文化一般: 2011年7月 アーカイブ

 インターネットを通じた、"Google" 検索機能などが普及している時代環境は、やはり "特殊" だと感じざるを得ない。
 便利? それは間違いない。自分も昨今では、"Google" 検索サイトを辞書替りに使い、また "度忘れ" 復旧策としても頻繁に使っている。
 そして、ふと思うことは、"自分が覚えなくとも、ネットがすべて記憶している" ( "外部の記憶" )というように思う自分、極めて "他人任せ" になっている自分の不甲斐なさであろうか......。

 "嘆く(?)" ほどのことではないのかもしれないが、つらつら考えると、ちょっと "怖い" 事実かもしれないと気づくことにもなる。
 こうして、 "外部の記憶" に依存し尽くしてしまうと、一体、自分の "記憶" (= 感覚、思考 etc.)に秘められた "特殊性・独自性" はどうなるのだろう? というような点なのである。
 忘れかかっているのだから、どうせ大した "特殊性・独自性" ではないことは分かるが、それにしても、自身の記憶として留めた内容とそれに見合う外部に蓄積されたデータ・情報とが等しいとは考えにくい。まあ、"外部の記憶" に接することで、自身の "特殊性・独自性" でしかあり得ない自身の記憶が蘇ると見なすならば疑問はなくなるが......。




















 読書とは本来、プロセスを楽しみ、苦しみ、そのプロセスで自身の脳と心とが撹乱され、そこで崩れたバランスを急いで取り戻そうとするような、そんな結構 "ヤバイ経験" なのかもしれない。(自身の頭で考えるということは、どんな場合でも "ヤバイ経験" であろう!)だから、"読書" なんぞと軽々しく(?)呼び捨ててはいけないわけだ。少なくとも、語尾にワケがわからないにしても二文字を絡ませて、"読書体験" とでも言った方が良さそうである......。
 しかし、"本来の読書" というものは、書籍コンテンツにビルトイン(エンコード)されたお宝を、デコードし切る読み手側の "想像(想像)力" を大前提にしていたのではなかったかと思ったりする。
 ところが、現代人たちはそんな "古風なパワー" を持ち合わせているとは言い難い。TV画像に、会話音声などが一々字幕としてスーパーインポーズされるご時世であるから、より確かな知覚以外は用無しということになっていそうだ。"想像(想像)力" のような "リスキー(?)" さの塊(かたまり)みたいなパワーは視野の外へと追い出されていそうでもある。

 昨日は、アップルが "iTunes Store" に開設した「iTunes U」によって、"The Open University"/"開かれた大学" が実現されていることを書いた。
 "電子書籍" は個人的なエンターテイメントであっても一向に差し支えないだろう。だが、"電子書籍" という存在の本質を気に掛ける時、"The Open University" のイメージこそが、"電子書籍" の重要な姿を照らし出していると思えたのであった。
 自分自身もそうであるが、われわれはとかくIT関連などの新しいテーマに "商機" を見出そうとするものだ。有り体に言えば "稼ぎのネタ" として熱い眼差しを向けてしまうということ......。それもまた差し支えないことだろうと言うべきかもしれない。
 ただ、そうであっても、"電子書籍" という存在の本質を見間違うならば、"稼げる" どころか徒労に終わりかねないだろう。どんな場合でも、事の本質を探っておいて間違いはなさそうである。

 "モノ" と "情報" との大きな差異は、"モノ" を消費する場合には、"モノ" 自体が排他的に占有されたり、その挙句に消滅したりするのに対して、"情報" の消費(閲覧や読書をはじめとして様々な利活用)においては、"情報" 自体が消滅することにはならない。当然のことである。
 ただ、排他的に占有されることは大いにあり得る。それは、所有や市場の原理で動いている経済社会にあっては当たり前なことなのかもしれないが......。
 しかし、"情報" 自体の価値は、排他的に占有されてクローズ状態にある場合と、オープンに公開されて広く受け容れられる場合とでは、どちらが増殖的(増大しやすい)なのであろうか。
 今、頭の中にあるのは、"オープン・ソース" の OS であるあの "Linux" のことだ。一時はマイナーなイメージもあった "Linux" だが、"オープン・ソース" であったがゆえに、世界中の叡智を吸引することとなり、計り知れない価値増殖を遂げたわけだ。今、流行りの "Android" が、"Linux" で構成されていることを知る人も少なくないはずである。

 「ハーバード白熱教室」で知られたマイケル・サンデル教授の "白熱教室" ぶりの video 9巻が、アップルの "iTunes U(アイチューンズ・ユー)" から "無料" でダウンロードできるんですね。


―――― <マイケル・サンデル「ハーバード白熱教室 in JAPAN 東京大学 詳細 「ハーバード白熱教室 in JAPAN」NHK教育テレビ「ハーバード白熱教室」の講義や、早川書房「これからの『正義』の話をしよう」でも著名な、ハーバード大学マイケル・サンデル教授による講義を開催しました。この講義は、大学総合教育研究センター・NHK共催「ハーバード白熱教室 in JAPAN」として安田講堂にて行われ、身近な問題を題材に「正義」を論じる、3時間を超える対話型講義となりました。>( iTunes/iTunes Store/iTunes U より)

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