これまでに、"iPad" 向けの "Web ページ ePub変換" のあれこれについて、いろいろな視点からレポートしてきた。
そうした経過の中で、"PDF" ファイルを搭載した "Web ページ" の場合はどうすればよいか、また "audio" を搭載する場合はどうすればいいか、についても書いてきた。
結論的に言えば、"PDF" ファイルを搭載した "Web ページ" の場合は、"Sigil" を使えば簡単に達成できる。また、 "audio/video" を搭載する場合は、"eCub" を使うと比較的簡単に望みが叶う。
"Sigil" か "eCub" かの一つの "ツール・ソフト" で済まないかと考えてしまいそうだが、どうもムリではないかと考えていた。
と言うのも、"Sigil" は "PDF" ファイルの扱いに対応しているものの、"iPad" が対応する "HTML 5" 水準の "audio/video" の扱いには未対応であり、また、"eCub" の方は、 "HTML 5" 水準の "audio/video" の扱いは無難に対応するものの、"PDF" ファイルの扱いには対応していないようだからなのである。
この辺の実際については、以下のブログ記事を参照していただきたい。
■ 参照 "PDF" ファイルの扱いに対応した "Sigil" !
◆(1)<【使える!】"ePub電子書籍"内に"PDFファイル"を格納!(再)/"自炊eBook"も"PDF"(当日誌 2011.02.27)>
◆(2)<自作"ePub電子書籍"内に"PDFファイル"を格納!/縦 slide方式で順調に閲覧可能!(当日誌 2011.01.16)>
■ 参照 "HTML 5" 水準の "audio/video" の扱いに対応した "eCub" !
◆(3)<"iPad"向け"ePub"で"MP4"のvideoファイルを再生させる検証/audioとまったく同様 (当日誌 2011.01.29)>
◆(4)<"audio埋め込み型"の"ePub"や"Webページ"の実際/自作サンプルで試しながら(当日誌 2011.01.27)>
◆(5)<"Sigil"で作ったePub電子書籍を元に、"eCub"を利用して"audio/video"を埋め込む(当日誌 2011.01.22)>
◆(6)<ePub変換フリーソフト"eCub"の使い方完全図解!/"HTML5"にも対応する点を評価!(当日誌 2011.01.18)>
◆(7)<"オーディオ埋め込みEPUB電子書籍"制作のコア部分をクリア!/"eCub"が役立った! (当日誌 2011.01.17)>
では、"ePub変換" において "PDF" と "audio" を "両用" する場合、つまり同時搭載を処理する場合はどうしたらよいのか?
実は、そんなケースに遭遇してために、試行錯誤させられたのである。
もし、"Sigil" や "eCub" が、片方に対応するとともに、もう片方については "不問に付す" ような対応であったならば、片方が終わったらもう片方の処理を "重ねて実行する" だけで済みそうである。
ところが、前述したように、"Sigil" は "PDF" ファイルの扱いに対応しているものの、"iPad" が対応する "HTML 5" 水準の "audio/video" のスクリプトに関しては、"自動的に消去" してしまう。つまり、 "audio/video" スクリプトが "無効" となるわけだ。
また、この点は意外に感じたが、"eCub" の方は、 "HTML 5" 水準の "audio/video" の扱いは無難に対応するものの、"PDF" ファイルに関しては、処理過程で "組み込むことすら拒絶" するのである。だから、"PDF" ファイルについては、表示されようがないわけだ。
したがって、上の ◆(5)<"Sigil"で作ったePub電子書籍を元に、"eCub"を利用して"audio/video"を埋め込む(当日誌 2011.01.22)>と言う場合にも、もし、"Sigil" で "PDF" ファイルを扱っていた場合には、"eCub" は、その部分を "無効" としてしまうことになる。
さてさて、そうなると、どうすればよいのか?
"Sigil" で作った"PDF" ファイル組み込み済みの "ePub電子書籍" =「~.epub」ファイルを、しかたなく "手作業で改造する" ことになるのである。
"手順" は、先の ◆(5)<"Sigil"で作ったePub電子書籍を元に、"eCub"を利用して"audio/video"を埋め込む(当日誌 2011.01.22)>の手順とほとんど変わらない。
つまり、この◆(5)のブログで書いた手順で言えば、
<(2) このファイル「 Sigil-eCub.epub 」を解凍する。次の "4要素" が現れる。>
の記述部分から、
<(11) これらの作業が完了後、
[1] フォルダ:META-IMF
[2] フォルダ:OPS
[3] minetype
の "3要素" を同時選択して、例の "zip 圧縮" を掛ける。圧縮ファイルの保存場所は、同じフォルダ "Sigil-eCub" とする。>
というプロセスまでを、"eCub" を使わずに "手作業" で実行するのである。
実際に試してみると、これで、特に支障が生まれることなく、"iPad/iPod" に転送(同期)すると、"PDF" と "audio/video" とが両立した "ePub 電子書籍" が完了していることがわかった。
ちなみに、その "働き" が見えにくいファイルである "content.opf" や "toc.ncx" を調べてみても、特に "audio/video" に関する記述に増減はない。
となると、"手作業" という多少面倒な手順が必要とはなるのだが、"audio/video 埋め込み型 ePub" 作りには、必ずしも "eCub" が必須だということではなさそうなのである...... (2011.03.07)
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