自作制作方法: 2011年6月 アーカイブ

 "ePub 電子書籍" に "PDF" ファイルや "audio" を埋め込むことができることはよく知られている。
 ただし、"ePub エディター" の"Sigil" を使うと、"PDF" ファイルを埋め込むことができても、"HTML 5" 水準での "audio" を埋め込むことはできない。
 この辺の事情と対策については、下記のエントリーを参照してください。

 ◆ 参照 "ePub変換"における"PDF"と"audio"の同時搭載手順/"Sigil"と"手作業"でOKか?( 当誌 2011.03.07 )

 ところで、かねてより "iPad 用" で "ウェブサイト" を丸ごと "ePub 化" する作業をしていることについては何度も書いて来た。既に出来上がっているので、ダウンロード可能なかたちで公開しようとしているが、機を逃す格好となって来た。( "10 MB" を超える大きなサイズとなってしまったことなども原因となっている......)
 そこで、その "ePub 電子書籍" の実際を、とりあえず実写真で披露しておこうかと思う。




















 通常、"ePub 電子書籍" などを "iPad/iPhone/iPod touch" へと転送するには、言わずと知れた方法、"iTunes" を通した "同期" 機能で実行することになる。
 PCのブラウザでダウンロードした "電子書籍" なども、 "iTunes" を通して、ダウンロード・ファイルを格納したPC内のパスを指定しつつ "同期" 転送をするのが一般的であろう。

 だが、"iPad/iPhone/iPod touch" などのブラウザ "Safari" では、ウェブサイト上でダウンロード設定が施されている "ePub" などの限られたファイルについては、それに対応したアプリに直接、スマートにダウンロードすることができる。
 つまり、PCのブラウザからダウンロードするのではなくて、"iPad/iPhone/iPod touch" などのブラウザ "Safari" で直接ダウンロードを実行してしまうのである。しかも、所定アプリ、ここでは "iBooks" であるが、そこに手間いらずでインストールまでしてくれるのである。

 "ePub 電子書籍" の一角に "ナレーション" を埋め込んでみたいとは、常々考えていたところだ。ただ、その "ナレーション" の "音声合成" 音質が、ありありとした "機械音" であるならば、逆に興醒めになるだろうと思案していた。
 だが、昨日紹介したような自然な "音声合成" 音質であるならば、読み手もあながち拒絶しないかもしれない......、と思えた。
 人が本などを読み始める時、ほかの人がどうかは分からないが、自分の場合、何がしかの "スプリング・ボード" のような弾みがつくきっかけがあると読み始め易いのではないかと思って来た。音楽の "イントロ" のような意味合いだとでも言おうか......。

 電子書籍のひとつの大きな特徴だと思われる "読み上げ" 機能に再び関心を寄せているところだ。"紙の書籍" では不可能である "読み上げ" 機能がさらに充実することを期待してのことである。
 "読み上げ" 機能の使われ方はいろいろあってよいが、その極めつけは "小説などの朗読" ということになろうか。そして、"朗読" ということになると、求められる水準は "人間の声に近い自然な音声" ではなかろうか。小説とは、マインドな味わいを求めて当然のコンテンツだからである。
 読み方の上手い、下手という観点よりも、少なくとも味気ない "機械音" を避けて、"人間の自然な音声" に近づける努力が望まれるということだ。
 電子書籍の "読み上げ" 機能に求められる水準は、もはや、文字をとにかく音声化するという第一段階を踏み越えつつあるはずだと思える。コンテンツに見合った "クオリティ" に焦点を合わせる時機に来ているのではないかと......。

 電子書籍の "レーゾンデートル(存在理由)" について考える場合、先日も取り上げた "辞書機能" もそのひとつかと思うが、今ひとつ期待したいと思うのは、何と言っても "読み上げ" 機能だということになろうか。
 もっとも、 "Kindle" には "Read-to-me" という "読み上げ" 機能が備わっており、問題は "iPad/iPhone/iPod touch" の側の旗色の悪さだということになる......。
 そこで、その実情を確認しようと、"iPad/iPhone/iPod touch" の "VoiceOver" という機能について吟味してみることにした。
 Appleのサイトには以下のような解説がある。

 電子書籍のあり方に "多様性・新奇性" を求めるのも良いが、"平凡な機能" ではあるが、"紙の書籍" では叶わない機能、"辞書機能" を大いに活用すべきであろう。ただし、この機能は、"ePub eBook" では可能だが、 "PDF eBook" (画像だけで、Text が組み込まれていない PDF )は対象外である。
 "平凡な機能" ではあるが、読み手(ユーザー)にとっては "有難い!" に違いない機能なのである。几帳面な読み手(ユーザー)にとっては、読書中に出会った単語の "読み、意味" が分からずに、イラつくこともあるかもしれない。わざわざ "紙の辞書" を本棚に探しに行くようなことがあったとしたら、それこそ "お笑い草" 以外ではない。
 そして、この機能の便利さを十分に自覚した上で、制作に当たるべきだろう。と言っても、制作上で特別にすることがあるわけではない。強いて言えば、こうした機能が、通常の "eBook リーダー" には備わっていることへの注意を喚起するくらいであろうか。
 とかく、人々は "注意力不足(?)" が相場なのであり、TVでも音声部分をご丁寧に "字幕表示" をすることで喜ばれる環境なのだから......。

 昨日は、優れた電子書籍対応 "Readerアプリ" にもっと目を向けても良いのではないと書いた。
 "i文庫HD" は、"縦書き/ルビ付き/画像付き" の "自作" の "Text" 書籍なども実に美しく表示する。また、"めくりアニメーション" 表示も鮮やかであり、"自炊 PDF" file にも "めくりアニメーション" 表示が加わると、一味も二味もバリュー感が伴ったりする。
 ただ、一つのボトル・ネックがあるとすれば、"同期(=転送)" 手順に "慣れ" が必要となることかもしれない。
 "iTunes" を使って、"USB 方式" で無難に実行できるので、その手順を以下のとおり [図解!] してみた。

 "電子書籍制作" と言えば "ePub" フォーマットでの制作が定番ではある。もちろん間違いではない。"柔軟かつ総合的な可能性" を秘めた "ePub" 形式で制作することが王道であろうと思われる。
 だが、制作のフォーマットだけに囚われず、"eBook Reader アプリ(i文庫HD、Copper Readerなど)" 側に目を向けておくことも大事だと思える
 優れた "reader アプリ" も存在するのだし、また、"縦書き、ルビふり" など、"ePub" 形式での実現ではこの先多少とも時間がかかりそうな事情もあるからだ。

 "ePub変換" をして "ePubファイル" を作成していると、完成した "ePubファイル" を確認した後で、"~.htm" ファイルなどを "修正" しなければならないことが往々にしてあり得る。
 単純な "ePubファイル" であれば、再度 "Sigil" などの "ePub 変換エディター" に立ち戻ってやり直すことが早道だろう。しかし、下記のような込み入った "ePubファイル" の場合は、個別に "~.htm" ファイルを修正する必要に迫られる。


< これまでに、"iPad" 向けの "Web ページ ePub変換" のあれこれについて、いろいろな視点からレポートしてきた。
 そうした経過の中で、"PDF" ファイルを搭載した "Web ページ" の場合はどうすればよいか、また "audio" を搭載する場合はどうすればいいか、についても書いてきた。
 結論的に言えば、"PDF" ファイルを搭載した "Web ページ" の場合は、"Sigil" を使えば簡単に達成できる。また、"audio/video" を搭載する場合は、"eCub" を使うと比較的簡単に望みが叶う。
 "Sigil" か "eCub" かの一つの "ツール・ソフト" で済まないかと考えてしまいそうだが、どうもムリではないかと考えていた。
 と言うのも、"Sigil" は "PDF" ファイルの扱いに対応しているものの、"iPad" が対応する "HTML 5" 水準の "audio/video" の扱いには未対応であり、また、"eCub" の方は、 "HTML 5" 水準の "audio/video" の扱いは無難に対応するものの、"PDF" ファイルの扱いには対応していないようだからなのである。>
"ePub変換"における"PDF"と"audio"の同時搭載手順/"Sigil"と"手作業"でOKか?( 当誌 2011.03.07 )


 ここで解説することは、基本的には下記のエントリーで解説したことと同じである。
 ◆ 参照 "Sigil"で作ったePub電子書籍を元に、"eCub"を利用して"audio/video"を埋め込む( 当誌 2011.01.22 )

 "ePub 3.0" 仕様のリリースが目前となっているが、その中で、日本語表示の "縦書き" や "ルビふり" が一つの興味ある点であろう。
 ところで、オープンソースの "ePub 変換・エディター Sigil" は、つい先ごろ長い "沈黙(?)" を破り、"Version 0.4.0" へとアップデートされたことは既に書いた。

◆ 参照 <ePub変換 Editorの定番の"Sigil"が、"experts"向けに"Version 0.4.0"へアップ!(当誌 2011.06.04)>
◆ 参照 <"Sigil"最新版"Version 0.4.0"は、"experts"向け、現場からの要望に応えるもの? ( 2011.06.03)>

 その際、さまざまな追加機能があったとは言うものの、"ePub 3.0" や "HTML5( & CSS3)" などの新しい動きに対しては、これと言った特別な対応がなかったかの印象を持ち、幾分か失望したりもしたものであった。
 が、必ずしもそうではなかったのである。
 その発見・認識を促してくれたのは、以下のサイトであった。

◆ 参照 <「sigil 0.4 で ruby タグを含む epub ファイルをつくる」/KRAKENBEAL RECORDS/2011/04/24 >)

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