"iPS細胞" の培養/移植にあっては、"がん化の恐れ" が懸念されており、その原因は、"未分化/未成熟なiPS細胞" に潜むと考えられている。 従って、それらを事前にどう "除去処理" しておくか、が関心の焦点となっているようである。
◆ 参照 当誌過去の "iPS細胞 がん化抑制" 関連記事
(1) "iPS由来細胞のがん化"という最大課題に予防法:"GSI薬で処理"を開発!(慶応大チーム)/当誌 2016.09.25
(2) iPS細胞で、心筋になる細胞(心筋前駆細胞)を高純度で作り出す手法開発!(大阪大など)/当誌 2016.08.19
(3) iPS細胞からの心筋細胞、"がん化抑制"に道!原因の未分化細胞を、特殊培養液で死滅!/当誌 2016.04.05
(4) がん化の恐れがある未分化のiPS細胞を見分けて除去する"抗体"作製!(立命館大チーム)/当誌 2015.07.30
今回注目する下記引用サイト記事 : がん化の恐れある細胞、iPS細胞から除去 阪大など/日本経済新聞/2017.04.23 - 23:42 は、 <大阪大学の研究グループはiPS細胞の中からがん化する恐れがある未成熟な細胞を取り除く技術を開発した。iPS細胞から作った組織が移植後にがんになるリスクを抑えられる。従来は作業者が顕微鏡をのぞきながら分別していたが、熟練度によって差が出るなどの問題があった。2017年度にも始める予定の心不全治療の臨床研究で使い、効果を確かめる> と報じている。
<......iPS細胞を神経や臓器などに育てようとしても、一部の細胞が未成熟のまま残る。すると移植後にがんになる恐れがある。作業者が分別する場合、未成熟な細胞を見逃すことがあり、細胞を色で染める手法は精度に限界がある。 研究グループは未成熟なiPS細胞の表面に多数現れる「CD30」と呼ぶたんぱく質に注目。このたんぱく質に結合する分子に、悪性リンパ腫の治療に使う抗がん剤を科学的にくっつけた。結合した未成熟な細胞に取り込まれ、細胞を壊す。iPS細胞が正常に育った組織の細胞には、CD30が現れないため影響を受けない。 iPS細胞から育てた心筋細胞を入れた培養皿に、抗がん剤をくっつけた分子の入った液体をたらすと、未成熟な細胞は全滅したが、正常に育った心筋細胞は8割が生き残った。心臓はがんが発生しにくいが、他の臓器の細胞の分別に使うと効果をより発揮するとみている> とある。
がん化の恐れある細胞、iPS細胞から除去 阪大など/日本経済新聞/2017.04.23 - 23:42
大阪大学の研究グループはiPS細胞の中からがん化する恐れがある未成熟な細胞を取り除く技術を開発した。iPS細胞から作った組織が移植後にがんになるリスクを抑えられる。従来は作業者が顕微鏡をのぞきながら分別していたが、熟練度によって差が出るなどの問題があった。2017年度にも始める予定の心不全治療の臨床研究で使い、効果を確かめる。
iPS細胞を神経や臓器などに育てようとしても、一部の細胞が未成熟のまま残る。すると移植後にがんになる恐れがある。作業者が分別する場合、未成熟な細胞を見逃すことがあり、細胞を色で染める手法は精度に限界がある。
研究グループは未成熟なiPS細胞の表面に多数現れる「CD30」と呼ぶたんぱく質に注目。このたんぱく質に結合する分子に、悪性リンパ腫の治療に使う抗がん剤を科学的にくっつけた。結合した未成熟な細胞に取り込まれ、細胞を壊す。iPS細胞が正常に育った組織の細胞には、CD30が現れないため影響を受けない。
iPS細胞から育てた心筋細胞を入れた培養皿に、抗がん剤をくっつけた分子の入った液体をたらすと、未成熟な細胞は全滅したが、正常に育った心筋細胞は8割が生き残った。心臓はがんが発生しにくいが、他の臓器の細胞の分別に使うと効果をより発揮するとみている。
"iPS細胞" の活用における "がん化リスク" への懸念を払しょくするためには、上記記事で紹介されたような "事前処理" が必須かと思われる...... (2017.04.25)
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