"(除去手術/抗がん剤/放射線)を "標準" としつつ、これらに加えて、いわば "がんの第4の治療法" とも言われる "がん免疫(細胞)療法" も注目と期待とを集めている。
◆ 参照 当誌過去の "がん免疫(細胞)療法" 関連記事
○ <患者の体内に備わっている "免疫" システムを最大限に活用して、がん細胞を撃退するという点、そして "三大療法" が大なり小なりに伴う "副作用" が回避できるという点などに大きな特徴があると考えられている。
それだけに、この "がん免疫(細胞)療法" は、"がんの第4の治療法" として根強い期待を集めている。> ( "がん免疫(細胞)療法"/最近の各種動向一覧!最新:腫瘍細胞免疫回避の一要因 PD-L1!/当誌 2014.04.17 )
今回注目する下記引用サイト記事 : 北大、上皮細胞が初期がん細胞を排除する仕組みを解明 がんの新治療薬の開発に期待/財経新聞/2014.08.02 - 14:34 / 正常上皮細胞ががん細胞を駆逐する分子メカニズムを解明/北海道大学 - PRESS RELEASE/2014.08.01 は、"免疫(細胞)療法" とは異なるものの、体内患部周辺の "正常細胞" が、"免疫細胞" の機能にも似た(?)、いわば "抗がん的作用!" を果たすという特殊な現象に着目し、このメカニズムを解明したと報じている。
今後の展開次第では、"新たながん予防・治療法" として期待されるという。
<北海道大学の藤田恭之教授らによる研究グループは、正常上皮細胞内のフィラミンとビメンチンというタンパク質が初期がん細胞を取り囲むことで、上皮組織から排除していることを明らかにした/ これまでの同グループの研究で、上皮細胞層にがんが発生した時、周囲の正常な細胞と相互作用が起こって、がん細胞が上皮細胞層から逸脱する現象が起こるこは分かっていたものの、その仕組みについては解明されていなかった/ 今回の研究では、哺乳類培養細胞とゼブラフィッシュを用いて正常上皮細胞とがん細胞の境界で特異的に機能している分子を模索したところ、フィラミンとビメンチンという細胞骨格タンパク質ががん細胞を取り囲んでいることが分かった。また、これらのタンパク質はがん細胞を上皮細胞層から押し出すよいうに排除していることも明らかになった/ 今後は、本研究成果を用いて「隣接する正常な細胞にがん細胞を攻撃させる」という新たながん治療が実現できると期待されている>
<研究成果のポイント
・ 正常上皮細胞が,がん細胞を組織から追い出す分子メカニズムを世界で初めて解明
・ 正常上皮細胞が,免疫細胞を介さない抗腫瘍能(腫瘍を攻撃,退治する能力)を有しているという新規の概念を提唱
・ 隣接する正常な細胞にがん細胞を攻撃させるという,新たながん予防・治療薬への展開
今後はこの研究をさらに発展させることによって,「隣接する正常な細胞にがん細胞を攻撃させる」という,がんを取り巻く社会性を利用した新たながん予防・治療薬の開発が期待されます> とある。
【 引用記事 1 】
北大、上皮細胞が初期がん細胞を排除する仕組みを解明 がんの新治療薬の開発に期待/財経新聞/2014.08.02 - 14:34
北海道大学の藤田恭之教授らによる研究グループは、正常上皮細胞内のフィラミンとビメンチンというタンパク質が初期がん細胞を取り囲むことで、上皮組織から排除していることを明らかにした。
これまでの同グループの研究で、上皮細胞層にがんが発生した時、周囲の正常な細胞と相互作用が起こって、がん細胞が上皮細胞層から逸脱する現象が起こるこは分かっていたものの、その仕組みについては解明されていなかった。
今回の研究では、哺乳類培養細胞とゼブラフィッシュを用いて正常上皮細胞とがん細胞の境界で特異的に機能している分子を模索したところ、フィラミンとビメンチンという細胞骨格タンパク質ががん細胞を取り囲んでいることが分かった。また、これらのタンパク質はがん細胞を上皮細胞層から押し出すよいうに排除していることも明らかになった。
今後は、本研究成果を用いて「隣接する正常な細胞にがん細胞を攻撃させる」という新たながん治療が実現できると期待されている。
なお、この内容は7月31日に「Nature Communications」に掲載された。
【 引用記事 2 】
正常上皮細胞ががん細胞を駆逐する分子メカニズムを解明/北海道大学 - PRESS RELEASE/2014.08.01
研究成果のポイント
・ 正常上皮細胞が,がん細胞を組織から追い出す分子メカニズムを世界で初めて解明。
。
・ 正常上皮細胞が,免疫細胞を介さない抗腫瘍能(腫瘍を攻撃,退治する能力)を有しているという新規の概念を提唱。
・ 隣接する正常な細胞にがん細胞を攻撃させるという,新たながん予防・治療薬への展開。
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今後はこの研究をさらに発展させることによって,「隣接する正常な細胞にがん細胞を攻撃させる」という,がんを取り巻く社会性を利用した新たながん予防・治療薬の開発が期待されます
......
( ※引用者注 ―― 文意を損なわないよう留意して割愛しています。)
それにしても、<正常上皮細胞が,免疫細胞を介さない抗腫瘍能(腫瘍を攻撃,退治する能力)を有しているという新規の概念を提唱> とは、まさにサプライズな新規展開だ。
ただ、これは "がん免疫(細胞)療法" アプローチに対してもぶつけられるシニカルな観点であるが、では、こうした(免疫細胞や)"抗腫瘍能" が働きながら、何故 "がん" は思い通りの成長を遂げてしまうことになるのか? その初歩的な疑問が打ち消し難く立ちはだかるのだが...... (2014.08.05)
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