がん治療のジャンルでは、昨今しばしば "終末期" の "緩和ケア(緩和医療)" ―― 併せて "QOL(Quality of life, 生活・人生の質)" ―― という言葉を目にするようになった。
"緩和" という言葉が意味するように、"がんの痛み" の問題が比重を占めるとともに、"死" や "人間の尊厳" の問題にも深く関係していると思われる。
◆ 参照 当誌過去の "終末期" 関連記事
(1) がんの痛み取り除く治療「日本は先進国では最低水準」!必要以上に麻薬を怖がる風潮?!/当誌 2015.02.10
(2) "がん患者":高い自殺危険性(約20倍)!患者や家族へのサポート体制の充実を求める声!/当誌 2014.04.24
今回注目する下記引用サイト記事 : 終末期のがん治療は変わるか!?京大が生存率を80―90%の精度で予測する手法開発 最適な治療を提供。客観的な判断基準としての活用目指す/ニュースイッチ 日刊工業新聞/2015.10.01 は、"終末期" のがん治療のあり方に多大な影響を与えるであろう「予後」の "予測" を行う新手法について伝えている。
<京都大学大学院医学研究科の奥野恭史特定教授らの研究グループは、がん患者の病気の進行具合や生存率を80―90%の精度で予測できる手法を開発した。患者の血液から得られる3種類の検査値を組み合わせて算出し、98年から京大病院が記録している5000人以上のがん患者の検査値で予測モデルを構築した。終末期の患者に最適な治療を提供する客観的な判断基準として活用が期待される> と報じている。
< 京都大学大学院医学研究科の奥野恭史特定教授らの研究グループは、がん患者の病気の進行具合や生存率を80―90%の精度で予測できる手法を開発した。患者の血液から得られる3種類の検査値を組み合わせて算出し、98年から京大病院が記録している5000人以上のがん患者の検査値で予測モデルを構築した。終末期の患者に最適な治療を提供する客観的な判断基準として活用が期待される。 生存期間1カ月を90%以上、同3カ月を80%以上の精度で予測できるという。データとして電子カルテに入力すればより客観的な判断ができるようになる。従来の予測モデルでは2カ月以上先の生存予測は難しく、精度は最高でも70%にも満たなかった。担当の医師の主観的な判断に左右されるなどの課題が指摘されていた。 終末期の患者には、病気の進行具合や治療の効果、生存できる確率などの医学的な見通しである「予後」の通知が必要となる。最適なタイミングでの緩和医療への移行や、医薬の治験を実施する際のリスク回避に、今回の予測モデルを役立てられるという。また、不適切な治療の継続で生じる医療費の無駄を削減するための判断基準としての活用も見込める。 京大病院の武藤学教授は「医師の先入観を排除し、普遍的な判断ができるようになる」と話す。今後は他の医療機関の患者から得た検査値を当てはめ、予測精度の安定性と有効性を実証する必要があるとしている。 日刊工業新聞2015年10月01日 科学技術・大学> とある。
終末期のがん治療は変わるか!?京大が生存率を80―90%の精度で予測する手法開発 最適な治療を提供。客観的な判断基準としての活用目指す/ニュースイッチ 日刊工業新聞/2015.10.01
京都大学大学院医学研究科の奥野恭史特定教授らの研究グループは、がん患者の病気の進行具合や生存率を80―90%の精度で予測できる手法を開発した。患者の血液から得られる3種類の検査値を組み合わせて算出し、98年から京大病院が記録している5000人以上のがん患者の検査値で予測モデルを構築した。終末期の患者に最適な治療を提供する客観的な判断基準として活用が期待される。
生存期間1カ月を90%以上、同3カ月を80%以上の精度で予測できるという。データとして電子カルテに入力すればより客観的な判断ができるようになる。従来の予測モデルでは2カ月以上先の生存予測は難しく、精度は最高でも70%にも満たなかった。担当の医師の主観的な判断に左右されるなどの課題が指摘されていた。
終末期の患者には、病気の進行具合や治療の効果、生存できる確率などの医学的な見通しである「予後」の通知が必要となる。最適なタイミングでの緩和医療への移行や、医薬の治験を実施する際のリスク回避に、今回の予測モデルを役立てられるという。また、不適切な治療の継続で生じる医療費の無駄を削減するための判断基準としての活用も見込める。
京大病院の武藤学教授は「医師の先入観を排除し、普遍的な判断ができるようになる」と話す。今後は他の医療機関の患者から得た検査値を当てはめ、予測精度の安定性と有効性を実証する必要があるとしている。
日刊工業新聞2015年10月01日 科学技術・大学
「予後」の予測に関する判断において、<「医師の先入観を排除し、普遍的な判断ができるようになる」> ことは想像以上に重要なことだと思われる。
概して、 "医療機関サイド" の主導で事が進められ、"患者サイド" が "蚊帳の外" に置かれがちだとも言われる現状がある。 それゆえ、<不適切な治療の継続で生じる医療費の無駄を削減するための判断基準としての活用も見込める> との指摘も尤もかと思える...... (2015.10.02)
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