"抗癌剤職業曝露"の実態調査進む!やはり気になる!ここまで有害とされる抗癌剤の使用!?

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 一ヶ月ほど前に、"抗がん剤曝露" という話題について注目することがあった。

 その種類は別にして、診断結果として "がん宣告" を受けてしまうと、ほぼ "自動的に(!?)選択される" のが "抗がん剤治療(化学療法)" だと言われる。
 というのも、この "抗がん剤治療(化学療法)" が、多くの場合 "標準治療(お勧めコース?)" と定められているからだ。
 だが、最近では、この "抗がん剤治療(化学療法)" を拒む患者さんも現れているようなのだ。 それというのも、この "抗がん剤" の "副作用" がかなり "辛い!" ものであると同時に、"抗がん剤" 自体の "有害さ (毒性)!" が指摘されるようになってきたからである。
 ところで、この "有毒性!" に関して、妙に説得力を与えることになったのが、今回も再度注目する "抗がん剤職業曝露" という問題ではないかと思われる。
 医師や看護師、薬剤師らが、"意図せず接触、吸引" しただけでも "有害" と見なされ始めている "抗がん剤" の "毒性" が、"がん患者であれば、その使用はやむを得ない" とする判断は、どこかムリがあるように見えるのだが......。
 やや長い引用で恐縮ではあるが、◆ 当誌過去の "抗がん剤曝露" 関連記事 に、先に目を通していただきたい


 (1) <抗がん剤を取り扱う医療従事者の健康被害を防ごうと、医師や看護師、薬剤師らが「抗がん剤曝露(ばくろ)対策協議会」を設立し、危険性に関する啓発や汚染対策などの活動方針を28日までに公表/  抗がん剤は主に点滴で投与され、がん細胞だけでなく正常な細胞に対しても強い毒性がある。点滴液の交換時や患者の排せつ物の処理の際に触れたり揮発物を吸い込んだりして体内に入り、健康被害を起こす恐れが指摘されている。海外では看護師の血液中の白血球でDNA損傷が増えたとの報告もある/  協議会は今後、薬液が外部に漏れにくい器具を使用したり、ガウンや手袋の着用を徹底したりする安全対策を進めるよう呼び掛ける/  病棟の汚染状況や健康被害の実態調査もしたいとしている/  抗がん剤の運搬や投与を担当することの多い看護師に対策の必要性が十分に知られていないという。協議会理事長の垣添忠生国立がん研究センター名誉総長は「在宅医療で抗がん剤を使うケースも増え、家族が薬剤にさらされることもある。医療従事者に限らず、対策の意識を高めていきたい」と話した> ( 抗がん剤の強い毒性!医師/看護師/薬剤師ら「抗がん剤曝露(ばくろ)対策協議会」設立!/当誌 2014.06.30

 (2) 医療従事者の"抗がん剤曝露量"とは何?"抗がん剤"は"正常細胞"にも作用するため警戒?!/当誌 2014.06.27

 (3) <【 背 景 】 多くの抗がん剤は、がん細胞に対しては殺細胞作用がある一方、分裂している正常細胞に作用し、変異原性、催奇形性、発がん性がある医療従事者が抗がん剤に曝露する経路としては、エアロゾルの吸入、皮膚・目への付着、汚染された手指からの食物などを介した経口摂取などが考えられる。近年、医療従事者の抗がん剤曝露について啓発・予防が行われており、本院においても抗がん剤を安全に取り扱うための指針を作成した。しかし、医療従事者が実際どのくらい抗がん剤に曝露されているのかの調査報告は少ない>/  【 目 的 】 外来化学療法センターにおける環境中のシクロフォスファミド(CPA)フルオロウラシル(5-FU)を測定し、医療従事者の抗がん剤曝露リスクを明らかにする>/  【 結 果 】 測定箇所は全部で21箇所、うち8箇所(38%)から抗がん剤が検出された。CPAは男女トイレ床、病室入口と点滴棒下の床および看護師グローブの5箇所から検出された。特に男子トイレ床では、すべての測定日にCPAが検出され、1回平均217.6 ng/100cm2であった。5-FUは男子トイレ床、病室内PCマウス、薬剤トレイの3箇所から検出された> ( 抗がん薬の職業曝露 外来化学療法センターにおける抗がん剤環境曝露の現状/日本癌治療学会

 (4) < この取材のとき、「抗がん剤の恐さを知るには、これを見るのがいちばんです」と出してくれたのが、5-FU という日本で広く使われている抗がん剤の医師向け添付文書でした。...... ここにはカラー頁(64頁~)で示すように、冒頭いきなり「警告」と真っ赤な文字で大書された警告文が出てきます。
 医師向け添付文書というのは、その薬物の組成、効能、用法容量などが詳しく記された文書です。その文書によると 5-FU は高度に毒性が強い薬物で、用法をまちがえると、容易に死者を出しかねないということで(実際死者は沢山出ている)、いきなり真っ赤な警告文が出てくるわけです。そして「使用上の注意」の項には、「重篤な副作用」があらわれて、「致命的な経過をたどる」可能性に注意がうながされ、つづく「重大な副作用」の項には、「激しい下痢」「壊死性腸炎」「ショック、アナフィラキシー」「白質脳症(神経麻痺)」「神経梗塞、狭心症」「急性腎不全」「間質性肺炎」「胆管壊死」などなど命が幾つあっても足りなさそうな重大な副作用がズラリと十六項目も並んでいます。それを読んだだけで、こんな薬物絶対服用したくないと思います
 これはどういう抗がん剤かというと、RNA を破壊することによって、DNA の合成を阻害する薬です。あらゆる細胞増殖は DNA の情報を RNA が外部に持ち出して、その情報をもとに RNA がアミノ酸をかき集めてきて、タンパク質を合成するという形で行われていきます。具体的な作業は全部 RNA が行います。5-FU はその RNA を軒並み破壊するわけです。5-FU を使えば、確かに DNA 合成が止められ、細胞増殖は止まります。しかし同時に、RNA 破壊で体内のあらゆる細胞の働きが止まってしまうので、とんでもなく広範な副作用があらわれるわけです。近藤さんの『新・抗がん剤の副作用がわかる本』(三省堂)によると、5-FU が属するフルオロウラシル系抗がん剤が広く使われている( 数十万人に処方され数百億円の売上げになっている )国は、世界広しといえども日本だけで、欧米では全く使用されていないといいます。......
> ( 立花隆 NHKスペシャル取材班 『がん 生と死の謎に挑む』文芸春秋 2010.12.15。 なお同書は、NHK番組 "NHKスペシャル 2009年11月23日放送" と連動 )


 さて、今回注目する下記引用サイト記事抗癌剤曝露の定期的なモニタリングと曝露を軽減するための対策が必要、抗癌剤職業曝露の実態調査の結果【臨床腫瘍学会2014】/日経メディカル 癌Experts/2014.07.23 では、"抗がん剤職業曝露" の実態調査が進められた喫緊の事例が紹介されている

 <外来化学療法室における抗癌剤職業曝露の実態調査において、使用頻度・使用量が多い 5-FU について調査したところ、安全キャビネットの作業台、患者用トイレ、ミキシングを行った薬剤師のガウンと手袋から 5-FU が検出されたことがわかった。7月17日から19日まで福岡市で開催された第12回日本臨床腫瘍学会学術集会で、九州大学病院外来化学療法室の河野裕子氏が発表した/  抗癌剤の多くは、抗腫瘍作用のみでなく、発癌性や催奇形性といった有害な作用も有している。ごく少量の抗癌剤に間欠的に曝露した場合の人体への影響を前向きに立証することは困難であるが、医療従事者が抗癌剤を取り扱う際に、飛散や曝露を防止するための対策が必要と考えられる/  河野氏らは、抗癌剤を取り扱う現場の汚染リスクを評価し、今後の対策に役立てるため、抗癌剤曝露調査を行った。  同院では抗癌剤曝露防止マニュアルを作成、医療従事者に抗癌剤曝露を防止するための対策をとるよう奨励している/  医療従事者モニタリングの結果、 5-FU が検出されたのはミキシングを行った薬剤師のガウンと手袋だった。ミキシングを行っていない薬剤師の白衣、および医師と看護師の白衣からは検出されなかった。1日(2013/12/13)に 5-FU のミキシングを行った件数が8件、160.14gと最も多かった薬剤師のガウンからは、316.5ng/100cm2、手袋(1枚当たり)からは536755ng/100cm2が検出された/  河野氏は「今後、抗癌剤曝露について多く報告されているエンドキサンなど、他の抗癌剤についても調査を行い、モニタリングの指標となりうるか、検討が必要。今回の検討では測定期間が5日間×1回、1日間×2回であり、偶発的な数値である可能性も否定できない。今後も定期的にモニタリングを継続し、抗癌剤曝露を軽減するための対策を講じる必要がある」と考察した> とある。

 抗癌剤曝露の定期的なモニタリングと曝露を軽減するための対策が必要、抗癌剤職業曝露の実態調査の結果【臨床腫瘍学会2014】/日経メディカル 癌Experts/2014.07.23

森下紀代美=医学ライター

 外来化学療法室における抗癌剤職業曝露の実態調査において、使用頻度・使用量が多い 5-FU について調査したところ、安全キャビネットの作業台、患者用トイレ、ミキシングを行った薬剤師のガウンと手袋から 5-FU が検出されたことがわかった。7月17日から19日まで福岡市で開催された第12回日本臨床腫瘍学会学術集会で、九州大学病院外来化学療法室の河野裕子氏が発表した

 抗癌剤の多くは、抗腫瘍作用のみでなく、発癌性や催奇形性といった有害な作用も有している。ごく少量の抗癌剤に間欠的に曝露した場合の人体への影響を前向きに立証することは困難であるが、医療従事者が抗癌剤を取り扱う際に、飛散や曝露を防止するための対策が必要と考えられる

 河野氏らは、抗癌剤を取り扱う現場の汚染リスクを評価し、今後の対策に役立てるため、抗癌剤曝露調査を行った。
 同院では抗癌剤曝露防止マニュアルを作成、医療従事者に抗癌剤曝露を防止するための対策をとるよう奨励している

 2013年12月から2014年1月までに、外来化学療法室の環境曝露量(安全キャビネット、床など)、および外来化学療法室で勤務する医療従事者(医師、看護師、薬剤師)の曝露量について、サンプリングシート法を用いて測定した。対象薬剤は外来化学療法室で使用頻度・使用量が多く、抗癌剤曝露モニタリングの指標となりうると考えられる 5-FU とした。測定期間は5日間×1回、1日間×2回とした。

 サンプリングシート法とは、最近開発された抗癌剤曝露の新規曝露調査手法で、調査を行う場所にシートを貼付する。シートを貼付した時点からの汚染量が測定でき、時間設定も可能である。従来のワイプ法と比較して、抗癌剤の曝露量を正確かつ簡易に定量できる。

 今回の調査では、環境曝露量の調査には主に25cm×25cm、医療時従事者曝露量の調査には10cm×10cmのサンプリングシートを使用した。外来化学療法室の安全キャビネットの作業台・吸気部・床、点滴プライミング台、点滴スタンド付近の床、患者用トイレ、および医師・看護師の白衣、薬剤師のガウン・手袋を調査した。

 測定期間の5日間×1(2013/12/9-13)、1日間×2(2013/12/13、2014/1/24)において、 5-FU の使用量はそれぞれ58.372g、29.389g、25.724gだった。環境モニタリングの結果、 5-FU が検出されたのは安全キャビネットの作業台と床、点滴プライミング台、点滴トレー、患者用トイレの床だった。各測定期間の曝露量は、安全キャビネットの作業台ではそれぞれ93768ng/100cm2、66086.8 ng/100cm2、102.16 ng/100cm2、安全キャビネットの床では1.44 ng/100cm2、1.44 ng/100cm2、ND(検出限界以下)、点滴プライミング台では-、0.88 ng/100cm2、ND、点滴トレーでは-、53.8 ng/100cm2、3.6 ng/100cm2、患者用トイレの床では102.5 ng/100cm2、ND、NDだった。

 医療従事者モニタリングの結果、 5-FU が検出されたのはミキシングを行った薬剤師のガウンと手袋だった。ミキシングを行っていない薬剤師の白衣、および医師と看護師の白衣からは検出されなかった。1日(2013/12/13)に 5-FU のミキシングを行った件数が8件、160.14gと最も多かった薬剤師のガウンからは、316.5ng/100cm2、手袋(1枚当たり)からは536755ng/100cm2が検出された

 今回の調査結果を受け、外来化学療法室では複数の変更を行った。ごく少量ではあったが、 5-FU が検出された点滴プライミング台にはインフューザーポンプのはかりを設置していたため、場所を変更した。また、点滴トレーは、抗癌剤揮発を誘発する可能性があるアルコール清拭から環境クロスによる清拭に変更した。さらに、スタッフに結果のフードバックを行い、抗癌剤曝露に対する認識を高めるとともに、院内の化学療法に関する委員会などでも結果を報告し、抗癌剤曝露に対する意識の向上を高めている。

 河野氏は「今後、抗癌剤曝露について多く報告されているエンドキサンなど、他の抗癌剤についても調査を行い、モニタリングの指標となりうるか、検討が必要。今回の検討では測定期間が5日間×1回、1日間×2回であり、偶発的な数値である可能性も否定できない。今後も定期的にモニタリングを継続し、抗癌剤曝露を軽減するための対策を講じる必要がある」と考察した

( ※引用者注 ―― 文意を損なわないよう留意して割愛しています。)

 "抗がん剤(分子標的型も含む)" の原理は、端的に言えば「毒(抗がん剤)をもって、毒(がん細胞)を制す!」ということになりそうだが、問題は、"がん細胞" が "正常細胞" と多くの点で共通項(遺伝子など)を持つ点である、と危惧されている
 それがゆえに、"毒" の作用は "がん細胞" だけに留まらず、"正常細胞" にも損傷を与え、"がん化" を誘導(発がん作用!)する恐れさえあるようだ。
 だからこそ、医療関係の専門家たちは、"抗癌剤職業曝露" を警戒し有効な対策を講じようとしているわけだ
...... (2014.07.29)













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