しかし、その "副作用" を危ぶむ声は無かったわけではないし、それが "がん免疫(細胞)療法" の研究と臨床への応用を促してたとさえ言える。
◆ 参照 当誌での "がん免疫療法" に関する記事
(1) <遺伝子組み換え麻疹ウイルスの有効量投与により、女性患者のがんを完全に消滅させたとの研究論文が14日、米医学専門誌「メイヨー・クリニック紀要」に発表された> ( がんワクチン治療:"遺伝子組み換え麻疹ワクチン"の高い投与量で、がん消滅!(米研究)/当誌 2014.05.18 )
(2) <"がん免疫(細胞)療法" は、従来からのがん治療の "三大療法"(除去手術/抗がん剤/放射線)とは一線を画している。 患者の体内に備わっている "免疫" システムを最大限に活用して、がん細胞を撃退するという点、そして "三大療法" が大なり小なりに伴う "副作用" が回避できるという点などに大きな特徴があると考えられている。 それだけに、この "がん免疫(細胞)療法" は、"がんの第4の治療法" として根強い期待を集めている......> ( "がん免疫(細胞)療法"/最近の各種動向一覧!最新:腫瘍細胞免疫回避の一要因 PD-L1!/当誌 2014.04.17 )
こうした状況にあって、今回注目する下記引用サイト記事 1 : 抗がん剤で死亡、病院に賠償命令 宮崎地裁判決 [宮崎県]/西日本新聞/2014.05.17 - 00:12 では、"抗がん剤で死亡" という事実にとどまらず、司法の観点から、"病院に賠償命令" という判決が下された、と報じている。
<宮崎市の女性=当時(70)=が乳がん治療中に死亡したのは、副作用の検査を十分にせず抗がん剤を投与されたことが原因として、夫など遺族が医療法人春光会(宮崎市、宮路重和理事長)を相手取り慰謝料など約8700万円を求めた訴訟で、宮崎地裁は16日、病院側の過失を認め約4900万円の支払いを命じた/ 判決理由で内藤裕之裁判長は「高齢で血糖値の高かった女性は、抗がん剤による副作用が起きる危険性が高かった。十分な検査をしないまま抗がん剤を投与した医師の行為は注意義務違反に該当」と指摘。「医師の行為と死亡には相当の因果関係がある」と判断/ 女性は2011年7月、同法人宮路医院で乳がん摘出手術を受け入院。放射線療法の後、再発防止のために抗がん剤治療を始めたが、10月27日、急性呼吸循環不全で死亡> とある。
なお、下記引用サイト記事 2 : 抗がん剤副作用?で4人死亡 肝炎や肺炎の症状/朝日新聞/2014.03.26 - 21:22 は、しばらく前に、<副作用とみられる報告例で、うち4人が死亡> という事実を報じていたものである。
<厚生労働省は26日、結腸がんや直腸がんの治療薬「スチバーガ錠」(バイエル薬品)を使った患者で、副作用とみられる劇症肝炎や間質性肺炎の報告が7例あり、うち4人が死亡したと公表した。昨年5月に発売され、推定使用者数は約2600人。医師向けの文書で注意を呼びかけた/ 厚労省によると昨年8月、結腸がんの30代女性が薬を飲んだ後に肝臓に障害が現れ、15日後に劇症肝炎で死亡。9月には直腸がんの60代男性に呼吸不全などの症状が出て、薬を中止してから15日後に間質性肺炎で死亡> とある。
"抗がん剤" の使用が "諸刃の剣" さながらのリスクを秘めていることを、改めて認識しておかなければならないのかもしれない......。
【 引用記事 1 】
抗がん剤で死亡、病院に賠償命令 宮崎地裁判決 [宮崎県]/西日本新聞/2014.05.17 - 00:12
宮崎市の女性=当時(70)=が乳がん治療中に死亡したのは、副作用の検査を十分にせず抗がん剤を投与されたことが原因として、夫など遺族が医療法人春光会(宮崎市、宮路重和理事長)を相手取り慰謝料など約8700万円を求めた訴訟で、宮崎地裁は16日、病院側の過失を認め約4900万円の支払いを命じた。
判決理由で内藤裕之裁判長は「高齢で血糖値の高かった女性は、抗がん剤による副作用が起きる危険性が高かった。十分な検査をしないまま抗がん剤を投与した医師の行為は注意義務違反に該当」と指摘。「医師の行為と死亡には相当の因果関係がある」と判断した。
判決によると、女性は2011年7月、同法人宮路医院で乳がん摘出手術を受け入院。放射線療法の後、再発防止のために抗がん剤治療を始めたが、10月27日、急性呼吸循環不全で死亡した。
=2014/05/17付 西日本新聞朝刊=
【 引用記事 2 】
抗がん剤副作用?で4人死亡 肝炎や肺炎の症状/朝日新聞/2014.03.26 - 21:22
厚生労働省は26日、結腸がんや直腸がんの治療薬「スチバーガ錠」(バイエル薬品)を使った患者で、副作用とみられる劇症肝炎や間質性肺炎の報告が7例あり、うち4人が死亡したと公表した。昨年5月に発売され、推定使用者数は約2600人。医師向けの文書で注意を呼びかけた。
厚労省によると昨年8月、結腸がんの30代女性が薬を飲んだ後に肝臓に障害が現れ、15日後に劇症肝炎で死亡。9月には直腸がんの60代男性に呼吸不全などの症状が出て、薬を中止してから15日後に間質性肺炎で死亡した。
つい先日、"全国のがん罹患数の統計" に関連して、以下のような "不思議(?)な叙述" を目にした。
<2010年に新たにがんにかかった人(罹患数)は、男性約46万8000人、女性約33万7000人で、合計で初めて80万人を超えました。......ただし、これは推計値であって実数ではありません。日本にはまだ正確ながん罹患数を把握する仕組みがないためです。......> ( がん罹患数...推計値から実数把握へ/ヨミドクター/2014.05.15 )
こうした状況下では、"抗がん剤治療" の実態のみならず、人々が知りたいに違いない "がん治療" のリアルな現状が、実のところクリア―ではないように思えるのだが...... (2014.05.20)
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