"記憶" についての解明を、それを担っている "脳細胞のレベル" での検証から着手するのが、"利根川進氏らの独自なアプローチ" だ。
◆ 参照 当誌過去の "利根川進" 関連記事
○ <......アルツハイマー病のマウスを使った実験で、思い出せなくなった記憶を引き出すことに成功したとの研究成果を、理化学研究所の利根川進・脳科学総合研究センター長らが、英科学誌ネイチャーで17日発表する。研究チームは「アルツハイマー病は、記憶が消えるのではなく、記憶を思い出す機能が働かなくなる病気であることを示唆する結果だ」としている......> ( "記憶を担っているとみられた脳細胞"を刺激するとマウスの記憶が戻る!(利根川進氏ら)/当誌 2016.03.20 )
今回注目する下記引用サイト記事 : 脳内で記憶の固定化、過程を解明...利根川教授ら/yomiDr. ヨミドクター/2017.04.07 は、 <脳内で短期的な記憶が長期的な記憶に変わって固定化される過程を明らかにしたと、米マサチューセッツ工科大(MIT)の利根川進教授と北村貴司研究員らが7日付の米科学誌サイエンスに発表する> と報じている。
<......研究チームは、箱の中に入れたマウスに電気刺激を与えた後、マウスがそれを思い出して身をすくめる際に、脳内で記憶を担う神経細胞がどのように働いているかを観察した。 その結果、電気刺激の記憶は 海馬 と大脳皮質の両方に作られるが、大脳皮質の記憶細胞は最初は未成熟で、海馬から信号を受けるなどして10日後までに成熟することがわかった。2週間後以降は、海馬の記憶細胞は働かなくなり、代わりに大脳皮質の記憶細胞だけが働くようになった。 北村研究員は「記憶の仕組みを細胞レベルで解明することで、将来的には人間の記憶障害などの改善につなげたい」と話している。 井ノ口馨・富山大教授(脳科学)の話「容量の少ない海馬の記憶を、大容量の大脳皮質に移すメカニズムを初めて明らかにした成果で、画期的。大脳皮質にどのように知識が蓄えられるのか、解明する手がかりにもなるだろう」> とある。
脳内で記憶の固定化、過程を解明...利根川教授ら/yomiDr. ヨミドクター/2017.04.07
【ワシントン=三井誠】
脳内で短期的な記憶が長期的な記憶に変わって固定化される過程を明らかにしたと、米マサチューセッツ工科大(MIT)の利根川進教授と北村貴司研究員らが7日付の米科学誌サイエンスに発表する。研究チームは、箱の中に入れたマウスに電気刺激を与えた後、マウスがそれを思い出して身をすくめる際に、脳内で記憶を担う神経細胞がどのように働いているかを観察した。
その結果、電気刺激の記憶は 海馬 と大脳皮質の両方に作られるが、大脳皮質の記憶細胞は最初は未成熟で、海馬から信号を受けるなどして10日後までに成熟することがわかった。2週間後以降は、海馬の記憶細胞は働かなくなり、代わりに大脳皮質の記憶細胞だけが働くようになった。
北村研究員は「記憶の仕組みを細胞レベルで解明することで、将来的には人間の記憶障害などの改善につなげたい」と話している。
井ノ口馨・富山大教授(脳科学)の話「容量の少ない海馬の記憶を、大容量の大脳皮質に移すメカニズムを初めて明らかにした成果で、画期的。大脳皮質にどのように知識が蓄えられるのか、解明する手がかりにもなるだろう」
記憶には、"短期的な記憶" と "長期的な記憶" とがあることはかねてより分かっていたが、両者の関係が、"脳細胞" のレベルから解き明かされた点が驚きと言うほかない...... (2017.04.11)
コメントする