科学一般: 2013年1月 アーカイブ

 "既存の薬" が、"別の治療に役立つ/効く" という例は、昨日注目したばかりである。( ◆ 参照 緑茶成分"EGCG"とED治療薬含有の"低分子化合物"との併用投与でがん細胞を殺傷!( 当誌 2013.01.27 )

 下記引用サイト記事:アルツハイマー治療薬が難聴を改善!?:研究結果/WIRED/2013.01.25 が伝えるところによれば、

 <現在はアルツハイマー型認知症の治療に用いられている「LY-411575」という薬が、内耳の細胞( 有毛細胞 )の再生を促進することを科学者たちが発見した。>という。"難聴" に悩む少なくない人々の症状を改善することにつながるのではないかと期待が持たれている。

 ただ、現時点では、<LY-411575による聴覚の改善は、医学的観点からも経済的観点からも、現在用いられている人工内耳より優れたものではない。そして、まだどのような副作用があるかもわからない> という段階だそうだが、今後の研究の進展が待ち望まれる......。




















 "緑茶はがんに効く" といった指摘を、"民間療法" 的な知恵程度に耳にしていた人は少なくないと思う。
 その指摘は、まんざら非科学的ではなさそうであり、緑茶に含まれている "カテキン" の一種で、"エピガロカテキンガレート(EGCG)"には "抗がん作用" があるとされている。ただ、その作用の効果は出にくいとも言われて来た。

 ところが、下記引用サイト記事:カテキン+ED治療薬でがん退治/YOMIURI ONLINE/2013.01.26 によれば、その "効果が出にくかった" と見なされていた "EGCG" も、"とある成分" との "併用投与" ならば "抗がん作用" が効果的に発揮される、のだという。
 その "とある成分" とは、何あろう<"勃起不全(ED)治療薬" に含まれる低分子化合物>だということだ。

 <緑茶に多く含まれるカテキンの一種「EGCGと、勃起不全(ED)治療薬に含まれる低分子化合物併用して投与すると、がん細胞を効果的に殺傷する> という実験成果が得られたと述べられている。

 もちろん、これらの "マウス実験成果" を "ヒトのがん治療" につなげるためには、記事には述べられていないが、医療機関での専門的治療法によるほかなかろう。"民間療法" 的な素人対処は控えるべきかと思われる......。

 "薄毛・脱毛" で悩む方は少なくなさそうだ。
 その証拠に、こうした悩みに応えるかのような業者や育毛剤のTVコマーシャルが頻繁に流されている。
 育毛剤と言えば、そのロングセラーとでも言うべき商品に "加美乃素"(加美乃素本舗)がある。独特な香りを漂わせるこの育毛剤を、親戚の伯父がせっせと愛用していた子ども時分の記憶が蘇る。"薄毛" の血統(遺伝)を気にしてのことだったことは、子ども心にも了解できたものだった......。

 それにしても、"加美乃素"というネーミングは秀逸である。あえて、"髪の元" とは称さずに、"加美乃素"という風情ある名称としただけで、その響きだけでなぜだか "髪の元" に力がみなぎってくるようだから不思議だ......。

 いや、別に "加美乃素" 本舗の片棒を担ごうとしているわけではない。
 ヒトの 頭皮などにある "髪の元" とは、皮膚の中にあってそこから毛が生えてくる器官(発毛器官)だそうで、正確には「毛包」と呼ばれるそうである。
 "薄毛・脱毛" といった症状は、この限られた数量の「毛包」の状態に掛かっているようなのだ。

 下記引用サイト記事:iPS細胞使い 髪の毛のもと作り出す/NHK NEWS WEB/2013.01.24 は、そうしたヒトの「毛包」を、"iPS細胞" を使って作りだすという実験に成功した、というものである。
 ただし、小躍り(?)する前に了解しておかなければならない点がある。
 <iPS細胞は無限に増やせるため、薄毛や脱毛の治療に応用できる可能性があると期待されていますが、今のところ、ヒトの細胞だけで毛包が出来る見通しは立っていないということ> のようなのである。まあ、"待てば海路の日和あり" ということか......

 現在、世界中の各地域で、"砂漠化( 植生に覆われた土地が不毛地―― 植物の生育や農業に適さない土地 ―― になっていく現象 )" が、刻一刻と深刻になっていると言われている。
 原因はさまざまなようだが、降水量の減少や地球温暖化による気温上昇などによって引き起こされているようである。
 そうした状況にあって、"砂漠化" を食いとめる効果的な "灌漑" 技術の開発が急がれている。

 下記引用サイト記事:大気から水を集める「超吸水性コットン」/WIRED/2013.01.23 は、そうした要請に応え得る可能性が大いにありそうだと期待されている。

 この技術が興味深いのは、その開発由来が、水の無い砂漠で生きる、とある "有名な" <甲虫>の構造と習性とをきっかけにしていた点ではないかと思う。

 <この甲虫>は、<年間降水量がわずか1.3cmというナミブ砂漠だけに生息しているが、硬い羽(鞘翅)の表面で、海風から水を集めて生き延びている。鞘翅の表面は微小な凹凸で覆われていて、その頂点部分が水を引きつけ(親水性)、横の部分が水をはじく(疎水性)。海風が吹いてくる方向に向かって羽を広げて湿った空気を受けることにより、最終的には直径15~20ミクロンの小さな水滴が背中に溜まり、口に向かって流れ込む仕組みになっている> というのだ。

 こうした<甲虫>のメカニズムから、<コットンの吸水性を非常に高めるポリマーコーティング>の技術が開発され、<砂漠で霧から水を集めるシステム>の技術開発へと促されたのだと言うから、この<ナミブ砂漠の甲虫>の、その "苦節、何百年何千年!" の苦労が漸く報われたと言ってあげていいのかもしれない......。

 単に懐かしいからではなく、地球上の "絶滅危惧種"を再生/活性化させ保存することは人間にとっての責務ではないかと思う。原因の多くが人間側にあるはずだから......。

 <個体生命とてひとたび喪失すれば元に戻ることはない。だが、何千年、何万年継続してきた生物の、とある "" が "絶滅" するならば、今後、二度とその姿を見ることができなくなる
 しかも、そうした "種の絶滅" の原因が、人間という "" の繁栄に起因しているとなれば、"絶滅種" への憐憫を禁じえない。まして、その姿かたちは、大体が愛くるしいものが多いためか、心痛む......。
 そんな生物の中に、"ゲンゴロウ" という水生昆虫がいる。一時は、どこの水辺にも、あるいは "水たまり" にもいて、水中を上下に泳ぎ回るその動きが絶妙にかわいいため子どもたちから愛されてきた。
 かつては、お祭りや縁日の夜店でも金魚以上に人気を集めていたりした......。
 その "ゲンゴロウ" が、ついに「絶滅危惧2類」に分類され、絶滅の危険が警告されるに至ったという。......
>( ついに"絶滅危惧2類"に分類された"水生昆虫のゲンゴロウ"!三歳時の記憶に今なお......( 当誌 2012.08.29 )

 下記引用サイト記事:魚人工繁殖:東京海洋大が成功 絶滅危惧種の保存に希望/毎日jp/2013.01.15 によれば、

 <東京海洋大の吉崎悟朗教授(魚類発生工学)らは、魚の精子の元になる細胞を凍結保存して別の魚に移植することで、元の魚の精子や卵を作らせる技術を開発/ これらを使って人工繁殖にも成功。この方法で絶滅危惧種の精巣を凍結保存すれば、環境が回復した後に近縁種に精子や卵を作らせ、次世代を生み出すことが可能になる> という。
 何と言っても、まるで "マジック" のような "すり替わり!" がスゴイ! 次のとおりである。
 <ヤマメの精巣を54日間凍結保存した後、精子の元となる細胞を取り出し、不妊処理したニジマスの雄と雌の稚魚に移植した。その結果、成長したニジマスの雄の精巣ではヤマメの精子が、雌からは卵ができた。これらを人工授精させるとヤマメが生まれた> とある......。

 タンカーの転覆や、海洋石油掘削基地の爆発事故などによる "重油/原油の流出" は、海洋を広範囲にわたって汚染させるとともに、漂着した海岸をも想像を絶した汚染状況と化す。

 近くは、2010年4月に、米ルイジアナ(Louisiana)州沖の "海洋石油掘削基地「ディープウオーターホライズン(Deepwater Horizon)」の爆発事故" でメキシコ湾(Gulf of Mexico)に大量の原油が流出した。
 また、日本の海岸が無残に汚染された例では、1997年1月、島根県沖で発生した "ロシアタンカー「ナホトカ号」重油流出事故" があった。

 いずれも、 "流出した重油/原油の回収" をしなければ "環境汚染の修復" はまっとうされない。しかも、流出が続く間、海洋/海岸の水鳥たちは "油まみれ" となって甚大な被害を被る。自然に洗い落とされるものではないからだ。
 しかし、"流出した重油/原油の回収" 作業は難航を極める......。

 右の写真は、"「ナホトカ号」重油流出事故" で重油汚染された福井県の海岸線で、"重油の回収" 作業と "水鳥救護" に当たったボランタリーの人たちのサイトからのものだ。
 手前に写っている、"手作業による重油の回収作業" に腐心する人たちの様子からは、まさに"重油流出事故" の惨さが推察されて余りある。

 さて、今回、着目したい "科学記事" は、こうした困難を極める "流出した重油/原油の回収" の作業に、いわば "光明を投じる科学的成果" についての記事である。

 下記引用サイト記事:京大:「マシュマロゲル」開発 油流出事故に応用も/毎日jp/2013.01.11 によれば、

水ははじくが、油をよく吸収する新しい高分子物質「マシュマロゲル」を京都大の中西和樹准教授(無機材料化学)の研究グループが開発/ 油の流出事故での回収作業や化学物質の精製などへの応用が期待できる/ 97年のロシアタンカー「ナホトカ号」重油流出事故で、海岸に流れ着いた重油の回収は、ひしゃくなどですくう人海戦術に頼らざるを得ず、岩場での作業は困難を極めた。マシュマロゲルは、市販の薬品を使って合成でき、成形も自在。中西准教授は「現場に材料を持ち込み、地形や用途に応じてその場で作製することも可能ではないか」> と......

  "iPS細胞の移植" "拒絶反応" をめぐっては、やや錯綜した認識状況があるようだ。
 したがって、下記引用サイト記事:iPS細胞:「拒絶反応ない」 放医研など移植実験、米報告に反論/毎日jp/2013.01.10 に触れる前に "交通整理" をしておこうかと思う。

 再生医療において、患者の臓器などへ "iPS細胞の移植" を行う場合、"iPS細胞" を "分化" させることが大前提となる。それは、警戒される "拒絶反応" を避けるためのようである。

 <人間の皮膚などの体細胞 から作製されたiPS細胞を、様々な組織や臓器の細胞に分化細胞が分裂する過程で構造や機能が特殊化すること )させ、再生医療に応用することが可能になるまでには、いろいろな課題を克服する必要があります。......>京都大学 iPS細胞研究所-iPS細胞基本情報-iPS細胞の課題

 ところが、2011年に英科学誌ネイチャーに掲載された<米カリフォルニア大の報告>では、<「マウスから作った人工多能性幹細胞(iPS細胞)を、同じ遺伝情報を持つマウスに移植すると拒絶反応が起きた」>とされ注目を集めた。
 その理由は、<「患者自身のiPS細胞は移植しても拒絶反応が起きない」との定説を疑問視>させるものであったからのようだ。

 しかし、<米グループの報告は、未分化iPS細胞の移植で、......iPS細胞を分化して作った組織移植とは異なる>ようなのである。
 ということになると、もし "拒絶反応" があったとしても、現時点の再生医療において定説となっている "分化したiPS細胞の移植" とは別問題の話だということになる。

 先ずは、 "拒絶反応" の有無は、この<未分化 vs 分化>の差異によって厳密に仕分けられなければならなかったわけだ。

 ところが、どうも、<米グループの報告> の <未分化iPS細胞の移植> → <"拒絶反応">という実験自体に関しても "疑わしさ(?)" が見出され、"反論" の余地があり得る、というのが、下記引用記事の内容だと理解できる。

 <米グループと同じく、マウスの体細胞で作った未分化のiPS細胞を別のマウスに移植し、拒絶反応が起きれば移植部位に寄ってくるリンパ球の数を調べた。すると、無視できるほど微量だった>

 こうした日本のグループによる新しい移植実験結果報告によって、"iPS細胞の移植""拒絶反応" をめぐるやや錯綜した認識状況が、妥当に整理されて行くものと思われる......。

 "アレルギー症状" で悩む方たちは身の回りに数多くいる。最も良く知られているものは、"花粉症" や "アレルギー性鼻炎" だ。
 幸いにも自分にはこれといった"アレルギー症状" はないが、当事者の方たちの苦悩は、推察するに余りある。

 一概に"アレルギー症状" と言っても、その症状が鼻や気管支等などに限定してあらわれるもののほかに、全身にアレルギー症状が広がってあらわれる "重篤" なケースもあるという。
 下記の【 関連引用記事 】:アナフィラキシーとは?/アナフィラキシー対策フォーラム/ では次のように指摘されている。

 <日頃、皆さんがよく耳にする花粉症やアレルギー性鼻炎、気管支喘息等も即時型アレルギーに入りますが、アレルギー症状があらわれる部位は、鼻や気管支等、疾患により限定されています。それに対し、アナフィラキシーの場合は全身にアレルギー症状があらわれるのが特徴です

 そして注意を要するのは、この<全身にアレルギー症状>があらわれる "アナフィラキシー" は、 "アナフィラキシーショック" と呼ばれる<生命をおびやかすような危険な状態に陥ってしまうこと>があるという点である。

 この要注意である "アナフィラキシーショック" によって、小学女児が死亡したというのが、下記の【 引用記事 】:女児死亡 教諭が誤ってチーズ入り渡す/NHK NEWS WEB/2013.01.08 が伝える不幸な事故内容なのである。
 しかも残念なのは、この事故がどうやら "不注意(?)" によって引き起こされてしまったという点であろう。

その日の給食にはチヂミが出されていましたが、女子児童は、まずチーズの入っていない自分専用のチヂミを食べたあと、チヂミのおかわりを求めました。......この小学校では、アレルギーのある児童が給食をおかわりする際、担任の教諭がアレルギーの食品があるかどうかを献立表でチェックする決まりになっていますが、担任の教諭はこの確認を怠っていた> のだということらしい。

 ややもすれば、当事者近辺以外の者にとっては "盲点" となりがちな "アレルギー症状の因果関係" であるだけに、再発防止に向け細心の注意が払われる体制づくりとその徹底が求められる......。

 わたしの友人に、本人曰く、"骨粗しょう症" のために "身の丈" が10センチも縮んでしまった......、という者がいる。"加齢" に加えて、大酒飲みでロクなモノを食さない、その不摂生がたたったという格好のようだ。
 "骨粗しょう症" が見つかったのは、ちょっとした躓きで転び、いとも簡単に "骨折" してしまったことがきっかけだったという。

 加齢による "骨粗しょう症" が侮れないないのは、転んだ拍子に "骨折" というケースが少なくないからだと言われている。その結果、"寝たきり" 状態に至れば、まことに不幸なことであるに違いない。

 ちなみに、下記の【 関連引用記事 】:骨粗しょう症 原因1 加齢/ii hone.jp では、"加齢""骨粗しょう症" との因果関係が以下のように解説されている。

骨密度は20歳前後でピークに達します。そののち40歳代半ばまではほぼ一定ですが、50歳前後から急速に低下していきます。骨をつくるのに必要なカルシウムは、腸から吸収されて骨に取り込まれますが、年を取ると腸からのカルシウム吸収が悪くなってしまうのも骨密度低下の原因の1つです。

 こうしたリスクに対して、明るいニュースだと目に映るのが、下記の【 引用記事 】:「骨の特効薬」宇宙で効いた 金大グループ開発/北国新聞/2013.01.07 である。
 この "宇宙で効いた「骨の特効薬」" の原点は、<宇宙特有の骨量減少を防ぐ>ことに目的があったようだが、原理的には "骨粗しょう症" の症状に対しても同等に効く可能性があると期待されているようだ。

 しかも、<現在利用されている骨粗しょう症の治療薬は、あごの骨が壊死(えし)するなど重い副作用が課題となっており>という不安定な状況だそうだから、一刻も早く実用化がなされることを望みたい......。

 "遠赤外線" は "暖房器具" などでお馴染みであるが、"近赤外線" という言葉自体は馴染み薄かもしれない。しかし、以下のとおり<赤外線カメラや赤外線通信、家電用のリモコンなどに応用>されているという。

近赤外線  近赤外線は波長がおよそ0.7 - 2.5 μmの電磁波で、赤色の可視光線に近い波長を持つ。性質も可視光線に近い特性を持つため「見えない光」として、赤外線カメラや赤外線通信、家電用のリモコンなどに応用されている。

遠赤外線
 遠赤外線は、波長がおよそ4 - 1000 μmの電磁波で、電波に近い性質も持つ。赤外線は物体からは必ず放射されていて、この現象を黒体放射と呼ぶ。高い温度の物体ほど赤外線を強く放射し、放射のピークの波長は温度に反比例する。室温20 ℃の物体が放射する赤外線のピーク波長は10 μm程度である。熱線とも呼ばれる。
 なお、科学用語としての遠赤外線とは全く関係のない商品等で「遠赤外線の効能」を謳うものが多数存在するが、それらは科学的な根拠のない疑似科学的なものであり、注意が必要である。......
>( Wikipedia/赤外線


 また、<透過性が高く人体への影響が比較的小さい>という特質から、最新の "がんの治療法" として脚光を浴びているようだ。

 下記引用サイト記事( 【 主要引用記事 】:がん細胞:「光治療」1回で破壊 米研究チームが成功/毎日jp/2013.01.07 /【 関連引用記事 1 】:がん細胞:カーボンナノチューブに近赤外線を照射→活性酸素発生→がん死滅 京大チーム発見/毎日jp/2012.10.20 /【 関連引用記事 2 】:がん細胞を近赤外線で退治 マウス実験、8割で効果/【共同通信】/2011.11.08 )によれば、"薬剤(抗体)" と "近赤外線" の照射との組み合わせによって "がん細胞" を破壊するという "治療法" が、実用化に向けて着々と進展している模様である。

 従来、<がん治療には外科手術のほか、放射線照射や抗がん剤投与などがある>が、いずれもがん患者にとっての苦痛・負担という副作用が並大抵のものではなかった。

 もし、最新の "治療法" と目される<薬剤と体の外から光を当てる治療法の組み合わせ>という画期的な方法が実用化されたならば、がん患者にとっての負担は遥かに軽減されるものと思われ、早い実用化が大いに期待される......。

 "自閉症" という障害を世に知らしめたのは、かつての映画『レインマン』( 1988年、米、ダスティン・ホフマン/トム・クルーズ主演 )だ。
 "自閉症" ( 正確には "サヴァン症候群" )の主人公が、驚異的な記憶力の発揮で周囲の目を引くという話だ。

 それはともかくとして、「周囲との交流困難」「言語発達の遅れ」「限定的な興味の対象・動作の反復性」などを特徴的な症状とする "自閉症" は、"生得的な脳の機能障害" を原因とする障害だという。
 大人の性格や行動様式を揶揄して使われる "自閉症" 的云々というものとは事情が異なり、通常3歳頃までに顕著になる "生得的な障害" だと言われている。しかも、現在、最も発症率の高い障害(1万人に4~5人)であることから、数多くの親御さんたちが苦しんでいるようである。

 根強く残っている "誤解" に、虐待や過保護を原因とする「母原病」説や、強い心理的ショックによるものとする説があるのに対して、"自閉症""生得的な脳の機能障害" とする説が妥当だとされる。
 しかし、"生得的な脳の機能障害" であるとすれば、"遺伝子" のどの部分にその原因が潜むのかが特定されなければならない。が、これまではこの点が定かではなかったようである。

 下記引用サイト記事:自閉症の原因遺伝子特定 自治医大などの研究チーム/下野新聞 SOON/2013.01.06 によれば、<自閉症の要因となる原因遺伝子が特定> され、その点が解明されたという。

発達障害の一つである自閉症を研究する自治医大の桃井真里子主任教授(小児科学)の研究チームは5日までに、脳内の神経伝達物質の代謝に関わる自閉症の新たな原因遺伝子を特定した。日米の患者約300人のDNAを解析した結果、GPR37」と呼ばれる遺伝子が10人で変異していることを発見、この変異が細胞機能に悪影響を与えることを突き止めた。>

 "原因遺伝子の特定" という成果から、"新たな治療薬の開発" につながるとの期待が高まる模様だ......。

 今年は、"iPS 細胞" の技術を応用する年だと期待されているが、早くも、免疫細胞の一種である T細胞" を "若返りさせる" ことに成功したという画期的なニュースが報じられた。
 "iPS 細胞" は、"内蔵臓器" の "再生" という視点で注目されているが、"ウイルスに感染した細胞やがん細胞などを攻撃する免疫細胞" を "再生" させる( "若返りさせる" )というアプローチで、"iPS 細胞" の技術が応用されて成功したという。

 下記引用サイト記事:【 引用記事 1 】免疫細胞:iPSで再生...がん治療に応用 東大グループ/毎日jp/2013.01.04/【 引用記事 2 】iPS細胞の技術で免疫の細胞が若返り/NHK NEWS WEB/2013.01.04 によれば、

ウイルスに感染した細胞やがん細胞などを攻撃する免疫細胞の一種「T細胞」を一度、人工多能性幹細胞(iPS細胞)にした上で、同じ能力を持つ「元気」なT細胞に再生させることに世界で初めて成功したと、東京大の中内啓光(ひろみつ)教授らのグループが発表した。このT細胞を患者の体に戻すことで、がんなどの新たな治療法につながる> という。

 <「今回の方法を使えば、特定の対象を攻撃する若くて元気の良いT細胞を大量に増やすことができる」> ということだそうであり、"がん治療" などにおける "免疫療法" に飛躍的な向上をもたらすようであり、がん患者たちにとっては頼もしい光明となるに違いない......。

 糖尿病やがんなどの病が "遺伝子" によって引き起こされるものだという説は広く信じられているようだ。
 となると、人は生まれた時から "遺伝子" によって "決定づけられている" ということになるのであろうか......。

 下記引用サイト記事:運動で遺伝子の働き変化 信大教授ら解明/信毎web/2013.01.03 は、そうした説に "待った!" をかけている。

遺伝子の働きは人の意思で変えられることを実証した形で、「遺伝子イコール運命」といった固定観念をあらためて突き崩す成果

が達成されたという。

糖尿病やがんなどの原因にもなる臓器の炎症を促進する遺伝子の働きが運動後に抑制されることを確認

できたというのである。

 専門的には、<遺伝子の働きを決める仕組みの一つで、メチル基という物質が遺伝子に付着する「メチル化」と呼ばれる現象に着目>しての実証とある。
 それはともかくとしても、相応の "運動(「インターバル速歩」)" によって、これまで "運命視" されていた遺伝子の影響、働きが "変化する" という点が明らかになったことは喜ばしい科学的成果だ。

 進化を遂げつつある "遺伝子工学" への期待も大きいが、現に成人病などの "遺伝" 可能性に不安を抱き続ける人々にとっては、実に勇気づけられる "朗報!" であるに違いなかろう......。

 "配送" が速いことで人気を集めた Amazon に、通販業他社も刺激を受けたように昨今では一様に"配送" が速くなっている。
 "地元の店舗" での買い物をも "駆逐" して、ショッピングを一手に引き受けてしまおうとする通販業社としては、まさに"配送" の速さこそが最重要課題であるの違いなかろう。

 その Amazon は、倉庫ロボットを駆使した倉庫自動システム を革新することで、さらに効率的な "物流" を達成しようとしているという。

 下記引用サイト記事:Amazonが買収した倉庫ロボットの自動システムが一体どれほどスゴイのかよくわかるムービー/Gigazine/2012.12.31 では、そのスゴさが手に取るようにわかる。
 こうした情報もまた、Amazon への信頼感を醸成すると見なされているのであろう......。

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