少なくないがんの発生に関与しているとされる体内の "タンパク質" の一種に "Rasタンパク質" がある。
[参照] <Rasタンパク質(Ras蛋白質、Rasサブファミリー、以下Rasと略す)は、低分子GTP結合タンパク質の一種で、転写や細胞増殖、細胞の運動性の獲得のほか、細胞死の抑制など数多くの現象に関わっている分子である。Rasの異常は細胞のがん化に大きく関わるのでras遺伝子は原がん遺伝子の一種である。...... Rasはラットの肉腫(Rat sarcoma)から見つかったのでそれに基づいて名前が付けられた。>( Rasタンパク質/ウィキペディア )
この "Rasタンパク質" の働きを "阻害/抑止" することができれば、その分、がん発生が抑えられることになるわけだ。
こうした役割を果たす "化合物"(3種類)が発見された、というのが、下記引用サイト記事:がん防ぐ物質発見、神戸大 マウスで効果/【共同通信】/2013.04.30-04:00 が伝えるところである。
<多くのがんの発症に関与するタンパク質「Ras(ラス)」の働きを阻害する化合物を、神戸大大学院の片岡徹教授らのグループが発見し、29日付の米科学アカデミー紀要電子版に発表/ がん全体の原因の約2割はこのケースで、大腸、膵臓がんで割合が特に高い/ 化合物をマウスに投与し、がん増殖を抑えており、新たな抗がん剤開発につながると期待される> という。
これでまた、<新たな抗がん剤開発> がスタートされることになりそうであり、喜ばしいことだ......。
◆ 参照 "がん"になる可能性がある"遺伝子配列のわずかな違い(SNP)"!国際共同で新たに特定!( 当誌 2013.03.29 )
◆ 参照 がんの"再発転移"を阻止!"がん幹細胞"に"抗がん剤"を効かせるための新研究と新治療!( 当誌 2013.03.22 )
◆ 参照 緑茶成分"EGCG"とED治療薬含有の"低分子化合物"との併用投与でがん細胞を殺傷!( 当誌 2013.01.27 )
◆ 参照 薬剤と体外からの"近赤外線"照射の組合せ治療法一回でがん細胞破壊!マウス実験成功!( 当誌 2013.01.08 )
がん防ぐ物質発見、神戸大 マウスで効果/【共同通信】/2013.04.30-04:00
多くのがんの発症に関与するタンパク質「Ras(ラス)」の働きを阻害する化合物を、神戸大大学院の片岡徹教授らのグループが発見し、29日付の米科学アカデミー紀要電子版に発表した。化合物をマウスに投与し、がん増殖を抑えており、新たな抗がん剤開発につながると期待される。
Rasを作り出す遺伝子が突然変異している場合、Rasは他のタンパク質とくっつき、細胞をがん化させる信号を伝達するようになる。グループによると、がん全体の原因の約2割はこのケースで、大腸、膵臓がんで割合が特に高い。
こうして、"がん治療" に挑戦する現代医学は、"がんの正体" を次々に暴き出し、"がんの恐怖" から人々を解放して行くことになる...... (2013.05.01)
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