文化一般: 2012年11月 アーカイブ

 日本の "漫画" 人気の高さは良く知られている。そして今や、デジタル化された "漫画" が焦点となっている。
 それを裏書きするような事実もある。

日本の電子書籍市場の特殊性>と見なされる<日本の電子出版市場の8割が漫画>という実態!( 参照 日本は電子書籍の「墓場」!?キンドルも日本の電子書籍市場の"特殊性"には梃子摺るか?( 当誌 2012.11.17 )

 その結果、電子デバイスユーザーの感覚にも、いわば "漫画メガネ的なセンサー" (?)とでもいうものが埋め込まれはじめるのであろうか?
 つまり、文字やリアルフォトよりも、"漫画" 的画像の方がピンと来る、あるいはそうした画像でないと伝わって来ない......、という感覚のことだ。

 こうなると、"漫画メガネ的なセンサー" に有効な "漫画風の画像" を作りたいという思いも刺激されるのかもしれない。
 下記の【 引用記事 2 】の<漫画カメラ>というアプリが登場した時、なるほどなぁ~、と頷き、これはヒットしそうだと予感したものであった。

 その予感どおり、そのアプリは直近で<300万DL突破!>となったようだ。そのアプリで作成した "漫画風の画像" を得意気にやりとりしているユーザーの様子が彷彿として来る......。

 さらに、こうしたアプリの好感度が直接的な契機となったかどうかは知らないが、同アプリの "機能" を "補足・向上" させるような "同種アプリ" の登場を知らされた。
 下記の【 引用記事 1 】の<漫画コミックカメラ>というアプリがそれである。この種のアプリユーザーにとっては、何かと歓迎できる事態ではあろう。

 まあ、こうした "競合" がすかさず登場して来るのはマーケットの常だと言えるが、それにしても、日本における "漫画" 人気の凄さには目を見張るものがある......。




















 日本でも現在、"選挙" の話題が焦点となっているが、つい先日の "オバマ選挙戦" が "ソーシャルネット" を駆使したものであることは、今回に限らず前回の大統領選でも指摘されていたことだ。
 そして、今回も "ソーシャルネット" が存分に発揮されたようである。

 ところで、今、注目したいのは、そうした事実もさることながら、こうした "ソーシャルネット" 機能の駆使という事情を見据えたところの "選挙結果予測" の、その "的中率" が話題となっている点である。

 下記引用サイト記事(【 引用記事 1 】):アメリカ大統領選挙は、ナードの勝利だ/WIRED/2012.11.20 によれば、"選挙結果予測" の "ナード(引用者注/"オタク" ? )" である "『ニューヨーク・タイムズ』でブログを執筆するネイト・シルヴァー" は、

彼が自ら準備した数理モデルとアルゴリズムを用いた予想がすべて正しかったことが明らかになった。いちばん最後に判明した、フロリダ州でのオバマの勝利も含めて> である、という。

 どうも、

投票の前の数週間にネットになだれ込んだ大量のミーム(コピーされて人から人へ伝わる情報)のことを考えてみれば十分/ オバマは、ミームとなった最初の大統領> という言い回しからすれば、"選挙結果予測" の "ナード(引用者注/"オタク" ? )" の手法は、"ソーシャルネット" 分析や "ミーム" の視点を駆使した方法のようにも窺える。

  "ミーム" というタームやその視点がいま一つ了解に苦しむのである( 参照【 引用記事 2 】 )が、"ソーシャルネット" と "親和性" の高い情報概念のように思われる。
 いずれにしても、"ネットを介した情報伝播" への洞察が、"選挙戦" においても不可欠であることが急遽浮上しているものかと思われる......。

 これは "ものづくり(製造)" に限らないことだと思われるが、飛躍的なイノベーションの進展とインターネットの普及とにより、"誰もが" これまで専門的分野と見なされてきたさまざまなことが "できる" 、そんな環境となった。
 すでに、"ソフトウェア" のジャンルでは、高性能の "ITデバイス" と高性能かつ安価な "アプリ・ソフト" の登場、"オープンソース" の潮流、"プログラム" の "シェア" など、至れり尽くせりな環境となり、簡単なシステムであれば "誰もが" ソフト・システムを操れる時代となった。もはや、"プログラマ" や "ソフト業者" などは不要(?)とさえ感じられるほどの環境変化だ。

 そんな変化が、"ものづくり(製造)" のジャンルにも出現しつつあるとするのが、この間注目してきた "3D(三次元)プリンター" に象徴される "21世紀型のものづくり" とでも言うべきテーマである。

 そして、このテーマに脚光を浴びせたのがクリス・アンダーソン氏(『MAKERS―21世紀の産業革命が始まる』)であることは、昨日のエントリー( "MAKERS"/クリス・アンダーソン氏来日講演/session! "共創"が日本の製造業の課題か?!( 当誌 2012.11.20 ) )でも取り上げた。

 今日は、そのクリス・アンダーソン氏インタビューの模様を伝える記事誰もが「作り手」になれる時代、エンジニアの存在価値とは?~『MAKERS』著者クリス・アンダーソンに聞く【キーパーソンインタビュー】/ET エンジニア type/2012.11.12 )を取り上げることにした。
 内容のその骨子は、以下の5つ節の表題に集約されている。

■プロのエンジニアは「コミュニティの指南役」としての価値を持つように

■Square創業秘話に見る、オープンイノベーションで問われる資質

■「シェア」は新しい創作を生み出す原動力

■「意識的な実験」が、メイカーズの働き方を変える

■すべてのビジネス&クリエイティブのソースは好奇心である

 "ものづくり(製造)" に関し "誰もができる" 時代が到来しつつあるというわけだから、当然関心が持たれて良いのは、では、"ものづくり" のプロであるエンジニア(製造業者)たちはどうなるのか? であるに違いない。
 したがって、より注目すべき部分は、表題にある<誰もが「作り手」になれる時代、エンジニアの存在価値とは?>に見合った第一節、第二節となる。

 第一節では、先ず、<プロフェッショナルなエンジニアは何をやっているか。一言で言えば、コミュニティに参加するアマチュアの指南役です。/ プロとして学んできた開発のベストプラクティスをアマチュアエンジニアに教えたり、自分たちが研究した改善方法をコミュニティ内に発信したりするのです。>と語っている。

 ただし、本命は次の点にあるとされる点に注意したい。

プロフェッショナルなエンジニアが考えるべき問題は、イノベーションを「生む」フェーズにはない。むしろ求められているのは、さまざまなところで語られているイノベーションのアイデアを、「商品」に変えていくためのプロセスづくりだ

 ここから、全体の "山場" とも言える第二節の<■Square創業秘話に見る、オープンイノベーションで問われる資質>という課題が活きてくるわけだ。

 <これからのモノづくり=オープンイノベーション=コミュニティ内で共創(コ・クリエイト)>において、"プロフェッショナルなエンジニア" は "指南役" を果たして行くことになるのだが、<求められるのは、やはりマネジメントスキルだ/ プロとしてやっていくには先ほども話したようにコミュニティ内のオーガナイザーとしてメイカーズを導くことが問われる>と強調される。

 そして、<コミュニケーションスキルやリーダーシップ、コミュニティを活性化させる材料をきちんと準備する、といったようなソーシャルスキル>が、より強く求められるようになる、と。
 さらに続けて、以下のように鋭く、言明される。

21世紀型のイノベーションモデル~つまりオープンイノベーション~では、チームワーク、コミュニケーション、ソーシャル(=人とのつながり、かかわり)から新しいモノが生み出されていくので、自分の殻に閉じこもったままのギークは、今後チャンスが限定されていくと思います

 これらの洞察は非常に適切だと思える。というのは、"ものづくり" 以前に、すでに "ソフトウェア開発" のジャンルでは、ベテランのソフトウェア・エンジニアたちに、こうした資質( "ソーシャルスキル" )が求められてやまない現実に直面し続けているからなのである......。

 "3D(三次元)プリンター" への急速な関心を喚起したのは、クリス・アンダーソン著『MAKERS―21世紀の産業革命が始まる』( 参照 デジタル化時代の"第3次産業革命"! デスクトップ&ガレージでの"ものづくり"最前線!( 当誌 2012.11.12 ) )であった。

 <残念ながら、日本の従来型の "ものづくり" のステイタスが復活されることはなさそうに見える。だが、かと言って "ものづくり" 自体が消失することはあろうはずがない。
 問われているのは、"この時代に適合した" ところの "ものづくり" とはどんなものなのか? ということであるに違いない。

という問題意識に示唆を与えたのが、『MAKERS―21世紀の産業革命が始まる』であった。

 そのクリス・アンダーソン氏の来日講演とセッションとを紹介しているのが、下記引用サイト記事:『MAKERS』のクリス・アンダーソンらが来日講演で語った「未来の製造業」【WIRED CONFERENCE 2012レポ】/ET エンジニア type/2012.11.12 である。

 これまで「大きな工場」と「設計・開発の専門技術を持つ人材」、そして「流通インフラ」を持った大企業の特権だった製造業が、個人の手に渡ったとされるすでに起き始めている製造業の変化が、時代環境が提供する以下の3条件によって推し進められたと言う。まさに、21世紀の産業革命/未来の製造業のプロローグであるかのように。

【1】 3Dプリンタやレーザーカッターのようなデジタル工作機械がデスクトップに置かれるようになり、専門知識を持たない人たちでもモノをデザインできるようになったこと。

【2】 デザインされたアイデアをオンラインのコミュニティで公開しながら、オープンイノベーションによって世界中の仲間と共創できるようになったこと(今は『Kickstarter』や『CAMPFIRE』といったクラウドファンディングを利用すれば製造資金ですらオンライン上で集めることが可能だ)。

【3】 世界中にある製造ソーシング会社をネット経由で利用すれば、そこで生まれたアイデアをクリック一つで低価格・小ロット生産することができる。>

 どうも、より注意深く眼を向けるべきは、

<このメイカームーブメントで最も重要な変化はオープンイノベーションの台頭>( 上記の条件の【2】 )という点であるのかもしれない。
 そして、<しかし、共創(コ・クリエイト)は伝統的な日本の製造業が苦手な部分でもある。(小林氏)>とされる点が、"日本の製造業" にとって、意外と大きな課題となるのかもしれない......。

 今、"3Dプリンタ" という画期的な "生産ツール" が注目を集めている。
 先ずは、下記の動画をご照覧あれ。こんなことまで "出来てしまうのか!" と驚くに違いない。


 "3Dプリンタ" に直接的に関心を抱いたのは、この手の水準ではなく、もっと平易な "プリンタ" を知らされた時である。  TV番組で、盲人向けデジカメ云々という番組があり、出来上がったフォトを盲人の方たちが確認する方法として、凹凸のある写真を印刷する "プリンタ" が紹介されたのである。
 そんな画期的な三次元構成の "プリンタ" があったのかと眼を見張った。
 しかし、実は、これは序の口であり、現在注目されている"3Dプリンタ" とは、上記の動画のような、"3次元造形" を成し遂げてしまうまさに 画期的な "プリンタ" のことなのである。

 元より、自分は "3次元造形" に興味があり、かつては "ポリゴン(polygon)" を駆使した "3次元コンピュータグラフィックス" の "簡易版" に傾注したことがあった。
 しかし、そこでの "3次元" は、"2次元" のディスプレイ上での構成以外ではない。
 ところが、現時点での "3次元造形" とは文字通りの"3次元" であるから眼を見張らざるを得ない。

 そこで、今回は、現状の "3Dプリンタ" 事情を自身が理解するために、下記引用サイト記事:【 引用記事 1 】「(ネット 人類 未来)家庭から産業革命 3次元造形が迫る転換 第1部 巨大データの光と影(4)」/日本経済新聞/2012.09.29 / 【 引用記事 2 】「金型いらずで試作コスト10分の1に 3次元プリンターで試作型を作る(1)」/特集:3次元プリンター - 日本経済新聞/2011.11.25 を引用させていただくことにした。

 
 日本のお家芸だとも言われてきた "ものづくり" とその産業が、危機に瀕しているとは長く指摘され続けている。
 一方では、"デジタル" ジャンルでの米国の勢いに、"ものづくり" 自体が押し退けられるとともに、他方では、"低コスト" の中国・東南アジアにキャッチアップされてしまい、日本のポジションが喪失されたかに見える......。

 恐らく、残念ながら、日本の従来型の "ものづくり" のステイタスが復活されることはなさそうに見える。だが、かと言って "ものづくり" 自体が消失することはあろうはずがない。
 問われているのは、"この時代に適合した" ところの "ものづくり" とはどんなものなのか? ということであるに違いない。

 下記引用サイト記事(ブックレビュー):[ブックレビュー]デジタル化がもたらす第3次産業革命を見逃すな/CNET Japan/2012.11.10 は、こうした問題意識に対して、少なからぬヒントと、また勇気とを与えてくれるものだと思えた。

< 商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
『ワイアード』US版編集長で世界的ベストセラー『フリー』『ロングテール』の著者クリス・アンダーソンが、新産業革命の最前線へと読者を誘う。今日の起業家は、オープンソースのデザインと3Dプリンタを使って製造業をデスクトップ上で展開している。カスタム製造とDIYによる製品デザインや開発を武器に、ガレージでもの作りに励む何百万人という「メイカーズ」世代が、製造業の復活を後押しする。ウェブのイノベーション・モデルをリアルなもの作りに持ち込むことで、グローバル経済の次の大きな波を起こすのだ。世界規模で進行する「メイカームーブメント」を決定づける一冊。

目次

 第一部 革命
  第1章 発明革命
  第2章 新産業革命
  第3章 未来の歴史
  第4章 ぼくらはみんなデザイナー
  第5章 モノのロングテール

 第二部 未来
  第6章 変革のツール
  第7章 オープンハードウェア
  第8章 巨大産業を作りかえる
  第9章 オープン・オーガニゼーション
  第10章 メイカーたちの資金調達
  第11章 メイカービジネス
  第12章 クラウド・ファクトリー
  第13章 DIYバイオロジー

 エピローグ 工業世界の未来の姿
 付録 二一世紀の工作室
>( amazon/MAKERS―21世紀の産業革命が始まる [単行本]より

 "ものづくり" に "自負" を抱いてきたわれわれは、時代が用意したこの環境を最大限に活かすならば、"再スタート" を切ることが可能なのではないか......。

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