"筋萎縮性側索硬化症(ALS)" や "閉じ込め症候群(TLS [totally locked in state])" という "難病の辛さ" については、過去にも何度か注目してきている。
◆ 参照 当誌過去の "筋萎縮性側索硬化症(ALS)" 関連記事
(1) "iPS細胞"の応用で、神経の難病:"筋萎縮性側索硬化症(ALS)"の進行を遅らせる(京大)!/当誌 2014.06.28
(2) "TLS 患者" における、"自律神経系" の "非言語的コミュニケーション"/当誌 2010.03.25
(3) なぜ、 "閉じ込め症候群" に少なくない人々が関心を寄せるのだろうか/当誌 2010.03.24
(4) "閉じ込め症候群" と、 "人間的な意識" によって寄り添われる "人間の命"/当誌 2010.03.22
こうした "難病の壮絶さ" は、簡単には言い尽くせないかと思えるが、中でも、自身の思いや意思が表現しにくい点、あるいはやがてそれが不能にもなっていく点( "閉じ込め症候群" )などに、辛さは極まるのではないかと思われる。
こうした患者さんたちの "人間としての尊厳"、"QOL(生活の質)" の改善が、現代のデジタル技術などの活用によってもっと効果的に進められないものかと考えるのは、決して自分だけではなかろう。
今回注目する下記引用サイト記事 : フィリップスとアクセンチュア、ALS患者向け生活支援脳波連携ソフトを開発/マイナビニュース/2014.08.22 が伝える動向は、まさにそうした期待に的確に応える展開だと思えた。
<ロイヤル フィリップスとアクセンチュアは8月5日(米国時間)、脳波を測定できるデバイス「Emotiv Insight Brainware」とウェアラブルディスプレイを接続したコンセプト実証ソフトウェアを開発したと発表/ 同ソフトは、筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者をはじめとした神経変性疾患患者の自立的な生活を支援する可能性を示すもので、患者の思考や感情、表情などをリアルタイムで検知し、脳から発信される電気信号を捕えるセンサ技術が搭載されている「Emotiv Insight Brainware」を経由して、ウェアラブルディスプレイに表示されるアプリケーションを視覚的に操作することができる。/ 具体的には、ウェアラブルディスプレイと「Emotiv Insight Brainware」をタブレット端末に接続することで、ユーザーは脳からの指令で「フィリップス緊急通報サービス」、「フィリップス・スマートテレビ(TP Vision製)」、「スマートLED照明 Philips hue」などのフィリップス製品をコントロールすることができるようになるという。/ 同ソフトは、視線や音声の指令によってもコントロールすることが可能で、どちらの場合も、ユーザーはあらかじめ定められたメッセージを通じたコミュニケーションや、医療サポートのリクエスト、テレビや照明をコントロールすることができるようになる。/ 両社は同ソフトについて、既存のテクノロジーがどのようにALS患者の方々の生活の質を改善できるかを実証する良い例となるとしており、......「同コンセプト実証は、深刻な疾患を持ち、体の動作に問題を抱える人々が、デジタル革命を通じて生活の質を取り戻すという、ウェアラブル技術の力強い新たな可能性を示している。/ 「同コンセプト実証は、たとえ患者が病院にいなくても、人とデバイス、データ、技術を素早く連携することで、患者の生活の質を改善できる可能性があることを証明するものであり......」とコメントしている。> とある。
フィリップスとアクセンチュア、ALS患者向け生活支援脳波連携ソフトを開発/マイナビニュース/2014.08.22
ロイヤル フィリップスとアクセンチュアは8月5日(米国時間)、脳波を測定できるデバイス「Emotiv Insight Brainware」とウェアラブルディスプレイを接続したコンセプト実証ソフトウェアを開発したと発表した。
同ソフトは、筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者をはじめとした神経変性疾患患者の自立的な生活を支援する可能性を示すもので、患者の思考や感情、表情などをリアルタイムで検知し、脳から発信される電気信号を捕えるセンサ技術が搭載されている「Emotiv Insight Brainware」を経由して、ウェアラブルディスプレイに表示されるアプリケーションを視覚的に操作することができる。
具体的には、ウェアラブルディスプレイと「Emotiv Insight Brainware」をタブレット端末に接続することで、ユーザーは脳からの指令で「フィリップス緊急通報サービス」、「フィリップス・スマートテレビ(TP Vision製)」、「スマートLED照明 Philips hue」などのフィリップス製品をコントロールすることができるようになるという。
同ソフトは、視線や音声の指令によってもコントロールすることが可能で、どちらの場合も、ユーザーはあらかじめ定められたメッセージを通じたコミュニケーションや、医療サポートのリクエスト、テレビや照明をコントロールすることができるようになる。両社は同ソフトについて、既存のテクノロジーがどのようにALS患者の方々の生活の質を改善できるかを実証する良い例となるとしており、アクセンチュアの最高技術責任者(CTO)であるポール・ドーアティ氏は、「同コンセプト実証は、深刻な疾患を持ち、体の動作に問題を抱える人々が、デジタル革命を通じて生活の質を取り戻すという、ウェアラブル技術の力強い新たな可能性を示している。
これは、アクセンチュアとフィリップスが技術革新力を持つ企業と協力しながら、健康に課題を持つ人々の暮らしをいかに向上させようと努めているかということの証明でもある」とコメントしている。
また、フィリップスのヘルスケア・インフォマティクス・ソリューション&サービス部門のイェルーン・タスCEOも「同コンセプト実証は、たとえ患者が病院にいなくても、人とデバイス、データ、技術を素早く連携することで、患者の生活の質を改善できる可能性があることを証明するものであり、今後も人々の生活を変え、ヘルスケアの未来を創造する新たなウェアラブル技術やセンサソリューションを開発するため、フィリップスは今後ともアクセンチュアのような革新的なテクノロジー企業と協力をしていく」とコメントしている。
( ※引用者注 ―― 文意を損なわないよう留意して割愛しています。)
実際上の使い勝手の詳細までは分からないが、図表によれば、"ヘッドセットのセンサー" を通して、患者さんの "脳波" などからであろうか、"思考やシンプルな行動" を感知して、患者さんからの "指令" として "デバイス" に送信されるという。
現段階で製品化の予定はないとも伝わっているが、臨床的な実績が加味され、同システムが患者さんたちから喜ばれる技術環境へと発展してもらいたいものである...... (2014.08.27)
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