この17日の "ギリシャ再選挙" の行方を、世界の眼は "崖っぷち" の "ユーロ圏" を、"戦々恐々とした空気" の中で見守っている。
"ギリシャ再選挙" の展開もさることながら、「ギリシャの銀行からの預金引き出しが加速―1日8億ユーロ近く」/THE WALLSTREET JOURNAL/2012.06.14 )という報道や、ギリシャに止まらず「ムーディーズがスペインを3段階格下げ、銀行救済で財政悪化へ」/REUTERS/2012.06.14 といった報道まで飛び出し、 "ユーロ圏の財政破綻問題" は破綻寸前の様相を呈している。
ところで、"世界の衆目を集めている" ユーロ圏は確かに "大変なこと" になっているのは間違いない。しかし、"世界の衆目" を集めていなければ、"大変なこと" ではない、という感覚は果たして正常なのだろうか......。
つまり、ユーロ圏よりも<はるかに財政事情が悪い日本>( 下記引用サイト記事: 「欧州より日本の国債が心配だ」 フジマキ・ジャパン社長 藤巻健史氏/日本経済新聞/2012.06.14 )の問題のことなのである。
こうした視点への共感は、以前にも大前研一氏の所論に触発されて書いたことがある。
◆参照 ギリシャ危機に酷似する日本の財政赤字/事業仕分けからバラマキ策緊急停止へ!( 当誌 2010.05.24 )
だが、現時点でのギリシャの破綻寸前状態を目の当たりにしてみると、もはや予断を許さないところにまで来ているかと思われる。
なぜ、"大変なこと" に立ち至っているこの日本の "財政事情" に対して、"世界の衆目" が集まらないのか、その理由を次のように理解してみたらどうであろうか......。
<彼の国々よりも、はるかに財政事情が悪い日本のことを世界は無視しているし、騒いでもいない。なにせ日本国債の93%は日本人が保有しているのだから日本がこけても彼らは直接的な被害を受けない。損をするのは日本人だけだ。「勝手にこければ~」というところだろうか。......騒がれていない日本の方が、実は、よほど危機が身近に迫っている......>( 下記引用サイト記事より )
別に、あえて悲観視しているつもりもないのだが、今の日本は、余りにも世界の現行市場原理を度外視した、まるで "共同幻想" に踏みとどまっているかのようで慄然とさせられるのだ......。
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