科学一般: 2013年6月 アーカイブ

 相変わらず "クローン動物の作製" については関心度が高いようだ。
 その一つの焦点は、いわゆる "絶滅危惧生物の繁殖" という点にあるのかもしれない。究極の "人工増殖" の姿が "クローン動物の作製" というわけだ。

 そんな中で、<1滴の血液から同じ遺伝情報を持ったクローンマウスを誕生させることに成功> という快挙が報じられている。

 下記引用サイト記事【 引用記事 1 】:クローンマウス:血1滴から誕生...絶滅危惧生物の繁殖に光/毎日jp/2013.06.27 - 21:03 がそれである。

 <クローン動物の作製には、細胞分裂が止まった体細胞を、核を抜いた卵子に注入する必要があり、手術で動物の体内から細胞を取り出して使うことが一般的。この際、動物を死なせる場合があり、より簡単な方法が望まれていた/ 小倉淳郎遺伝工学基盤技術室長らのチームは、採取が簡単な血液中の白血球に着目/ 不特定の免疫機能を果たすため遺伝子が変化していない「非リンパ球」を判別する方法を考案し、マウスのしっぽから採取した血液の非リンパ球を使ってクローンマウスを誕生させた> とある。

 で、そんなことならば、下記引用サイト記事【 引用記事 2 】:新発見の"血"でマンモス復活は可能?/毎日jp/2013.06.04 が伝えていた "マンモス" の場合はどうなの? ということになりそうだ。が、どうも、<マンモスのクローン、実現にはほど遠い現状> ということらしい......。




















 昨日も注目したように、"iPS細胞" を使った "加齢黄斑変性" 治療の臨床研究が、厚生労働省の審査委員会から承認を受けたという事実は、加齢黄斑変性の患者さんたちに "一筋の明るい光" を投じているようだ。

 ◆ 参照 "iPS細胞"を使った"加齢黄斑変性"治療の臨床研究が承認される!患者の期待が高まる!( 当誌 2013.06.27 )

 ところで、"iPS細胞" を使った新しい治療のための臨床研究への申請は、この "加齢黄斑変性" 治療のほかにも複数あるとされるが、その中で <なぜ加齢黄斑変性の患者の治療が世界初の臨床研究に選ばれたのか> という点が、気になると言えば気になるところであろう。

 この種の臨床研究は、"世界初!" だということや、国としても大いに力を入れたい分野だという点などから、"何としても成功裏に進めたい!" という関係者の強い思いが込められていそうである。(逆に、問題発生に遭遇すると、この分野の研究が大幅に出遅れる、という支障が生まれる、との懸念もあるようだ......)
 下記引用サイト記事:iPS初の治療 患者に明るい光/NHK NEWS WEB/2013.06.27 - 19:35 は、その点を次のように伝えている。

 <それは、この病気がiPS細胞を使う治療にさまざまな点で適しているから/ 黄斑は大きさが直径2ミリ程度と小さく、治療のために移植する組織は数十万個の細胞で作ることができます少なくとも、数千万個の細胞が必要となる心臓の筋肉などより、比較的簡単に培養できる。また、黄斑は、体を傷つけずに眼底検査でいつでも観察が可能なので、万が一、移植した組織に異常が現れた場合は、レーザーを当てて焼くことができるといった利点もあります> と。

 要するに、"世界初!""挑戦" において "手堅い成果!" を収めることがターゲットとされているに違いなかろう。
 何しろ、iPS細胞の生みの親でノーベル賞を受賞した京都大学の山中伸弥教授の名誉も掛かっていると言えなくもない。
 もちろん、患者さんたちの期待に応えることが第一ではあるが、日本の医療の発展というリアルな文脈では、ここは "セーフティバント" による "出塁" が必須だとする事情、それは大いに了解できるところであろう......。

 身近に、「加齢黄斑変性(かれいおうはんへんせい)」という目の病を患った人がいるので、その症状の "辛さ、切なさ" が人一倍想像できる。

 下記サイト記事:iPS細胞:「目の病気」臨床承認 厚労省審査委/毎日jp/2013.06.26 - 21:17 の "図" が、この病の患者さんの "ものの見え方" を示しているが、何とも残酷な症状である。
 "網膜の中心に位置する黄斑" 部分に異常をきたすためにこうした "ものの見え方" となるようであり、現状、効果的な治療法は見つかっていないようである。

 そこで、新しい治療法として期待されているのが、"iPS細胞" を使って、この病んだ "黄斑" 部分の組織を再生させる、というアプローチなのである。
 下記サイト記事によれば、

 <厚生労働省のヒト幹細胞臨床研究に関する審査委員会(委員長・永井良三自治医大学長)は26日、理化学研究所などが申請していた、人工多能性幹細胞(iPS細胞)を目の病気「加齢黄斑変性(かれいおうはんへんせい)」の治療に使う臨床研究の実施計画を承認した。iPS細胞の臨床応用では世界初の承認となる。早ければ来年夏にも患者へ移植される見通し> とある。その手順は、

 <移植する細胞は、患者自身のiPS細胞から作る。患者の上腕部の皮膚(直径約4ミリ)を採取し、皮膚細胞に遺伝子を組み込み、iPS細胞にする。そのiPS細胞から網膜色素上皮細胞を作り、培養して移植用の網膜色素上皮細胞シート(縦1.3ミリ、横3ミリ)を作る。このシートを患者の黄斑の傷んだ部分に移植する。> となるようだ。

 現在、この目の病での<日本の患者は推定約70万人> と見込まれているそうだが、今後の "高齢者人口増加" を踏まえれば、決して減少することはなかろう。
 今回の "臨床研究" において、しっかりと "安全性" が確認されて信頼性の高い治療法となることを期待したい......。

 こんなことを言っては何だが、そもそも、"政府" が "科学技術" のあり様に、"もっともらしい姿勢" を示すことに "違和感" を禁じえないのだが......。
 それはともかくとして、下記引用サイト記事【 引用記事 1 】:「質・量とも技術力低下」科学技術白書/日本経済新聞/2013.06.25 - 10:12 /【 引用記事 2 】:科学技術白書:「放射能管理に不備」もんじゅ点検漏れ/毎日jp/2013.06.25 - 11:53 は、

 <政府は25日、2013年版の科学技術白書を閣議決定

と伝えている。

 【 引用記事 1 】では、<研究論文に関する指標低迷を挙げ、「質・量ともに科学技術力の低下傾向」が認められると指摘>した上で、

 <東日本大震災との関連では「科学技術の従事者が国民の期待に応えたとは言い難く、率直に反省すべきだ」と明記

しているそうだが、まさにこの点にこそ、"現状の日本の科学技術" の現実が横たわっているように思える。

 この点に焦点を合わせて、今回の "科学技術白書" を論評しているのが、【 引用記事 2 】である。

 <政府は25日、2013年版の科学技術白書を閣議決定した。高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)の点検漏れや、加速器実験施設「J−PARC」(茨城県東海村)の放射能漏れ事に触れ、「放射性物質を取り扱う施設の安全管理を行う者の意識の低さや安全管理体制の不備の表れ」と指摘/ また、論文データ捏造(ねつぞう)や改ざん、盗用問題が相次いでいることを受け、告発窓口の設置や罰則強化などを進めていることを挙げ、研究の質の向上と、研究開発の活性化の取り組みを促した

と、"シビァな側面" に目を向けている。

 残念ながら、こうした "シビァな側面" にこそ、"現状の日本の科学技術" の現実のいろいろな問題が "凝縮" されていると思われてならない。
 華やかな展望を "高望" する前に、"足元固め" こそが先決だ! と思う理由である......。

 "いつでも、どこでも、だれでも" が享受できるインタフェース、環境、技術のことを "ユビキタス・テクノロジー" と呼ぶことは広く知られている。まさに "IT 活用" の究極の姿であろう。
 こうした環境が人々の願望であろうことは、あの漫画「ドラえもん」の『どこでもドア』の魅力を思い浮かべただけで納得されそうだ。

 そして、"スマホ/タブレット" という "モバイル多機能端末" 自体も、この "ユビキタス・テクノロジー" の一環だと考えられるし、それらで活用されている "タッチパネル" という "インタフェース" もまた重要な技術的構成要素だと言えるはずだ。

 "キーボード/マウス" での入力デバイスに比べると、"タッチパネル" という "インタフェース" は、"入力操作" を飛躍的に改善したわけだが、そんなことで "わがままな現代ユーザ" は満足しない! もっともっと快適に! と突き進む

 下記引用サイト記事:「WorldKit」:どこでもタッチパネルに変えるテクノロジー/WIRED/2013.06.24 が伝えるところの "ユビキタス・テクノロジー" の新しい動向は、まさにそれを紹介している。

 <机やテーブル、壁やソファなど、日常生活のあらゆる物や場所がタッチパネルになる。そんな究極のユビキタス・テクノロジーが発表された。カーネギーメロン大学が開発中の「WorldKit」だ。/ 目の前のテーブルを手でなぞると、触った場所が録画機のスイッチになる。ソファの肘掛けをこすると、明るさや音量を調節するスライダーが現れる。ユーザーはソファに座ったまま、テレビのリモコンを探す必要もない。好きな場所に自分が欲しいタッチパネルをつくり、それを操作する/ WorldKitは、日常生活のあらゆる場所にインタラクティヴな機能を付加する技術です/ WorldKitを使えば、タッチの位置や大きさ、方向などを識別し、誰でも思い通りのインターフェイスをつくることができます> と。 ( "デモ動画(ページ下部)" を覗くなら、これらを実感的に了解できる )

 "難病" とされる病は少なくないが、その中でも "筋ジストロフィー" は、さぞ "辛い" ものであろうと察する。"筋肉の破壊" に "進行性" が伴うことで、最終的には心不全や呼吸不全などに陥り死に至るというケースが多い、とされているからだ。

 そして、発症の仕組みについては、"遺伝子異常" に根源的原因が求められること以外は不明だとされてきたようである。
 ところが、根源的原因の "遺伝子異常" 以外に、新たな "原因物質" が発見されたという。 "遺伝子" の "異常" だから......、という "壁" に "風穴(?)" が開けられたようで、画期的ではないかと思えた。

 また、従来の "通念" に対して、飽くなき挑戦のスタンスで、原因究明の "とっかかり" を探る科学者の姿勢が素晴らしいと思えた。

 下記引用サイト記事【 引用記事 1 】:筋ジストロフィー症状の原因物質を発見 神戸大/msn 産経ニュース/2013.06.21 - 14:37 は以下のように報じている。

 <筋肉が徐々に衰える筋ジストロフィーの発症に、細胞内にあり、発汗のコントロールなど体内でさまざまな働きをする生理活性物質「プロスタグランディン」がかかわっていることを、神戸大大学院の竹島泰弘特命教授(小児科学)らの研究グループが発見し20日、発表した> と。そして、

 <プロスタグランディンによる炎症を抑える薬剤は多く存在しており、筋ジスの治療に役立つ可能性がある> と、神戸大大学院の竹島泰弘特命教授(小児科学)は話しているという。

 なお、"筋ジス治療" には、 "根源的原因" である<遺伝子の働きを抑えて筋量を増やすことで、徐々に筋肉が衰える筋ジストロフィーの症状を改善すること> というアプローチが試みられてもいるようである。( 下記引用サイト記事【 引用記事 2 】参照 )

 "iPS細胞" を使った "ヒトの臓器作り" やその研究に関しては、"生命を操作する" という点についての "生命倫理" の観点から、必ずしも "問題なしとはしない" という見解/指針があり、種々の制限/禁止が設けられてきた。
 この現状に対して、こうした研究の重要度を評価して、新たな方針が定められようとしている、というのが、下記引用サイト記事:動物体内でヒトの臓器作り容認へ/NHK NEWS WEB/2013.06.19 - 19:42 の内容である。

 <京都大学の山中伸弥教授が開発したiPS細胞を使い、動物の体内でヒトの臓器を作り出す研究を国の専門委員会が認める方針を固めました。今後、移植用の臓器作りに向けた本格的な研究が進むと注目> とある。

 <ヒトのiPS細胞などを動物に移植することを禁じている現在の指針> の "見直し" を求める動きであり、具体的な研究内容は次のとおりだそうだ。

 <ヒトのiPS細胞などを特定の臓器になる細胞に変えた後、一定程度成長したブタなど動物の受精卵に入れ、子宮に戻して妊娠、出産させることで、ヒトの臓器をもった動物を作り出すもの

 <こうした研究は、生命を操作するという側面が強い。ヒトの精子や卵子、それに脳の神経細胞をつくるとすればどこまで認めるのか、倫理面で厳格に制限し、一般の人の理解も得られるよう明確な歯止めをかけるべき> とする "慎重な姿勢" が保たれながら、新たな研究への一歩前進が図られるようだ......。

 IT、医療、原子力、地震、自然災害......、と、要するに "科学(的知識)" がこれほどまでに日常生活と密接に関わり、その影響力が甚大な時代環境はかつてなかった
 つまり、直接的に "科学(的知識)" を扱う "専門家(科学者)" と、"科学(的知識)" の成果を享受する "一般人" との違いはあっても、益々、両者は現代という時代環境の中で共に生き、相互に支え合うことが不可欠となっている。

 そして、ここには、指摘されてみると気づくのだが、結構、"難解な問題" が存在している。"専門家(科学者)" と "一般人" との "コミュニケーション" という問題のことだ。

 簡単な例を挙げれば、"医者" と "患者" との "会話" がそれに当るはずだ。
 "インフォームド・コンセント" )の考え方が受け容れられている今日では、"医者" による "分かりやすい説明" と "患者" 側での "納得" という "コミュニケーション" が、リーズナブルな医療行為に欠かせないというわけだ。

 ( )<医療行為(投薬・手術・検査など)や治験などの対象者(患者や被験者)が、治療や臨床試験・治験の内容についてよく説明を受け十分理解した上で(英: informed)、対象者が自らの自由意思に基づいて医療従事者と方針において合意する(英: consent)こと......>( インフォームド・コンセント/ウィキペディア

 これは、"医者"/"患者" 間に限らず、ITベンダー/ユーザー間、"原発"/地域住民・国民間、地震に関する行政/地域住民間 ......など、現在では "普遍的な課題" となっていると思われる。

 しかし、"専門的" な "科学(的知識)" に関する "専門家(科学者)" と "一般人" との "コミュニケーション" は、かねてより "難しさ" がある問題だと見なされてきた。"専門性の壁" という側面は、やはり "伝達" という場で大きな支障となることが否めないからだ。

 ただ、思うに、こうした難易度のある問題以前に、そもそも "何かを他者に伝える" というスキルの問題も軽視できないはずであり、人のことは言えないが、ジャーナリストの文章でも "分かりにくい記事" はいくらでもありそうである。
 このブログでも医療をはじめとした "科学的ジャンルの話題" を積極的に取り上げているが、ソース記事を読んでみて、"専門性" 云々という以前に、単に "分かりにくい"( =読み手のことを考えていない! )と感じるケースも多々ある。

 それはともかく、"科学(的知識)"(と技術)が日常的な生活/社会と密着している現代では、上記の "コミュニケーション" 問題は、今後益々注目されることになりそうだ。

 ◆ 参照 <科学技術が関わる社会問題 が多発し、事態が複雑になっていたわけです。言い換えれば、問題解決に当たって、科学技術という 專門知と市民の知 とが、どうジャーナリズムを通して "橋渡し" されるのか、それが焦点となっていたとも言えそうです。恐らくこの点は、今後ますます浮上し、表面化していくことが予想されるため見過ごすことができない課題かと思われます。>( Socialメディアの普及とジャーナリズムの理想"アジェンダビルディング"の可能性( 当誌 2012.01.01 )

 下記引用サイト記事:難解な科学 分かりやすく伝えるには/NHK NEWS WEB/2013.06.16 - 22:37 は、こうした以上の問題と関連して、

iPS細胞や放射線それにウイルスなど、とかく「難しい」とか「分からない」と考えられがちな科学を、どうすれば一般の人たちに分かりやすく伝えることができるのか。そのノウハウを研究者や技術者などが学ぶ

という観点での<講座> 開催の話題を取り上げている。

 <難解な科学を分かりやすく伝えるのは科学者自身の「責任」だと考えたうえで、科学者と社会がコミュニケーションを図る> という点が眼目である、と......。

 "地球温暖化" への "対策" が、決して容易ではないことの理由のひとつには、世界および各国の "経済成長" との兼ね合い、というリアルな問題が潜んでいるからであろう。
 この "対策" には、経済領域での問題( "コスト問題" )が絡んでいるだけに、"経済的(コスト的)視点" を盛り込んだ "知恵" としての "排出量取引(Emissions Trading)" 制度が採用されたりもしているわけなのであろう。

 そんな実情があるだけに、昨日の "地球温暖化と大規模洪水" というテーマに関しても以下のような感想を添えた。

 <"地球温暖化" は、回避不能の現象なのだと悲観的に見なしてしまうのか、あるいはそれを抑止するためのコストと、その被害発生に向けた対策コスト、復旧コストなどの膨大な合計とを、冷静に比較できる聡明さや判断が求められている......>( 地球温暖化で"100年に1度の大規模な洪水"が世界各地で増加!温暖化前提の洪水対策要!( 当誌 2013.06.11 )

 図らずも、こうした"経済的(コスト的)視点" を駆使した"地球温暖化" 対策 についての "試算" が報じられた。

 下記引用サイト記事:IEA試算:今すぐ温暖化対策強化なら費用3分の1以下に/毎日新聞/2013.06.11 がそれである。

 <国際エネルギー機関(IEA)は10日、各国が今すぐ、効率の悪い石炭火力発電所の建設を禁止するなど温暖化対策強化に乗り出せば、対策を2020年以降に先送りした場合に比べ、必要な費用を3分の1以下に抑えられるとの試算を盛り込んだ報告書を発表した/ 対策強化を先送りすれば、1兆5000億ドル(約150兆円)の対策費を負担せずに済むが、20年以降に5兆ドル(約500兆円)の追加投資が必要になる> とある。

 もちろん、"地球温暖化" 問題は、"負担コスト" の問題だけに止まらない。
 昨日も注目したように、<100年に1度しか起きなかったような大規模な洪水が50年から5年に1度の割合で起きるようになり、発生の頻度は2倍から20倍に増加する> ような大災害を引き起こし、膨大な数の人命を奪うことにもつながりかねない。

 まさに、今でしょ! 温暖化対策強化に乗り出すのは! ......。

 その被害水準が、事によったら "漠然視" されていたかもしれない "地球温暖化" 現象! "100年に1度の大規模な洪水" を発生させる確率を高める、おそれがあるという慄然とする分析結果が発表された。
 "大規模な洪水" という人々の生命と生活に甚大な被害を及ぼしかねない事態が想定されるだけに警戒を要する。

 下記引用サイト記事【 引用記事 1 】温暖化で「アジア大規模洪水倍以上に」/NHK NEWS WEB/2013.06.10 - 15:21 は以下のように報じている。

 <地球温暖化が進むと、今世紀後半にはこれまで100年に1度しか起きなかったような大規模な洪水が世界各地で増加/ 100年に1度しか起きなかったような大規模な洪水が50年から5年に1度の割合で起きるようになり、発生の頻度は2倍から20倍に増加すると推計/ 洪水が増えるとされる地域では人口の増加も予測されるため、被害の拡大が懸念される

 なお、この日本における<温暖化影響予測> については、下記引用サイト記事【 関連 引用記事 2 】温暖化影響予測:日本の平均気温、最高4度上昇/毎日新聞/2013.04.12 - 18:48 で、以下のように伝えられている。

 <地球温暖化がこのまま進めば、今世紀末には日本の平均気温が最高4度上昇し、河川氾濫の確率が最大4.4倍に増える> との予測結果である。

 従来からの基準によって講じられているに違いなかろう "洪水" 対策は、"100年に1度の大規模な洪水" に耐えられる、そうした水準のものへと再構築されなければならない、ということになろう......。

 膵臓からの "インスリン分泌" の不足や機能不全で発症する "糖尿病" は、膵臓という臓器の中に散在している"膵島細胞" のあり様にかかっていると言われている。
 "膵島細胞" のうちの "β細胞" がインスリンを産生するからだとされている。

 こうした点から、"糖尿病治療" に関する"再生医療" 分野での先端研究では、"膵島細胞""効果的な移植" 方法が模索されている。
 つい先日も次のような記事に注目したばかりだ。

 ◆ 参照 "新型細胞"使い糖尿病改善!膵臓の"膵島細胞"×増殖力持つ"幹細胞"!再生医療分野!( 当誌 2013.05.30 )

 今回、関心を向ける下記引用サイト記事:糖尿病治療:膵臓細胞に薬剤投与 移植で「副作用なし」/毎日jp/2013.06.08 - 09:38 も、多分、同じジャンルの研究成果だと思われる。

 <膵臓の中の膵島細胞肝臓に移植する糖尿病治療で、福岡大(福岡市)と理化学研究所(埼玉県和光市)は、拒絶反応を抑える新たな方法の開発に成功した。移植を受ける患者(レシピエント)の免疫を抑える従来の方法とは異なり、移植する細胞に着目した。福岡大医学部の安波洋一教授(再生・移植医学)は「レシピエントへの副作用がなく、糖尿病治療に画期的な進歩をもたらす」としている。

 <移植で「副作用なし」> という点が画期的だとされる。そして、そのために<移植したばかりの細胞が低酸素状態で、細胞内にカルシウムイオンが流れ込むことで破壊されていることに着目。カルシウムイオンの細胞内への流入をブロックする薬剤を予め("膵島細胞"に)投与> というアプローチが採られたという。

 なお、ひとつ、気になった点は、<膵島細胞肝臓に移植する糖尿病治療> というくだりの<肝臓> という部分であった。"膵臓" ではなかったからだ......。

 調べてみると、以下のような治療状況のあることが分かった。

 <...... 膵島移植は,そのような重症1型糖尿病に対する新しい治療であり,膵臓から分離したβ細胞を含む膵島細胞肝臓の門脈内に注入する組織移植のひとつである。ことに2000年にShapiroら􌛋􌛗により報告されたエドモントン・プロトコールによる劇的な治療成績の改善により,膵島移植は一躍次世代の糖尿病治療法として脚光を浴びている。 ......>( 糖尿病に対する移植治療―膵島移植の現況―/信州大学医学部外科学講座⑴ 三田篤義

 < ......膵島は直径が約 0.1~0.3 mmの球状の塊で、膵外分泌組織の中に点々と散らばっています。塊として散らばっている様子から"膵臓のなかの島"という意味で膵島の名前がついています。膵臓の中には成人一人あたり約100万個の膵島があります。...... 膵島移植とは 、膵臓からのインスリン分泌がなくなってしまったインスリン依存糖尿病(1型糖尿病)に対する治療法の一つで、インスリンを産生するβ細胞を移植して血糖をコントロールすることを目的とし、膵島のみを取り出して、局所麻酔下に肝臓内の血管である門脈に注入する細胞移植です。膵島を外分泌細胞から分けて純粋に取り出す技術がまだ十分でないためもあり、一つの膵臓から集めた膵島を移植しても完全にインスリン注射をしないで済むような状態にはならないことが少なくありません。インスリン注射からの離脱には2回以上の移植が必要になることが多いのが現状です。しかし、移植が成功すると、膵島細胞肝臓内で生着し、血糖値に反応してインスリンを分泌します。そのため、インスリン注射からの離脱ができなくても、注射するインスリン量が少なくて済み、血糖が安定し、低血糖発作が無くなる方が多くいます。移植後に終生免疫抑制剤を服用する必要があることは膵臓移植と膵島移植で同様です。......>( 膵島移植について/JPITA 日本膵・膵島移植研究会/

 これらの情報を踏まえてみると、今回のアプローチにおける<移植で「副作用なし」/ 拒絶反応を抑える> という点が、尚の事、貴重なものだと了解される......。

 今や、"おカネ"をかければ "健康食品/サプリメント" は何でも入手可能だ
 しかし、"ちょっと違う" ような気がしないでもない。というのも、それらは継続して摂取しなければ効果がないために、結局、トータル・コストではかなりの負担となってしまうからだ。逆に言えば、だからこそ製薬会社などはそれらの販売をターゲットにしているのが実情なのであろう。
 だが、"低価格・低コスト" であることこそが、"健康食品/サプリメント" などの "必要条件" ではないかと考える。もちろん "効き目" については言うまでもないが。

 その点、下記引用サイト記事:渋柿で血液サラサラ 悪玉コレステロール低減/北國新聞/2013.06.03 の<"渋柿から作った粉末"> は期待が持てそうである。

 <石川県立大生物資源環境学部の松本健司准教授は2日までに、未成熟な渋柿から作った粉末に含まれる成分に、LDL(悪玉)コレステロールを低減する作用があることを実証した。粉末は栽培の際に間引いた青柿や放置果樹園の果実を利用することで低コストで生産可能。粉末にすれば渋みはなく、加熱しても成分が損なわれないため、幅広い食品に加工できるという。

 増加の一途を辿る一連の "成人病" の大半は、"血管" の異常によって引き起こされていることは広く知られている。そして、中でも "動脈硬化" はその代表格とされ、そこから、血液中に含まれる<LDL(悪玉)コレステロール> が問題視されていることも周知の事実だ。

 この<LDL(悪玉)コレステロール> の<低減効果があるのは柿の渋み成分である重合タンニン> だという点に着目し、<栽培の際に間引いた青柿や放置果樹園の果実> といった<商品価値のない未成熟な渋柿を利用して> "粉末" のかたちへと製造する、というのが、石川県立大生物資源環境学部の松本健司准教授の研究成果だそうだ。

 "なるほど!" と感心するに至ったのは、何よりもこの<商品価値のない未成熟な渋柿を利用して> という "資源再利用" 的観点での発想なのである。
 "低価格・低コスト" の実現のための最短ルートが "商品価値のない" ものを利用・活用することである点は言わずと知れたことであろう。

 こうした "資源再利用" 的観点での発想には、とかく伏兵が潜んでいたりもするが、そこにこそ現代の進んだ技術を投入して解決し、この分野が活性化されることを期待したいものである......。

 "無人機攻撃" に関しては、"誤爆や巻き添えによる民間人の犠牲者が多いこと" などの理由で批判が高まりつつある。
 そうした批判を受け、オバマ米大統領は "使用を限定する考え" を以下のように表明したという。

 <(オバマ米大統領は)無人機攻撃に関しては、米国や同盟国に対する「継続的で切迫した脅威」があるにもかかわらず、潜伏先の国や米国がテロ容疑者を拘束する手段がなく、一般市民を巻き添えにしないことが「ほぼ確実」な場合に限り、暗殺作戦を実行すると表明>( 米、無人機攻撃を限定 対テロ指針 大統領、誤爆批判受け/東京新聞/2013.05.24

 では、"誤爆、民間人巻き添え" が無ければ構わないのか? つまり、さらに "制御精度の高い技術" が投入されれば一件落着するという見方も出てくるに違いない......。

"無人機攻撃" への批判の "中心" は、果たしてそういった "技術的水準" の問題なのであろうか? どうも、そうではないように思われる

 下記引用サイト記事【 引用記事 1 】:「殺人ロボット」開発凍結要請/NHK NEWS WEB/2013.05.31 /【 引用記事 2 】:殺人ロボット凍結、国連で討議へ 検討委開催も勧告/【共同通信】/2013.05.26 によれば、

 <人間の指示なしで敵を自動的に攻撃するいわゆる「殺人ロボット」の開発が進められていることについて、国連の専門家は、人命保護の観点から問題があるだけでなく、戦争を起きやすくするものだと強い懸念を示し、各国に開発の凍結を求める報告書を提出/ 人間ではなく機械が人の生死を決定することは、人命保護の観点から大きな問題があるだけでなく、人間の意思決定から離れて攻撃が行われることで、戦争が起きやすくなるおそれがある/ 人間の熟慮を経ずに行われる戦争は、機械仕掛けの大量殺りくに等しい/ 遠隔操作式の無人機攻撃が広がる中、兵士を危険にさらさない装備が重宝され、いずれ殺人ロボット兵器の導入に踏み切る国が出てくるとの危機感が背景にある> と、問題の焦点が指摘されている。

 "科学とヒューマニズム" との関係における "根源的な問い" が投げかけられているのだと思われる......。

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