① "50章" で構成した小説の目次冒頭部分 |
② "50章" で構成した小説の目次末尾部分 |
インターネットにおいて "Web ページ" での "インタラクティブ性" を堪能している者にとって、"電子書籍" の存在はどう映るのだろうか。
ひょっとしたら、"Web ページ" のダイナミズムにに対して、"電子書籍" は "静的" だと感じて不満を持つ人も少なくないのかもしれない。
と言っても、"Web ページ" が多用しているマルチメディアなどが、"電子書籍" には希薄だと言っているのではない。"書籍" という文章主体の構成に、果たしてマルチメディアが必要なのかというテーマもある。
しかし、いつも思うのだが、"リンク機能"(書籍内であれ、書籍外ネットへのリンクであれ)については、もっと適時活用されていいのではないかと......。かつても以下のように強調した。
< つまり、"書籍" (=読書)というものは、どのページを取り上げても、どの言葉を取り上げても、要するにどの部分を取り上げてみても、決して閉じたかたちで "孤立" してはいないわけだ。網の目のような "相互関係" (リンケージ)で充ち充ちている。
この辺の事情が、"ハイパーリンク、ハイパーテキスト" (※ 1.)という視点の大元になっているのであろう。
......"紙の書籍" が "電子書籍(eBook)" へと変貌を遂げようとしている今、"電子書籍(eBook)" は、"紙の書籍" がその構造ゆえに引き摺ってきた "制約" (言葉や各部分などの間の相互関係付けが苦手?)を乗り越えて、"ハイパーリンク、ハイパーテキスト" の視点を豊穣に実現すべきではなかろうか、と思うのだ。少なくとも、である。
"電子書籍(eBook)" が、単に "紙の書籍" と同様に "字面" を電子的に再現するだけでは、余りにもシステム的貧困だとしか言えないような気がする。
既に "Web ページ" で実現されている水準の "ハイパーリンク" 性の実現を推進してこそ、"電子書籍(eBook)" としての面目躍如たるものがあると言えそうである。......
いかに、多彩な "マン・マシン・インターフェイス" の "インタラクティブ" 機能が実現されたとしても、"ハイパーリンク、ハイパーテキスト" という視点での "インタラクティブ" 面が貧弱であれば、"電子書籍(eBook)" の読者を失望させることになりかねないと思われる。>(<"電子書籍(eBook)"こそは"ハイパーリンク"性の実現を!/"インタラクティブ"の要! (当日誌 2010.10.23)>)
"電子書籍" は、持ち運びに便利という "ポータブル性" や "アンビエント性" を "売り" にしながら、同時に<"電子書籍(eBook)" としての面目躍如>であろう "ハイパーリンク" 性をもっと効果的に活かすべきだと感じている。
具体的な "活用法" は別な機会に譲るとして、"単なるジャンプ" という使い方を超える何かがありそうな気がしている。
で、今日紹介しているのは、残念ながら "ePub 電子書籍" での "単なるジャンプ" としての "リンク機能" でしかない。
ただ、着目すべきは、"ePub 電子書籍" 内ではあっても、多数のページ要素間の "リンク機能" に何ら支障はない(当然と言えば当然であるが)という点。また、"電子ブックリーダー" における高性能な処理速度によって、この点ではPC上の "Web ページ" に勝るとも劣らない処理がなされるという点である。
この事実を踏まえて、<"脳細胞ニューロン" の働きのように> "ハイパー・リンケージ" の網の目を張り巡らすような、そんな "電子書籍" が作られてもおかしくないではないか、と。
冒頭の画像は、 "50章" で構成した自作小説を、結局、"50本" の "xhtml" ファイルに分割して、目次から各章の冒頭へ、各章の末尾から目次へと "ジャンプ" 可能な "リンク" の仕掛けを施したものである。別にアイディア性は何もない。そうでもしなければ "移動の手間" が煩わしくなるからという理由からである。
ただ、こうした多数並存する "xhtml" ファイル群を見つめていたら、その視線の先に、"ハイパー・リンケージ" の網の目で構成する "電子書籍" の別の姿がほの見えてきたりしたのであった...... (2010.11.14)
※ 以下の日誌も参照してみてください。
◆<"ePub editor = Sigil"での"Chapter Break"機能は、各章"頭出し"に便利に使える! (当日誌 2010.11.07)>
◆<"ePub 電子書籍"制作でも、書籍内ジャンプ移動を配慮した"リンク"機能は装備必須(当日誌 2010.10.28)>
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