電子書籍(eBooks): 2011年8月 アーカイブ

 "その意図" は了解できる。しかし、物事には "蛇足" (※)ということもあり得る。
(※) (蛇の絵を描く競争で、早く描きあげた者が足まで書きそえて負けになったという故事から)あっても益のない余計な物事。あっても無駄になるもの。[広辞苑]

 とかく現時点での技術環境では、やろうとすれば何でもできてしまうご時世である。それも、現代人たちが弱体化・喪失した能力を支援したり補足したりする対処法については枚挙にいとまがない。そしてそれらの中には、老婆心と言うよりもお節介に過ぎて、思わず "ノー、サンキュウ!" と言いたいものも少なくない。

 "電子書籍" に<効果音や音楽を流す>という対処法、それは、現代人たちが弱体化・喪失させた想像力を支援するという意図を持っているのかもしれない。
 だが、"ちょっと違うかなぁ......" という "?" 以外ではないと感じる。
 むしろ、下記記事の筆者が言う<本の素晴らしさは、そのすべての世界が、読者の想像と同じだけリアルになるところだ。安っぽい効果音を追加しても、読書体験は豊かにならない。すべてを「つくりもの」にしてしまうだけなのだ。>に共感を覚える......。




















 オールド世代にとっては、"貸し本" という言葉の響きにはちょっとした懐かしさが伴ったりするものだ。"水木しげる" の漫画などを、駄菓子屋と隣接した "貸し本" 屋で、一晩10円(?)也で借りたりした想い出などが......。
 "電子書籍" の時代となっても、日本では、コミック本を中心とした "電子貸本" 業者があったりもするようではある。
 もっとも、"電子書籍" は購入価格自体が安いこともあり、"貸し本"(レンタル)という方式が今ひとつピンとこないところもあるようだ。

 いや、下記の記事に目を留めたのは、実を言えば "貸し本"/"電子書籍レンタル" というサービス形態の視点と言うよりも、そうした方式が普及しつつあるほどに、米国では "電子書籍" への関心が高い! と覗える点なのである。
 <動きが鈍い日本国内とは対照的に、米国ではフルスピードで電子書籍の普及が進んでいる。>と述べられた部分なのだ。
 "紙の書籍" の価格事情の違いもある(c.f. 大原ケイ『ルポ 電子書籍大国アメリカ』アスキー新書/2010.09.10)のだろうが、もともと米国人たちは "本" を「読む」素材だと見切って、保存・保管する「モノ」とは考えないようだと言われている。読み終わると捨てることも珍しくはないとか。
 この辺に、"電子書籍" という "非・モノ" への受け容れ素地があったのかもしれないし、さらに "レンタル" というスタイルに抵抗感がないのかもしれない。

 つい先日(8月16日)、"縦書きの HTML コンテンツ作り" について書いた。

◆参照 EPUB3仕様/"縦書きePub"に向けて先ずは"縦書きのHTMLコンテンツを作り"を検証!( 当誌 2011.08.16 )

 今回は、その続きとなる。いやむしろ、"縦書きEPUB3 電子書籍"作りという当面のターゲットテーマからすれば、今回に向けて前回があったと言うべきかもしれない。
 と言うことで、前回のエントリー内容を前提にしているため、上記エントリーをも参照していただきたい。

 その前回では、どんな "~.html" ファイルであっても、"縦書き" 表示に変える(ただし、現状では表示ブラウザは限定されている)という添付用 "CSS" ファイル( "basic_vertical.css" )が配布されていること、これを "~.html" ファイルとリンクさせれば確かに縦書き表示が実現されることを確認した。
 この事情は、"ePub 3.0" 云々というのではなく、"HTML 5" 仕様とこれに対応したブラウザ( ex. Google Chrome etc.)のなせる技だと言うべきなのである。
 ちなみに、下記の shot (3) は、前記の "CSS" ファイル に、"CSS" における "HTML 5" 仕様の一部である "テキスト・シャドー" 指定を加えてみたところ問題なく "ドロップ・シャドー" が表示された。同様に、"audio" 指定も可能であった。

 
"ePub2.0"のおさらいに持って来いの教材!
 既に策定された "EPUB 3.0" の仕様(オーディオ及びビデオといったマルチメディアに対応したコンテンツや、JavaScriptを活用した動的コンテンツ作成も可能)に基づき、"EPUB 3.0" の活用事例や解説サイトが "ちらほら" と現れている昨今である。  この "EPUB 3.0" については、また後日書きたいと思っているが、"EPUB 3.0" 仕様の習得にチャレンジする以前に、"EPUB 2.0" 仕様や、これを最大限駆使して "ePub 変換・編集" を支援するソフト / "Sigil" について、やはり、じっくりと "おさらい" をしておいた方が良さそうかと思っている。

 そんな矢先、これはいいじゃない! と感じさせられた "教材" をとあるサイトで見つけることになった。
 「技術評論社/電子書籍 無償配布キャンペーンのお知らせ」 というサイトである。


 これは、同出版社が今年5月に出版した書籍、『電子書籍らくらく作成PACK <EPUBテンプレート付き> [大型本]林 拓也 (著) 』著者/林 拓也さんのサイト )にちなんで展開したキャンペーンなのだ。
 このサイトでは、メール送信をすると "無償" で "ePub" サンプルファイルをダウンロードさせてもらえる。
 まあ、こうしたサイトが無いわけではないが、"ePub 電子書籍" 制作に関する解説に加えて、各種 "テンプレート" までダウンロードできるのは注目に値する。

 "縦書き" または "縦書きePub" に関しては、このブログでも随分とこだわり、書いて来た。

◆参照 当ブログでの「縦書き」関連エントリー

 だが、"縦書きePub" については、小手先の技を超えた "Web仕様の改変" でもない限り難しいだろうと薄々想定してきた。
 そして、その "仕様の改変" が "EPUB 3 仕様" の策定というかたちで実現し、その中には "縦書きePub" という念願のテーマも含まれている。
 まだまだ、多くの課題を残してはいるようだが、既に、積極的な開発プロジェクトも動き出しているようである。

 米アップルの "App Store のポリシー変更"! (参照 <iPhone/iPadアプリの提供各社、App Storeのポリシー変更に対応 [ITPro/2011/07/26])では、アプリ出品者がいろいろと右往左往されられたらしい。出品者側サイトへのリンクを張ってはいけない、という "お達し" だったからだ。
 昨日書いた "Amazon 電子書籍リーダー"Webアプリ版"「Kindle Cloud Reader」" の公開にしても、その煽りを受けた対応だったとされている。

 ところが、その出来事の前にも、アプリ出品者には小さくない揺さぶりが掛かっていたわけだ。米ドルを巡る "為替変動" に端を発したかたちで、アップストアへの出品アプリの販売価格が、大きく "値下げ" されたのだった。
 自分は、専ら "無料アプリ" に目を向けていたので、不注意にも見逃していたのだが、アプリ出品者のことを考えると沸々と疑問符が湧いてきたものだ。ただでさえ、その "低価格" には違和感さえ感じていたが、それに加えての今回の "値下げ" となると、アプリ制作者の制作意欲が損なわれはしないかとの懸念を感じたのである。
 ユーザーの立場では、アプリの低価格化は喜ばしいのかもしれないが、この価格水準ではアプリ制作者側の帳尻が合うのかどうかが心配となる。「安かろう悪かろう」という傾向に滑り込むことが気になる......。
 しかも、この米アップルのビジネス判断もまたアプリ出品者にとっては「寝耳に水」で展開されたと聞くに及ぶと、違和感の増幅は禁じえなかった......。


 もう一カ月も経過している報道記事ではあるが下記に抜粋引用をしておきたい。

 Amazonには、既に、AppleのモバイルOS「iOS」搭載端末向け電子書籍リーダーアプリケーションがある。ところが、このアプリは、つい先ごろ実施された "Apple の App Storeポリシー変更" によって "不利な立場(?)" に立たされることとなった。その事情は、以下の記事でも説明されているので省略する。
 そこで、挽回策として打ち出されたのが この "Webアプリ版" 電子書籍リーダー「Kindle Cloud Reader」ということになりそうだ。
 "iPad" で実際に使ってみた(下記の Screen-Shot を参照!)ところ、"iPad" のブラウザ "Safari" を使った "Webアプリ版" でありながら、App アプリと見間違うほどの出来栄えとなっている。
 この "Webアプリ版" からならば、"Kindle Store" にリンクさせようがどうしようが、Apple が口を差し挟むことはできない。ユーザーにとっての利便性も向上したことになろう。

 立ち上げた Linux の "Ubuntu 11.04" という "異国(?)" に紛れ込み、相変わらず右往左往している。Windows という "国内" にどっぷりと慣れ親しんで来てしまった自分にとって、大袈裟に言えば、"Ubuntu 11.04" は "異国" の地のような感じである。
 かつて訪れたことがあるとは言っても遠い昔の話。すっかり事情が変わってしまったものだから、地図も分からないし、言葉もよく通じない......。
 だからと言って、部屋に閉じこもっていたのでは好転するはずがない。そこで、気が向く行く先に的を絞って、あちこち歩き回るようにしている。
 そうしていると、犬も歩けば棒に当たるのごとく、次々といろいろな事情が呑み込めたり、思い出されたりする......。

 "iTunes" を使わずに "iPad/iPhone/iPod touch" とPC間での "やりとり" をする、その実情の幅を一応確かめておこうとしている。まあ特に強い動機があるわけでもない。強いて言えば、"電子書籍" 制作プロセスで、ストレスも伴いながら "iTunes" を使わないで、もっとスムーズな同期・転送方法はないものか、という思いがあるからなのかもしれない。

 昨日は、"i-FunBox" や "CopyTrans Manager" などのフリーソフトの吟味をしてみたわけだが、"音楽・ビデオ・Photo" をターゲットとしているようで、"電子書籍( ePub,PDF )" の同期・転送は結局難しそうな感触を得た。
 今のところ、"自前、在野(?)" の "電子書籍( ePub,PDF )" を、"iTunes" を通さずに "iBooks" に収めようとすると、"Android" でも同様であるが、ネットのブラウザを通して、サイト上の "電子書籍( ePub,PDF )" ダウンロード設定箇所からダウンロード=インストールを実行する以外になさそうである。よんどころない場合にはそうするとしても、この環境設定をするのもまた面倒なことではある......。

◆ 参照 問題は、自分のWebサイトから"ePub電子書籍の配布"を可能とする"サーバ設定"か!( 当誌 2011.04.09 )

2020年11月

1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30          














関連サイトへのリンク


  • 電子書籍(eBooks)制作にフォーカスしたサイト
  • 明けない夜はないことを確信するサイト
  • Green(地球環境改善)にフォーカスしたサイト
  • ソフトウェア技術者やSEのための評価と育成、人事考課制度を考えるサイト
  • さまざまな業種・業態でご利用可能なモバイル活用の予約システム!
  • 創作小説『海念と保兵衛』のサイト
  • 創作小説『かもめたちの行方』のサイト
  • 当ブログ推奨の商品を展示したAmazon ストアー!
  • 当AdhocBlogブログの過去のエントリー
  • 株式会社アドホクラット当時のサイト

★売れ筋! No.1!
家庭用"放射線測定器"

日本通信 bモバイルWiFi ルータ+1 ヶ月定額SIM BM-U300W-1M
価格:¥ 20,208
国内配送料無料 Amazon





このアーカイブについて

このページには、2011年8月以降に書かれたブログ記事のうち電子書籍(eBooks)カテゴリに属しているものが含まれています。

前のアーカイブは、
 電子書籍(eBooks): 2011年7月
です。

次のアーカイブは、
 電子書籍(eBooks): 2011年9月
です。

最近のコンテンツは、
 インデックスページ
で見られます。

過去に書かれたものは、
 アーカイブのページ
で見られます。

年月別アーカイブ

最近のトラックバック