ePub: 2011年7月 アーカイブ

 "iTunes" に関するエラーに目を向けていると、自然に関心が向く先は、"iTunes" を使わずに何か別のソフトで、PCと "iPhone/iPod touch"(+"iPad" )との間でファイル送受信、同期ができないものかという願望だ。自分の場合、特に望むのは、"電子書籍( ePub,PDF )" に関してである。
 "iTunes" が何らかのトラブルで使えなくなった場合などを想定すると、そんな思いが浮かんできたりする。

 その際に先ず想起されるのは、"フリーソフト i-FunBox" であろうか。

◆ 参照 <フリーソフト "iPhone/iPod touchビューワー i-FunBox" ダウンロードサイト>

 また、"フリーソフト CopyTrans Manager" も候補に挙げることができそうだ。

◆ 参照 <フリーソフト CopyTrans Manager ダウンロード>


 先ず、"フリーソフト i-FunBox" についてである。
 これについては、比較的以前から着目しており、ある程度は使ってもきた。

◆ 参照 "iPad/iPod"に"同期"(転送)したファイルを,PCの所定フォルダに"転送"する方法( 当誌 2011.03.11 )
◆ 参照 "iPhone"などでの"PDF、TEXT"文書対処法まとめ/SkyBook向け転送ソフト"i-FunBox"( 当誌 2010.08.01 )

 だが、今回、「"iTunes" を使わずに」という観点に立って改めて使ってみると、多々メリットはあるものの、肝心のニーズについては "難しい" という感触を得た。
 つまり、PC上の "電子書籍( ePub,PDF )" を "iPhone/iPod touch" の "iBooks 本棚" へと送り込むというニーズに関しての話では困難だということ。
 音楽・ビデオ・画像については転送可能であり、また、"電子書籍( ePub,PDF )" に関しても、"iPhone/iPod touch" からPC側へとダウンロードすることについては、上記のエントリー( 当誌 2011.03.11 )でも書いたとおり可能なのである。
 ところが、この逆方向のアップロードについては、一応、"i-FunBox" のウインドウ上のスペースに書き込まれはするものの、それまでなのである。"iPhone/iPod touch" 側に反映させることができない......。ここがニーズの焦点であったのだが......。


 次に、"フリーソフト CopyTrans Manager" についてである。
 ダウンロードサイトには以下のような謳い文句が並んでいる。

―――― <iTunesの起動・操作に疲れていませんか?
やりたい事に対して難しすぎ・遅すぎると感じていませんか?
iTunes以外の速くて軽く、そして無料のiPodやiPhone管理ソフトをお探しですか? CopyTrans ManagerはiPhoneまたはiPodの音楽・ビデオを完全に管理する無料ソフトです!音楽プレーヤー内蔵でiPod内の音楽をプレビュー・音楽やビデオをPCからiPhoneやiPodに転送・音楽のタグやアートワークの編集・管理 iPhoneプレイリストの作成・編集・削除...他にもiPodの音楽を直接PCで聴くことが簡単にできるようになりました!
iPodを管理、iPhoneをiTunesなしで。これが今、現実になりました! >(CopyTrans Manager サイト)


 期待を誘う文言のため期待を寄せて使ってみたのだが、"音楽・ビデオ" に関してはともかくとして、"電子書籍( ePub,PDF )" に関しては、まるで "対象外!" といった感触に終わった。
 確かに、接続した "iPod touch" (iPad も同様のはず)の "内部ファイル構成" は、実に詳細かつ正確に表示され、この辺は、"i-FunBox" に勝るようだ。
 しかし、転送操作ボタンらしき<iPodにトラックを追加>というボタン操作で、PC上の "電子書籍( ePub,PDF )" を指定しても、まさに "門前払い!" のような扱いがなされてしまった......
 この "CopyTrans" パッケージには、この "Manager" ソフト以外に、数本のシェアウェア・ソフトが含まれていて、"音楽・ビデオ" に傾注している方には役立つはずである。

 と言うようなわけで、PC上の "電子書籍( ePub,PDF )" を "iPad/iPod touch" に転送したいというニーズを持つ自分としては "残念賞" という結果であった...... (2011.07.31)




















 "電子書籍" が本格的に社会に定着して行くためには、単に新規デバイスへの "技術的興味" や、あるいは "秀逸なコンテンツ" 登場といった条件だけではムリであろう。
 "電子書籍" の社会的定着には、多方面でのイノベーション活動が必要だと思われるが、象徴的な言い方をするならば、(1) 垣根を解消すること、(2) on-line上での "off 会" 的要素の整備、とでもいうことに尽きそうな気がする。
 要するに、意味のない "閉鎖的分散化の基盤" を取り除き、その上で、"読み手間における読書体験の交換" が充実したかたちで展開する、そんな環境を創ること。これ以外にないと思われる。


 (1) "垣根を解消すること" とは、"独自仕様" の "アプリビューワ" である "eBook Reader" が乱立することによって、結果的には、"電子書籍" の読み手たち間での意思疎通が妨げられているわけで、この現状は解消されることが望ましい、という点なのである。
 もっとも、"ePub(3.0)" フォーマットという国際標準普及が進展することで、ローカルな "垣根" は次第に解消れて行くのだろうとは思う。

 昨日は、アップルが "iTunes Store" に開設した「iTunes U」によって、"The Open University"/"開かれた大学" が実現されていることを書いた。
 "電子書籍" は個人的なエンターテイメントであっても一向に差し支えないだろう。だが、"電子書籍" という存在の本質を気に掛ける時、"The Open University" のイメージこそが、"電子書籍" の重要な姿を照らし出していると思えたのであった。
 自分自身もそうであるが、われわれはとかくIT関連などの新しいテーマに "商機" を見出そうとするものだ。有り体に言えば "稼ぎのネタ" として熱い眼差しを向けてしまうということ......。それもまた差し支えないことだろうと言うべきかもしれない。
 ただ、そうであっても、"電子書籍" という存在の本質を見間違うならば、"稼げる" どころか徒労に終わりかねないだろう。どんな場合でも、事の本質を探っておいて間違いはなさそうである。

 "モノ" と "情報" との大きな差異は、"モノ" を消費する場合には、"モノ" 自体が排他的に占有されたり、その挙句に消滅したりするのに対して、"情報" の消費(閲覧や読書をはじめとして様々な利活用)においては、"情報" 自体が消滅することにはならない。当然のことである。
 ただ、排他的に占有されることは大いにあり得る。それは、所有や市場の原理で動いている経済社会にあっては当たり前なことなのかもしれないが......。
 しかし、"情報" 自体の価値は、排他的に占有されてクローズ状態にある場合と、オープンに公開されて広く受け容れられる場合とでは、どちらが増殖的(増大しやすい)なのであろうか。
 今、頭の中にあるのは、"オープン・ソース" の OS であるあの "Linux" のことだ。一時はマイナーなイメージもあった "Linux" だが、"オープン・ソース" であったがゆえに、世界中の叡智を吸引することとなり、計り知れない価値増殖を遂げたわけだ。今、流行りの "Android" が、"Linux" で構成されていることを知る人も少なくないはずである。

 "電子書籍" の読書においては、読み手が最も好ましいと思える操作環境が設定されて然るべきであろう。それが、"紙の書籍" から "脱皮(!)" した "電子書籍" の、いわば "ノブレス・オブリージュ"(仏: noblesse oblige、直訳すると「高貴さは[義務を]強制する」の意味。一般的に財産、権力、社会的地位の保持には責任が伴うことを指す。)なのかもしれない。
 作り手側の都合による "お仕着せ" 的な操作環境を、読み手側に押しつけることは極力避けるべきだということなのである。

 そんな事例のひとつに、読書時における "辞書" の参照がある。
 昨日から書いているように、iBooksで、"ePub 洋書" を読む際、辞書を呼び出すと "お仕着せ" 的に "英英辞書" が起動されてしまう設定のことなのである。
 日本語圏の読み手に対しては、先ずは "英和辞書" が呼び出されて当然なのではなかろうか......。その上で、"英英辞書" への切り替え選択肢が備わっているならば、ナルホド感が伴うことにもなろう。
 まあ、愚痴を言っても始まらない。あとは、ならば "自前" 的に調整するしかないか、となるだけである。

 "ePub" の "電子書籍" の場合、"iPad/iPhone/iPod touch" 向けの "iBooks" アプリでは、画面を "長押し" して部分テキストを選択すると、<コピー 辞書 ハイライト メモ 検索>という選択肢が表れ、その内の<辞書>を立ち上げることができることは良く知られている。
 "日本語書籍" の場合の日本語テキストであれば、日本語の辞書が言葉の意味を指し示す。また、"英語書籍" の場合は、"英英辞書(New Oxford American Dictionary) " が立ち上がり、英語によって言葉の意味が説明される。
 では、日本語書籍の中の "英単語" の場合はどうなるか?
 試してみると、その "素性" はよくは分からないが、どうやら "英和辞書(小学館プログレッシブ英和・和英辞書?)" が立ち上がるという "現象" になるのである。

 となると、同じ "英単語" が選択されながらも、それが "英語書籍" 中の場合と、"日本語書籍" 中の場合で呼び出される辞書の種類が異なるという区分けのあることに気付かざるを得ないわけだ。
 とともに、もうひとつ気付く点は、"iBooks" は、英語については、"英英辞書" だけではなくて "英和辞書" も保持していて "取り扱っている" ! ということである。
 なぜこんなことになっているのか? にも興味が湧くところではあるが、むしろそれよりも、どんな "仕掛け" が隠されているのか? そして、この "秘密(?)" をコントロールするならば、いわゆる "洋書(英語書籍)" を読む時に、"英和辞書" を立ち上げて活用することが可能となるのかもしれない......。

 今、あちこちで "見える化" という言葉が飛び交っている。下手な文章、要領を得ない文章で濁された観念やイメージは、まさに "視覚的イメージ" によって "見える化" がなされて当然だと思っている。
 そんなことを考えてみると、現代で、もはや成り立ちにくくなっている "小説" なぞこそ、この "見える化" アプローチによって存分にサポートされて良いのではないかと、マジに思ったりする......。
 新聞や雑誌の小説で、もし気が利いた "挿絵" がなかったら、誰がこんなアホくさい文章を読むものかと思わされる水準のものもないではない。目に飛び込んでくる印象的な "挿絵" が、読み手側の "イメージ受け容れ態勢" とでもいうものを醸成してくれ、それゆえに、説得力のない文章でもどうにか沁み込んでくるということが、往々にしてある、あり過ぎるということである。

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