政治経済一般: 2012年1月 アーカイブ

 
ジョン・ガーズマ
スペンド・シフト
希望をもたらす消費
 今回レビューする下記サイト記事<「棚が回る冷蔵庫のCM」に呆れる若者の話(イケダハヤト)>においては、<私自身もどこか感じていた「企業のマーケティングに対する違和感」>(下記引用記事)というフレーズ、それが大いに共鳴できるものであった。もちろんそれだけではないのだが、この点に全体が集約されるような気がしたものであった。

 "ソーシャルメディア" には少なからぬ思い入れをしているのだが、サイト上の関連記事をチェックしていると、"猫も杓子(しゃくし)も" 企業による "ソーシャルメディア" 対応にばかり目を向け、正直言ってウンザリ気味となっていた。
 もちろん、企業がマーケティングの目的で "ソーシャルメディア" に期待するのは、それはそれで結構なことだとは思う。マスメディア利用の "一方通行路線" と比べれば、遥かに進化(?)しているはずだからである。消費者との "対話路線" を "ソーシャルメディア" という空間を通じて踏み出すということは、消費者にとっても企業にとっても有意義なことに違いないからである。

 しかし、どうも<違和感>を禁じえないのが実情であった。それは、企業側姿勢の "取って付けた" ようなニュアンス、言いかえれば、ホンキでやる気があるの? という打ち消し難い疑問であったかもしれない。従来の基本姿勢を変えずにそれを維持したままで、"ソーシャルメディア" 対応に向かうというのはややムリがありそうだと思えてならなかった......。
 さらに、<違和感>のもう一つの原因としては、"ソーシャルメディア" 活用のマーケティングの "有効性" をホントに確認したわけでもなかろう "IT 関連業者" などが、何やかやと安直さに任せて蠢く! そうした状況への不信感(?)も手伝っていたのかもしれない......。

 ところが、<違和感>の本質は、 "一方通行路線" と "対話路線" というズレのレベルどころか、消費者の消費マインド自体が次元を異にした "革命的変化" へと踏み込んでいたことにこそあったようである。それが、"何か違う......" という打ち消し難い<違和感>を刺激していたのかもしれないのである。
 その "革命的変化" とは、下記記事によれば<「スペンドシフト」>と呼ばれている事態なのである。それゆえに従来型の消費マインドに拘泥しつつ小手先で対応するところの "Socialメディア" マーケティング対応に、"何か違う......" という<違和感>が付きまとっていた......、とそう理解することができそうなのである。

 もし、顧客が訪れたショップの店員が、やたらに慇懃な接客対応をする割には、顧客側の真のニーズを探り当てることができずに、ウンザリするようなありきたりの在庫商品ばかりを並べ立てるとしたら、顧客側はどんなもどかしさに襲われるであろうか?  企業による現時点での "Socialメディア" マーケティングとはそんなちぐはぐさを地で行っているようなものなのかもしれない......。

 いずれにせよ、"ソーシャルメディア" 時代において注目すべきは、コミュニケーションのスタイル( "一方通行路線" か "対話路線" か......)の違いどころの話ではなく、消費者(生活する人間たち!)が何をニーズとしているのか、そのフェイズでの切々とした変化だ! ということになりそうである。そして、若い世代ほどこの変化を実感として自分のものとしている気配が強いと思われる。
 その "革命的変化" に見合った企業改革に辿りつくためにこそ、"ソーシャルメディア" に立ち向かうべきなのではなかろうか。

 以下、平易な文章表現でありながら、実に "的を射た" 指摘を放っているその記事を引用しておきたい。



















 "ソーシャルメディア" を駆使している "OWS運動" 参加者たちが、"ギーク" らを中心に、下記引用記事のとおり<合作映画 『 99% ― The Occupy Wall Street Collaborative Film 』>を制作中だという。
 "ギーク" ら75人の映画制作者たちが、いわば "Social Film!" の制作とも言える活動によって "OWS運動" の一里塚を打ち立てようとしている。
 この "OWS運動" は、"ソーシャルメディア" が駆使されているとともに、多くの "ギーク" たちが参画していることは以前にもこのブログで次のように記した。

 < ウォール街占拠デモの宿営地(ズコッティ公園内)内部の光景が、Photo アルバム風に紹介された。参加者たちの "クール × 熱意"、およびそれらに接して、"感染(?)" したに違いない記事制作者たちの "ハイテンション" がスンナリと伝わってくる貴重な記事だと思えた。
 その記事では、アメリカの俗語で "ギーク (geek) " と呼ばれる卓越した知識がある者たちの活動光景がいろいろな角度から伝えられている。まるでかつての映画 "大脱走"風の、スペシャル協業(?) をエンジョイ(?) しつつ、運動を持続させようとしている、そんな雰囲気がリアルに伝わってくるのだ。
 言うまでもなく、かつての映画 "大脱走" は、ナチスドイツの捕虜収容所からの大量脱走だったわけだが、今彼らは、"金融経済社会" = "超格差社会" からの "大脱走" という、言ってみれば "The Impossible Dream"( MAN OF LA MANCHA )に挑もうとしつつ、その持続スタイルを虎視眈々と模索しているように見える。
 現代の "IT" は、その "レバレッジ" のパワーによってスピーディに膨大な規模の "マネーゲーム" を遂行している。
 そこで、彼らもまた、存分にその "IT・レバレッジ" をカウンター・パワーとして活かしつつ、運動の裾野を急速に広げようとしているかのようだ......。>( 「ウォール街占拠デモ」のギークたち/まるで映画"大脱走"風のスペシャル協業?( 当誌 2011.10.12 )

 これまでにもこの "運動" の光景は、動画として単発的に YouTube に投稿されていたが、今回のように全米各地での "運動" が、参加者の視点で集大成され一本の "Social Film!" に仕上げられるというのは興味深い。( c.f. マイケル・ムーア監督『華氏911』)
 いや、とかくマスメディアも腰が引けた報道に終始してきただけに、きっと "運動" の全容が克明に伝わることとなり、世界中で共感者を増やすことになりそうだ。

 今、民主党政権は混迷の度を深め、いよいよ "舵取り" を危うくしている。いろいろな "反省材料" が指摘されているが、この "特殊な" 現代にありながら、旧態依然の "足し算" 処世術を続けようとした点にこそ注意を向けるべきなのかもしれない。
 かつて、大前研一氏は、2010年度予算の概算要求総額が95兆380億円の空前絶後の巨費となった時、<自民党のやったことと民主党がやりたいことを合わせるという「足し算の政策」で進めるからこういうことになる。これでは国民が自民党を否定し、民主党を選んだ意味がない。>、<新政権を取った民主党は行政の無駄をなくします、と言いながら、当面はマニフェスト優先で「足し算」状態が続くのであろう。>とし、<「足し算の民主党」では経済は立ち直らない>と警告していた。( 「足し算の民主党」では経済は立ち直らない/nikkei BP net - 大前研一の「産業突然死」時代の人生論/2009.10.27

 "青天井" 的経済成長が見込まれていた時代には、とにかくすべてが "足し算" で賄えたかもしれない。"あれかこれか" の選択で思い煩うまでもなく、ただすべてを是認しさえすれば良かったからだ。そのあり様は "寛容" なぞでは決してなく、むしろ "放任" であり "思考停止" と言った方が当たっていただろう。"いいんじゃない" と言いつつ、なくて済むわけがないはずの "評価行為" をただただ "先送り" することになった。
 しかし、経済成長の鈍化と停滞、しかも、"長期人口減少" 傾向という致命的とさえ言える社会基盤の変化を迎えた今、すべての現象に "有限性" という色彩が浮かび上がり、表面化する、そんな局面が立ちはだかっている。"引き算" なしでの "足し算" はとても不可能となり、そこに避けるわけには行かなくなった "選択" が立ち現れ、そのために緊張した "評価行為 = 検討" や "思考" が避けて通れなくなったわけだ。

 新年を迎えると、何か心も "改まる" 気がするから不思議と言えば不思議だ。こう言っては身も蓋もなくなるが、決して新年それ自体に何かが "改まる" ための仕掛けがあるわけではない......。にもかかわらず、みんなでこぞって "改まる" かのような暗示をかけ合い、そんな気にもなりつつ御屠蘇なんぞを飲んで新年を祝う......。
 まあ、それで良いと言わざるを得ないのだろう。たとえ、実質的には何の変化もなく、たとえば国の財政はますます悪化を続け、政治選択がワケの分からない方向へと雪崩込み、現政権の行方にせよ、今後の経済動向にせよ不透明さが増していようとも、もちろん国民生活が最悪の危うさに突入しつつあっても、ひょっとしたら今年は "改まる" のかもしれないと、無理矢理にでも信じようとしなければ、お節料理が喉をも通らないわけだから......。

 新年と旧年との入れ替わり、つまり "新旧交代" は、カレンダーの「年」(や市場の製品など)についてはスムーズそのものであるが、その他の様々な重要な事柄については何ともギクシャクとしているように見える。
 中でも、権力、利権などにまつわる領域・組織での "新旧交代"、"世代交代" ほど頑固な停滞感に包まれたものはない。"既得権益" 勢力の為せる技(保身!)だと言ってしまえばそれまでではある。しかし、現状の世界全体がカウントダウン的な危機に覆われている時、 "新旧交代"、"世代交代" は、何よりも喫緊の課題だと思われる。しかも、多くのソリューションにとって、この方策が最も効果的かつ決定的ではないかと......。

 これらに関しては、以下2点に絞って考えてみたい。

 1.現代は、"足し算" よりも "引き算" が効く時代!
 2."未来" とは、若年世代の管理下にあるべきもの!

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