"抗生物質と腸内細菌「善玉菌」"の関係!ぜんそく:抗生物質で悪化も 腸内でカビ増殖!

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 "抗生物質" の "濫用" への警戒は、これまでにも指摘され続けてきた。

 各種疾病と "抗生物質" 投与とのまるで "イタチごっこ" 傾向 によって、"新耐性菌" が猛威を振い始めるというメカニズムが問題視されているわけだ。

 ◆ 参照 新規抗菌薬(多剤耐性アシネトバクター、NDM1系の菌等に対抗)の開発が危機的状況! ( 当誌 2010.09.12 )
 ◆ 参照 多剤耐性菌アシネトバクターは既に国内で広がっている!?/抗生物質依存抑制?( 当誌 2011.09.09 )
 ◆ 参照 ほとんどの抗生物質効かない新耐性菌上陸?/片や多剤耐性菌での院内感染死問題!( 当誌 2011.00.00 )

 こうした "耐性菌" の問題もさることながら、今ひとつ警戒されているのが、"抗生物質" 投与によって "腸内細菌( 乳酸菌などの「善玉菌」)" が破壊され、その結果 "病的状態を誘発する" という "負の連鎖!" である。

 下記引用サイト記事 1ぜんそく:抗生物質で悪化も 腸内でカビ増殖/毎日新聞/2014.01.20 - 10:50 および、

 下記引用サイト記事 2腸内細菌のバランスの乱れが、喘息を悪化させるメカニズムを解明――新しい発想のアレルギー治療へ――/筑波大学・科学技術振興機構(JST)/2014.01.16 は、 こうした "抗生物質" の副作用という弊害 とともに、"腸内細菌( 乳酸菌などの「善玉菌」)" の "積極的役割(免疫力)" とを照らし出す研究成果について報じており、重要な研究動向だと思えた。

 <抗生物質を服用することで腸内細菌のバランスが乱れ、ぜんそくの症状が悪化することを、筑波大や米ミシガン大などの研究チームが動物実験で確かめた。腸内にカビが増える一方で「善玉菌」の乳酸菌が減っており、ヒトにも同じ仕組みがあると見ている/ ぜんそくやアトピー性皮膚炎などの発症には、腸内細菌が影響していることが知られているが、その仕組みはわかっていない/ アレルギー発生のメカニズムは基本的に同じなので、花粉症やアトピー性皮膚炎など、他のアレルギー性疾患の治療にも役立てることができる> とある。さらに、

 <ヒトの腸管内には、500種類以上、総計100兆個以上の腸内細菌が共生しており、腸管からの栄養吸収、腸の免疫、病原体の感染の予防などに働いています。/ 一方、腸内細菌のバランスが乱れると、クローン病や潰瘍性大腸炎をはじめとする炎症性腸疾患などの原因となる/ しかし近年、腸内細菌のバランスの乱れが、腸管以外の全身にも影響を及ぼし、肥満、糖尿病、アトピー、喘息などの疾患さえも生じることも知られるようになり、大きな注目を浴びています/ しかし、どのようなメカニズムでこれらの腸管外の疾患が起きるかについては、ほとんど明らかにされていませんでした> と。

 今後への展望としては、<アレルギー発生のメカニズムは基本的に同じなので、花粉症やアトピー性皮膚炎など、他のアレルギー性疾患の治療にも役立てることができる> という点が注目されるはずだ。

【 引用記事 1 】

 ぜんそく:抗生物質で悪化も 腸内でカビ増殖/毎日新聞/2014.01.20 - 10:50

 抗生物質を服用することで腸内細菌のバランスが乱れ、ぜんそくの症状が悪化することを、筑波大や米ミシガン大などの研究チームが動物実験で確かめた。腸内にカビが増える一方で「善玉菌」の乳酸菌が減っており、ヒトにも同じ仕組みがあると見ている。成果は米科学誌「セル・ホスト&マイクローブ」電子版に掲載された。

 研究チームの渋谷彰・筑波大教授は「アレルギー発生のメカニズムは基本的に同じなので、花粉症やアトピー性皮膚炎など、他のアレルギー性疾患の治療にも役立てることができる」と話している。

 ぜんそくやアトピー性皮膚炎などの発症には、腸内細菌が影響していることが知られているが、その仕組みはわかっていない

 研究チームは、マウスに5種類の抗生物質を2週間投与した後、人工的にぜんそくを発症させて詳しく調べた。そのうち、感染症治療に使われる抗生物質を投与したマウスは、投与しないマウスに比べて気管支での炎症細胞の数が倍増し、ぜんそく症状が悪化した。腸内を調べたところ、乳酸菌が減り、代わりにカンジダというカビの一種が異常に増殖していた。カンジダを抑える薬を投与することで症状は改善した。

 渋谷教授は「抗生物質により腸内細菌のバランスが崩れ、ぜんそくが悪化することを証明できた」と話す。【相良美成】


【 引用記事 2 】
 ......
研究の背景と経緯
 ヒトの腸管内には、500種類以上、総計100兆個以上の腸内細菌が共生しており、腸管からの栄養吸収、腸の免疫、病原体の感染の予防などに働いています。一方、遺伝的要因、食餌などを含むライフスタイル、病原体の侵入などや種々の医療的処置などによって腸内細菌のバランスが乱れると、クローン病や潰瘍性大腸炎をはじめとする炎症性腸疾患などの原因となることがあります。しかし近年、腸内細菌のバランスの乱れが、腸管以外の全身にも影響を及ぼし、肥満、糖尿病、アトピー、喘息などの疾患さえも生じることも知られるようになり、大きな注目を浴びています。しかし、どのようなメカニズムでこれらの腸管外の疾患が起きるかについては、ほとんど明らかにされていませんでした。

研究の内容
 本研究では、腸内細菌のバランスの乱れが、なぜ喘息などのアレルギーを引き起こすのかという疑問を明らかにする......

 以上の結果をまとめると、以下のようになります(図5)。
 1) ある種の抗生物質の服用により、腸管内でカンジダが増殖する。
 2) カンジダからプロスタグランジンE2が産生され、血液を介して肺に到達する。
 3) 肺内でプロスタグランジンE2がM2型マクロファージを増加させる。
 4) 増加したM2型マクロファージが喘息などのアレルギー性炎症を悪化させる。


 ...... 本研究は、抗生物質の投与による腸内細菌のバランスの乱れがアレルギー性疾患を悪化させたメカニズムを世界で初めて解明したものです。

今後の展開
 アレルギー疾患を代表する花粉症、喘息、アトピー性皮膚炎の罹患率は、それぞれ20%、10%、5-10%と、近年増加の一途を辿っています。世界的にもおよそ25%の人がアレルギー疾患に罹患しているとされ、その克服は人類の健康・福祉にとってはもちろんのこと、社会的にも喫緊の課題です。アレルギー疾患の発症は、遺伝的素因や環境要因など、さまざまな複合的な因子により発症することが知られていますが、その中には腸内細菌のバランスの乱れによる真菌(カビ)の増殖に起因するものが含まれている可能性が考えられます。......

( ※引用者注 ―― 文意を損なわないよう留意して割愛しています。)

 "腸" は、独自な神経系をもった「第二の脳」( 松生 恒夫 著『腸は第二の脳---整腸とメンタルヘルス (河出ブックス)』2011年、河出書房新社 )とも称されているが、"腸内細菌" による "免疫力" の働きをも含み、改めて、"がんの時代" を乗り越えるべく "腸" の存在意義に目を向けたい...... (2014.01.21)













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このページは、yasuo hiroseが2014年1月21日 00:01に書いたブログ記事です。

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