アルツハイマー病は、脳内に、"アミロイドベータ(Aβ)" と呼ばれる "異常タンパク質" の断片が蓄積する結果から発症するとされている。
このため、この "Aβ" の蓄積を、どう抑制したり、分解するかが治療法/治療薬の課題とされてきた。
◆ 参照 当誌過去の "アルツハイマー病抑制研究" 関連記事
(1) 増えてきた"アルツハイマー病の治療薬"!気をつけておくべき"要注意事項"がありそう!/当誌 2014.05.01
(2) アルツハイマー病:老化による異常タンパク質(Aβ)蓄積とAβ分解酵素ネプリライシン!/当誌 2014.04.30
(3) "アルツハイマー型認知症"予防策の一つ!"有酸素運動"で"酵素:ネプリライシン"強化!/当誌 2014.04.01
(4) (再)"自衛機能"として!アルツハイマー病から脳を守る細胞内の「掃除屋」タンパク質!/当誌 2014.03.16
(5) "アルツハイマー病"の脳内原因物質"アミロイドβ"の"掃除役タンパク質sorLA"が特定!/当誌 2014.02.14
今回注目する下記引用サイト記事 : アルツハイマー抑制タンパク質 滋賀医科大チーム発見/京都新聞/2014.06.04 - 22:40 も、上記と同様の視点に立ちつつ、この "Aβ" に対抗する特殊な "タンパク質:ILEI" に着眼した研究とその成果とを報じるものだ。
特に、"副作用" のリスクを回避できる薬剤開発へのアプローチが期待されている。
<脳内のタンパク質「ILEI(アイレイ)」がアルツハイマー病の原因物質の生成を妨げ、発症を抑制する効果があることを滋賀医科大分子神経科学研究センターの西村正樹准教授らの研究グループが発見し、4日、英科学誌「ネイチャーコミュニケーションズ」の電子版に発表した。副作用リスクの少ない治療薬の開発が期待できるという/ アルツハイマー病は、特定の酵素の働きで生まれたアミロイドベータ(Aβ)と呼ばれるタンパク質の断片が脳内に蓄積して発症するとされる。この酵素の働きを抑え込む従来の薬剤開発では、別のタンパク質の分解まで阻んでしまい、皮膚がんや認知機能の低下など副作用が課題だった/ 同グループは、アルツハイマー病の患者の脳では正常な脳よりILEIが減っている点に着目。培養細胞でILEIを増やすと、分泌されるAβが約30%減ることが判明した。別のタンパク質の分解は正常に進み、副作用の危険性が抑えられた/ 実験では、アルツハイマーを発症するように遺伝子操作したマウスでILEIを生成すると、記憶障害を起こさずに健康なマウスと同等の成績を残した/ 西村准教授は「治療に向けた一つの方向性が示せた。副作用がない治療薬の開発につながってほしい」と話した> とある。
アルツハイマー抑制タンパク質 滋賀医科大チーム発見/京都新聞/2014.06.04 - 22:40
脳内のタンパク質「ILEI(アイレイ)」がアルツハイマー病の原因物質の生成を妨げ、発症を抑制する効果があることを滋賀医科大分子神経科学研究センターの西村正樹准教授らの研究グループが発見し、4日、英科学誌「ネイチャーコミュニケーションズ」の電子版に発表した。副作用リスクの少ない治療薬の開発が期待できるという。
■ 副作用を回避 治療薬に期待
アルツハイマー病は、特定の酵素の働きで生まれたアミロイドベータ(Aβ)と呼ばれるタンパク質の断片が脳内に蓄積して発症するとされる。この酵素の働きを抑え込む従来の薬剤開発では、別のタンパク質の分解まで阻んでしまい、皮膚がんや認知機能の低下など副作用が課題だった。
同グループは、アルツハイマー病の患者の脳では正常な脳よりILEIが減っている点に着目。培養細胞でILEIを増やすと、分泌されるAβが約30%減ることが判明した。別のタンパク質の分解は正常に進み、副作用の危険性が抑えられた。
実験では、アルツハイマーを発症するように遺伝子操作したマウスでILEIを生成すると、記憶障害を起こさずに健康なマウスと同等の成績を残した。
西村准教授は「治療に向けた一つの方向性が示せた。副作用がない治療薬の開発につながってほしい」と話した
。
脳内での "アミロイドベータ(Aβ)" 蓄積を促す特定酵素については、<この酵素の働きを抑え込む従来の薬剤開発では、別のタンパク質の分解まで阻んでしまい、皮膚がんや認知機能の低下など副作用が課題だった> とされている。
こうした "副作用" のリスクを回避した治療薬の開発可能性が、上記研究の成果とされるが、順調な薬剤開発が大いに待ち望まれる...... (2014.06.06)
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