社会一般: 2011年10月 アーカイブ

 "Amazon サイト" に馴れ親しんだ者であれば、ふんだんに用意された商品情報に満足するだけでなく、このサイトの "居心地良さ" を感じているのではなかろうか。
 その "居心地良さ" を構成しているのは、① 自分と同じ消費者の声( "カスタマーレビュー"、"おすすめ度" )や、② 単なる "マス向け情報" ではなく、カスタマー各個人に向けた "パーソナル" な個別情報( "おすすめ商品"、"ほしい物リスト" )を掲載している点であるのかもしれない。
 これらは、商品に関する一大 "ソーシャルメディア" そのものなのであり、"ソーシャルメディア" の一方での典型だと言えよう。
 ただ、Facebook のような "パーソナル間(プロファイル間)での交流" が棚上げされている点だけが "ソーシャルさ" に欠ける側面なのかもしれない。

 ところで、今回レビューする下記記事は、"新種" の "ソーシャルメディア"、"ソーシャル戦略" かと思われる。が、何と、このシステムの "仕掛け人" は、"元Amazon社員" だというから、思わずナルホドとガッテンさせられた。
 "ソーシャルメディア" として進化していると思われる点は、① <顧客はマス向けの情報ではなく、よく利用する店限定の情報を入手できるようになる>という「ハイパーローカル」な方法、そして、②<いずれは各個人に向けて、より高レベルのパーソナライズ・サービスを提供>という点などであるに違いない。
 特に、① の点は、<ウェブをストアに持ってくること>という観点に眼を開かせるものであり、"ソーシャルメディア" の "ローカル活用" という方途を切り開こうとしている点が注目に値する。
 "ローカル" 地平から "グローバル" 地平へと駆け上るのが通例の "ソーシャルメディア" としては、再び "ローカル化" するというのもヘンな話ではあるが、"マス向け情報" に終始してきた "マスメディア型" サイトの "ソーシャルメディア" 化! だと見れば了解できる......。





















 ハンバーガー、牛丼、立ち食い蕎麦といった "ファストフード( fast food )" は、何かと時間に追われる現代人にとってお馴染み以上に欠かせない存在である。何と言っても、空腹感 = 食欲に対してストレートに、スピード感をもって振舞える点がうれしい。
 そこで、ふと思うのだが、"スマートフォン" はそんな "ファストフード( fast food )" にどこか似てはいないか......、と。


 PCは、情報(information)の閲覧・加工・送受信を的確に成し遂げる "フォーマル(正式・公式的)" なツールではあるが、何かと "段取り" が必要となる。その結果、その煩わしさがアクションを起こす意欲を損なわないではない。
 その点、"スマートフォン" は、PC機能を備えながら、"段取りいらず""カジュアル" 型であり、いつでもどこでも即時に立ち上がり、その操作も実に簡便でスムーズである。情報(information)アクセスに向けたアクションへの衝動が一向に邪魔されることがない。情報アクセスへの意欲がストレートに、スピード感をもって実現されるわけだ。


 だから、"スマートフォン" は、まるで "ファストインフォメーション( fast info )" だと言っても決して間違いではなさそうな気がするのである。 "スマホ" は、"fast info(ファストインフォ)"と......。

 ―――― 以前からしばしば書いている "スマートネイティブ" たちのその「特性」を、この "fast info(ファストインフォ)" 性だと解釈してみるのもあながち的外れではなかろう。

  ◆ 参照 "スマートネイティブ"と呼ばれる新世代とスマートデバイス&ソーシャルメディア!( 当誌 2011.08.25 )


 片や、"ソーシャルネットワーク( = SNS、ソーシャルメディア)" が人気を博するのも、どうも余計な "段取りいらず" というこうした"fast info" 的な仕掛けがあるからだとも言われている。一切の "段取り" 抜きで実感を語ったり、"つぶやき" を発信したりできるそんな仕掛けを備えているのが "ソーシャルネットワーク" だからである。
 となると、"fast info(ファストインフォ)" 志向のデバイスと、同じ志向性を持つメディアとが "意気投合!" するのは「火を見るより明らか」だと言うほかなかろう。
 そして、その通り、現在、"ソーシャルネットワーク" は "スマートフォン" の普及によって急速にアクティブとなり、また "スマートフォン" は "ソーシャルネットワーク" を主要なターゲットとするように、技術的イノベーションを重ね、ユーザーを増大させているわけである。


 今日、レビューするサイト記事は、下記引用の通り昨日に続く連載記事で、この辺の事情について述べたもの、その表題も<スマートフォンとソーシャルは両輪>とされている。内容は、次のようになろうか。

1.スマートフォンとソーシャルネットワークは両輪といってもいい。
2.個人情報の扱いが変わってきている。
  ① ソーシャル系のサービスがスマートフォンで使われるようになったことで、個人情報の扱いが変わってきている。
  ② 個人情報がどんどんオープンにされている現状。(漏洩ではなくて積極的に)
  ③ 個人情報を自ら発信するという文化。
  ④ 自分のプロファイルをオープンにして、それによって様々な人の反応を見るというコミュニケーションパターン。
  ⑤ 以上の結果、これまで以上に情報の精度と伝搬速度が期待できるようになる。
3.個人と個人の間にもあるソーシャルデバイド。
  ① その一つとしての世代。
  ② 40、50代の人々の情報発信に対する考え方と、20代の人々における情報共有や情報に対する意識は違う。
  ③ 10代、20代は、自分の情報を発信したり、相手の情報もそれを通じて入手したりするのが当たり前の世代。逆にそうしないとコミュニティに参加できなくなり、日常的な付き合いができなくなる。発信することがデフォルト。自分の個人情報が第三者に取られるという意識より、「情報を出さないとそもそも何も始まらないという意識を持っている。
  ④ ソーシャル化が進むことによって、「すべての人々のすべての情報が、結果的に社会から見ると透明化されていく時代になる。


 やはり、<個人情報を自ら発信するという文化>が形成されつつあるのではないか、とする視点が、いろいろな意味で興味深い。まさに、10代、20代の "スマートネイティブ" たちが主導する世界が始まっている......


 "ソーシャルメディア" と各企業との関係性構築の課題については、つい先日も次のような記事を紹介した。

―――― <......(米国の)各企業が、"ソーシャルメディア" への対応において "もたついている" かのような実情が明らかにされた。......米IBMが米国時間2011年10月11日にまとめたマーケティングに関する調査結果によると、企業の最高マーケティング責任者(CMO)はソーシャルメディアの普及などにより顧客との関わり方に重大な変化が起きていることは認識しているが、マーケティング部門がそれに対して準備ができているかは疑問だという。......>各企業はソーシャルメディアの重要性を認識,但し準備は不十分/待ったなしの観?! ( 当誌 2011.10.13 )

 この調査結果は米国企業を対象としたものだったが、日本の場合はどうなのであろうか。様々な市場環境の違いがあるとはいうものの、ひょっとしたら、日本企業の "ソーシャルメディア" への対応の "もたつき、遅れ" は、さらに度を超しているのかもしれない......。

 翻って考えれば、企業と "ソーシャルメディア" との関係性というテーマは、企業と顧客との関係性、企業と(地域)社会との関係性対策という従来からのテーマと置き換えてみてもさほど的外れではないわけである。  この辺のテーマ・課題に対してどれほど本気で向き合ってきたのかが、先ずは顧みられなければならないであろう。  ただ、従来の "ソーシャルなもの" は、"デジタル媒体" 化された今日の "ソーシャルメディア" に対して、"顧客各個人" や "地域社会" のように、リアルで実体的ではあるが、"アナログ" 存在特有の "個別性、閉鎖性、緩慢さ" に限界づけられていた。言ってみれば、仮に企業が "タテマエ的な、取って付けた処理、対応策" を講じたとしても間に合う(?)範囲であったと言えようか。

 しかし、"デジタル媒体" としての "ソーシャルメディア" は、"スマートフォン" のような "機動性" に優れたデバイスを援軍として、まさに "レバレッジ(テコ)" の効いた "パワー" を発揮する存在に変貌を遂げた。顧客個人や地域社会の意向(評判)は、眼に見えている部分の背後に幾重もの "クローン(?)" を連ねる、そんな可能性を形成したと言えようか......。  これは、クレーム処理などの "ネガティブ" 対応のジャンルに限らず、積極的マーケティング領域の "ポジィティブ" 対策にも共通した話である。

 とかく従来の企業は、"ソーシャルなもの" への関わり方を矮小化してきた嫌いが無くもない。そのくせ、"マスコミ(マスメディア)" を通じたPR活動に専念したり、"マスコミに叩かれること" に神経を尖らせる傾向が強かった。  そうした動機が、もし "マスコミ" が持つ "拡散機能" が目当てだったとするならば、その実質的効果・結果が、今や "マスコミ" から "ソーシャルメディア" へとシフトし始めている点に注意が向けられるべきではなかろうか。

 企業が "ソーシャルメディア" との関係性構築の課題を、"腰を据えて" 検討することは、現在の各企業の経営にとっての "王道" であり、消費者/ユーザーにとっても重要なテーマだと思われる。  このブログでも "腰を据えて" 検討してみたいと考えているが、差し当たり、読み応えのある下記の連載記事を、順次吟味させてもらおうかと......。  今回は、その紹介に留まる。

 Twitter や Facebook などの "ソーシャルメディア" は、情報をすばやく、効果的に拡散させる点で、これまでのメディアとは比較にならない "パワー" を発揮する。まさに、 "レバレッジ(テコ)" の効いた "パワー" と言うべきか。
 市場経済に向かって、企業各社はその "パワー" を何とかして "手懐けたい" と願っている実情は昨日も書いた。が、今、この "パワー" が存分に発揮されているのが、「アラブの春」に触発されて始まった運動、"ウォール街占拠" をスローガンとした "ソーシャル・ムーブメント(社会運動)" であろう。
 社会的・経済的な "格差是正" を訴えつつ、富を占有する人口 "1%" に対して「われわれは99%」の市民であると叫ぶ、そうした声が "ソーシャルメディア" の時空に響き渡っているという......。


 ただ、この "運動" の行方については、戸惑いの声がないでもない。
 <彼らの目標については、一致した意見があるとは言えない。マスメディアは、彼らの運動についてなかなか解釈できないでいる。アラブの春においては、数十年続いた独裁政権を倒すという目標が明確だった。しかし米国では、企業による貪欲をどうやって停止させればいいのだろうか。>(下記引用記事より)
 しかし、"短兵急" に着地点を急ぐ発想自体が行き詰まりをもたらしているとも思える。<マスメディアは、彼らの運動についてなかなか解釈できないでいる。>という観測も実はその発想によるものなのかもしれない。
 誰もが現状を "当然視" して、そして "諦めと絶望" に身を託している時、 "抗議" の思いを "ソーシャルメディア" に響かせてみるとどうなるのか......、そんな "社会的実験!" が進行中なのだと思える。


 唐突な話となるが、亡き "ジョブズ氏" は、かつて "iPhone" を初リリースした際、今日の "スマホ・フィーバー" を想定していたであろうか? きっと、"止むに止まれぬ創造意欲" だけが彼を支配していたに違いなかった、と想像する。
 彼は、そうした "創造意欲" を立脚点としながら、刻一刻と変貌してゆく環境と直面しつつ、構想自体を柔軟に変容させ適応させていった......。そしてその結果、"前人未踏" の業績へと導かれていったと考えるのが自然であろう。
 上記の "運動" もまた、同じように考えることが妥当なのかもしれない。"賢い" はずのマスメディア自体が<なかなか解釈できないでいる>のは、意外と正解なのかもしれない......。今は、この "運動" の着地点は誰にも予見できない......
 以下に、こうした事情の解説を含む「ウォール街占拠」運動の最新動向を扱った記事を引用する。

 
『 ソーシャルメディア
進化論 』
 
『 ソーシャルメディア
炎上事件簿 』

 "ソーシャルメディアソーシャルネットワークサービス、SNS)" ( 注 )への適切なアプローチが、いよいよ各企業にとって喫緊の課題となっていそうである。

 ( 注 ) ソーシャルメディアとは
 ソーシャルメディアとは、ユーザーが情報を発信し、形成していくメディアのこと。個人が発信する情報が不特定多数のユーザーに対して露出され、閲覧したユーザーはレスポンスを返すことができる。ユーザー同士のつながりを促進する様々なしかけが用意されており、互いの関係を視覚的に把握できるのが特徴。

 CGM(コンシューマー・ジェネレーテッド・メディア)とほぼ同義であり、ソーシャルメディアにはブログSNS、インターネット上でお気に入りを共有する「ソーシャルブックマーク」、ソーシャルニュースサイトオンライン百科事典クチコミサイトFAQサイトビデオ投稿共有サイト掲示板などがある。情報の伝搬力が高いソーシャルメディアは影響力を増しており、ユーザーの滞在時間が長いのも特徴。

 企業によるクチコミ活用、いわゆるバイラルマーケティングにおいてソーシャルメディアの活用は必須であり、特に最近では動画投稿共有サイトの「YouTube」を使ったプロモーション事例が多く登場している。ただ、ソーシャルメディアは編集権をユーザーに委ねているケースが多く、企業によるコントロールは難しい。実際、ソーシャルメディアを使ってプロモーションを仕掛けた企業が、逆にバッシングに遭った事例も多く報告されている。>IT pro/2008.04.01

 そんな状況下で、(米国の)各企業が、"ソーシャルメディア" への対応において "もたついている" かのような実情が明らかにされた。
 以下の記事が意味するところを察すればそういうことになりそうだ......。

 ウォール街占拠デモの宿営地(ズコッティ公園内)内部の光景が、Photo アルバム風に紹介された。参加者たちの "クール × 熱意"、およびそれらに接して、"感染(?)" したに違いない記事制作者たちの "ハイテンション" がスンナリと伝わってくる貴重な記事だと思えた。
 その記事では、アメリカの俗語で "ギーク (geek) " と呼ばれる卓越した知識がある者たちの活動光景がいろいろな角度から伝えられている。まるでかつての映画 "大脱走"風の、スペシャル協業(?) をエンジョイ(?) しつつ、運動を持続させようとしている、そんな雰囲気がリアルに伝わってくるのだ。
 言うまでもなく、かつての映画 "大脱走" は、ナチスドイツの捕虜収容所からの大量脱走だったわけだが、今彼らは、"金融経済社会" = "超格差社会" からの "大脱走" という、言ってみれば "The Impossible Dream"( MAN OF LA MANCHA )に挑もうとしつつ、その持続スタイルを虎視眈々と模索しているように見える。
 現代の "IT" は、その "レバレッジ" のパワーによってスピーディに膨大な規模の "マネーゲーム" を遂行している。
 そこで、彼らもまた、存分にその "IT・レバレッジ" をカウンター・パワーとして活かしつつ、運動の裾野を急速に広げようとしているかのようだ......。

 下記の引用では、大半の Photo を削り文章部分のみとした。

 先日、"全米各地での抗議行動" について以下のように書いた。

―――― < もう半月以上続いているという、米ニューヨーク・マンハッタンにある世界最大の金融街・ウォール街近くで始まった "抗議デモ" は、ロサンゼルスやボストン、シカゴなど全米各地へと拡大しているという。
 低迷する経済、高失業率、広がる格差など、行き過ぎた市場経済に対して若者たちの不満に火が付いたかに見えるこの運動。
 "ツイッターやフェイスブックといったソーシャルメディア" で若者らに広がり、運動の合言葉は「ウォール街を占拠しよう」であるとか。
 "ソーシャルメディア" を通じて展開された運動スタイルは、昨年来、アラブ世界で民衆が強権政権を倒した「アラブの春」に共通していることに気付く。いや似ているどころか、どうやらこの「アラブの春」に触発されての動きなのだとも言われている。......>
Facebookなどを使って連携/米抗議デモ各地に拡大/格差、高失業率に怒る若者!( 当誌 2011.10.04 )

 この時には、<"ツイッターやフェイスブックといったソーシャルメディア" で若者らに広がり>と見えていたが、どうも "若者ら" に限定されない動きへと変わってきたような雰囲気なのである。
 米国経済の低迷が続き、高い失業率もなかなか改善されない現状。また、変革を期待してオバマ大統領を選出したのにもかかわらず、状況が一向に改善されない苛立ち......。
 「選挙を通して、変革ができなければ、自分たちが声を上げることで変革を目指したい」という国民が次第に増加しつつあるかのようだ。


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