"加齢/高齢化" に伴い種々の病を引き受けることになる背景には、"老化" 現象のひとつである "免疫老化" という避けて避けられない現象がある、と注目されている。
◆ 参照 <日本では高齢化社会のさらなる進行により、免疫システムの老化が引き金となる慢性炎症疾患、がんや感染症などの疾患の増加が危惧されており、対策が急がれています/ 老化に伴って、特に獲得免疫の応答が低下・劣化します。この現象は「免疫老化」と呼ばれ、この免疫老化が、高齢者における慢性炎症疾患(関節リウマチなどの自己免疫疾患)や発がんの増加、易感染性の誘発、ワクチン効率の低下につながる/ 獲得免疫に関わる細胞の中でも、T細胞の機能は個体の老化に大きく影響を受ける/ T細胞は胸腺でつくられますが、胸腺は加齢とともに退縮するので、老齢期においては新たなT細胞の供給が減少/ つまり、免疫老化の原因は主としてT細胞自身の過剰な分裂・増殖によって誘導される細胞老化だと考えられます......> ( 免疫システムの老化を引き起こす仕組みを発見(愛媛大学)!迫り来る"免疫老化"の危惧!/当誌 2014.04.05 )
◆ その他参照 当誌過去の "免疫老化" 関連記事
(1) 加齢は"幹細胞"のストックを減少/枯渇させ、古い組織の代替を不可能とさせる!寿命!/当誌 2014.05.08
(2) "免疫細胞(T細胞)"の老化!免疫力低下ばかりかその"誤作動"が老年病などの引き金に!/当誌 2014.04.08
(3) 免疫システムの老化を引き起こす仕組みを発見(愛媛大学)!迫り来る"免疫老化"の危惧!/当誌 2014.04.05
この "免疫老化" という不可避な現象を見越した上で "免疫システム" の研究が日々進められているのが、現代医学の現状かと思われる。
さまざまなアプローチによって探索されているが、そうした一翼には、"食材に含まれる成分" による "免疫機能に対する効果" についての研究がある。
今回注目する下記引用サイト記事 : ガゴメ昆布が免疫低下を軽減 高年齢者を対象に試験/けあNews/2014.06.08 - 09:00 は、"高年齢者を対象" にした "免疫低下を軽減" する "ガゴメ昆布フコイダン" に関する研究を報じたものである。
<タカラバイオ株式会社(以下、タカラバイオ)と京都府立医科大学は共同研究で、"ガゴメ昆布フコイダン"が夏期の免疫低下を軽減する作用があることを明らかにした/ タカラバイオは、これまでガゴメ昆布フコイダンの機能性について研究を進めてきており、ナチュラルキラー(NK)細胞の活性化、インターフェロン-ガンマ(IFN-γ)の産生促進を介した免疫活性化作用、インフルエンザ感染抑制作用などを明らかにしている/ 今回は、ガゴメ昆布フコイダンの免疫機能に対する効果を調べるための、高年齢者を対象としたヒト試験を行った/ 第14回日本抗加齢医学会総会で、「夏期の高年齢者の免疫機能に対するガゴメ昆布フコイダン摂取の効果」として発表/ ヒト試験......結果、ガゴメ昆布フコイダンの摂取により、免疫力の低下が軽減された。その際、有害事象は発生せず、安全性にも問題は生じなかった......> とある。
ガゴメ昆布が免疫低下を軽減 高年齢者を対象に試験/けあNews/2014.06.08 - 09:00
■ ヒト実試験で明らかに
タカラバイオ株式会社(以下、タカラバイオ)と京都府立医科大学は共同研究で、"ガゴメ昆布フコイダン"が夏期の免疫低下を軽減する作用があることを明らかにした。
■ 学会での発表
タカラバイオは、これまでガゴメ昆布フコイダンの機能性について研究を進めてきており、ナチュラルキラー(NK)細胞の活性化、インターフェロン-ガンマ(IFN-γ)の産生促進を介した免疫活性化作用、インフルエンザ感染抑制作用などを明らかにしている。
今回は、ガゴメ昆布フコイダンの免疫機能に対する効果を調べるための、高年齢者を対象としたヒト試験を行った。
この研究成果は、6月6日から8日に大阪で開催される第14回日本抗加齢医学会総会で、「夏期の高年齢者の免疫機能に対するガゴメ昆布フコイダン摂取の効果」として発表される。
■ 被験者は高年齢者
ヒト試験は、55歳から74歳までの高年齢者30名を被験者として実施された。
結果、ガゴメ昆布フコイダンの摂取により、免疫力の低下が軽減された。その際、有害事象は発生せず、安全性にも問題は生じなかった。■ ガゴメ昆布とは?
食用の海藻であるガゴメ昆布は、北海道函館周辺の地域のみに生育し、収穫量は非常に少なく、昆布類の中でも高級なもののひとつである。
タカラバイオは、ガゴメ昆布に特に多く含まれる「フコダイン」と呼ばれる多糖の研究を20年来すすめてきた。
65歳以上の高齢者などが感染すると重い症状になることや、死亡に至るリスクが増加することも多いインフルエンザに対しての予防作用や、血栓形成の抑制、抗腫瘍作用などに活用されている。
タカラバイオは、今後もガゴメ昆布フコイダンを含む機能性食品素材について、更に研究開発を進めていく予定だ。▼外部リンク
タカラバイオ株式会社 ニュースリリース
http://www.takara-bio.co.jp/news/2014/06/
高齢者には、元来、"免疫老化" という "ハンディ" が付き纏っている。
したがって、"免疫力" に関しては、その "向上" というよりも "低下の食い止め!" が目標となるはずである。
上記記事における "ガゴメ昆布フコイダン" がより高い "機能性" を発揮することを期待したい...... (2014.06.09)
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