このところ国民が釈然としない "外交問題" が急浮上している。"尖閣諸島" 問題、"竹島" 問題、そして対米軍事同盟関係の問題としての "オスプレイ" 問題などがそれらだ。
"外交問題" に "特有の難しさ" がありそうなことは分かる。"国民感情" をぶつけ合ったところで問題は一向に解決されないであろうことも......。
そもそも、確固たる国内法によって律せられる国内問題と比べれば、国際関係上の諸問題が "透明性" をもって解決されにくいことも了解できる。
しかし、だからと言って、"外交問題" を "国民の理解" とはかけ離れた次元の "国家の特殊問題" と見なすことにはムリがあり過ぎる。
ところが、現在持ち上がって来ている "外交問題" の多くは、どうも、国民を "蚊帳の外" に置き続けた自民党旧政権での外交姿勢が "大きく災いしている" と見えてしょうがない。
いわゆる、相手国との "密約"(国民の理解を棚上げにして、ひそかに契約・条約などを結ぶこと。)である。
下記引用サイト記事:〔大前研一「ニュースの視点」〕KON428「尖閣諸島とオスプレイ問題~前提となるファクトを考える」/大前研一ニュースの視点blog/2012.08.24 では、"尖閣諸島とオスプレイ問題" のそれぞれに、中国、米国との "密約" があったとの "事実確認(by 大前研一氏)" が踏まえられ考察がなされている。
■ "尖閣諸島" 問題での中国との "密約"
<・中国は、実効支配の原則から尖閣諸島を日本領土として認める
・しかし一方で、中国も国内法では領土権を主張する>
■ "オスプレイ" 問題に関する米国との "密約"
<日本政府と米軍の間には日本国民には知らされていない「沖縄返還の条件」があり、オスプレイの配備など「軍政」に関することは米軍の意向に従うのが約束/『「民政」的には沖縄を返還するが、「軍政」的には現状(米軍)のまま』というのが、沖縄返還の条件>
"密約" だとされるこれらの事実について知る者はやはり結構少ないのではなかろうか。また、"訳知り顔!" を得意とする者は、国際外交上の "密約" なんて当たり前と言うに違いなかろう。
しかし、この "情報化(情報公開)" が熟した時代環境にあって、"情報隠ぺい" を前提にした "密約" に依存する外交スタイルは、国民不在だというよりも、余りにもでリスキーであり過ぎる。
過去、それが採用されてきた悪癖は、自民党政権が "外交" に長けていたからというよりも、単に "長期政権" の見通しと、"問題先送り" 体質が濃厚だったからに過ぎないと言うべきだ。
糺(ただ)されるべきは、"民意" を "蚊帳の外" に置き続けてきた "政治スタイル = 外交スタイル" のはずである。しかも、"事情を知らない者は黙っていなさい!" とでもいう傲慢かつ無責任なスタンスは時代錯誤であるに違いない。
その意味では、下記記事にも若干不快感を誘う部分があった。
<沖縄県知事がオスプレイの安全性について米軍に問い質したということですが、私に言わせれば、沖縄県知事ともあろう人が事情を知らずに何を言っているのかと思います。>
事情を知るがゆえに "雁字搦め" となり現状追認しか道がなくなる点をも想定するならば、事情を知る、知らずにかかわらず、市民・国民の生命の安全を保障しようとする意図から出るアクションの、その重みは十分に理解したいと思う......。
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