2017年12月 アーカイブ

 2017.12.29 (金) ~ 2018.01.05 (金) の期間の掲載は、「年末・年始」休暇といたします。 悪しからず、ご了解ください。 (2017.12.29)




















 "がん" と、仕事や収入との関係は厳しさにさらされているが、"若年認知症" と、仕事や収入との関係もまた厳しさに包まれている。

 今回注目する下記引用サイト記事若年認知症 発症で退職66% 世帯収入6割減る/毎日新聞/2017.12.26 - 15:20 は、  <「認知症介護研究・研修大府センター」(愛知県大府市)が若年認知症の人とその家族を対象に実施した2014年度調査結果によると、発症前と同じ職場で引き続き働いている人は、わずか1.8%。逆に、退職した人は66.1%に上り、解雇された人は7.7%だった。この二つを合わせると7割を超え、多くの人が仕事から離れざるを得ない実態が浮き彫りになった> と報じている。

 <......一方、認知症になってからの世帯の収入状況は、「減った」が約6割を占め「変わらない」は3割弱だった。  ローンについては「ない」が約8割、養育を必要とする子どもが「いない」が8割超といずれも多数を占めたが、家計が「やや苦しい」「とても苦しい」の合計は約4割。ローンや扶養家族の有無にかかわらず、発症することで世帯の経済状況が悪化する傾向がうかがえる 【吉田勝】> とある。

 脊髄にはからの運動の指令筋肉に伝える「皮質脊髄路」が走っており、これが傷つくと "脊髄損傷" になる。 その治療法/リハビリ法には少なからぬ困難さが伴い、運動機能の回復は思うような進展を見せていないのが現状。

 ◆ 参照 当誌過去の "脊髄損傷" 関連記事

 (1) 神経や軟骨に変化する"幹細胞"を使った"脊髄の再生医療"を、2018年にも実現!(ニプロ)/当誌 2017.08.07
 (2) 軽度の脊髄損傷が回復するのに関わっている神経細胞を特定!新治療法に期待(生理学研)/当誌 2017.03.10


 今回注目する下記引用サイト記事脊髄損傷の新薬治験、阪大など2019年から/yomiDr.ヨミドクター/2017.12.25 は、  <脊髄損傷の治療を目指し、大阪大などは2019年から、新たに開発した薬を患者に投与する臨床試験(治験)を始めるまずは、背骨の中を走る脊髄の中枢神経ががん転移による圧迫で損傷し、手や脚が動かなくなった患者で安全性や効果を確認する。米国でも製薬会社による臨床試験が計画されており、外傷性の脊髄損傷の治療も含め、5年後の実用化を目指す> と報じている。

 <......脊髄損傷は、事故などで脊髄の中枢神経が傷つき、手や脚がまひする。国内外で治療法の開発が進められているが、有効な治療法はまだ確立していない。  大阪大の山下俊英教授(神経科学)は、傷ついた神経の修復を妨げるRGMというたんぱく質に着目。このたんぱく質の働きを抑える「RGM抗体」を田辺三菱製薬(本社・大阪市)と共同開発した。  京都大霊長類研究所で、重度の脊髄損傷を負った直後のニホンザルにヒト用の抗体を投与したところ、4週間後にまひした手が動くようになった。約3か月後には小さな隙間に入った餌を指で取り出す細かい作業もこなすなど、損傷前に近い状態まで運動機能が回復したという。  日本での臨床試験は、大阪国際がんセンター(大阪市)で行う。がん転移でまひが出た患者5~10人の血管に抗体を注射し、約1年かけて安全性や効果を検証する。  日本脊髄障害医学会の1990~92年の調査では、国内の脊髄損傷の患者は10万人以上で、新たな患者は毎年約5000人と推計している。  山下教授は「ペンを握ったり、コップを持って水を飲んだり、つえで歩いたりできる程度まで、まひが回復するのでは、と期待している」と話す。  京都大の伊佐正教授(神経生理学)の話「サルなどの動物実験で慎重に効果が確認されており、人においても有望だと考えられる> とある。

 今回注目する下記引用サイト記事肺がん手術後の高齢者の生活追跡調査へ/NHK NEWS WEB/2017.12.25 - 05:16 は、  <肺がんの切除手術を受けた高齢者の中には、手術後に体力が落ちるなどして日常生活に影響が出るケースが少なくないことから、専門医らのグループが、全国40余りの病院で、術後の生活の追跡調査を行うことになりました。研究グループでは、患者が手術を受けるかなど、治療法を選択する際の参考にしてもらいたいとしています> と報じている。

 <......この調査は、JCOG=日本臨床腫瘍研究グループの医師らが中心となって、来年から全国44の病院で実施します。肺がんの切除手術を受けた75歳以上の患者およそ850人を対象に、手術を受けて半年後や1年後に体力が低下するなどして、日常生活に影響が出ていないか調査します。  具体的には、日用品の買い物や自分で食事を用意すること、またはバスや電車を使って1人で外出することができているかや、本や雑誌を読まなくなったり、友人の家を訪ねなくなったりしていないかを聞きます。また認知機能が低下していないかも調べます。  研究グループによりますと、高齢の人に肺がんが見つかった場合、医師は、手術だけでなく放射線治療や抗がん剤の投与など複数の治療方法を提示することが多く、この際、今回の調査結果を患者に示すことで、治療法を選ぶ際の参考にしてもらいたいとしています。  研究グループのメンバーで日本赤十字社医療センターの國頭英夫医師は「生存率だけでなく、手術後に自分の生活がどのように変わるかは治療法を選択するうえで大変重要なポイントで、どんな患者にどのような影響が出るのかデータを集めていきたい」と話しています。  研究グループでは、今後放射線治療などほかの治療方法による術後の影響や、肺がん以外のがんでも同様の追跡調査を検討したいとしています。  高齢者の肺がん治療の現状  がんの手術を受ける患者は、高齢化が進んでいます。このうち、がんの中で最も死亡者数が多い「肺がん」の手術件数は、3年前、3万8085件ありましたが、このうち70歳以上の患者は2万355件と半数以上を占め、80歳以上でも4590件と全体の12%に上っています。  高齢者の中には、体に負担がかかる手術を控える人も少なくありません ......  手術を受けた高齢がん患者は  東京 世田谷区に住む中田幸子さん(92)は、ことし2月に受けた健康診断がきっかけで肺がんが見つかりました。中田さんのがんはステージ2で、主治医からは手術を受ければ完治できると説明を受けた一方で、高齢なので体に負担の大きい手術を受けず、放射線治療や抗がん剤治療を行う選択肢もあると言われました。  中田さんは家族と相談した結果、がんを切除することを選び、ことし5月に4時間半に及ぶ手術の結果がんを取り除くことができました。がんに侵されているという精神的な不安はなくなり、気持ちがとても楽になったといいます。  その一方で、手術後は以前より疲れやすくなり息切れもしやすくなって、歩ける時間や距離が短くなりました。また日中ソファで横になる時間も増えたといいます。  中田さんは「がんが治り、安心を得られたので手術を受けたことに後悔は、全くない。ただ手術後にこんなにも歩けなくなるなんて想像もしなかったので、驚いている。手術後どうなるかを知っておくことは、治療法を選ぶうえで、とても大切だと思う」と話しています> とある。

 今回注目する下記引用サイト記事緑内障 視野欠損 手術以外の治療法は/徳島新聞/2017.12.09 - 11:09 は、  <【 質 問 】 60代の男性です。11年前に正常眼圧緑内障と診断され、現在は3種類の点眼薬を入れています。視野欠損が止まらず、先日の検査で医師に「手術を考えてください」と言われました。ただし首を痛めていて、10分以上もあおむけでじっとしていられません。首が痛くても手術はできますか。手術以外に治療法はありますか> と報じている。

 <...... 徳島大学病院眼科(徳島市蔵本町2) 藤原亜希子助教  レーザー治療も選択肢  【 答 え 】 眼球内では房水(ぼうすい)という液が毛様体(もうようたい)で作られ、虹彩(こうさい)の裏を通って前房に至り、線維柱帯を経てシュレム管から排出されます=図参照。  房水の循環で通常10~21ミリHgの圧力が眼球の内側にかかり、眼球の形が維持されます。この圧力が眼圧です。眼圧が高くなると視神経に障害が出やすくなり、緑内障のリスクが高まるとされます。  正常眼圧緑内障とは、眼圧が正常範囲ながら視神経症と視野障害を生じる病気で、日本人の緑内障の7割を占めています。通常は緑内障を起こさない程度の眼圧でも、視神経に障害が起こる原因として、▽ 視神経の血液循環不良や先天的な弱さ ▽ 遺伝 ▽ 免疫 ▽ 酸化ストレス―などが考えられています。  正常眼圧緑内障も、通常の緑内障と同様に眼圧を下げることで進行を抑えられるとの報告があります。最大限の点眼でも十分に眼圧が下がらなかったり、視野障害が進行したりする場合は、手術を選択します。  手術は、房水を眼外にしみ出すよう細工をする線維柱帯切除術と、線維柱帯を切開して房水が排出されやすくする線維柱体切開術の二つがあります。  最近、房水の排出を改善するために器具を留置する方法が導入されました。  どの手術を選択するかは ▽ 年齢 ▽ 視野障害の進行度 ▽ 現時点の眼圧 ▽ もう片方の目の状態―によって検討します。  これらの手術は、基本的に手術用の顕微鏡を用いて局所麻酔で行います。患者はあおむけになる必要があります。  首を痛めており、あおむけが難しいとのことでした。手術中に首の痛みのため目に力が入ったり、頭が急に動いたりすると、眼内出血や組織損傷などの合併症を起こすことがあり、危険です。ただ、首の角度を調整したり膝を曲げたりといった工夫で、あおむけがストレスなくできるかもしれません。担当医師と事前に相談してください。  それでも首の痛みが強い場合には、全身麻酔で手術を受けることができます。  さらに手術以外の治療法では、対応できる施設は限られるものの、レーザー治療があります。線維柱帯にレーザー光を照射して房水の排出を促します。あおむけになる必要はなく、外来で行うことができます。とはいえ、眼圧が低い場合は眼圧を下げる効果が小さく、正常眼圧緑内障では十分な成果が得られないことがあります> とある。

 今回注目する下記引用サイト記事「体内時計ががん細胞の増殖を抑制する」との見解が明らかに 松崎由希子/Newsweek/2017.12.21 - 17:30 は、  <私たち人間の身体には、約24時間周期で変化する「体内時計」が備わっており、睡眠や行動、代謝などのサイクルやパターンに影響を与えている。さらに、最近の研究結果によると、体内時計には、がん細胞の増殖を抑える作用も存在する可能性があるそうだ> と報じている。

 <......体内時計が腫瘍抑制としても機能する可能性がある  独シャリテ大学病院のアンジェラ・レロージョ博士を中心とする研究プロジェクトは、2017年12月、学術雑誌「プロス・バイオロジー」において、「代謝やDNA修復、細胞周期といった分子の時間依存性プロセスを体内時計が制御しているとすれば、これが腫瘍抑制としても機能する可能性がある」との研究論文を発表した。  通常、外界の明暗環境と同調して動いている私たちの体内時計は、がんなどの疾病によって乱されることがある。しかしながら、体内で細胞が増殖する際は、"細胞周期"(ひとつの細胞が二つの娘細胞を生み出す周期)と呼ばれる、体内時計とは異なるサイクルに従う仕組みとなっており、多くのがんは、この細胞周期を機能不全にさせたり、過活動にさせることで、腫瘍細胞を制御不能に増殖させている。  つまり、体内時計細胞周期は、これらが結合することによって細胞の運命決定に影響を与えているという点で、重要な役割を担っているわけだ。  体内時計の乱れを、がんの兆候のひとつとして捉えるべきか  そこで、この研究プロジェクトでは、細胞周期を制御する「Rasタンパク質」と、がんを抑制する「INK4A」と「ARF」という2種類のタンパク質を摂動させたところ、体内時計細胞周期とが相互に作用し合うことがわかった。  この研究結果によれば、「Rasタンパク質」が、生物に本来備わっている約24時間周期の概日リズムを制御するのみならず、「INK4A」や「ARF」を通じて体内時計にも影響を及ぼす一方で、体内時計が、細胞の運命を決定する調整因子として重要な役割を担いがん予防のメカニズムとしての機能を有する可能性があるということになる。  この研究論文の筆頭著者であるレロージョ博士は、「この研究結果は、体内時計が腫瘍抑制として機能しうることを示すものであり、体内時計の乱れを、がんの兆候のひとつとして捉えるべきかもしれない」と考察。体内時計がん治療に関連性を持つ可能性をふまえ、今後、従来のがん治療が見直されるかもしれない> とある。

 今回注目する下記引用サイト記事強い抗がん作用を持つ活性化抑制因子を同定、酸化ストレスを介した細胞死促進/MONOist/2017.12.21 - 15:00 は、  <東北大学は、酸化ストレスを介した細胞死を促進する新規がん抑制分子を発見した細胞死を誘導するキナーゼ分子の新たな活性化促進因子として「TRIM48」を同定し、これを高発現したがんは細胞死が起きやすく、増殖が抑制されることが分かった> と報じている。

 <......東北大学は2017年12月6日、酸化ストレスを介した細胞死を促進する新規がん抑制分子を発見したと発表した。同大学大学院薬学研究科 教授の松沢厚氏らが、産業技術総合研究所、東京大学との共同研究で明らかにした。がんの発症・進展を抑制する創薬標的分子としての可能性を示す。  人体を構成する細胞は、活性酸素(酸化ストレス)や病原体感染などのストレスを感知し、細胞死、免疫応答といった適切な応答を誘導することで健康を維持するがんなどの疾患発症の原因の1つとして、これらの応答の異常が指摘されている。  同研究では、酸化ストレスを感知・活性化し、細胞死を誘導するキナーゼ分子「ASK1」の新たな活性化促進因子として、ユビキチン化酵素「TRIM48」を同定このTRIM48が、酸化ストレス時のASK1の活性化を促進することが分かった。一方、TRIM48の発現を抑えた細胞では、酸化ストレスによるASK1の活性化や細胞死の誘導が抑制された。  さらに、マウスを用いて、がん細胞の皮下移植実験を実施。TRIM48を高発現したがん細胞を移植した腫瘍(がん)では、細胞死が起きやすく、増殖が抑制されることが分かった。この成果から、TRIM48が強い抗がん作用を持つがん抑制タンパク質であることを見出した> とある。

 私たちは大きな転換点にいる。今後は遺伝子治療が主流になる> とのことである。

 今回注目する下記引用サイト記事直接投与の遺伝子治療薬を初承認 米FDA、先天性の視力障害に/KYODO/2017.12.20 - 11:30 は、  <【ワシントン共同】 米食品医薬品局(FDA)は19日、米バイオ医薬品会社「スパーク・セラピューティクス」が開発した、先天性の視力障害に対する遺伝子治療薬を承認した。患者の網膜に直接注射して使う。これまで遺伝子改変した患者の免疫細胞を体内に戻す治療方法はあったが、直接体に投与して遺伝子を操作する薬の承認は初めて> と報じている。

 <......FDAは8月、米国で初めてとなる遺伝子治療薬を、がんの免疫細胞療法で承認したが、今回で三つ目と相次いでいる。FDAは「私たちは大きな転換点にいる。今後は遺伝子治療が主流になる」としている。  治療対象は、特定の遺伝子変異が原因の網膜ジストロフィー> とある。

 "抗生物質(抗菌薬)" の濫用を原因とする "耐性菌" の発生/増加が危惧されている昨今である。だが、頻繁に発生している "インフルエンザ" において、この "抗生物質(抗菌薬)の働き" に関する誤解!がまかり通っている、というのだから驚きだ。

 ◆ 参照 当誌過去の "抗生物質" 関連記事

 (1) WHO は、既存の抗菌薬に代わり、新薬が早急に求められる"耐性菌"12種のリストを公表!/当誌 2017.03.24
 (2) もはや一刻を争う"耐性菌対策"! 抗菌薬の適切な使用求めマニュアル作成へ!(厚労省)/当誌 2016.12.07


 今回注目する下記引用サイト記事抗菌薬の働き半数が誤解/47 NEWS/2017.12.14 - 00:00 は、  <ウイルスが原因のインフルエンザに、細菌に対する薬である抗生物質(抗菌薬)が有効だと誤解している人が50%に上るとの調査結果を、国立国際医療研究センター(東京)が発表した。効果がないだけでなく副作用が起きたり、抗菌薬の効かない耐性菌を増やしたりする恐れがあるため、センターは正しい使い方の啓発を進める> と報じている。

 <......15歳以上の男女710人にインターネット上で尋ねた。抗菌薬がどういうものか「知っている」と答えたのは37%にとどまった。  医師から処方された抗菌薬を飲み切らなかったことがある人も37%。飲み切らないと、細菌による感染症が完治しない恐れがある> とある。

 行動の迅速さにとって、"広い視角での状況知覚" が不可欠ではないかと思うことがしばしばあるが、その点で、"高齢者" は知覚できる視角の広がりに欠ける傾向が心配される。 "交通事故" などでは、視角の狭さが反射行動の遅れをもたらし事故に結びつくことが多いようだからである。

 今回注目する下記引用サイト記事高齢ドライバー免許更新、精密な視野検査導入へ/yomiDr.ヨミドクター/2017.12.18 は、  <警察庁は来年度から、70歳以上の高齢ドライバーが運転免許更新時に受講する高齢者講習で、新たな視野検査を試験導入することを決めた視野障害高齢ドライバーによる事故原因の一つとされており、同庁は正式導入についても検討を進める> と報じている。

 <......視野障害は、視界の一部が見えなくなる症状で、自覚しないまま進行することが多い症状が進行すると、信号を認識できなくなるなどの影響が指摘されている。視野が狭くなる緑内障は、40歳以上の20人に1人が患っているとされる。  現行の高齢者講習でも水平方向の視野検査が実施されているが、新たに開発した視野検査器は上下方向も検査でき、精密な判定が可能という。新検査は、一部の教習所で約1000人を対象に試行する。視野障害と判定された場合でも、免許の更新はできる。  同庁は、専門医らで構成する有識者会議の分科会で試験結果を検証し、視野障害があったドライバーに対する安全指導についても議論を進める> とある。

 禁煙に向けて選択された手段、ステップは、いつの間にかそれ自体が自己目的化されてしまって、いつまで経っても目標にに到達しない、という話は掃いて捨てるほどありそうだ。

 今回注目する下記引用サイト記事電子たばこで禁煙「成功率低い」 国立がん研究センター 黒田壮吉/朝日新聞/2017.12.17 - 08:13 は、  <「電子たばこ」を使って、紙巻きたばこの禁煙に取り組んだ人は、電子たばこを使わなかった人に比べて禁煙成功率が低い――。国立がん研究センターによるネット調査でこんな結果が明らかになった。担当者は「禁煙目的で売られているものもあるが、その手段として推奨すべきではない」と指摘する> と報じている。

 <......過去5年間に禁煙に取り組んだとする20~69歳の798人に2015年1~2月、インターネット上で調査した。禁煙補助剤や禁煙外来など、どの禁煙方法を試したかと禁煙できたかを聞いた。その結果、電子たばこを使用した人は使わなかった人と比べて、禁煙成功率が約4割低かった。禁煙外来を受診して薬物療法を受けた人は、受けていない人に比べて、禁煙成功率は高かった。  電子たばこは、ニコチンや香料などを含む溶液を加熱し、気化した蒸気を吸うもの。ニコチンの製造・販売は法律で規制されているが、ニコチン入り溶液は個人輸入されている。禁煙ツールとして人気があるが、その効果は証明されていない。厚生労働省の「たばこ白書」は、電子たばこの一部製品に発がん性物質が含まれるとし、「健康影響に懸念がある」と評価する。  センターの吉見逸郎主任研究員は「電子たばこには禁煙を奨励する側面がある。一方で喫煙者を惑わし、より効果的な禁煙方法から遠ざけるという悪影響を及ぼす可能性もある」と話す。(黒田壮吉)> とある。

 今回注目する下記引用サイト記事人の胎盤幹細胞培養に世界初成功、不妊治療進展につながる可能性/yomiDr.ヨミドクター/2017.12.15 は、  <東北大大学院医学系研究科(仙台市)は14日、人の胎盤幹細胞(TS細胞)の培養に世界で初めて成功したと発表した。  TS細胞には、胎盤の様々な細胞に変化する能力があり、培養法の確立により、胎盤の機能などの研究に役立つことが期待できるとしている。不妊などの治療法の進展にもつながる可能性があり、研究成果は米科学誌セル・ステム・セル電子版に掲載される> と報じている。

 <......同研究科の有馬隆博教授(分子生物学)が中心となり、九州大生体防御医学研究所と共同で研究を進めてきた。胎盤から取り出したヒトTS細胞の遺伝子を解析し、増殖に適したたんぱく質などを突き止めて栄養条件を整えることで、培養に成功したという> とある。

 "がん発見のための尿検査" のメリットはといえば、<尿を使えば検査がより簡単になる> という点。 がん検診に応じる人が必ずしも増加しない現状にあって、その簡便化が持つ意義は大きい。

 ◆ 参照 当誌過去の "尿検査 がん" 関連記事

 (1) "尿検査"で"がんにかかっているかを判別"する技術を開発!老廃物解析で!(日立と住商)/当誌 2016.06.16
 (2) "線虫" でがん早期発見!血液検査に比べてコストも安い!九大助教がベンチャー設立!/当誌 2016.03.08


 今回注目する下記引用サイト記事健診の尿検査でがん発見 早期治療へ名大が10年後実用化/産経WEST/2017.12.16 - 08:01 は、  <尿に含まれる微小な物質を調べて肺や膵臓などの5種類のがんを見つける技術を開発したと、名古屋大や国立がん研究センターのチームが15日付の米科学誌に発表した。  10年後の実用化を目指す。チームの安井隆雄名古屋大助教は「健康診断で採取し余った尿で、がんの有無を調べられる。早期発見や治療につながる」と話した> と報じている。

 <......10年後の実用化を目指す。チームの安井隆雄名古屋大助教は「健康診断で採取し余った尿で、がんの有無を調べられる。早期発見や治療につながる」と話した。  チームは、がんや正常な細胞から分泌されるマイクロRNAと呼ばれる物質に着目。長さ2マイクロメートル(マイクロは100万分の1)の酸化亜鉛の小さな針を樹脂の表面に大量に敷き詰め、尿に含まれるマイクロRNAを集める器具を作った。  マイクロRNAは細胞の種類に応じて特有のものが分泌され、全部で2千種類以上ある。従来の検出法では尿20ミリリットルから300種類を検出するのが限界だったが、この器具により1ミリリットル中から千種類以上検出できることを確認した。  さらに肺、膵臓、肝臓、ぼうこう、前立腺のがん患者と健康な人、それぞれ3人ずつの尿を調べ、各がんに特有のマイクロRNAを特定した。今後、他のがんに特有のものも探す方針。  がん研究センターは、これまでに血液1滴から13種類のがんのマイクロRNAを調べる検査法も開発しているが、尿を使えば検査がより簡単になる> とある。

 これまで、長寿が定評であっただけに、都道府県別平均寿命での沖縄の順位低下は気にならざるを得ない......。

 今回注目する下記引用サイト記事社説[平均寿命 順位低下]現役世代の不健康深刻/沖縄タイムズ プラス/2017.12.15 - 07:05 は、  <出生や死亡の統計データを基に5年ごとに作成される都道府県別平均寿命で、沖縄は男女とも順位を下げた。女性7位、男性36位は共に過去最低だ。  1980年と85年、沖縄の男女は平均寿命全国1位だった男性の順位が急落した2000年の「26ショック」から15年、順位が下がり続ける理由を県や医療関係者は、20~64歳の死亡率の高さにあると指摘する。厚労省の「年齢調整死亡率」によると、20~64歳の男性死亡率は今年、全国平均より50ポイント高く、女性も23ポイント高くなった> と報じている。

 <......中でも20~64歳の沖縄女性は深刻だ。同世代の死亡率は全国的に低下傾向なのに、沖縄女性は悪化している。順位低下を受け医療関係者が異口同音に「もっと順位を下げると思った」と胸をなで下ろした背景には、中年女性の急激な健康悪化がある。  沖縄女性の死亡率は、35~39歳と40~44歳で全国ワースト。55~59歳44位で、60~64歳45位だった。主な死亡原因は、子宮がんと肝疾患、慢性閉塞(へいそく)性肺疾患、糖尿病となっている。  男性は35~39歳で全国ワースト。50~54歳46位、40~44歳、45~49歳、55~59歳、60~64歳で45位だ。多い死亡原因は肝疾患、大腸がん、慢性閉塞性肺疾患、自殺である。  これら35~64歳の男女に共通する死因は肺と肝臓の疾患で、病名からは喫煙や酒量が引き金になっていることが分かる。沖縄に蔓延(まんえん)する夜型社会が、男性のみならず、子育て・働き盛り世代の女性の健康をもむしばんでいる可能性がある。  ■    ■  県は「健康長寿おきなわ復活県民会議」の中で、(1)健康診断の受診率アップ(2)肥満の解消(3)適正飲酒-の3本柱を挙げるが、目標達成には各項目の詳細な分析が必要だ。  例えば、特定健診の受診率は、全国42・6%に対し、沖縄は41・9%と若干低い程度にとどまる。だが健診を実施する団体別では、国保34・4%に対し、健康保険協会45・8%、共済健保55・8%と開きがある。会社員や公務員の受診率が高いのに比べ、自営業や零細事業所就業者の受診率が低い。加えて県内は、健診で再検査が必要となった人の精密検査の受診率も低いという。  肥満は、県民所得の低さが関与しているのではないか。米国では近年、低所得世帯ほどファストフードなどの高脂肪・高カロリーの食事を取りがちで、肥満に陥るとの調査研究が報告されている。  ■    ■  過去を見ると、沖縄の20~64歳死亡率は男女とも1970年後半から全国を上回る好転を見せてきた。米軍統治下の感染症対策と、復帰後の経済復興による栄養状況の改善が、当時の現役世代の健康を支えたとみられる。一方で、同死亡率は90年代に入り悪化している。戦前世代には有効だった欧米化や近代化が、戦後世代に影を落としている可能性がある。  社会政策は健康寿命を左右する。長寿県復活には、個人の資質や努力にとどまらず、社会全体の健やかさを追求する姿勢が必要> とある。

 国内での死因究明制度を巡っては、専門家から不十分との声が強い。......「日本は死因不明社会だ」とも指摘される> とある中、<体内を画像化するコンピューター断層撮影(CT)装置を搭載した専用車> が導入されるという。

 今回注目する下記引用サイト記事大阪市内の「死因不明」全遺体、CTで診断 ... 府が搭載車を全国初導入へ/yomiDr.ヨミドクター/2017.12.13 は、  <高齢化で亡くなる人が増える「多死社会」に備え、大阪府は、体内を画像化するコンピューター断層撮影(CT)装置を搭載した専用を導入し、大阪市内で死因がわからない全ての遺体の診断に乗り出す方針を固めた。  2019年春の運用開始を目指し、孤独死などの対策のほか、虐待の見逃し防止や、南海トラフ地震などの災害犠牲者の死因特定などに役立てる> と報じている。

 <......警察が「事件性なし」判断、死因不明のまま...  一人暮らしで亡くなるなどし、警察が事件性なしと判断した遺体は、死因不明のまま、解剖されずに火葬されるケースが多い。大阪府や東京都などの一部の自治体には、法医学専門の医師が行政解剖を行う「監察医制度」があるが、解剖できる遺体の数は限られる。 ......検討組織の有識者から、撮影などにかかる時間が15分程度で済むCTの導入を求める声が上がっていた。  CTなどの画像を使った死因診断は「死亡時画像診断(Ai=Autopsy imaging)」と呼ばれ、外見からはわからない脳出血や大動脈解離、骨折などを見つけられる。死因を特定できれば、孤独死や突然死などに至った経緯を正確に把握し、予防策につなげることが可能になる。  また、虐待による頭部の出血や手足の骨折などを把握したり、大規模災害時などに現場へ派遣して、死因や身元を特定したりする目的でも活用できる。据え置き型のCTによる死亡時画像診断は東京都も実施しているが、専用車の導入は全国初という。 ......  解剖率、わずか2~3%...「日本は死因不明社会」指摘も  国内での死因究明制度を巡っては、専門家から不十分との声が強い。解剖すれば死因の7~8割が判明するが、国内の解剖率は2~3%に過ぎず、海外の先進国の10分の1程度。「日本は死因不明社会だ」とも指摘されている。  日本では遺体に対する畏敬の念が強く、解剖に抵抗を感じる人が多いことも背景にある。厚生労働省の検討会は2011年、「死因不詳や『心不全』とされてきた事例に対し、より正確な診断が可能な画像診断の活用を積極的に図るべきだ」と提唱し、各地で徐々に取り組みが始まっている。  放射線科医らでつくるAi情報センター(東京)の山本正二・代表理事は「正確な死因がわからなければ医療の改善につながらない。各地の自治体でも画像診断の取り組みを進めてほしい」と話した> とある。

 国民的な課題ともなりつつある "認知症" 高齢者数の増加には、国内どの地域にあっても、極めて深刻な事態が広がっていると見られている。 これへの有効な対策に四苦八苦しているのが全国の各自治体なのが実情のようである。

 今回注目する下記引用サイト記事認知症対策の推進員配置へ 対馬市/長崎新聞/2017.12.12 - 11:53 は、そうした中で  <長崎県対馬市の比田勝尚喜市長は11日、市内の認知症の人や家族の相談に乗る認知症地域支援推進員」を2018年度から配置する方針を表明した。  市議会一般質問で伊原徹議員(新政会)に答えた。  支援推進員は、家庭訪問などを通じ、認知症の早期発見・対応につなげる保健師や社会福祉士などの専門職。国が15年に策定した国家戦略で全市町村に18年度からの設置を求めている> と報じている。

 <......市健康づくり推進部などによると、市内の65歳以上の高齢者数は今年9月時点で1万1029人。要介護・要支援認定を受けている人のうち、認知機能の低下があるのは1362人に上る。  一方で、市内の介護福祉施設の受け入れ可能数は不足しており、今年10月時点の入所待機者は▽グループホーム7カ所で計183人▽特別養護老人ホーム6カ所で計154人▽養護老人ホーム2カ所で計149人-の総計486人。  比田勝市長は「認知症になっても本人の意思が尊重され、住み慣れた地域で暮らし続けることができるよう、進めていきたい」と答弁した> とある。

 "CTやMRI(磁気共鳴画像装置)の撮影" による診断が一般化した医療現場にあって、その "画像診断=読影" の専門医が不足している事態はかねてより懸念されていた。

 ◆ 参照 当誌過去の "読影" 関連記事

 (1) "スマホ活用"し、画像診断や受け入れ準備など"遠隔医療"!夕張市と北大病院が連携協定/当誌 2014.00.00
 (2) <現在、"救急病院" でも "CTやMRI(磁気共鳴画像装置)の撮影" が救急医療に用いられているという。"大動脈瘤(りゅう)" といった急を要する症状への診察/診断も欠かせないからだ。 しかし、こうした "画像装置" が奏功するためには、"撮影された患者の当該画像" が適切に "読み取られる(「読影」される)" ことが不可欠となり、そのための "専門医" が必須となる。......> ( "深夜の急患CT"/海外医師が"読影"!クラウドコンピューティング技術を見事に活用!/当誌 2014.00.00


 今回注目する下記引用サイト記事読影医が足りない~遠隔画像診断の利用急増/日本経済新聞/2017.12.12 - 06:30 は、  <コンピューター断層撮影装置(CT)など画像診断装置の進歩は患者に恩恵をもたらしてきたが、画像を専門にみる読影医が不足している。病院の代わりに画像をみる遠隔読影サービスの利用が急増し、医療における存在感が増している> と報じている。

 <......米GEヘルスケアやオランダのフィリップスなど医療機器大手がCTや磁気共鳴画像装置(MRI)の精度を高め、有望市場の日本に狙いを定めてきた。厚生労働省によるとCT、MRIの検査数は2016年までの10年間で49%増えた。  1回の検査でみる画像も増えた。00年代に起きた画像の鮮明化など様々な技術革新のうち、とりわけ撮影の枚数増加が重要。価格の高い装置は1回の検査で頭部や腹部の画像を320枚得られる。16枚が主流だった10年以上前から飛躍した。  技術革新は患者に恩恵をもたらしたが、画像からがんなどの病変を見つける読影医の仕事は大変になった。日本医学放射線学会が認定する専門医になる場合、最低7年の経験と試験の合格が必要だ。現在の登録者は約5000人で、徐々に増えているが、読影医1人あたりの14年時点の仕事量が02年より25%多いとの見方もある。  遠隔読影サービス会社は、読影医不足にビジネスの形で貢献する関連会社でつくる遠隔画像診断サービス連合会によると約80社近くあり、病院に勤める医師が空いた時間を使うか、医師が社員として勤務している。  ノーリツ鋼機グループのドクターネット(東京・港、長谷川雅子社長)はサービス「テレラド」で1年間に100万件程度を扱う最大手。約500人の読影医と、自宅のパソコンなどで診断してもらう契約を結んでいる。医師は読影可能な医療機器や部位、読影できる時間帯を登録しておくと同社から依頼が入る。  ...... 中略 ......  ビューセンドICT(同・豊島、嗣江建栄社長)は、医師が足りない病院の患者の画像を、比較的余裕がある大病院で遠隔読影するためのシステムを提供している。医師をマッチングする仕組みだ。嗣江社長は「大病院には多くの症例が集まるため読影医を育成しやすい。ウィンウィンの関係が築ける」と話す。  診療報酬では1件の画像診断料として国から病院に4500円入る。遠隔診断サービスは3000円程度から提供され、病院は外部委託しても手元に収入が一部残る。  同連合会によると16年度の遠隔読影件数は過去最高の550万件。17年度は600万件と見込まれる。読影のためのイノーべーションが必要で、IT(情報技術)の重要性が読影市場で増していく> とある。

 常々、訝しく思っていたのは、<磁気共鳴画像装置(MRI)やコンピューター断層撮影装置(CT)などで撮影した自身の医療用画像> は、患者がしっかりとその費用を支払っているにもかかわらず、患者側は自由に見ることなどができない点だ。 もっとも、見て何が分かるかという問題もあろうが、別の医療機関に移った場合、再度の検査をしてその費用負担をしなければならない点がいかにも理不尽だと感じさせられてきたものだ。

 今回注目する下記引用サイト記事患者が医療画像管理 再検査要らず医療費抑制も/日本経済新聞/2017.12.08 - 13:30 は、  <磁気共鳴画像装置(MRI)やコンピューター断層撮影装置(CT)などで撮影した自身の医療用画像について、もう一度見たくても、簡単には見られないと思っている人も多いのではないだろうか。現状は病院側が画像を管理しており、セカンドオピニオンなどで他の病院を受診する際にはDVDにデータを焼いてもらう必要がある。病院間で画像データが共有されない結果、重複した検査が行われ、医療費の増加にもつながっている。  「医療データは患者のもとに返す」。こうした取り組みを進めているのが、診療データ解析のメディカル・データ・ビジョン(MDV)だ。システム開発のテクマトリックスと組み、患者自身が医療用画像を管理するサービスを始めたと、8日発表した> と報じている。

 <......病名や検査結果、薬剤の投薬履歴など診療情報の一部をネットで見られるサービス「カルテコ」の新機能として提供する。テクマトリックスが開発したクラウド型の医療用画像の管理サービスと連携した。  患者の利用料は無料で、医療データの二次利用に同意すれば、ウェブ上で画像を見られるようになる。別の病院を受診し直した場合に、再検査しなくとも医師に過去のデータを見せられる。セカンドオピニオンの手続きの手間を省けるほか、旅行先で病気になった際にも有用だ。  医療用画像に関する国際規格「DICOM(ダイコム)」にも対応し、医療関係者の使い勝手を良くした。第1弾として、恵寿総合病院(石川県七尾市)が運用を始めている。  患者が医療用画像などの診療データを持ち歩くようになれば、各病院で同じ検査するなどの無駄な医療費を抑えられる効果も期待できる。病院間でデータを共有する情報システムの構築には多額の費用が必要だが、患者にデータを返却すれば、簡素なシステムで済むという利点もある> とある。

 "医師の偏在=都市部集中、地方不在!" という危機は、深刻化する国全体での人口減少傾向突入にあって、ほとんど不可避の見通しなのではなかろうか。 そのような状況にあって、深刻な事態への対応として、"優遇措置案" といった "手緩い対策" で問題先送り!をする政府の場違いな問題解決姿勢は、あまりにも現状にそぐわない。

 今回注目する下記引用サイト記事医師の地方勤務で優遇措置 偏在解消へ厚労省案/新聞社/2017.12.08 - 18:36 は、  <医師が都市部などに集中する偏在の解消に向け、厚生労働省は8日、医師が少ない地域で一定期間勤務した場合の優遇措置案を明らかにした。一部の医療機関で管理者になる際の評価項目に加えるほか、国の「認定医師」として活動できる制度を提案。厚労省はほかに、都道府県による実効性ある医師確保計画策定や、地域ごとの過不足の指標化も盛り込んだ中間まとめ案を示し、有識者会議でおおむね了承された> と報じている。

 <......厚労省は年内にも正式決定し、来年の通常国会に、対策を反映させた医療法と医師法の改正案を提出したい考え> とある。

 今回注目する下記引用サイト記事がん細胞のエネルギー代謝  中川恵一/日本経済新聞 夕刊/2017.12.07 は、  <がん細胞は盛んに増殖するだけでなく、エネルギーを生み出す効率が悪いので大量のブドウ糖を必要としますがんの病巣を検出する陽電子放射断層撮影装置(PET)は、がん細胞が正常細胞よりもブドウ糖を大量に消費する性質を利用しています> と報じている。

 <......細胞の活動の源となるエネルギーは、栄養として食事から取り入れたブドウ糖を分解してATP(アデノシン3リン酸)を作り出すことによって得られます。ATPはエネルギーを蓄え、供給する分子で「エネルギーの貨幣」のような役割を持っています。  このATPの産生の主役はミトコンドリアで、酸素を使って1分子のブドウ糖から36個のATPを作ることができます。私たちが絶えず息をしているのは細胞内のミトコンドリアに酸素を届けるためです。青酸カリがこわいのは、ミトコンドリア内でのATPの産生を阻害するからです。  ATPを作る方法はもう1つあります。酸素を使わない原始的な「嫌気性解糖」というもので、ミトコンドリア外の細胞質で行われます。1分子のブドウ糖を2分子の乳酸に分解しますが、生み出されるATPはたった2個にすぎませんから、効率は大きく劣ります。なお、運動をして筋肉細胞に乳酸がたまって疲労を感じるのは、酸素の供給が不足して嫌気性解糖が進むからです。  がん細胞は正常な細胞と比べて、酸素が十分にある環境下でも嫌気性解糖が顕著に進みます。これは「ワールブルグ効果」と呼ばれています。  こうなる理由については十分に解明されていませんが、1つには、がんが大きくなると血液の供給が不足して低酸素になりやすく、低酸素の環境に適応するために、嫌気性解糖が進むという説があります。がん細胞ではミトコンドリアの機能が低下しているという説もあります。  いずれにせよ、がん細胞はもともと増殖が速く、大量のエネルギーを必要とするのに加え、ATPを作る効率が低いわけですから、大量のブドウ糖を消費します。  がん患者は健康な人に比べて1~2割もエネルギー消費量が多くなるといわれています。末期がん患者がやせていくのは、がんがエネルギーを大量に消費する細胞の集団だからです  (東京大学病院准教授)> とある。

 <"再生医療" の飛躍的な進展の中で、注目されているのが、素材として活用される "増殖細胞" の元である "幹細胞" だ。 その中でも、"脂肪幹細胞" と呼ばれる "幹細胞" に、近年熱い視線が注がれている> という点についてはすでに注目してきた。

 ◆ 参照 当誌過去の "脂肪幹細胞" 関連記事

  再生医療で様々な組織への応用可能な"脂肪幹細胞"、"低酸素下で増殖促進"!(関西医大)/当誌 2015.10.16


 今回注目する下記引用サイト記事脂肪幹細胞で欠けた骨治療 澁谷工業と金大が共同研究/北国新聞/2017.12.08 - 03:03 は、  <澁谷工業(金沢市)は、脂肪の幹細胞を使って骨の細胞を作り、骨の欠損治療に役立てるため、金大と共同研究に乗り出した。事故や加齢などで欠けた骨を人工骨で補うのではなく、生体に由来する幹細胞を活用することで治療後の人体への影響を抑える。来年夏ごろの動物実験を経て、将来的に、ヒトの整形外科や歯科分野での導入を目指す> と報じている。

 <......澁谷工業と金大は11月、共同研究に関する契約を締結した。  澁谷工業によると、骨の欠損治療は一般的に、人工骨や凍結保存された他人の骨を移植する方法で行われているが、骨の強度がもろかったり、アレルギーや感染症を引き起こしたりする課題が指摘されている。  金大医薬保健研究域医学系整形外科学分野の土屋弘行教授らは、脂肪の幹細胞を基に平面状の骨の細胞シートを作製しているただ、治療に活用するには立体的な3次元構造を持つ骨の作製が求められていた。  澁谷工業は、再生医療用のバイオ3Dプリンターなど、無菌環境下で細胞の塊を培養して立体的な体内組織をつくる技術を持つ。  土屋教授の基礎研究と同社の製造技術を組み合わせれば、3次元構造を持つ骨の作製などができると判断し、双方が共同研究に合意した。既に実施した検討実験では、脂肪の幹細胞から、新しい骨をつくる働きを持つ「骨芽(こつが)細胞」の塊の作製に成功したという。  共同研究では、実験室レベルの微細な骨の細胞シートに澁谷工業の製造技術を活用し、多様な骨芽細胞の塊をつくる手順を確立する方針である。骨の欠損部分に粒状の骨の細胞を重ね、埋めるように補修する案も描いている> とある。

 今回注目する下記引用サイト記事人はなぜ眠る? 脳のお掃除?/朝日新聞 - apital/2017.12.06 - 06:00 は、  <なぜ眠るのか。寝ている間に体の中で何が起きているのか。実はいまだによくわかっていない。  「説明しうる新たな仮説は出ている」と話すのは、筑波大国際統合睡眠医科学研究機構の桜井武教授。仮説の一つが、睡眠中に脳の老廃物が掃除されているという説だ。「グリンパティック・システム」という> と報じている。

 <......全体の20~25%のエネルギーを使う脳は老廃物も多く出るその除去作業は睡眠中ほど活発という。睡眠中のマウスの脳では、老廃物を洗い流す体液の通り道が覚醒時より6割広がっていた。米国のチームが2013年に米科学誌サイエンスに発表した。桜井さんは「店が営業を終えてから掃除するイメージ」という。  ほかに、膨大な情報を受け取る脳では、睡眠中に増えすぎた不要な神経細胞同士の結びつきを整理し、情報処理に最適な状態に整えているなどの説もある。  謎の多い睡眠だが、眠らないと体に変調をきたすのは確かだ。1960年代、米国の高校生は不眠記録に挑戦した。研究者立ち会いのもと11日間寝ずに過ごす中で、妄想や記憶障害など様々な不調がみられたという。 (川村剛志)> とある。

 今回注目する下記引用サイト記事若年成人がん 年98万人が発症、36万人死亡 3分の2が女性、初の推計/産経ニュース/2017.12.05 - 08:29 は、  <世界保健機関(WHO)の専門組織、国際がん研究機関(IARC)は、20~39歳の若年成人のがんについて、世界の新規診断(発症)数と死亡数の年間推計を初めてまとめた。2012年には約98万人が発症し、約36万人が死亡。女性が発症の3分の2、死亡も過半数を占めることが分かった。  がんの研究はこれまで、患者数が多い高齢者と、治ればその後の生存期間が長い子供のがんに重点が置かれ、働き盛りである若年成人の実態把握は遅れていた> と報じている。

 <......IARCは、今回明らかになった実態に合わせ、効果的な対策を検討すべきだとしている。  推計には、計27種類のがんについて、世界184カ国のデータを利用した。  発症数で最も多かったのは、女性の乳がんで約19万1000人。それに子宮頸(けい)がんの約11万1000人、甲状腺がん(約7万9000人)、白血病(約4万9000人)などが続いた。  死亡数でも乳がんが約4万9000人と最多で、白血病(約3万6000人)、肝臓がん(同)、子宮頸がん(約2万8000人)と続いた。乳がんや子宮頸がんの多さを反映し、女性が占める割合は、発症数の65%、死亡数の54%に達していた。  若年成人のがんの特徴についてIARCは、喫煙や飲酒などの生活習慣と関係が深いがんは少ない一方、予防手段が取れるがんがいくつもあると分析。具体的には、子宮頸がんとB型肝炎ウイルスによる肝臓がんは、ワクチンによって大きな削減が期待できるとし、子宮頸がん検診のメリットにも言及した。  その上で、こうした実情を一般の人、専門家の双方に広く知らせることが大切だと指摘した> とある。

 今回注目する下記引用サイト記事再生医療で脳内出血治療に光 会津中央病院と福島医大共同研究/福島民友/2017.12.04 - 07:59 は、  <会津中央病院(会津若松市)脳神経外科、福島医大(福島市)神経内科学教室と脳神経外科は、脳内出血患者の脳内に自身の皮下脂肪から採取した脂肪組織由来の幹細胞を直接投与し治療する再生医療の共同研究を行っている。  幹細胞が脳内出血で壊れた脳細胞に代わり脳に生着し、機能を代償すれば手足のまひの改善などが期待される脳内出血による後遺症は社会的課題でもあり、全国初の共同研究の成果に注目が集まる> と報じている。

 <......脳内出血は、主に高血圧が原因で発症する急性脳血管障害。今回の共同研究では、最も発生頻度が高い、被殻(ひかく)という部分の出血と診断された患者を対象としている。  脳内出血でできた血腫を取り除く手術をした後、その部分にドレーン(管)を入れておき、術後1週間以内に細胞治療を行う。  患者自身の腹部や太ももから皮下脂肪を吸引採取し、採取した皮下脂肪を細胞分離装置(遠心分離機)で処理する。皮下脂肪組織から細胞溶液を取り出し、培養などの加工を経ず、すぐにドレーンから脳内に注入するという。  皮下脂肪組織はほとんどが脂肪細胞だが、その隙間に幹細胞が含まれ、骨髄から採る場合に比べて、10倍から100倍の幹細胞が含まれるという。  細胞集団には〈1〉血管を新たに作る機能を促す〈2〉さまざまな成長因子を出す〈3〉炎症を調整する―という三つの働きがあると分かっており、脳内に移植した幹細胞がこれらの働きをすることで効果を出すと考えられる。  脂肪組織由来の幹細胞は単位細胞あたりの能力が骨髄由来幹細胞より高く、細胞数も元々多いため、培養などで数週間をかけて細胞数を増やす必要がない。そのため、急性期の状態での治療が可能という。  会津中央病院では、既に1人の患者で臨床研究が行われ、効果を観察している。現在、副作用は見られず、リハビリも順調に進んでいるという。  臨床研究の責任者の前田佳一郎会津中央病院副院長・脳神経外科部長(51)は「破壊された脳組織は手術では元に戻らない。リハビリだけでは限界があり、しっかりと効果を観察したい」と話している> とある。

 "カネミ油症事件" とは、 1968年に、福岡県北九州市小倉北区(事件発生当時は小倉区)にあるカネミ倉庫株式会社で作られた食用油(こめ油・米糠油)「カネミライスオイル」の製造過程で、脱臭のために熱媒体として使用されていたPCB(ポリ塩化ビフェニル)が、配管作業ミスで配管部から漏れて混入し、これが加熱されてダイオキシンに変化した。このダイオキシンを油を通して摂取した人々に、顔面などへの色素沈着や塩素挫瘡(クロルアクネ)など肌の異常、頭痛、手足のしびれ、肝機能障害などを引き起こした......>( カネミ油症事件 - ウィキペディア ) という事件。 悲惨にも、今なお、その被害者救済問題が尾を引いている。

 今回注目する下記引用サイト記事苦悩の仮払金 カネミ油症を追う・第1部・3 混迷の裁判 絶望の中、収入もゼロに は、  <猛毒のダイオキシンによる油症被害に、追い打ちをかける「負の遺産」仮払金。返還の履行を延期された人、分割払いしている人、債務を相続した人、これから相続せねばならない人...。それぞれの不条理な苦悩が残酷に連鎖している> と報じている。

 "結核の集団感染" が、引き続き、予断を許さない状況であるようだ。

 ◆ 参照 当誌過去の "結核 集団感染" 関連記事

 (1) <近年、<日本では「過去の病気」と見られがちな "結核" > が、"集団感染" という、言わば唐突なかたち(?)で衆目を集めることとなっている。> ( 病院と高齢者施設で 21人が"結核に集団感染"!うち6人が発症!感染源男性死亡 北九州/当誌 2016.07.11
 (2) 佐賀県、"結核の集団感染"(計10人)確認、80代の女性死亡!佐賀県の医療機関/当誌 2016.05.17


 今回注目する下記引用サイト記事結核集団感染2人死亡、京都の病院で56人感染...認知症男性徘徊で感染拡大か/yomiDr.ヨミドクター/2017.12.01 は、  <京都府は30日、同府宇治市の宇治おうばく病院で患者や職員ら56人が結核に集団感染し、70歳代と80歳代の男性患者2人が死亡した、と発表した> と報じている。

 <......府などによると、7月に入院患者の70歳代の男性が死亡し、同じ病棟の患者や職員ら約260人を検査。ほかに入院患者32人と職員23人の感染が判明した。うち患者15人が発病し、80歳代の男性が転院先の病院で10月に死亡。70歳代の男性と結核菌の遺伝子型が一致した。  70歳代の男性は認知症で、府は男性が病院を 徘徊 したことが感染拡大の原因とみている> とある。

 多くの抗菌薬(抗生物質)に耐性を獲得した菌である "多剤耐性菌" が猛威を振るっていると見なされている。 中でも、"メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)" は、免疫力の落ちた人が感染すると重症化し、多くの薬が効きにくいと警戒されている "多剤耐性菌" である。

 ◆ 参照 当誌過去の "メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)" 関連記事

 (1) 米研究チーム:"MRSAに耐性を持つ菌が現れにくい"とみられる新しい抗生物質を発見/当誌 2015.01.09
 (2) <"院内感染" は、抗生物質に耐性を持つ "耐性菌" が感染を媒介していると言われている。しかも、昨今では、多くの抗菌薬(抗生物質)に耐性を獲得した菌である "多剤耐性菌" が猛威を振るっていると見なされている。......> ( 院内感染の原因 "MRSA"(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)に効く新抗生物質発見!(東大)/当誌 2014.12.10


 今回注目する下記引用サイト記事千葉県立病院で0歳児死亡 MRSA検出、院内感染か
/KYODO/2017.12.01 - 21:32
 は、  <千葉県こども病院(千葉市)は1日、11月に心臓の手術を受けた0歳男児からメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)が検出され、その後に死亡したと発表した。他にも入院していた0歳児5人の感染が確認され、院内感染とみて調べている> と報じている。

 <......病院によると、死亡した男児は生後1カ月未満で、11月上旬に先天性の心疾患のために手術を受けた。その後、発熱がありMRSAを検出。低酸素血症などにより21日に死亡した。  他の5人にも心疾患などがあり、新生児集中治療室(NICU)などに入っていた。  病院は調査委員会を設けて感染経路や死亡との因果関係を調べる> とある。

 動物であれ、人間であれ、"育児放棄" という事態は、われわれを悲痛な心境へと誘い、一体、なぜ? という思いを喚起させずにはおかない。

 今回注目する下記引用サイト記事育児放棄 原因に 胎児期のホルモン受容不足 高崎健康福祉大マウスで実験/上毛新聞/2017.11.30 は、  <高崎健康福祉大の下川哲昭教授(神経内分泌学)らの研究グループは29日、マウスの実験で、胎児の時に特定のホルモンを十分に受け取れなかった雌が成長して子を産んだ場合、育児放棄(ネグレクト)する傾向があるとの研究結果を発表した。人にも同じホルモンがあり、人のネグレクトにも関係している可能性があるとみている> と報じている。

 <......ホルモンは脳下垂体から分泌される「プロラクチン(PRL)」。授乳に必要な乳腺の発達を促すなど、子育てと密接な関わりがあるとされる> とある。

 今回注目する下記引用サイト記事輸血で白血病の女児死亡...大腸菌に感染か/yomiDr.ヨミドクター/2017.11.30 は、  <白血病の治療で血液製剤の輸血を受けた女児が約1か月後に死亡していたことが29日、わかった。血液製剤に混入していた大腸菌に感染したことが原因とみられる。日本赤十字社が同日開かれた厚生労働省の有識者会議で報告した。大腸菌の混入による死亡例は初めてという> と報じている。

 <......日赤によると、亡くなったのは、急性骨髄性白血病の再発治療で骨髄移植を受けた10歳未満の女。今年8月に血液製剤の輸血を受けたが、 嘔吐 や下痢の症状が出たため、輸血は20ミリ・リットルで中止。約1か月後、敗血症性ショックによる多臓器不全で死亡した。  その後の調査で、女児の血液と、保存されていた血液製剤から同じ大腸菌が検出されたという。日赤は、同じ献血者の血液から作った製剤を既に回収しており、女児以外への使用はないとしている> とある。

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