社会一般: 2012年7月 アーカイブ

 昨日に引き続き "若年失業" という重い課題を取り上げたい。今回、焦点となる事柄は "産業空洞化" である。これに伴っていわば "国内採用空洞化" という現象が発生し、若年層の就職を困難なものにしているという構図である。
 この点については、以前にも次のように書いたことがある。

< グローバリズム経済が驀進する中で、グローバル企業をはじめとする少なくない企業が「国内採用抑制、海外採用増」に踏み切っているという事実についてである。  そして、その理由が、<今の日本の大学から出てきた人材を率先して採用していたら、会社は間違いなく滅びるからだ。......要は、玉石混交どころか石しか出てこない日本の大学から誰が採るか、という話なのだ。>(大前前掲箇所)といった、日本の大学生たちの "実力水準" 問題にあることに注意を向けた。

 しかし、日本の大学生たちの "実力水準" 問題云々以前に、"よりベーシックな問題" が横たわったいる現実に意を払わざるを得ないようである。
 いわば、経済グローバリゼーションの本格化によって、日本の基幹産業が生産拠点を海外に移動させるという事態、即ち "日本(産業)空洞化!" の現象のことである。この傾向が強まっていくならば、新規採用人材の "実力水準" 問題が理由となるよりも前に、ますます「国内採用抑制、海外採用増」という流れが固定化するからだ。いやそうなると、人材採用問題に止まらず、産業構造とその全体状況自体が、スカスカ状態へと "空洞化" および "シュリンク(収縮)" して、国内経済とその周辺は最悪の状態へと下降して行くことになりかねない.......。>
日本(産業)空洞化!/"就職氷河期"半永久化促進?/高い法人税納付の理由が乏しい?( 当誌 2010.05.31 )


 こうした "日本(産業)空洞化!" に伴う「国内採用抑制、海外採用増」の流れが、いよいよ "固定化" してきたこと、これによって、現時点での "若年失業" が悪化の一途を辿っていると理解できる。
 下記引用サイト記事:新たな雇用 どう創る 働けない 若者の危機 第1部 鳴り響く警鐘(5)/日本経済新聞/2012.07.20 は、この実情について報じている。
 <ITは日本の雇用確保に一定の役割を果たしたが、手放しでは喜べない>、<先進国は企業の成長が国内の雇用確保に直結しない難しい時代に入る>というのが、シビァな現実だとされている。
 これもまた、"問題先送り体質" によって "日本(産業)空洞化!" 傾向にタイムリーに手を打つことなく、"放置" してきた国の産業政策の "ツケ" ではなかろうか......。




















 このうだる暑さの中、子どもが三人、忙しそうに "作業" をしている。まるで繁忙時間帯の食品工場や外食店厨房での職員さながらの動きだとでも言うべきか......。

 そんな光景に目が奪われたのは、自転車で近くの書店に出向いた帰り途であった。広い公園のグラウンドには、この暑さだから人っ子ひとり遊んでいない。そうだろうなぁ、と頷いたものだ。
 と、視界の隅から、奇妙な光景が飛び込んできた。公園の隅の一角に設えられた砂場である。その砂場は、銭湯にありがちな楕円状の湯船のような形状であったが、その縁石の上に、何と、ぐるり一周、黒々とした "砂の塊" が並べ尽くされていたのだ。
 それらが何であるかは、言うに及ばない。砂場の中でテキバキと蠢く子どもたち三人の "仕業、成果物" 以外ではなかった。

 小学3年生くらいの女の子を筆頭にして、ほかに年端の行かない子、妹と弟であろうか、その二人を含む三人が "砂饅頭" とでも思われるものを "製造" していたのだ。
 この暑さであり、通常ならば砂は乾き切っていたはずだ。だが、昨夜まで、激しい雨が降り続いていた。砂場は、やや掘り起こせば、表面の砂の下には雨水を含んだ黒い砂が "製造待ち" の状態になっていたのだ。

 "こういった話題" は、できればパスしておきたいと感じてしまう。というのも、すでに大半の人々が実感している事実であろうし、また、書いたからといって何がどうなるのか? という虚しさもつきまとう。むしろ、"こういった話題" 自体を氷解させることに繋がる "建設的話題"(景気刺激的話題?)にこそ目を向けたくもなる。それが大方の感じ方かもしれない。
 しかし、そうこうしているうちに、"貧乏,貧困"がゾンビさながらに蘇りつつある?! かのような雲行きとなってしまった。

平均所得は、平成6年の664万2000円をピークに減少傾向が続いていて、おととしは平成に入ってから最も低くなりました。......生活が苦しいと感じている世帯は全体の60%を超えている......>( 下記引用サイト記事:世帯の平均所得 平成で最低に/NHK NEWS WEB/2012.07.06より )

 この日本は、"貧乏,貧困" という言葉からは "自由" となったはず!
 なのに今では、下降し続ける "平均所得" をはじめとして、破れまくった "セーフティネット"、そして何よりも象徴的なのが過去最多の記録更新中( 152万1484世帯、209万7401人 [2012年2月] )の "生活保護" 件数! とても "貧乏,貧困" という言葉を死語として忘れ去れる社会状況ではなくなった。
 言うまでもなく、"貧乏,貧困" は自然現象や個人努力・個人責任の範疇の問題を超えて、政治・経済・社会全体に起因しているのだが......。
 挙句の果てに、あたかも "貧乏,貧困" を一掃したかのような "フェイク(偽物)" な空気がこの社会を見事に覆い尽くしている......。

 もうそろそろ、"経済性偏重" から覚醒して、事態を "自然に観察" できないものかと思わざるを得ない。"福島原発事故" で悲惨な経験をしながらも、"電力不足" に名を借りて、"リスク評価・精査" もそこそこに、ズルズルと "原発再稼働" へと滑り込む政府が情けなく思えてならない。

 今日は、下記二点のサイト記事に注目してみた。
 【 引用記事 1 】原発と核兵器のリスク上昇:『サイエンス』誌掲載/WIRED JAPANESE EDITON - SCIENCE/2012.06.26
 【 引用記事 2 】膨れあがる再稼働反対 官邸前デモ/東京新聞/2012.06.30

 <関西電力大飯(おおい)原発>について、<関電は七月一日に3号機の原子炉を起動する準備を進めており>とある。
 "過信されている原発のリスク"を知る者は、科学者と庶民だけ?! という率直な思いが募る。
 そして、何をか言わんやという思いの中で、浮かんでくるのは、あの "ポスター"の悲嘆である。(<脱原発ポスター、ネットに広がる>「事故が起きても 助けないくせに」共感!( 当誌 2011.09.19 )

2020年12月

    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31    














関連サイトへのリンク


  • 電子書籍(eBooks)制作にフォーカスしたサイト
  • 明けない夜はないことを確信するサイト
  • Green(地球環境改善)にフォーカスしたサイト
  • ソフトウェア技術者やSEのための評価と育成、人事考課制度を考えるサイト
  • さまざまな業種・業態でご利用可能なモバイル活用の予約システム!
  • 創作小説『海念と保兵衛』のサイト
  • 創作小説『かもめたちの行方』のサイト
  • 当ブログ推奨の商品を展示したAmazon ストアー!
  • 当AdhocBlogブログの過去のエントリー
  • 株式会社アドホクラット当時のサイト

★売れ筋! No.1!
家庭用"放射線測定器"

日本通信 bモバイルWiFi ルータ+1 ヶ月定額SIM BM-U300W-1M
価格:¥ 20,208
国内配送料無料 Amazon





このアーカイブについて

このページには、2012年7月以降に書かれたブログ記事のうち社会一般カテゴリに属しているものが含まれています。

前のアーカイブは、
 社会一般: 2012年6月
です。

次のアーカイブは、
 社会一般: 2012年8月
です。

最近のコンテンツは、
 インデックスページ
で見られます。

過去に書かれたものは、
 アーカイブのページ
で見られます。

年月別アーカイブ

最近のトラックバック