スマートフォン: 2011年8月 アーカイブ

 この二、三日、スマホの "スマート" さにことさらこだわって書いてきた。
 と言うのも、この "スマート" さというコンセプトには、技術ジャンルに留まることなく、どうも現代という "時代の何か" を鋭く照らし出すものが潜んでいる予感がしてならなかったからかもしれない。
 そしてそんな "こだわりの文脈" の網に、タイムリーにも以下のような洞察力に富んだフレイズが絡まってきた。

<iPadは「キュレーティッド・コンピューティング」の時代の幕開けを告げるもの / 「キュレーティッド・コンピューティング」 / 「キュレーティッド・コンピューティング」とは、機能が絞られているが、使いやすい機器のことを指す。キュレーションとはもともと、博物館や美術館等で作品や資料を整理・管理・研究し、わかりやすい展示を行なう作業のこと / 機能をキュレートされたデバイス ―― 『Kindle』、携帯電話、デジタル音楽プレーヤー、GPSなど特定用途のデバイスは、機能をシンプルにキュレートすることで、汎用のデスクトップ・コンピューターを上回る体験を提供している。>「情報過多の時代」の鍵は「キュレーション」/WIRED ARCHIVES/




















 従来のパソコンと比べた、スマホの "スマート" さとは、決して、スリムな形状デザインや、スピーディな操作性だけに尽きない。その点については昨日も書いたが、いわばそれらはトータルな "スマート" さの "氷山の一角" だと言うべきなのであろう。
 むしろ、スマホの "スマート" さの真価は、水面下に潜む巨大な氷塊を見渡すことでこそ改めて実感されるのではないかと思えた。

 "スリム、コンパクト、スピーディ" といった属性を持つ "スマート" さ、それを実現するためには、先ずは "余分なものを削ぎ落す" ことが有効だろう、と誰もが考えるに違いない。
 ただ、"何が余分なのか" を判断したり、"削ぎ落しに伴う弊害" にまで思いを巡らせたりすると、そう簡単なことではないことに気づく。目的が鮮明となっていないからなのであろう......。

 ところが、スマホの "スマート" さとは、従来のパソコンから大胆に "余分なものを削ぎ落し"、なおかつ "削ぎ落しに伴う弊害" を "最少化" するばかりか、当初目的である "使い勝手の良さ" を十二分に引き出すという "マジック(?)" をして見せたわけだ。
 どうしてそんなことが? と気にならないわけがなかろう。ことによったら、現時点での "スマホ・ブーム" の一翼には、こうした "マジック(?)" による "サプライズ" の吸引力も作用していそうである。飽食気味な現代のユーザーにとっては、製品が放つ "サプライズ" 要素はいわば必須だとも言える。

 "スマートフォン" という言葉を見ない、聞かない日がないほどに、この言葉は今や時の "頻出単語" となっている。では、その "スマート" という形容にはどんな "実質的" な内容が託されているのか?
 そんな疑問を抱いたり、質問をしないのが "スマート" なのぉ! デザインがスマートだしぃ、使い勝手だって超スマートじゃん、それでいいじゃん! と言われるがオチなのは分かっている。
 もちろん、形状デザインの "斬新さ"(大きなディスプレイ、シンプルなボディなど)だけでも納得できないことはない。それに加えて、マルチタッチ対応のユーザーインターフェイスを考慮すれば、既にそれで60点以上の回答になりそうだ。が、あえて今少し機能面に踏み込んで探ってみる。
 ただ、丸腰で臨むのはやめて、先日も紹介した本田雅一著『携帯電話がなくなる! これからスマートフォンが起こすこと。 パソコンは消える!』(東洋経済/2011.06.02 ※以下、引用部分は同書から)の関連ページを辿ることで進めてみることにする。

 日本では、菅首相の退陣やタレント島田紳助の引退などが話題に上っている折、世界のIT業界の頂点でも "辞任" 劇が展開した。米Apple社で、スティーブ・ジョブズ氏が最高経営責任者(CEO)を辞任するという発表を行った。
 この間の Apple の膨大な業績が、ジョブズ CEO に負うところが大であっただけに、辞任発表の影響もまたケタ違いの規模で波及したようだ。
 まあ株価というものは、とかく "針小棒大" に反応するもので、またトゲが抜ければその後はケロリと反転していくのも株価変動のようだ。だが、それにしてもメガトン級の変動が生じたものである。
  "対 Android" 戦という難問や、"iCloud" 構築事業というこれまた決して容易ではなさそうな課題などに遭遇しているだけに、ジョブズ氏辞任後状況への言い知れない懸念も加わり、株価は "超下落" したものと思われる......。


 スマホ、スマホという言葉が飛び交い、誰も彼もが "スマートフォン" を手にする環境となっている。世の投資資金もこのスマホ関連企業に流れているとも言われる。
 確かに、"スマートフォン" は、単なるニューデバイスであることを超えて、いろいろな意味合いで時代をけん引する "キー・コンセプト" 現象になっていそうだ。
 したがって、ハードの新製品リリースだけに目を奪われるのではなく、"スマートフォン" の周辺で始まっているある種の "うねり" に敏感となるべきなのかもしれない。

 こうした "うねり" 全体を広い視界と洞察で、読み応えのあるメッセージにまとめた著書に出会った。本田雅一著『携帯電話がなくなる! これからスマートフォンが起こすこと。 パソコンは消える!』(東洋経済/2011.06.02 )である。
 濃度の高い内容なので、全容を紹介するのは難しい。そこで、著者が "スマートネイティブ" と呼ぶ新世代に関する部分のみに目を向けてみたい。
 すると、その行動スタイルが、何とも、" iPod/iPhone " などの "スマートデバイス" が依拠する技術特性( "コンパニオンデバイス"、"同期" )とかなり符合しているかのように見えるから面白い......。

 いよいよ "3G回線が数年内にもパンクする恐れ" が出て来たという。パンクには至らずとも、不安定な通信状況に見舞われる恐れがあろう。
 つい一昨日も、ドコモの sp モードで障害があり長時間に渡りつながりにくい状況が生じた。原因は通信設備のハードウエア故障だということだが......。
 "ヘビーユーザー" に自粛を呼びかけることほど無意味な策はなかろう。少なくとも、一昨日書いた "KDDI" の "警告" 的対策なり、その強化策なりを実施して一般ユーザーの利用に支障が及ばないセッティングをするのがキャリアとしての責務であろう。
 米国では、"定額制" を廃止し、"従量課金制" に切り替えたキャリアもあるとかで、日本の場合もグズグズしている暇はないのではなかろうか......。

◆参照 <スマホ対象、大量通信に速度制限 KDDIが......>はリーズナブルな対応だ!( 当誌 2011.08.17 )

 この二、三日、<GoogleがMotorolaを買収>というニュースが大きく取り上げられてきた。そして、"9600億円" とも言われる買収額の大きさもさることながら、"端末製造(ハードウエア)参入" か!? という憶測が独り歩きすることにもなっている。
 こうした文脈で、戦々恐々とした空気が立ち込めているのは、何も米アップル周辺だけではなく、同サイドの<Android連合>側にも "波風が立つ" 雰囲気だそうである。
 ただ、どうも大局的には、<今回のGoogleによる買収は、Motorolaの特許がその狙いであるとみてほぼ間違いない。......少なくともハードウエアが主目的ではないことは明らかだろう。>と読むのが妥当なように思える。

 スマートフォンの利用者が飛躍的に増加する状況で、通信状況が悪化する事態が嘆かれてきた。
 利用者の増大で、通信量の総量が増えるのは当然だから、通信設備の増強が望まれるところであろうが、今一つ、キャリア側での "運用上の改善策" があっても良かろうと思ってきた。
 例えば、パケット通信料金での "定額制" というのは、"通信料上限額" が定まっていて安心して使うことができる。どうして "こんな契約制度" が成り立つのかは簡単な道理であり、量的に多く使う利用者がいる一方で、ほとんど使わない利用者もいて平均すればキャリア側が損をすることにはならないかららしい。
 これはこれで "合理的" な仕組みだと思われる。が、"定額制" 契約利用者の中には、それをいいことにして "破格" の量と頻度で(業務使用的に)利用する者もいるようである。そして、こうした利用者によって通信状況がパンクに近い状態になることも大いに懸念されるわけだ。
 そうなると、"定額制" 料金が高いと思いつつも念のためと考えて契約している一般利用者が "わずかな量" を利用する際にも、通信状態の悪化のために満足に使えない場合さえ生じることになる......。

 スマートフォン/タブレット端末の普及に伴い、よりコンパクトな "Bluetooth キーボード" への関心が高まり、また関連新製品のリリースも矢継ぎ早のようだ。
 そんな中で、"レーザー投影式キーボード" というルーキーが登場した。
 "レーザー" と言えば "ポインター" を思い浮かべる程度の自分などは、この "バーチャル・キーボード" がどういう仕組みでキー入力を果たすのか見当が付きかねている。
 しかし、こういうアィディアを絞り出す人もいるのだと感心させられた......。

―――― レーザー投影式のキーボード「Magic Cube」が日本初上陸! 8/10から予約受け付け開始

 Bluetoothを搭載したレーザー投影式キーボード「Magic Cube(マジックキューブ)」が、日本に初上陸しました。セレクトショップ「RESTIR.COM」の通販サイトでは、8月10日(水)から先行予約受け付けを開始しています。価格は19,950円(税込)です。  マジックキューブは、スマートフォンやタブレット端末で使用できる、セルオン社製のレーザー投影式キーボードです。机などの平らな場所にマジックキューブを置き、レーザーでキーボード画像を投影するだけでタイピングができます。Bluetoothに対応しており、アプリのダウンロードは必要ありません。キーボードの文字配列は海外仕様ですが、日本語入力も問題ないとのこと。1分間に約350文字を認識でき、タイピングの際はリアルなタイピング音が出るそうです。また、キーボードからマウスモードに切り替えると、マウスのような操作ができます。

Celluon Magic Cube - World's only virtual laser projection keyboard - YouTube

 マジックキューブは充電式で、重さは78g。キーボードの投影サイズは240mm×100mmです。本体カラーは、シルバー、レッド、ホワイトの3色が用意されています。対応OSは、iOS 4.0以降を搭載したiPhoneとiPad、Android 2.0以降を搭載したAndroid端末、Bluetooth HIDに対応した製品です。RESTIR.COMでは、8月下旬に入荷を予定しています。>
レーザー投影式のキーボード「Magic Cube」が日本初上陸! 8/10から予約受け付け開始/はてなブックマークニュース/2011.08.11

 今、"Android端末を狙ったウイルス" が頻出しているとのことだ。もはや高を括ってはいられない。
 利便性やうかつな好奇心と、貴重かつ希少な生活資金とを引き換えにするのは、まったく シャレにならない。
 "敵" は "遊びではなく仕事" でやっているはずだから、半端な防御姿勢では防げないと認識すべきなのであろう。

―――― <スマートフォンがウイルスに感染してしまった場合に想定される被害例として、以下が考えられます。
スマートフォン内データ、GPSによる位置情報等、個人情報を含む重要な情報が悪意ある第三者に送られてしまう。
★ 悪意ある第三者にスマートフォンを乗っ取られて、自由自在に操られてしまう。
★ スマートフォンがボットネット ※5 の1つとして組み込まれ、知らぬ間に特定の組織にサイバー攻撃を行うなどの犯罪の道具として使われてしまう。

 ※5 ボットネット:攻撃者が、ボットと呼ばれるウイルスに感染させた多くのコンピュータを使って、ターゲットに対し遠隔で攻撃を行うために構築されたネットワークのこと。>
IPA (独立行政法人情報処理推進機構)コンピュータウイルス・不正アクセスの届出状況[7月分]について「 スマートフォンを安全に使おう! 」

 スマホ/タブレットでの楽しみ方は "電子書籍" やゲーム以外にももちろんいろいろとある。そんな中に、自分の場合は "地図" や "路線図" のアプリが入ってくる。
 先日ダウンロードしてみた無料のiPhone(iPad)向けアプリの「まるごと路線図」/㈱ヴァル研究所まるごと路線図 RAILWAY MAP)は、便利であるだけでなく、結構、楽しめるアプリだと思えた。

 8月になると「世界陸上選手権大会」が話題の一つに上ったりする。今年の「2011年世界陸上選手権大会」は韓国・大邱(テグ)で開催されるが、前々回の「2007年世界陸上」は、大阪の "長居スタジアム" で開催されたのだった。
 こんな話題がTV番組で取り上げられる時、自分は "長居スタジアム" の "長居" という地名に注意が喚起されてしまう。それというのも、この "長居スタジアム" と近接する地点が自身の取れた(生まれた)ところだからである。懐かしくないわけがない。
 にわかに "地図" で再確認してみたいという衝動に駆られたりする。

 こんな時なのである、簡単に拡大表示の自由が効くスマホ/タブレット向けの "地図" アプリが有難いのは......。
 ただし、"Google Earth" のような "大味" のアプリは、目的地点を探し出すのに手間取ってしまうため、途中で興醒めとなってしまう。
 その点、「まるごと路線図」だと先ずは私鉄をも含む鉄道の路線図で "駅名" を指定して、その後で<Google Map で近辺を表示>へと進むことができる点がリーズナブルである。
  "駅" を指定すると、その "駅" をターゲットとした "Google Map" が表示され、この "地図" をピンチアウトの操作で思いのままに拡大すると、"駅" で降りてその地域に彷徨い出たような気分となる......。

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