社会一般: 2012年9月 アーカイブ

 おぉ、いるいる、元気で泳いでる......。安堵感と満足感で満たされた瞬間だった。
 橋の欄干から強い陽射しを照り返す川面を覗き込むと、川幅中央あたりの川面に小さな波紋を作り、首をもたげ、四足でゆらゆらと泳ぐ "その亀" の姿が見えた。
 そのあたりは、最も深みのある川の中央付近だ。
 ちょうど三日前、自分はその付近に "その亀" を "リリース" していた。やや乱暴かとは思ったが、川の両側は強い傾斜の護岸施工となっているために川辺には降りられなかったからだ。橋の欄干から手を伸ばし、川のその深みにドボンと落としてやったのだ。

 今日あたりは漸く収まってはきたものの、今年の猛暑は尋常ではなかった。しかし、ただ暑がっていても始まらないと思い、逆に汗を流すべしと連日のウォーキングを欠かさないできた。
 そんなある日、いつものウォーキングコースの途中で、実に奇妙な光景に遭遇した。
 そこそこ交通量のある道路を横切り終わる寸前、足元を見て驚いた。車道に沿った側溝の連なる蓋の上を黙々と一匹の "亀" が歩いていたのだ。そいつは、彷徨うというよりも、歩道と車道の段差に沿いつつ、まるでどこか目的地に向かって急ぐかのように一途に歩いていた。
 一瞬、自分の眼を疑ったが、途方に暮れる暇もなく、これは "保護" しなければクルマに轢かれるなり、熱射にやられるなり......、と憂慮した。そこで甲羅を掴み上げた。




















 "リア充" というスラングがある。ちなみにその対義語は "非リア" と表現されるそうだ。
 "現実の生活(=リアル)" の充実を、"ネット行動" を重視する(浸る)者からの視点で眺めたナーバスな表現のようだ。

 ところで、このところ "無縁社員" という現象が注目されている。( ◆参照 濁流に押し流されているかの状態!"無縁社会/無縁社員"!"誰とも話さず一日終わる"!( 当誌 2012.09.06 )

 こうした "誰とも話さず一日終わる無縁社員" の現象を、"リア充/非リア" という視点で考えてみるとどうなるのであろうか......。
 "非リア" と見ざるを得ない "無縁社員" たちと "ネット行動" との関係はどうなのだろうか、という視点となる。

 仮に自分が当事者であったならどうするか?
 多分、職場で重責を担っている場合には思うに任せないだろうが、そうでなければたとえ自身が怪我などをしていたとしても、都下に住む家族などの身を案じる行動に出るに違いなかろう。概して、安否確認の通信状態も思うようにならないはずであろうし......。
 会社社屋の建築構造とは比べ物にならない民家の構造を思えば、"3日間" も行動を封じられることには耐えられないに違いなかろう。

 下記引用サイト記事:首都直下地震、3日間は職場待機 帰宅困難者対策/【共同通信】/2012.09.09 が報じるところでは、<首都直下地震>に備えて、<国や東京都などの協議会の最終報告案が8日、判明した。地震発生後の一斉帰宅による混乱を避けるため、被災後3日間は従業員を職場に待機させるよう企業に要請>とある。
 まあ、"3日間の職場待機" が可能な環境整備がなされること自体は歓迎されてよいことだとは思うのだが、<地震発生後の一斉帰宅による混乱を避けるため>とはいうものの、"実現可能性(?)" 自体が気にならざるを得ない。極論すれば、"絵に描いた餅" か......。
 近親者の安否を気遣う人情もあろうし、また、行政が一律に方向づけた場合、東日本大震災の避難区域指定の問題ではないが、事後の責任問題も複雑になりかねない......。
 行政が先ずすべきことは、万が一に備えた "避難施設、一時滞在施設" の拡充、そして何よりも災害最小化に向けた "防災施設、設備" の梃入れであろう。

 日毎ウォーキングをしていて、最近、気づかざるを得ない光景がある。
 5、6キロのコースであるのに、その道すがら10箇所ほどの住宅建設中光景に遭遇するのだ。そして、それらのいずれもがほんのちょっと前までは畑地であったり、放置されて草ぼうぼうとなった元畑といった箇所なのである。
 この夏は猛暑日が続いたので、そうした建築中の光景を見るたびに、大工さんなどの作業員はさぞかし大変なことだと思ったりしていた。

 建築中の建物は、その多くが一戸建て住宅であり、建売り風である。さほど広くはない敷地なのに複数軒の住宅を設え、とても "落ち着いた風情" を備えた注文住宅とは言い難い......。
 短期間でとにかくカタチを仕上げる(?)といった雰囲気が濃厚だ。
 ちなみに、新聞の折り込み広告の点検に余念がない家内の話だと、そうした新築物件の多くが "建売り" ではなく "家賃12万円" とかの "貸家" なのだそうである。

 "無縁社会" というセンセーショナルな言葉が生まれて久しい。そして、この言葉と表裏一体となっているのが "無縁死" であることに気づく者も少なくない。
 両者は、原因と結果の関係と見なすこともできようが、むしろ "表裏一体"/"相即不離" の関係だと見えてならない。
 つまり、"無縁社会" に住む人々は、文字通りの "無縁死" に至ると言われるのであるが、実は、そのずっと前に、"孤独地獄" という "精神的な死" に見舞われているように思えるからである。

 たぶん、すべての "孤独" が "精神的な死" であるわけではなかろう。"孤独" を愛する者にとって、"孤独" は "精神的な跳躍台" でもあり得る。
 しかし、大半の "孤独" は、"濁流に押し流されているかの状態!"、つまり "繋がる" ことへのアクションの多くが封じられ、"随意性" が損なわれた状態での "孤立!" なのではないかと感じている。

 この "濁流" こそが見据えられるべきなのであろう。同じ地を踏みしめて歩く者同士であれば、たとえ距離があっても方向が同じであれば近づき、会話が飛び出し、そして "繋がり" が始まるものを......。
 "濁流" にのみ込まれた者たちは、ただただ自身が "水没" しないことだけで精一杯であり、他者との連携は不能、流れの行方も知り得ない......。

 "無縁社会" が、地域社会のみならず、"職場社会" にも確実に浸透していることを伝える、下記引用サイト記事:誰とも話さず一日終わる...職場に広がる「無縁社員」/日本経済新聞/2012.09.03 は、やはり固唾(かたず)をのまざるを得なかった......。

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