最近、痛切に感じていることは、われわれの今後を考える上で知っておかなければ話も始まらないはずの "客観情勢" に対して、われわれは無頓着であり過ぎるのではないかという点だ。
"social" な水準での営為! が注目、重視されている点は、時代環境がもたらしたひとつの "正解" なのであろうことは間違いない。
しかし、"social" な水準や空間を淡々と呑み込んでしまう "環境変化"、それらを度外視していたのでは、まさに視野狭隘の "タコツボ" 的苦悩から脱出できない......。
そんなことで、難しいことはともかく、"環境変化" を指し示すであろう "数字" などには目を向けておきたいわけだ。別に、"官僚" や "御用学者" たちのようにそれらを弄ぶのではなく、それらを自分たちの位置確認のために使う......。
とりわけ、時代環境がどう変わろうと、"働く" という基本的活動の重みは揺るがない。個々人にっても社会にとってもである。だからそれにまつわる "数字" には敏感でありたいと思う。
この間、"若年失業" の問題状況に目を向けているのもそんな動機からだ。
◆参照 グローバル化時代の"産業空洞化"×"国内採用空洞化"が、働けない若者の危機に拍車を!( 当誌 2012.07.21 )
◆参照 若年失業者放置!度し難い"問題先送り体質"が確実に日本社会の近未来を蝕んでいる!( 当誌 2012.07.20 )
◆参照 益々顕著な"人材育成デフレ"!? 若者の失業率の高止まり!負の連鎖で日本社会突然死!( 当誌 2012.07.17 )
そこで、今回取り上げたい "数字" は、近い将来への "就業者数推移" なのである。
下記引用サイト記事:「就業者、30年に最大840万人減少 製造業で深刻、国家衰退の危機」/SankeiBiz/2012.07.23 を待つまでもなく、国や社会の "就業者数" の変化は、国内産業の盛衰、市場規模の大小、そして国の活力に直結する基本的な "数字" である。
"少子高齢化" が急速に進む日本にとっては、気にならないはずがない "数字" であるに違いない。
ということで、示された "数字"、<2030年の就業者数は10年に比べ最大で840万人減少し、5460万人に落ち込む>を額面通りに受けとめると、"13.3 % 減!( 製造業の場合:25.5 % 減! )" ということになる。
"国の活力" がと言うべきか "GDP" がと言うべきか、ただでさえ "寂しい" 現状が、あと20年足らずで、みすみす "13.3 % 減!" になるであろう......、というわけなのだ。
この "急こう配の下り坂" なのだから、的確な "タイヤ留め(?)" さながらの対策が講じられない限りは、クルマは暴走的に下降して行くことになりそうだ......。
就業者、30年に最大840万人減少 製造業で深刻、国家衰退の危機/SankeiBiz/2012.07.23
有識者で構成する厚生労働省の雇用政策研究会(座長・樋口美雄慶応大教授)が、2030年の就業者数は10年に比べ最大で840万人減少し、5460万人に落ち込むとの推計をまとめたことが22日までに明らかになった。
経済のゼロ成長が続き、女性や若者、高齢者の就業率が10年に比べ改善しない場合の就業者数を試算した。働いている人の数を示す就業者数の減少は国内産業の衰退や市場縮小を招き、国の活力も低下させかねない。
研究会は学生の就職支援や、子育て中の女性が働きやすい環境の整備などで減少に歯止めをかけるべきだと提言した。23日の会合で、推計結果を盛り込んだ報告書をまとめる。
特に製造業の就業者数は、適切な対策を取らない場合、空洞化によって10年の1060万人から30年には790万人に大きく減ると試算。報告書は、成長が続くアジアの需要を取り込むことなどで、製造業で1000万人程度の就業者数を維持すべきだとした。
研究会は、政府の就労対策が進まず経済成長率も0%程度だった場合、就業者数は10年の6300万人から20年には5940万人に減ると予測。一方、就労対策や経済成長が進んだ場合は20年に6300万人、30年に6070万人となり、10年比で230万人の減少にとどめられると推計した。子育てなどで仕事を離れる人が多い30代女性について、就業者の割合を示す就業率が他の世代並みに改善した場合、30年の女性の就業者数は10年比で増加するとして、仕事と家庭との両立支援の重要性を強調。就職活動中の学生に中小企業への就職を促すことや、若年フリーターの正社員登用に対する支援も必要だとした。
「失われた10年(20年)」という言葉があるくらいだから、10年、20年があっという間に過ぎることは容易に考えられる。
"就業者数減少" に歯止めを掛ける "タイヤ留め(?)" 的対策に手をこまねいている時間はないはずだ...... (2012.07.24)
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