がんの薬 "ニボルマブ" が、"がん細胞の影響で抑えられていた免疫を再び活性化させる新しいタイプ" の抗がん剤であること、また、その副作用に注意が必要なことについてもすでに報じられてきた。
◆ 参照 当誌過去の "ニボルマブ" 関連記事
(1) <厚生労働省は15日、皮膚がんの一種「メラノーマ」の治療薬「オプジーボ」(一般名・ニボルマブ)を投与された患者1人が、全身の筋力が低下する「重症筋無力症」を発症して死亡したとして、製造販売元の小野薬品工業(大阪市)に対し、薬の説明文書を改め、医師らに注意を呼びかけるよう指示した。この薬は、がん細胞の影響で抑えられていた免疫を再び活性化させる新しいタイプで、昨年7月に承認された。......> ( 皮膚がん治療薬"ニボルマブ"投与の患者が"重症筋無力症"で死亡!厚労省が注意指示!/当誌 2015.09.17 )
(2) <(京大)小西郁生教授(産科婦人科)らは、患者20人を対象に、がん細胞が免疫を止めるのを妨げる薬剤「ニボルマブ」を2週間ごとに最長1年間使った。その結果、2人でがんが完全に消え、半年経っても再発していないという。別の1人はがんが3割以上小さくなった。 発熱や静脈に血の塊が詰まる重い副作用が2人でみられたが、全体的には従来の抗がん剤と比べて軽かったという。 ニボルマブはメラノーマ(悪性黒色腫)の抗がん剤として承認されている。製造販売する小野薬品工業は肺がんの多くを占める非小細胞肺がんへの適応を申請中。尿路上皮がんでは臨床試験を始めており、今回の結果を受け、卵巣がんでも臨床試験を準備している。 京大の研究責任者、浜西潤三助教は「効果はあるが、どの患者に効くかを事前に判断する方法の開発が重要」と話している。> ( "卵巣がん"に、"免疫細胞を支援する"抗がん剤「ニボルマブ」が効果!(京大)/当誌 2015.09.12 )
今回注目する下記引用サイト記事 : がんの薬、認知症に効果か マウス実験で可能性示す/共同通信/2016.01.19 - 01:00 は、 <がんの治療薬にも応用されている抗体をアルツハイマー病に似た症状を発症するマウスに注射すると、脳神経に有害なタンパク質の蓄積や、学習・記憶能力の低下が抑えられたとの実験結果> について報じている。
<......イスラエルのワイツマン科学研究所のチームが米医学誌ネイチャーメディシン電子版に18日発表した。 この抗体は「抗PD1抗体」。白血球によるがん細胞への攻撃を促進する新薬「ニボルマブ」として実用化され、皮膚がんや肺がんに効果が示されている。 今回は、がんに対する作用とは別に、アミロイドベータという有害タンパク質を除去する働きを持つ白血球の一種を、脳内に呼び込んだとチームはみている。> とある。
がんの薬、認知症に効果か マウス実験で可能性示す/共同通信/2016.01.19 - 01:00
がんの治療薬にも応用されている抗体をアルツハイマー病に似た症状を発症するマウスに注射すると、脳神経に有害なタンパク質の蓄積や、学習・記憶能力の低下が抑えられたとの実験結果を、イスラエルのワイツマン科学研究所のチームが米医学誌ネイチャーメディシン電子版に18日発表した。
この抗体は「抗PD1抗体」。白血球によるがん細胞への攻撃を促進する新薬「ニボルマブ」として実用化され、皮膚がんや肺がんに効果が示されている。
今回は、がんに対する作用とは別に、アミロイドベータという有害タンパク質を除去する働きを持つ白血球の一種を、脳内に呼び込んだとチームはみている。
冒頭の関連記事にもあるとおり、"ニボルマブ" には重篤な副作用も警戒されているため、楽観的な期待はできないとしても、新しい可能性の展開として研究の推移を見守りたい...... (2016.01.20)
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