"遺伝子操作" でにわかに注目を集め始めている "ゲノム編集" である。 ただ、将来の治療への応用が期待されてはいるものの、これまで、"人体への応用" は始まっていなかった。
◆ 参照 当誌過去の "ゲノム編集" 関連記事
(1) <政府の生命倫理専門調査会は22日、遺伝子を効率的に改変できる「ゲノム編集」で人の受精卵を操作する基礎研究は容認できるとの考え方をまとめた。ただし、受精卵の遺伝子異常を修正して子宮に戻すような臨床利用は現時点で認められないとした......> ( 政府生命倫理専門調査会、"ゲノム編集"での人の受精卵改変を容認!基礎研究のみ/当誌 2016.04.24 )
(2) <......ゲノム編集は従来の遺伝子組み換え法よりも、はるかに効率よく遺伝子を変えられるのが特徴だ。ただ受精卵に行うと、改変した遺伝子が次世代に受け継がれる可能性があり、倫理的な問題が指摘されている> ( "ゲノム編集"でヒト受精卵の遺伝子を改変、2例目!中国のチーム!倫理的問題が指摘!/当誌 2016.04.11 )
今回注目する下記引用サイト記事 : 「ゲノム編集」初の人体応用 中国で肺がん患者に/日本経済新聞/2016.11.16 - 10:24 は、 <【ワシントン=川合智之】 英科学誌ネイチャー(電子版)は15日、中国・四川大学の研究グループが生物の遺伝子を自在に改変する「ゲノム編集」技術を初めて人間の患者に適用したと報じた。ゲノム編集は将来の治療への応用が期待されるが、人体への応用は始まっていなかった> と報じている。
<......研究グループは10月28日に実施した臨床試験で、肺がん患者の血液から細胞を取り出し、免疫反応をつかさどる遺伝子を「クリスパー・キャス9」と呼ぶゲノム編集技術で操作。がん細胞を攻撃するように改変し、患者に戻した。経過は順調で、近く2回目の治療を実施するという。 病院の生命倫理委員会の承認を得て実施したとしている。研究グループは計10人に対し同様の試験をする計画で、6カ月間経過を観察して安全性を確かめる。 ゲノム編集は従来の遺伝子組み換えと比べ、狙った遺伝子を格段に高い精度で操作できる。米国では来年早々にもペンシルベニア大が臨床試験を計画している。一方、昨年4月には中国の別の研究チームがヒト受精卵でゲノム編集を実施したと発表、子供に副作用が遺伝する生命倫理上の問題があると論争になった> とある。
「ゲノム編集」初の人体応用 中国で肺がん患者に/日本経済新聞/2016.11.16 - 10:24
【ワシントン=川合智之】
英科学誌ネイチャー(電子版)は15日、中国・四川大学の研究グループが生物の遺伝子を自在に改変する「ゲノム編集」技術を初めて人間の患者に適用したと報じた。ゲノム編集は将来の治療への応用が期待されるが、人体への応用は始まっていなかった。研究グループは10月28日に実施した臨床試験で、肺がん患者の血液から細胞を取り出し、免疫反応をつかさどる遺伝子を「クリスパー・キャス9」と呼ぶゲノム編集技術で操作。がん細胞を攻撃するように改変し、患者に戻した。経過は順調で、近く2回目の治療を実施するという。
病院の生命倫理委員会の承認を得て実施したとしている。研究グループは計10人に対し同様の試験をする計画で、6カ月間経過を観察して安全性を確かめる。
ゲノム編集は従来の遺伝子組み換えと比べ、狙った遺伝子を格段に高い精度で操作できる。米国では来年早々にもペンシルベニア大が臨床試験を計画している。一方、昨年4月には中国の別の研究チームがヒト受精卵でゲノム編集を実施したと発表、子供に副作用が遺伝する生命倫理上の問題があると論争になった。
<肺がん患者の血液から細胞を取り出し、免疫反応をつかさどる遺伝子を「クリスパー・キャス9」と呼ぶゲノム編集技術で操作。がん細胞を攻撃するように改変し、患者に戻した> とある。 がん細胞に対する "免疫チェックポイント" という、"現在、注目されつつ研究進行中のテーマに関わる遺伝子" への操作ではないかと思われる。 "副作用" などが発症しないことを祈るばかりだ...... (2016.11.18)
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