時事問題: 2012年5月 アーカイブ

 最近は、"天気予報" への人々の関心がにわかに高まっていそうだ。TVでニュースを見なくとも "天気予報" 番組には目を向ける人が多くなったのではなかろうか。
 言うまでもなく、"気候" の変動に穏やかさがなくなり、"急変" や "異常気象" が当たり前のようになったからであろう。
 つい先日も、突然の "竜巻" が日常生活の場に襲いかかり甚大な自然災害が発生したばかりだ。また、"寒暖の差" の激しさも異常だとしか言いようがなさそうだ。
 こうした "異常気象" の感触を挙げれば切りが無いほどに、昨今の "気象" 状態は荒れ模様である。

 これらの "異常気象" 現象と "二酸化炭素の排出量" 増大による "地球温暖化" 現象との定かな因果関係は不明だとはしても、両者に密接な関係がありそうな点は疑う余地がなさそうである。

 そんな中で、下記引用サイト記事:世界のCO2排出量 去年過去最多/NHK NEWS WEB/2012.05.26 によれば、<去年1年間に世界で排出された二酸化炭素の量は、中国やインドといった新興国での増加が続いたことなどから、316億トンとなり、これまでで最も多くなった>という。

 一頃は、大きな関心が向けられていた "CO2排出量" 問題であるが、どうも最近はその関心度も冷めているかの気配がないではない。
 喫緊の関心事である不安定な国際経済情勢に加えて、日本の場合には "巨大地震発生" の可能性や、"原発稼動の是非" を巡る "電力エネルギー" 問題も浮上し、"CO2排出量" 問題がやや "霞む" 傾向に追いやられていそうか......。

 元々、"CO2排出量規制" に関する "国際的合意" は困難さを極めてきたわけだが、ここに来て、"IEA=国際エネルギー機関" は、<目標の実現に向けた道のりは、閉ざされつつある>という<厳しい見方>を表明するに至ったという......




















 "ギリシャのユーロ圏離脱" の可能性を巡っては、世界の各国が注視し続けている。
 "結局は、合理的な選択がなされる" との見方が、希望的観測をベースとしつつ期待されてはいる......。
 だが、"予断を許さない" というのがよりシビァな現実なのかもしれない。

 下記引用サイト記事:「強まるギリシャのユーロ圏離脱観測、政府・企業は緊急対策作り急ぐ」/REUTERS/2012.05.25 によれば、欧州関係各国および各企業は、<危機管理策の一環として、ギリシャのユーロ圏離脱シナリオを検討している>とある。だが、必ずしも "一般的な危機管理策" とばかりとは言えないような "緊迫感" が立ち込めている気配のようだ。
 "ギリシャのユーロ圏離脱" の "回避される" ことが、合理的には概ね "正解" と見なされてはいる。しかし、さまざまな "伏兵" 的要因を勘案すると、"予断を許さない" 可能性の方が警戒されるということなのであろうか......。

 ところで、こうしたギリシャ情勢について、<ギリシャは典型的な「衆愚政治」に陥っている>と、いつもながらの明快な見解を提示しているのは、大前研一氏だ。

<今、ギリシャは典型的な「衆愚政治」に陥っていると思います。
 次の選挙では、緊縮財政に反対する急進左翼進歩連合が第1党となりそうな勢いを見せていますが、一方でユーロからの離脱に関しては「残留」を希望しているギリシャ国民が78%という統計が出ています。
 ユーロ残留の条件として求められたために前政権では緊縮財政の実施を決定したわけですから、「ユーロへの残留を希望するけど、緊縮財政は嫌だ」というのでは、ギリシャ国民は甘すぎると指摘せざるを得ないでしょう。......
 ギリシャの将来を想像すると、短期的には地獄のような状況に陥りますが、中期的に見ればドラクマという弱い通貨になることで、昔のように海外からの外国人観光客を呼びやすくなるというメリットもあります。
 日本は「円」という自国通貨を持っている点で、ユーロとの関係性のあるギリシャとは異なりますが、国家債務はむしろ日本のほうが大きく、明日は我が身と考えて慎重にギリシャが辿る過程を見ておくべきだと思います。>
( ~大前研一ニュースの視点~『ギリシャ情勢と経済成長 ~緊縮財政を考える』/株式会社ビジネス・ブレークスルー『大前研一ニュースの視点』メルマガ事務局/2012.05.25 )

 実のところ、ギリシャ国内のこうした "内憂" が見て取れるだけに、"ギリシャのユーロ圏離脱回避" という "合理的選択肢" が必ずしもスッキリとは浮かび上がってこない現実があるのかもしれない......。

 ユーロ圏の財政危機の最中で、有力格付け会社のフィッチ・レーティングスがつい先日、 "ギリシャ格下げ" を行った。( ◆参照 ギリシャ格下げで対ドル/ユーロ円急上昇!株急落8,611円(今年最大の265円安)!( 当誌 2012.05.19 )

 そのフィッチ・レーティングスが、今度は "日本の格下げ" を発表した。
 下記の【 引用記事 1 】日本をA+に格下げ、見通しはネガティブ=フィッチ/REUTERS/2012.05.22 によれば、<日本の長期外貨および自国通貨建て発行体デフォルト格付け(IDR)を、それぞれAAおよびAAマイナスからAプラスに引き下げた。見通しはネガティブ。>とある。
 そして、<「日本の財政健全化計画は、他の財政面の課題を抱える高所得諸国と比べても悠長なようで、その実行は政治的リスクにさらされている」>と指摘したという。残念ながら、的を射た指摘だと言うほかない。

 こうしたフィッチ・レーティングスの意向と判断に対しては、市場関係者たちは、概ね "意外感" 無く受け入れているとするのが、下記の【 引用記事 2 】フィッチ、日本をA+に格下げ:識者はこうみる/REUTERS/2012.05.23 だ。
 日本の財政悪化、政治不安定状態は、もはや周知の事実となっていて、"格下げ" 自体に "意外感" は無さそうである。しかも、国際経済の当面の問題は "ユーロ圏" だとする状況が事を荒立てていないという流れのようだ。
 しかし、<動きがあるとすれば、ファンド勢がクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)などデリバティブを活用した取引を行う可能性があるくらい。>と言う点には注意を払っておいた方が良さそうだ......。

 高止まりの "失業率" が続く昨今であるが、 "失業率高い男性" という傾向が目立ち始めているという。
 <男性の雇用が多い製造業や建設業は、過酷なリストラを迫られた>(下記引用サイト記事:失業率高い男性、賃金低い女性 偏りが成長に影/日本経済新聞/2012.05.19 より)という事実が背景にあるという。
 そして、<男性の失業率が女性を上回る先進国は多い。一時的な現象とはいいきれない>だけに、<「男性(man)」と「不況(recession)」を組み合わせたもの>として<マンセッション(mancession)>という "造語" が注目され始めているのだそうだ。

 ここから見るべきは、言うまでもなく男性/女性という性別がどうこうではなく、男性の就業比率の高い "建設業・製造業" が "リセッション" の煽りを受けて冴えないのに対して、女性の比率が高い業種である医療・福祉などが上向いている、という構造的変化なのであろう。
 ただし、後者には、賃金水準が相対的に低いという問題が絡んでいるようだ。

 "サービス業" の興隆はそれはそれで良いことであるに違いないが、"モノづくり" の技を誇った日本としては、やはり "製造業の再生" に目が向けられるべきかと思う。
 つい先日も、<米国(政権)は、景気を活性化する重要材料としての "雇用創出" にテコ入れ、そのための方策としての "製造業再生策" に力点を置いている>( 米国経済回復は米製造業「メードインUSA」への回帰で?米政権の製造業再生策!( 当誌 2012.05.18 ) )と書いたところだ......。

 あれほどに騒がれたフェイスブックの新規上場であっただけに、現世界経済の苦境に対して、何がしかの "救い" になってくれるのではないか......、とする "救世主" 願望! があってとしても不思議ではない。
 しかし、その願望、期待は、思いのほか "頑強な" 現世界経済不安の前で肩透かしを喰ったかたちで終わったようだ......。

 期待の超大物ルーキーも、市場のピンチを救うことはできなかった。18日の米株式市場で話題をさらった交流サイト(SNS)最大手フェイスブック(FB)の新規上場だが、終値は公募・売り出し価格の38ドルを上回るのがやっと。FB株の伸び悩みにつれてダウ工業株30種平均も失速し、結局6日続落。年初来安値まであと10ドル足らずに迫った。
 「騒がれたわりに大したことなかったね......
 大手証券の営業担当者は失望を隠せない。直前に公募価格の仮条件を引き上げたり、売り出し株数を増やしたりして人気の高さが評判になっていたFB株。ふたを開けてみれば「50ドル台」との下馬評に全く届かない水準で初日の取引を終えることになった。
 取引システムの不具合で初値が付くのが予定より30分遅れ、投資家が売買に慎重になった不運を差し引いても、FB株は下げ止まらない株式相場の救世主になれたとは言い難い
>( フェイスブック、市場の救世主になれず(NY特急便)NQNニューヨーク・森安圭一郎/日本経済新聞/2012.05.19

 熱狂し切れなかった(?) "新規上場劇" の観客の中には、

FBの株価が公開価格を割り込まずにすんだのは「引受証券会社が買い支えたためだ」とまことしやかな噂が流れた。>(同上サイト)

ほどであったともいう。

 その "明るさ" はどの程度なのか? 世界経済を "奈落の底" へと突き落としかねない "欧州不安"、その中心となっている "ギリシャ" の世論が、現時点では<反緊縮派の急進左派連合>に "距離を置く" 判断をし始めている(?!)、というのである。( 【 引用記事 3 】:ギリシャ、緊縮派が支持率トップに ユーロ離脱懸念 反緊縮派を逆転/日本経済新聞/2012.05.18
 もし、この動きが高まれば、"ギリシャのユーロ圏離脱" のリスクは軽減するのであろうか......。まだ半月以上先の "再選挙" なので行方は定かではないが......。

 ところが、折から、あの<有力格付け会社のフィッチ・レーティングス>が、<ギリシャの長期債務格付けを「シングルBマイナス」から「トリプルC」へ引き下げた>という "ギリシャ格下げ" をしたためか、世界の金融市場の動きは、"資産リスク回避" に向け大荒れに荒れることとなった。( 【 引用記事 2 】:フィッチ、ギリシャを格下げ 「ユーロ離脱リスク高まる」/日本経済新聞/2012.05.18
 ギリシャの<「ユーロ離脱リスク高まる」>という "シビァな評価" が席巻した格好なのだ。

 こうした推移によって、"ユーロ下落、ユーロ安" が各国の金融市場を撹乱させ、とりわけ日本では<欧州債務問題が深刻化するとの懸念から株安、円高が進む展開>に結び付いたわけだ。( 【 引用記事 1 】:株急落、4カ月ぶり8600円台=欧州不安で-長期金利8年10カ月ぶり低水準/時事ドットコム/2012.05.18
 同記事の図表が奇しくも示している "ユーロ・円相場" と "日経平均株価" との "真逆の相関関係" については、まさに目を見張るものがある。いかに、日本経済と "ユーロ圏" とが緊密な関係を持っているか、そのことを改めて知らされた思いがする......。

 つい先ごろ、日本の半導体製造メーカー:"エルピーダ" が、米国の半導体メモリーメーカー:マイクロン・テクノロジーに買収された。
 "エルピーダ" は、いわば競合の韓国の "サムスン電子" によって "潰された" 格好ではなかったか......。
 ところが、皮肉にもその "サムスン電子" が、今、"米国資本" となったばかりの "エルピーダ" によって大打撃を被っているという。事情は、下記の引用サイト記事の通りだ。

<[ソウル 16日 ロイター] 16日のソウル株式市場で、米アップルが大量の半導体をエルピーダに発注したとの報道を手掛かりに、サムスン電子株が6.2%値を下げ、時価総額が100億ドル減少した。...... 台湾のオンライン・ニュースサイト、Digitimesが業界関係者の話として、アップルが最近、大量のモバイルDRAM(記憶保持動作が必要な随時書き込み読み出しメモリー)をエルピーダに発注したと報道。...... >韓国半導体株が急落、アップルがエルピーダに大量発注との報道/REUTERS/2012.05.16


 しかし、この推移からは、単に皮肉にもではなくて、景気回復に傾注する "米国の意図" が浮かび上がっているかに見える。
 米国(政権)は、景気を活性化する重要材料としての "雇用創出" にテコ入れ、そのための方策としての "製造業再生策" に力点を置いているわけだ。

< [チャンドラー(米アリゾナ州) 1日 ロイター] 「ファブ42」と味気ない名称で呼ばれているが、米アリゾナ州の砂漠に建設中の米インテルの半導体製造施設は、ありふれた施設ではない。
 総工費50億ドルとされるこの施設は、史上最も進んだ半導体製造施設だ。ここで生産されるマイクロチップに搭載されるトランジスタは非常に小さく、1本の針の先に1億個以上を載せることができるほどだ。
 またこの施設はインテルにとって、米国が依然モノ作りに適した場所なのかどうかを占う上で、大胆な賭けともいえる。多くの政府高官や企業の幹部が信じているように、製造業が雇用や長期的な経済成長にとって不可欠であるならば、「ファブ42」は心強いシンボルとなり得る。...... >
焦点:米政権の製造業再生策、半導体の海外移転を阻止できるか/REUTERS/2012.05.08


 こうした米国の "製造業再生策" の背景については、下記引用サイト記事:米製造業が「メードインUSA」に回帰、中国の人件費高騰など背景/REUTERS/2012.04.20 が、既に実情の要点を伝えていた。

 "テールリスク" という用語があるそうだが、その意味は、"発生確率が小さいが、生じると大きな損失のことを指す" ことのようだ。
 "東日本大震災" や "首都直下地震" などもこれに相当するが、喫緊の対象は "ギリシャ危機" であり、"ギリシャのユーロ圏離脱" 問題となる。

 だが、それが<テールリスクとは言ってられないようになってきた>( 下記引用サイト記事:ギリシャ再選挙で深まるユーロ懸念、日本株の弱い下げ渋り感/REUTERS/2012.05.16 )と観測され始めたのが、どうも現状のようである。

 と同時に、ギリシャを巡る "ユーロの危機" は、"回り回って"、"連鎖的に" グローバル経済全体を揺さぶり、ただでさえ問題含みの各国経済にブレーキを掛けさせ "減速化" を迫っているという構図が要注意となる。
 つまり、"牽引力" を欠いた状態の現状のグローバル経済において、"下方圧力" だけがジワジワと強まり、現実化しつつあるわけだ。まるで「真綿で首を絞める」がごとき(?!)状況が、残念ながら現時点の推移のように見える......。

 そんな中で、<日本株は下値を模索する展開>となり、すでに<個人投資家の投げ売りが一巡>(追い証での処分売り!)し、<海外勢の売りは利益が出る銘柄を中心に継続>とある。
 未だ "売り浴びせる" ような "海外勢" の動きには至っていないようだが、ここまで来ると、今後警戒されるのはその点以外にはないのかもしれない......。

 言うまでもなく、世界経済の "頼みの綱(?)" は米国経済だが、このところメッキリ冴えないようだ。
 米国株価は、大きな幅で "続落" している。

<【NQNニューヨーク=横内理恵】14日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続落し、前週末比125ドル25セント(1.0%)安の1万2695ドル35セントと1月31日以来、約3カ月半ぶりの安値で終えた。ギリシャの政局混迷が続いていることなどを背景に欧州株式相場が大幅安となったことにつれ安した。...... >( NY株125ドル安、3カ月半ぶり安値 ギリシャ混迷で /日本経済新聞/2012.05.15

 "大丈夫なのか?" と不安となるが、どうも "大丈夫でもなさそう" な気配か......。

 下記引用サイト記事:米景気の鈍化傾向が鮮明に FRB追加緩和策の可能性/週刊ダイヤモンド/2012.05.15 によれば、いよいよ<鈍化傾向が鮮明>となってきたようである。
 問題は、<住宅市場>のようであり、未だに<リーマンショック>の "後遺症(?)" を引き摺っているようなのだ。

FRBが米国経済の最も弱い部分として見ているのが住宅市場で、「隠れ在庫も多く、構造的に供給過剰となっている」...... 米国ではリーマンショックから3年半がたった今も手続き上、まだ競売にかけられていない住宅が多く、それが住宅価格を押し下げている要因とみられる。
 また米国の場合、住宅資産を担保にローンを借りて自動車などを買う個人が少なくない。住宅価格が下がると、そうしたローンを借りられず、個人消費も押し下げる要因となる。


 昨日は、<中国経済の "ハード・ランディング" 状態>に対する政府による対応策が "遅きに失する懸念" について注目してみた。
 しかし、米国もまた同じ事情にあるかのようである。

金融政策は一般に効果が出るまでに時間がかかるため、景気が失速してから手を打つのでは遅い

 どうも、今 "警戒すべきリスク" は、"タイムアウト!" 以外ではなのかもしれない......。

 現在の中国経済が、"ハード・ランディング"【 注 】 状態なのかどうかについては不安視され続けている。

 【 注 】
ハード・ランディング 過熱した景気を、実体経済に深刻な影響を与えつつ、継続的に維持可能な水準にまで減速させることを、飛行機の強行着陸に例えていう。実体経済への影響を最小限に抑えて、穏やかに減速させることはソフト・ランディングという。なお、景気が失速し、不況に突入した場合はクラッシュ(墜落)という。>Hatena::Keyword

 この2月に "巨額の貿易赤字" を計上して以降、中国経済の "ハード・ランディング" 状態を懸念する声が高まっていた。

<米JPモルガン・チェースのアジア・新興市場担当チーフストラテジスト、エイドリアン・モワット氏(香港在勤)は ......「中国は現在ハード・ランディング状態にある。自動車販売は減り、セメントや鉄鋼の生産も減少。建設株は値下がりしている。いまさら議論する必要のない、それは事実だ」と語った。>中国経済はハードランディング状態-JPモルガンのモワット氏/Bloomberg.co.jp/2012.03.15 ))

 昨今の報道でも次の通りだ。

<[北京 13日 ロイター] 中国が国内外需要の予期せぬ減退によって成長率をこれ以上低下させないためには、財政面からのバックアップ措置が必要との見方が強まっている。...... 鉱工業生産は伸び率が大きく鈍化し、成長の主要なけん引役である固定資産投資の伸び率もここ10年近くで最低水準となり、......財政出動をすぐにも加速させなければ、国内総生産(GDP)成長率は第2・四半期に8%を下回る恐れがある......>焦点:中国の成長リスク、財政出動の必要性を示唆/REUTERS/2012.05.14

 ところで、中国のこうした状況に関心を向けざるを得ないのは、ほかでもなく以下の点からである。

日経平均が9000円前後まで下落している理由は3つある。(1)欧州信用不安の増大 (2)米国の景気回復ペースの鈍化 (3)中国の金融引き締めによる景気減速懸念だ。日本株にとっては米国と欧州の景気動向によって円相場が対ドル、ユーロで上昇していることも重荷だ。1~3月はこの3つの海外要因がすべて日本株にとってプラスの方向に進んでいたが、足元では逆転している。
 (1)欧州ではギリシャやスペインで債務削減策に対する世論の反対が強まってきた (2)米景気の指標となる雇用統計では非農業部門の雇用者数の増加が2カ月連続で20万人を下回った (3)中国景気の減速感が予想以上に強い。......
>( "日経平均9000円前後にまで下落"! "三つ巴"の不安材料下での今後の見通しは?( 当誌 2012.05.11 )

 いわば、"三つ巴"の景気元凶と言える各々は、残念ながらいずれも明るい展望を示し得ていない。だからこそ、今の中国経済が "ハード・ランディング" 状態なのかどうかに注目しておくことは軽視されて良いことではなかろう。
 そして、下記引用サイト記事:中国経済、急減速のこれだけの証拠。ドイツの心変わりで一段のユーロ安も!?/ダイヤモンド ザイONLINE/2012.05.14各グラフを眺めると、不安が募るばかりだ......。

 おかしなもので、"危機" 現象も頻発し、継続するならば、別に根拠がなくとも人々の受けとめ方が "楽観視" へと傾く......。"巨大地震" の可能性が警告されていながらも、頻発する地震の日常的発生が人々の危機感を何となく往なしてしまうように......。

 長引いている "ギリシャ危機" 問題も同様の流れにあるのだろうか? シビァな観点に立つならば、結構 "危機色" が濃厚だとも見えてならないが、実際はどうなのであろうか?
 下記引用サイト記事二点:【 引用記事 1 】ギリシャ:第2党が連立参加拒否 協議決裂で6月再選挙へ/毎日jp/2012.05.12【 引用記事 2 】ギリシャのユーロ離脱、ユーロ圏全体の格付けに影響=フィッチ/REUTERS/2012.05.12 を "判断材料" とする限り、事態は決して "楽観視" できるものではなさそうに見えるのだが......。

  "6月再選挙" となる見通しはほぼ確実のようであるが、そうなると "財政緊縮策に反対" を唱える "急進左派連合(SYRIZA)" の政権樹立の可能性が高いと目されている。

世論調査によると、再選挙が実施されれば、SYRIZAが第1党に躍進する可能性が高まっている>(【 引用記事 1 】)

 となると、最悪は "ギリシャのユーロ離脱" という選択も想定されざるを得ないだろう。
 もしこうした選択がなされた場合には、"危機状況" はギリシャに留まらず、"ユーロ圏全域" に広がりかねない......。
 この点にあえて "釘を刺す" かのような警告のあることを伝えているのが【 引用記事 2 】だ。

 "格付け会社フィッチ" (フィッチ・レーティングス [Fitch Ratings Ltd.] イギリス・ロンドンおよびアメリカ合衆国・ニューヨークに本拠をおく格付け機関 )の声明である。

「ギリシャが現在の政治危機によって、もしくは今後、経済の安定化を達成できず、(ユーロ圏を)離脱することになれば、フィッチはギリシャのユーロ離脱に伴うシステム上の影響および国ごとの影響を再評価し、残りのユーロ圏加盟国すべてのソブリン格付けをレーティング・ウォッチ・ネガティブに指定する公算が大きい

 事態がこうした "瀬戸際" にまで突き進むのかどうかは定かではないとしても、国債の空売り、先物売り、売りオプション、CDSで巨大利益の機会を待っているヘッジ・ファンドが、より一層 "スタンバイOK!" の態勢に入るであろうことは想定される。
 どうも "ギリシャ危機" は、さらなる次元での "ユーロ危機" を誘発させる "爆薬庫" とさえ見えてしまう......。

 この10日、日経平均は、3カ月ぶり一時9000円割れとなり、"心理的節目の9000円" を一時下回った。
 <日経平均が9000円前後まで下落している理由は3つある。>( 日経平均一時9000円割れ、プロに聞く反転の条件/日本経済新聞/2012.05.10 )との読みが共通していそうだ。いわば "三つ巴" の不安材料によって、日本の株価と景気動向は揺さぶられているかたちだ。

日経平均が9000円前後まで下落している理由は3つある。(1)欧州信用不安の増大 (2)米国の景気回復ペースの鈍化 (3)中国の金融引き締めによる景気減速懸念だ。日本株にとっては米国と欧州の景気動向によって円相場が対ドル、ユーロで上昇していることも重荷だ。1~3月はこの3つの海外要因がすべて日本株にとってプラスの方向に進んでいたが、足元では逆転している。
 (1)欧州ではギリシャやスペインで債務削減策に対する世論の反対が強まってきた (2)米景気の指標となる雇用統計では非農業部門の雇用者数の増加が2カ月連続で20万人を下回った (3)中国景気の減速感が予想以上に強い。......
>( 同上記事 )

 株価や景気の動向については、楽観視から悲観視までこもごもであるのが相場だが、いろいろな意味で目が離せない時期であることは間違いない。
 そんな観点で、下記引用サイト記事:日経平均、3カ月ぶり一時9000円割れ:識者はこうみる/REUTERS/2012.05.10 に着目してみた。
 しばし続いた "楽観論" が、やはり後退している気配を感じる......。

 "ユーロ債務危機" とその対策の行方に関して再び "暗雲" が覆い始める事態となっていそうだ。
 フランスの大統領選挙で、社会党のオランド氏が勝利したこととあわせて、ギリシャの総選挙でも "緊縮策" を打ち出してきた連立与党が "過半数割れ" となる模様で、"財政再建に向けた緊縮路線" が再び "流動化" する可能性が出て来たからだ。

 下記引用サイト記事:ギリシャ総選挙で連立与党は過半数割れ、政局流動化で再び混乱も/REUTERS/2012.05.07 によれば、現連立政権として "緊縮策(=欧州連合(EU)/国際通貨基金(IMF)の支援)" を掲げて来た連立与党、NDとPASOK2党が、過半数に達しない結果なのだという。
 "緊縮策" に対するギリシャ国民の反対姿勢が投影されたようだが、今後の政局次第では、再び "混乱" も予想されそうだ。

 市場関係者の間では、"ギリシャのユーロ圏離脱に向けた最初の一歩" と見る向きもあるようだ。
 落ち着き始めたと見られていた "ユーロ債務危機" 問題であっただけに、米国の景気動向には悪影響を及ぼすであろうし、"円高" 傾向の再燃も危惧され、日本の経済にとって大きな重荷となりそうな気配だ......。

 日本の連休中の4日、米国ダウ平均株価は大幅に反落(前日比168.32ドル安)した。
 下記の【 引用記事 1 】:米雇用統計:非農業就業者が低い伸び 景気先行き不安再燃/毎日jp/2012.05.05 によれば、<景気動向を敏感に反映する非農業部門の就業者数>が、<市場予想(17万人増)を下回り>、<前月比11万5000人増>に留まったことが原因だとされている。

 どうも、米国経済は不安定な推移だ。"懸念が一時遠ざかった......、懸念が再燃した......" の繰り返しを続けている。
 市場関係筋からは、<2011年と同様、年初以降に加速した雇用の伸びが夏場にかけて失速するパターンが今年も繰り返されるのではとの見方>も出ている、と言われる。( 下記【 引用記事 2 】:ポイント分析:米雇用統計、昨年の失速パターン再来示唆との声も/REUTERS/2012.05.05
 少なくとも、連休明けの日本市場では "株安・円高" が進む懸念大(!?)、の気配か......。

 "ゴールデンウィーク" に水を差すつもりはない。日頃の鬱積した気分を束の間忘れたい、忘れずにはいられない時代環境は分かる。
 しかし、空々しさまで醸す空気に染まりたくとも染まれない人たちがいることも事実であるに違いない。とりわけ、"若年失業" の身に置かれた人たちは、さぞかし陰鬱な気分であろうと推測する......。

 "若年失業" の問題については、当人たちの苦しい問題であると同時に、この社会の将来の "深刻な問題" であることは、以前にも下記のとおり注目した。

  ◆参照 「若年失業→晩婚/未婚→少子化→年金制度の破綻」という"連鎖"図式の悲惨さ!( 当誌 2012.04.05 )

 "若年層" の将来を約束できない社会にとって、社会自体の将来とてあり得ないだろうという単純な推測は、誰でもができる。まさにそのとおりだと思うから関心を持たざるを得ない。

 昨今気になっていたことに、現在の各企業は "企業内教育" を "放棄" し始めたのではないかという点がある。とかく景気低迷時には、それどころではない! とばかりに目を背けられるのが "企業内教育" だという実情が常であった。経営の関心事が、"売上刈り取り" だけに集中するということだ。
 だが、ここに来てこの傾向はいよいよ "最終局面" に突入したかのようである。つまり、目先の "売上刈り取り" を最優先させ、"即戦力(=中途採用)" 重視に加えて、"新人採用(=新人教育)" 抑制(≒停止?)という判断に踏み込んだとも窺えるからだ。国内産業 "空洞化" 路線(<グローバル化に伴う変動>)の "最終局面" に到達してしまった......。

 こうした "脱・将来!(=後は野となれ山となれ!)路線" への踏み込み状況を、雄弁に物語っているかに読めたのが、下記引用サイト記事:団塊退職でも若年失業の怪 企業、新卒より即戦力」/日本経済新聞/2012.04.29 であった。

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