がん治療での "免疫療法" は、オプジーボで知られた"「免疫チェックポイント療法」" に限らず、最近では、"免疫(細胞)活性化法" としての"「CAR―T(カーティー)細胞療法」" も注目を浴びている。
◆ 参照 当誌過去の "CAR―T" 関連記事
(1) "iPS細胞から作製"した免疫細胞(樹状細胞)でがん破壊!新療法に! (和歌山県立医大)/当誌 2018.03.18
(2) "がん"vs"免疫療法"攻防100年!"第4の治療法"で定着も"高コスト"や"副作用"が課題!/当誌 2018.03.04
(3) がん患者自身の免疫細胞(T細胞)、遺伝子操作で味方に!"CAR-T細胞療法"実用化へ前進!/当誌 2018.01.26
(2) 血液がん(多発性骨髄腫)の細胞狙い撃ち死滅!免疫療法「CAR-T細胞療法」開発へ (阪大)/当誌 2017.11.09
今回注目する下記引用サイト記事 : がん治療に新手法、免疫療法と特殊ウイルスを組み合わせ 合田禄/朝日新聞/2018.04.06 - 12:59 は、 <新しいがんの治療法として注目されている「CAR(カー)―T(ティー)細胞療法」について、効果を高める可能性のある新たな手法を開発したと、米ペンシルベニア大の渡辺慶介研究員やカール・ジューン教授らのチームが、米医学誌「JCI insight」に発表した。膵臓(すいぞう)がんのマウスの生存期間が延びることを確認。1年以内に米国での臨床試験を始めたいという> と報じている。
<......CAR―T細胞療法は、患者の体内から免疫細胞を取り出し、遺伝子操作でがんを攻撃する力を高めた後、体内に戻す。米国で昨年、血液がんの一部で承認され、日本でも臨床試験が始まった。 新手法は、この細胞療法の前に、マウスに対し、がん細胞に感染して破壊しながら免疫細胞を活発にする特殊なウイルスを注射。二つの治療を組み合わせ、細胞療法の効果を高める。 研究では、細胞療法だけの場合や、ウイルスだけの場合だと、それぞれ5匹のマウスは全て70日以内に死亡。これに対し、組み合わせた治療では5匹すべてが100日以上生き延びた。 CAR―T細胞療法は血液がんで劇的な効果が確認されているが、固形がんでの有効性は確立していない。渡辺さんは「ウイルスを加える今回の治療法は、固形がんでも効果を得る糸口になる。米国の臨床試験で安全性を確認した後、日本でも有効性を確認する臨床試験をしたい」と話す。(合田禄) ◇ 〈 CAR―T細胞療法 〉 患者から免疫細胞を取り出し、がんへの攻撃力を高めるように遺伝子操作して再び体内に戻す治療法。米国で昨年、世界に先駆けて急性リンパ性白血病で承認された「キムリア」は、1回の点滴で47万5千ドル(約5千万円)と高額なことでも話題になった。キムリアは製薬大手「ノバルティス」とペンシルベニア大のチームが共同開発した> とある。
がん治療に新手法、免疫療法と特殊ウイルスを組み合わせ 合田禄/朝日新聞/2018.04.06 - 12:59
新しいがんの治療法として注目されている「CAR(カー)―T(ティー)細胞療法」について、効果を高める可能性のある新たな手法を開発したと、米ペンシルベニア大の渡辺慶介研究員やカール・ジューン教授らのチームが、米医学誌「JCI insight」に発表した。膵臓(すいぞう)がんのマウスの生存期間が延びることを確認。1年以内に米国での臨床試験を始めたいという。
【 参照 】 <免疫細胞の攻撃力を遺伝子操作で高めるがんの免疫療法「CAR(カー)―T(ティー)細胞療法」について、肺がんなど固形がんの治療に効果を示す新手法を山口大学の玉田耕治教授らの研究チームが開発した。がん細胞をマウスに移植して確かめた。......>( 免疫療法、固形がんに効く新手法 山口大、マウス実験 服部尚( 朝日新聞 2018.03.06 03:50 ) )
CAR―T細胞療法は、患者の体内から免疫細胞を取り出し、遺伝子操作でがんを攻撃する力を高めた後、体内に戻す。米国で昨年、血液がんの一部で承認され、日本でも臨床試験が始まった。
新手法は、この細胞療法の前に、マウスに対し、がん細胞に感染して破壊しながら免疫細胞を活発にする特殊なウイルスを注射。二つの治療を組み合わせ、細胞療法の効果を高める。
研究では、細胞療法だけの場合や、ウイルスだけの場合だと、それぞれ5匹のマウスは全て70日以内に死亡。これに対し、組み合わせた治療では5匹すべてが100日以上生き延びた。
CAR―T細胞療法は血液がんで劇的な効果が確認されているが、固形がんでの有効性は確立していない。渡辺さんは「ウイルスを加える今回の治療法は、固形がんでも効果を得る糸口になる。米国の臨床試験で安全性を確認した後、日本でも有効性を確認する臨床試験をしたい」と話す。(合田禄)
◇〈 CAR―T細胞療法 〉 患者から免疫細胞を取り出し、がんへの攻撃力を高めるように遺伝子操作して再び体内に戻す治療法。米国で昨年、世界に先駆けて急性リンパ性白血病で承認された「キムリア」は、1回の点滴で47万5千ドル(約5千万円)と高額なことでも話題になった。キムリアは製薬大手「ノバルティス」とペンシルベニア大のチームが共同開発した。
<血液がんで劇的な効果が確認されているが、固形がんでの有効性は確立していない> とされるCAR―T細胞療法なのであるが、<固形がんでも効果を得る糸口になる> と期待されるのが、上記記事での "特殊ウイルス組み合わせ" のアプローチである。 臨床試験をはじめとし、高額薬価問題もあるゆえに、今後の道のりは長いかもしれないが、新たながん治療法として注目しておきたい...... (2018.04.09)
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