人間の "持ち前の自然な能力" の、その盲点を衝くかのように、"振り込め詐欺" は卑劣な犯罪を続けている......。
言うまでもなく、"顔を突き合わせる" ならば "欺きようがない/欺かれようがない" にもかかわらず、その場面が外され "電話に置き換えられる" だけで、途端に危うくなってしまうのが人間......。
対面状況において、"相手の顔の識別" をしたり、"相手の顔の表情を了解" したりする "能力" は、やはり人間(霊長類?!)が進化の過程で培ってきた "持ち前の自然な能力" だと思われる。
◆ 参照 当誌過去の "脳と顔" 関連記事
(1) "脳は他者の顔を見る前から活動"していること(Early SPN)を"脳波"から確認(東工大)!/当誌 2014.06.05
(2) チンパンジーも人間と同様に"右脳使い顔を識別"!右脳には左側視野の映像情報が先に!/当誌 2013.08.17
今回注目する下記引用サイト記事 : 人は「相手の信頼度」を、瞬間的に判断している:研究結果/WIRED/2014.08.12 - TUE は、"顔" に関する、人間の "持ち前の自然な能力" についての研究を報じているが、"顔の識別能力" に加えて、"相手の信頼度" についても瞬時に感知してしまうのが人間なのだそうだ。
<われわれは、相手の顔を意識して見なくとも、その人が信頼できるかどうかを瞬時に判断している。脳の扁桃体の活動を追跡した神経科学者チームが、このような結論を導き出した。扁桃体は、意思決定、情動反応、記憶など、多くの社会的に重要な脳機能の処理にかかわる脳の領域だ/ ニューヨーク大学心理学部のジョナサン・フリーマン准教授が率いる研究チームは、脳がどれほど迅速に相手の信頼度を判断しているかを調べ、相手の顔を知覚的に意識することが判断を下すうえで必要かどうかを明らかにする研究を実施/ 研究では、被験者に一連の顔の画像を見せた。そのなかには、見た人に「信頼できる」という印象を与えることが明らかになっている顔の特徴(下がった眉と高い頬骨)をコンピューター合成によって強調した画像と、反対に「信頼できない」印象を与える特徴(吊り上がった眉と平らな頬骨)を強調した画像が混じっていた(リンク先に例あり)/ 実験では、被験者の脳活動をモニタリングしながら、逆向マスキングと呼ばれる手法を用いて顔画像を見せた 被験者が顔を意識的には認識できない状態にした/ 実験の結果、顔を意識的に見ることを妨害されたにもかかわらず、扁桃体の活動が観察され、扁桃体が顔の全般的な信頼度を追跡していることが示された/ 「今回の研究結果は、扁桃体による、意識を介さない社会的手がかりの処理が、これまで理解されていた以上の範囲で行われている可能性を裏付けている。扁桃体は、他者の顔から受ける信頼度を、その顔を意識的に知覚しなくとも評価することが可能なのだ」とフリーマン氏は述べている> とある。
人は「相手の信頼度」を、瞬間的に判断している:研究結果/WIRED/2014.08.12 - TUE
人間は、相手が信頼できる人物かどうかを、その顔を意識して見なくとも瞬時に判断していることが、脳の扁桃体の活動を追跡することで明らかになった。
EXT BY LIAT CLARK
IMAGE BY SHUTTERSTOCK
TRANSLATION BY TOMOKO TAKAHASHI/GALILEO
WIRED NEWS(UK)
人の価値が「見た目」なのか「中身」なのかはさておき、いい人ほど損をするという研究結果も発表されている。PortraitPortrait from Shutterstock
われわれは、相手の顔を意識して見なくとも、その人が信頼できるかどうかを瞬時に判断している。脳の扁桃体の活動を追跡した神経科学者チームが、このような結論を導き出した。扁桃体は、意思決定、情動反応、記憶など、多くの社会的に重要な脳機能の処理にかかわる脳の領域だ。
ニューヨーク大学心理学部のジョナサン・フリーマン准教授が率いる研究チームは、脳がどれほど迅速に相手の信頼度を判断しているかを調べ、相手の顔を知覚的に意識することが判断を下すうえで必要かどうかを明らかにする研究を実施し、このほどその成果を「Journal of Neuroscience」誌に発表した。
研究では、被験者に一連の顔の画像を見せた。そのなかには、見た人に「信頼できる」という印象を与えることが明らかになっている顔の特徴(下がった眉と高い頬骨)をコンピューター合成によって強調した画像と、反対に「信頼できない」印象を与える特徴(吊り上がった眉と平らな頬骨)を強調した画像が混じっていた(リンク先に例あり)。また、研究チームの想定が正しいことを確認するため、それとは別のグループにすべての顔画像を見せて信頼度を評価させた。
実験では、被験者の脳活動をモニタリングしながら、逆向マスキングと呼ばれる手法を用いて顔画像を見せた。逆向マスキングとは、認知実験に用いられる手法で、ふたつの画像、または「ひとつの画像と別の種類の刺激」とを素早く連続的に提示することで、先に提示した刺激を後の刺激に妨害させることだ。この実験では、顔画像を提示したあと瞬時に別の刺激を提示することで、被験者が顔を意識的には認識できない状態にした。
実験の結果、顔を意識的に見ることを妨害されたにもかかわらず、扁桃体の活動が観察され、扁桃体が顔の全般的な信頼度を追跡していることが示された。
「今回の研究結果は、扁桃体による、意識を介さない社会的手がかりの処理が、これまで理解されていた以上の範囲で行われている可能性を裏付けている。扁桃体は、他者の顔から受ける信頼度を、その顔を意識的に知覚しなくとも評価することが可能なのだ」とフリーマン氏は述べている。
"相手の顔の識別" も同様の事情なのだろうと思われるが、このような<「相手の信頼度」を、瞬間的に判断>する能力もまた、"社会性(協調にせよ闘争にせよ...)" で特徴づけられる人間が、長い進化の過程で形成してきた資質なのであろう...... (2014.08.14)
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