"がんと免疫細胞" との関係においては、がんに向かう免疫細胞による攻撃の機能だけではなく、がんが免疫機能を抑制するといった "制御性T細胞" の働きのあることが報告されてきた。
◆ 参照 当誌過去の "制御性T細胞" 関連記事
(1) <"がん細胞" と "免疫細胞" との関係では、"がん細胞" が "免疫の働きを抑える機構" ( "制御性T細胞" ) を持つため、この "機構" を、逆に抑制することで "免疫細胞" に "がん細胞" を攻撃させる...... 、という治療アプローチが注目されたりもしている。> ( 従来の抗がん剤効かない患者、がんを攻撃する"免疫細胞を活性化する薬"の投与が効果!/当誌 2015.11.07 )
(2) "免疫"活用"がん細胞"攻撃!慶大や京大が種々のアプローチで、"がん免疫治療法"研究!/当誌 2015.10.06
今回注目する下記引用サイト記事 : マラリアに感染すると免役低下...関与?のT細胞、長崎大グループが発見/yomiDr. ヨミドク/2016.03.09 は、 <長崎大医学部の由井克之教授(感染免疫学)らの研究グループは、マラリア感染によって体内に生じる特有の制御性T細胞を発見した、と発表した。 制御性T細胞は免疫反応を抑える働きをするもので、これまで見つかっている制御性T細胞とは異なるという。米科学誌「イミュニティー」(電子版)に9日掲載された> と報じている。
<......T細胞は免疫細胞のひとつで、そのうち制御性T細胞は体内の異物に対する攻撃にブレーキをかける作用がある。がんなどで働く制御性T細胞があることは知られていた。 研究グループは、マラリアに感染させたマウスに、免疫細胞の増殖を抑える細胞が存在することを発見。この制御性T細胞が作るインターロイキン27(IL―27)というたんぱく質が作用していることを確認した。これまで知られている制御性T細胞とは異なるとして、Tr27細胞と名付けた。 由井教授によると、マラリアに感染すると他の感染症にかかりやすくなるなど、免疫が低下することが知られているが、詳しい仕組みはわかっていない。マラリアが悪化する原因のひとつに、この細胞が関与している可能性があるという。 由井教授は「Tr27細胞を適切にコントロールできるようになれば、マラリアをはじめとする感染症の治療に役立つことが期待される」としている> とある。
マラリアに感染すると免役低下...関与?のT細胞、長崎大グループが発見/yomiDr. ヨミドク/2016.03.09
長崎大医学部の由井克之教授(感染免疫学)らの研究グループは、マラリア感染によって体内に生じる特有の制御性T細胞を発見した、と発表した。
制御性T細胞は免疫反応を抑える働きをするもので、これまで見つかっている制御性T細胞とは異なるという。米科学誌「イミュニティー」(電子版)に9日掲載された。
T細胞は免疫細胞のひとつで、そのうち制御性T細胞は体内の異物に対する攻撃にブレーキをかける作用がある。がんなどで働く制御性T細胞があることは知られていた。
研究グループは、マラリアに感染させたマウスに、免疫細胞の増殖を抑える細胞が存在することを発見。この制御性T細胞が作るインターロイキン27(IL―27)というたんぱく質が作用していることを確認した。これまで知られている制御性T細胞とは異なるとして、Tr27細胞と名付けた。
由井教授によると、マラリアに感染すると他の感染症にかかりやすくなるなど、免疫が低下することが知られているが、詳しい仕組みはわかっていない。マラリアが悪化する原因のひとつに、この細胞が関与している可能性があるという。
由井教授は「Tr27細胞を適切にコントロールできるようになれば、マラリアをはじめとする感染症の治療に役立つことが期待される」としている。
今回の研究は、マラリア発症によってもたらされる、特殊な "制御性T細胞" の働き―― 免疫反応を抑える働き ――を巡る発見という成果だ。 >感染症の治療、およびがん治療にも繋がり得る "制御性T細胞" の正体の解明に期待が掛かる...... (2016.03.10)
コメントする