政治経済一般: 2011年10月 アーカイブ

 Twitter や Facebook などの "ソーシャルメディア" は、情報をすばやく、効果的に拡散させる点で、これまでのメディアとは比較にならない "パワー" を発揮する。まさに、 "レバレッジ(テコ)" の効いた "パワー" と言うべきか。
 市場経済に向かって、企業各社はその "パワー" を何とかして "手懐けたい" と願っている実情は昨日も書いた。が、今、この "パワー" が存分に発揮されているのが、「アラブの春」に触発されて始まった運動、"ウォール街占拠" をスローガンとした "ソーシャル・ムーブメント(社会運動)" であろう。
 社会的・経済的な "格差是正" を訴えつつ、富を占有する人口 "1%" に対して「われわれは99%」の市民であると叫ぶ、そうした声が "ソーシャルメディア" の時空に響き渡っているという......。


 ただ、この "運動" の行方については、戸惑いの声がないでもない。
 <彼らの目標については、一致した意見があるとは言えない。マスメディアは、彼らの運動についてなかなか解釈できないでいる。アラブの春においては、数十年続いた独裁政権を倒すという目標が明確だった。しかし米国では、企業による貪欲をどうやって停止させればいいのだろうか。>(下記引用記事より)
 しかし、"短兵急" に着地点を急ぐ発想自体が行き詰まりをもたらしているとも思える。<マスメディアは、彼らの運動についてなかなか解釈できないでいる。>という観測も実はその発想によるものなのかもしれない。
 誰もが現状を "当然視" して、そして "諦めと絶望" に身を託している時、 "抗議" の思いを "ソーシャルメディア" に響かせてみるとどうなるのか......、そんな "社会的実験!" が進行中なのだと思える。


 唐突な話となるが、亡き "ジョブズ氏" は、かつて "iPhone" を初リリースした際、今日の "スマホ・フィーバー" を想定していたであろうか? きっと、"止むに止まれぬ創造意欲" だけが彼を支配していたに違いなかった、と想像する。
 彼は、そうした "創造意欲" を立脚点としながら、刻一刻と変貌してゆく環境と直面しつつ、構想自体を柔軟に変容させ適応させていった......。そしてその結果、"前人未踏" の業績へと導かれていったと考えるのが自然であろう。
 上記の "運動" もまた、同じように考えることが妥当なのかもしれない。"賢い" はずのマスメディア自体が<なかなか解釈できないでいる>のは、意外と正解なのかもしれない......。今は、この "運動" の着地点は誰にも予見できない......
 以下に、こうした事情の解説を含む「ウォール街占拠」運動の最新動向を扱った記事を引用する。




















 ウォール街占拠デモの宿営地(ズコッティ公園内)内部の光景が、Photo アルバム風に紹介された。参加者たちの "クール × 熱意"、およびそれらに接して、"感染(?)" したに違いない記事制作者たちの "ハイテンション" がスンナリと伝わってくる貴重な記事だと思えた。
 その記事では、アメリカの俗語で "ギーク (geek) " と呼ばれる卓越した知識がある者たちの活動光景がいろいろな角度から伝えられている。まるでかつての映画 "大脱走"風の、スペシャル協業(?) をエンジョイ(?) しつつ、運動を持続させようとしている、そんな雰囲気がリアルに伝わってくるのだ。
 言うまでもなく、かつての映画 "大脱走" は、ナチスドイツの捕虜収容所からの大量脱走だったわけだが、今彼らは、"金融経済社会" = "超格差社会" からの "大脱走" という、言ってみれば "The Impossible Dream"( MAN OF LA MANCHA )に挑もうとしつつ、その持続スタイルを虎視眈々と模索しているように見える。
 現代の "IT" は、その "レバレッジ" のパワーによってスピーディに膨大な規模の "マネーゲーム" を遂行している。
 そこで、彼らもまた、存分にその "IT・レバレッジ" をカウンター・パワーとして活かしつつ、運動の裾野を急速に広げようとしているかのようだ......。

 下記の引用では、大半の Photo を削り文章部分のみとした。

 先日、"全米各地での抗議行動" について以下のように書いた。

―――― < もう半月以上続いているという、米ニューヨーク・マンハッタンにある世界最大の金融街・ウォール街近くで始まった "抗議デモ" は、ロサンゼルスやボストン、シカゴなど全米各地へと拡大しているという。
 低迷する経済、高失業率、広がる格差など、行き過ぎた市場経済に対して若者たちの不満に火が付いたかに見えるこの運動。
 "ツイッターやフェイスブックといったソーシャルメディア" で若者らに広がり、運動の合言葉は「ウォール街を占拠しよう」であるとか。
 "ソーシャルメディア" を通じて展開された運動スタイルは、昨年来、アラブ世界で民衆が強権政権を倒した「アラブの春」に共通していることに気付く。いや似ているどころか、どうやらこの「アラブの春」に触発されての動きなのだとも言われている。......>
Facebookなどを使って連携/米抗議デモ各地に拡大/格差、高失業率に怒る若者!( 当誌 2011.10.04 )

 この時には、<"ツイッターやフェイスブックといったソーシャルメディア" で若者らに広がり>と見えていたが、どうも "若者ら" に限定されない動きへと変わってきたような雰囲気なのである。
 米国経済の低迷が続き、高い失業率もなかなか改善されない現状。また、変革を期待してオバマ大統領を選出したのにもかかわらず、状況が一向に改善されない苛立ち......。
 「選挙を通して、変革ができなければ、自分たちが声を上げることで変革を目指したい」という国民が次第に増加しつつあるかのようだ。


 もう半月以上続いているという、米ニューヨーク・マンハッタンにある世界最大の金融街・ウォール街近くで始まった "抗議デモ" は、ロサンゼルスやボストン、シカゴなど全米各地へと拡大しているという。
 低迷する経済、高失業率、広がる格差など、行き過ぎた市場経済に対して若者たちの不満に火が付いたかに見えるこの運動。
 "ツイッターやフェイスブックといったソーシャルメディア" で若者らに広がり、運動の合言葉は「ウォール街を占拠しよう」であるとか。
 "ソーシャルメディア" を通じて展開された運動スタイルは、昨年来、アラブ世界で民衆が強権政権を倒した「アラブの春」に共通していることに気付く。いや似ているどころか、どうやらこの「アラブの春」に触発されての動きなのだとも言われている。

 ところで、上記の "低迷する経済、高失業率、広がる格差など" は、決して米国の現状だけに止まらず、この日本の状況も全く同じだと思われる。そして、ネットやスマホなどの普及についても差異はなさそうだ......。なのに、この国の "穏やかさ、静けさ" は一体何なのだろうか......。
 別に、"眠っている子(?)" を起こすつもりはないが、今のこの国が置かれている状況が決して "安全地帯" ではないどころか、「ギリシャの惨状は対岸の火事ではない」という見込みがますます濃厚になってきている点を見逃すべきではなさそうだ。

◆ 参照
 <「ギリシャの惨状は対岸の火事ではない」/ ついに「世界金融危機」の狼煙は上がった >大前研一の「産業突然死」時代の人生論/nikkei BP net/2011.09.28

 以下、"米抗議デモ" の推移に関する記事3点を引用しておきたい。

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