"iPS細胞" から、がん細胞などを攻撃する "免疫細胞"(キラーT細胞) を作り、がん治療にあたる、といった試みはすでに実施されている。
◆ 参照 当誌過去の "iPS細胞 免疫細胞" 関連記事
(1) <京都大学iPS細胞研究所の金子新准教授は9日、京大が備蓄するヒトのiPS細胞からがんを攻撃する免疫細胞を作り、マウスに移植して治療効果を確かめたと発表した。患者に移植すれば様々ながんを治療できる可能性がある。備蓄細胞を使うことで患者自身のiPS細胞を使うより治療費を数分の1以下に抑えられる。数年以内に臨床試験(治験)を目指す......> ( "備蓄iPS細胞"由来の"免疫細胞"でがん治療の効果! コスト数分の1以下に抑制!(京大)/当誌 2017.03.13 )
(2) iPS細胞 "がん殺傷免疫細胞"を作製成功!(京大ウイルス・再生医科学研究所グループ)/当誌 2016.11.23
(3) iPSで「新型」免疫細胞=再生iNKT細胞を作製!がんを直接攻撃/免疫機能の向上!(京大)/当誌 2016.02.11
今回注目する下記引用サイト記事 : iPS細胞から免疫細胞を作製 京都薬大、難病治療に寄与も/新聞社/2017.07.19 - 22:12 は、 <京都薬科大の高田和幸准教授らは19日、母親の子宮の中で胎児が成長する時期にできる免疫細胞の一種を人のiPS細胞から作ったと発表した。この免疫細胞を使えば、呼吸困難を起こす肺胞たんぱく症や、周期的に発熱と胸部の痛みを繰り返す地中海熱など、珍しい難病の治療につながる可能性がある> と報じている。
<......作製したのは「マクロファージ」と呼ぶ細胞。人の様々な臓器にはマクロファージがすみ着いており、細菌などを追い払う役割をする。この細胞は母親の胎内にいる時にも作られることが最近の研究でわかってきた。 研究チームは、胎児の初期に卵黄のうと呼ぶ部分で血液が作られる機能をiPS細胞で再現、マクロファージを作った。作製したマクロファージを肺胞たんぱく症のマウスに投与したところ、症状が改善した。この難病は肺でマクロファージがうまく育たなくなることが原因で起きると考えられており、症状の改善は投与した胎児のマクロファージが肺にすみ着いたためとみている> とある。
iPS細胞から免疫細胞を作製 京都薬大、難病治療に寄与も/新聞社/2017.07.19 - 22:12
京都薬科大の高田和幸准教授らは19日、母親の子宮の中で胎児が成長する時期にできる免疫細胞の一種を人のiPS細胞から作ったと発表した。この免疫細胞を使えば、呼吸困難を起こす肺胞たんぱく症や、周期的に発熱と胸部の痛みを繰り返す地中海熱など、珍しい難病の治療につながる可能性がある。
作製したのは「マクロファージ」と呼ぶ細胞。人の様々な臓器にはマクロファージがすみ着いており、細菌などを追い払う役割をする。この細胞は母親の胎内にいる時にも作られることが最近の研究でわかってきた。
研究チームは、胎児の初期に卵黄のうと呼ぶ部分で血液が作られる機能をiPS細胞で再現、マクロファージを作った。作製したマクロファージを肺胞たんぱく症のマウスに投与したところ、症状が改善した。この難病は肺でマクロファージがうまく育たなくなることが原因で起きると考えられており、症状の改善は投与した胎児のマクロファージが肺にすみ着いたためとみている。
上記記事の研究成果での注目点は、<研究チームは、胎児の初期に卵黄のうと呼ぶ部分で血液が作られる機能をiPS細胞で再現、マクロファージを作った> という点なのであろう。 ただ、"iPS細胞由来の細胞" の細胞作製の課題は、"(安全性)と効率性" だとも言われるため、その点がどうかにも目が向く...... (2017.07.22)
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