便秘薬(ルビプロストン)による腸内環境改善が慢性腎臓病の進行を抑制!(東北大/慶大)

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 "腸内細菌(腸内細菌叢)" が、"腸管免疫系" の機能を果たし、"免疫力" を高めつつ、健康にとって重要な役割を担っていることは、再三、指摘されてきた。

 ◆ 参照 当誌過去の "腸内細菌" 関連記事

 (1) "(2型)糖尿病"もまた"腸内細菌"(腸内フローラ)の存在が関係している(ヤクルト)とは?!/当誌 2014.06.22
 (2) 腸管免疫系と腸内細菌の共生関係の構築に必須の分子(Uhrf1)を発見(慶大他共同研究)!/当誌 2014.05.05
 (3) おカネの掛からない免疫力アップ 腹式呼吸!リンパを流す!排泄機能と免疫機能のUP!/当誌 2014.03.17


 今回注目する下記引用サイト記事便秘薬による腸内環境の改善が慢性腎臓病の進行を抑制 - 東北大と慶大/マイナビニュース/2014.12.19 は、その "腸内細菌叢" の環境改善が、慢性腎臓病の治療に深く関わっている、と報じている。

 <腸管は尿、血液透析とならぶ第3の尿毒症物質排泄経路で、便秘症の治療薬であるルビプロストンが、慢性腎臓病新しい治療薬として適用できる可能性が示唆された> というのである。

 <東北大学(東北大)と慶應義塾大学はこのほど、便秘症の治療薬として使用される「ルビプロストン」という薬剤に、慢性腎臓病の進行を抑える効果があると発表した。  慢性腎臓病は、腎機能が慢性かつ進行性に低下する病態で、最終的には末期腎不全に陥るだけでなく、脳心血管疾患の発症率や死亡率を高めることで知られるが、高血圧や糖尿病に対する治療を行う以外治療法が無い現状がある。  これに対し、腎臓が働かないために、体内に溜まってしまった尿毒素による各種腎臓への悪影響を抑えること腎臓病の進行を抑制する手段として期待されている。また、腎臓病で蓄積するさまざまな尿毒素のうち、最も有害といわれているインドキシル硫酸などの産生には腸内細菌叢(ちょうないさいきんそう:体内の細菌群が作り出す生態系)が関わっていることが知られており、近年、慢性腎臓病では腸内環境全体が悪い方向に変化していること明らかとなっていた。  この背景から研究チームは、腸内細菌叢慢性腎臓病の新しい治療ターゲットとして腸内環境および腸内細菌叢に注目して研究を続けていた。  今回の発見では、腸内環境を変化させる薬剤として、一般には便秘症の治療薬として使用されるルビプロストンの効果を検討した。同剤は腸液の分泌を増加させ、腸管内容物の移動を促進させる効果を持つ。  研究チームが慢性腎不全状態のマウスに同剤を投与し、腎臓病の進行に対する効果を検証したところ、ルビプロストン投与マウスは投与していないマウスに比べて、腸液の分泌が増えたことにより、腎不全時における腸壁の悪化が改善されていた。さらに、腸内細菌叢を解析したところ、善玉菌の減少も改善していた。また、腎不全時に血液中に蓄積する尿毒素などの代謝物濃度を網羅的に解析した結果、ルビプロストン投与マウスではインドキシル硫酸や馬尿酸などの物質の血中濃度が減少することが判明した。  これらの結果から、腸管は尿、血液透析とならぶ第3の尿毒症物質排泄経路で、便秘症の治療薬であるルビプロストンが、慢性腎臓病新しい治療薬として適用できる可能性が示唆された。今後、人への応用に向け、副作用の少ない低容量かつ腸で解ける製剤の開発や、対象となる腎不全患者の選定方法などについて検討を行っていく。> とある。

 便秘薬による腸内環境の改善慢性腎臓病の進行を抑制 - 東北大と慶大/マイナビニュース/2014.12.19

 東北大学(東北大)と慶應義塾大学はこのほど、便秘症の治療薬として使用される「ルビプロストン」という薬剤に、慢性腎臓病の進行を抑える効果があると発表した。

 同成果は東北大学大学院医学系研究科および医工学研究科病態液性制御学分野の阿部高明 教授と、慶應義塾大学先端生命科学研究所の福田真嗣 特任准教授、同 曽我朋義 教授ら研究グループによるもの。12月18日(現地時間)付の米腎臓学会学術誌「Journal of the American Society of Nephrology」に掲載された。

 慢性腎臓病は、腎機能が慢性かつ進行性に低下する病態で、最終的には末期腎不全に陥るだけでなく、脳心血管疾患の発症率や死亡率を高めることで知られるが、高血圧や糖尿病に対する治療を行う以外治療法が無い現状がある。

 これに対し、腎臓が働かないために、体内に溜まってしまった尿毒素による各種腎臓への悪影響を抑えること腎臓病の進行を抑制する手段として期待されている。また、腎臓病で蓄積するさまざまな尿毒素のうち、最も有害といわれているインドキシル硫酸などの産生には腸内細菌叢(ちょうないさいきんそう:体内の細菌群が作り出す生態系)が関わっていることが知られており、近年、慢性腎臓病では腸内環境全体が悪い方向に変化していること明らかとなっていた。

 この背景から研究チームは、腸内細菌叢慢性腎臓病の新しい治療ターゲットとして腸内環境および腸内細菌叢に注目して研究を続けていた。

 今回の発見では、腸内環境を変化させる薬剤として、一般には便秘症の治療薬として使用されるルビプロストンの効果を検討した。同剤は腸液の分泌を増加させ、腸管内容物の移動を促進させる効果を持つ

 研究チームが慢性腎不全状態のマウスに同剤を投与し、腎臓病の進行に対する効果を検証したところ、ルビプロストン投与マウスは投与していないマウスに比べて、腸液の分泌が増えたことにより、腎不全時における腸壁の悪化が改善されていた。さらに、腸内細菌叢を解析したところ、善玉菌の減少も改善していた。また、腎不全時に血液中に蓄積する尿毒素などの代謝物濃度を網羅的に解析した結果、ルビプロストン投与マウスではインドキシル硫酸や馬尿酸などの物質の血中濃度が減少することが判明した。


 これらの結果から、腸管は尿、血液透析とならぶ第3の尿毒症物質排泄経路で、便秘症の治療薬であるルビプロストンが、慢性腎臓病新しい治療薬として適用できる可能性が示唆された。今後、人への応用に向け、副作用の少ない低容量かつ腸で解ける製剤の開発や、対象となる腎不全患者の選定方法などについて検討を行っていく。


 慢性腎臓病といえば "人工透析" が思い浮かべられるほどに、患者側にとっては負担の大きい病気だ。
 もし、上記記事のとおり <副作用の少ない低容量かつ腸で解ける製剤の開発> が叶い、"腸内細菌叢の環境改善" から、慢性腎臓病の治療効果が上がるならば、実に画期的だと思われる
...... (2014.12.21)













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