yasuo hirose: 2017年9月 アーカイブ

 今回注目する下記引用サイト記事貧血、iPS細胞で治療 京大 赤血球生成働きかけ/新聞社/2017.09.28 - 03:00 は、  <京都大学の長船健二教授らは27日、赤血球が増えるのを促すホルモンを作る細胞を人間のiPS細胞から作ったと発表した。貧血のマウスに移植すると症状が改善した。腎不全が原因で貧血になりやすい患者に対する新たな治療法の開発につながるとみている。  腎臓は様々なホルモンを作っており、その一つに赤血球を作る働きを促す「エリスロポエチン(EPO)」がある。腎機能が落ちて足りなくなると貧血になる> と報じている。

 <......研究チームはiPS細胞や万能細胞の胚性幹細胞(ES細胞)から、EPOを生み出す細胞を作製腎機能の低下で貧血になったマウスに移植したところ、4週間で赤血球の値が正常になり、28週まで効果が持続した貧血治療に使う新薬候補の物質と一緒に投与すると、EPOの生成が増えた。  国内には約1300万人の慢性腎臓病の患者がいるとされ、貧血になる人も多い。治療にはEPOの注射を定期的に受ける必要がある> とある。




















 "医師不足( =地域格差 )の現状" への対策として、"遠隔操作" を駆使してまかなうというアプローチが注目されている。

 ◆ 参照 当誌過去の "遠隔 診断" 関連記事

 (1) <千葉県がんセンター(千葉市)で昨年12月、別の患者の検体と取り違えて乳がん患者の乳房を誤って全摘出した事故では、検体を取り扱う病理部門の脆弱な体制が浮かび上がった。「人ごとではない」。病理医の不足に悩む病院は多く、危機感は強い......> ( "病理診断"、取り違え防げ!誤摘出事故受け学会が指針!人員不足、遠隔支援も視野!/当誌 2016.08.22
 (2) <救急医療で深夜の時間帯に搬送された患者のCT(コンピューター断層撮影装置)などの画像読影を、時差のある米国在住のベテラン日本人放射線診断医(画像診断医)が遠隔診断する「画像コンサルタントサービス」を、美濃加茂市古井町下古井の木沢記念病院が3月から本格的に始めた......> ( "深夜の急患CT"/海外医師が"読影"!クラウドコンピューティング技術を見事に活用!/当誌 2014.03.24


 今回注目する下記引用サイト記事スマホ活用し遠隔医療 夕張市と北大病院が連携協定 年内にもスタート/北海道新聞/2017.09.26 - 11:30 は、  <【夕張】 夕張市と北大病院(札幌)は25日、遠隔医療の支援態勢などを盛り込んだ「住民の健康増進に関する連携協定」を締結した。市立診療所から救急搬送される患者の医療画像を、北大病院の専門医がスマートフォン(スマホ)を通じて受け取り、画像診断や受け入れ準備などに生かす脳卒中や心筋梗塞など、脳や循環器の疾患を対象に年内にも始め、対象疾患を順次拡大する方針> と報じている。

 <......北大病院が自治体と連携協定を結ぶのは初めて。市内から札幌圏の病院へ救急搬送する場合、1時間~1時間半程度かかる。患者の到着前から受け入れ態勢を整え、治療開始までの時間を短縮することで、救命率の向上が期待できるという。  市立診療所は、患者のコンピューター断層撮影装置(CT)画像などを、ネット上のデータ保管場所「クラウド」を介して北大病院の専門医のスマホへ送る。  専門医は、症状の度合いや治療方針などを決定チャット機能などで、診療所側と非専門医を含めた院内スタッフに一斉に伝えて、手術などの準備を進める搬送時に必要な措置や救急搬送すべきかなどについても助言する方針。休日などは自宅などでも、遠隔診断を行えるという。   ―― 以下略 ――> とある。

 "難病" 対応の新・治療薬づくりは、"iPS細胞の医療応用" によって、新たな段階を迎えている。 だがしかし、立ちはだかる課題は、何といっても、"患者数が少ない" ことから、"治験の困難さや、高額な薬価" が避けられない、という点である。

 ◆ 参照 当誌過去の "難病 治療薬" 関連記事

  <iPS細胞の医療応用は、失われた臓器や組織の機能を取り戻す「再生医療」と、患者の細胞で病気を再現して薬の候補を探す「創薬」研究が大きな柱だ......> ( "6つの難病"研究、iPS細胞技術で光! 既存薬から候補物質発見! 治験へ(京大と慶大)/当誌 2016.09.27


 今回注目する下記引用サイト記事 : 難病薬治験で製薬会社の負担減へ ... 参加患者を半減、既存の診療データ活用/yomiDr.ヨミドクター/2017.09.25 は、  <患者数が少ない難病などの新薬の臨床試験(治験)を行う際、既存の診療データを新薬の比較対象として活用する仕組み作りに、厚生労働省が2018年度から乗り出す。  治験に参加する患者にはすべて新薬を割り振ることで人数が少なくて済み、製薬会社は効率的な開発が可能になる> と報じている。

 <......新薬の承認申請を行うための治験では、参加する患者を、新薬を使うグループと、有効成分が入っていない偽薬などを使うグループに分け、結果を比べて薬の効果や安全性を確かめる。しかし、難病や希少疾患では患者数が限られるため、治験に参加する患者の確保が課題となっている。  新しい仕組みでは、比較対象として、すでに使用されている類似薬の治療成績などのデータを活用できるようにする。データは、国立がん研究センターや国立精神・神経医療研究センターなどの患者データベースから取り出すことを想定。  これにより、製薬会社は治験で新薬を使う患者を集めるだけで済む人数は従来の半分程度になる可能性もあるという。開発にかかる時間や費用を減らせる。  厚労省は18年度中に製薬会社向けに、患者データベースの利用などに関する包括的なガイドライン(指針)を策定する。18年度予算の概算要求に、関連費用として約1億円を盛り込んだ。  指針は希少がんや先天性疾患など病気の分野ごとにも作る。関係する学会とも連携し、年間1~3件のペースで策定する方針だ> とある。

 ウイルスは、"がんのウイルス療法" として "がん治療" に応用されている。 ウイルスは、体内の免疫反応を喚起させつつ、遺伝子操作を使えば無害とすることもできるため、"がん細胞" だけを攻撃する "がん治療" に活用するメリットがある、というわけだ。

 ◆ 参照 当誌過去の "がんのウイルス療法" 関連記事

  <東京大医科学研究所病院は、悪性脳腫瘍の一種である「膠芽腫(こうがしゅ)」の患者を対象に、がん細胞だけに感染するウイルスを使った国内初の医師主導治験を始めると発表した。  このウイルスは、同大の藤堂具紀(ともき)教授らが開発したもので、口の周囲の疱疹(ほうしん)の原因になるヘルペスウイルスの遺伝子を組み換え、正常な細胞には無害で、がん細胞だけに感染するようにした。ウイルスが周囲のがん細胞に感染して、次々とがん細胞を破壊すると期待されている......> ( がん細胞だけに感染するウイルス使い脳のがんへの"ウイルス療法"!東大医科研治験開始!/当誌 2014.12.24


 今回注目する下記引用サイト記事がん治療、ウイルス+αで 免疫薬併用で効果向上/日本経済新聞/2017.09.25 - 0:41 は、  <がんのウイルス療法にがん治療薬などを組み合わせ、治療効果を高める研究開発が進んでいる。東京大学はヘルペス、岡山大学は風邪のウイルスがん免疫薬併用し、それぞれ動物実験で効果を確かめた。ウイルス療法は実用化に向け国内外で臨床試験(治験)が進む。併用による効果向上が治療期間の短縮や薬の使用量抑制などにつながる可能性がある> と報じている。

 <......東大医科学研究所の藤堂具紀教授らは口元などに水疱(すいほう)を作る「ヘルペスウイルス」の3つの遺伝子を働かないように改変し、がん治療用ウイルス「G47デルタ」を開発した。このウイルスと、がんに対する免疫の攻撃力を高めるがん免疫薬併用した際の効果を調べた。小野薬品工業の「オプジーボ」の成分と同じ「抗PD―1抗体」を使った。  肺がんの一種を発症させたマウスにウイルスと抗PD―1抗体を併用すると、約40日生き続けた。何もしないときの生存期間約20日や、ウイルスや抗体をそれぞれ単独で投与した場合の約30日に比べ、延命効果が高まった。  遺伝子改変したヘルペスウイルスには、患者自身の免疫を活性化する作用が備わっているという。藤堂教授は「がん免疫薬ががんによる免疫のブレーキを解除し、ウイルスが免疫が攻撃する矛先を示すことで効果が高まった」と推測する。  岡山大の藤原俊義教授らは風邪の原因になる「アデノウイルス」の遺伝子を操作した「テロメライシン」と呼ぶウイルスを利用した。このウイルスは、がん細胞で酵素「テロメラーゼ」が活発に働く環境で増殖し、正常な細胞では増えない。  実験で大腸がんのマウスウイルスと抗PD―1抗体の両方を投与すると、腫瘍の成長が抑えられた。12匹のマウスのうち4匹は腫瘍が消えた。  千葉県がんセンター研究所の田川雅敏部長らは改変したアデノウイルスと、がん抑制遺伝子の働きを助ける薬剤「MDM2阻害剤」併用した。対象としたのは、石綿(アスベスト)を吸い込むなどして発症するがんの一種、悪性中皮腫だ。  細胞の実験では、がん細胞にウイルスだけを投与する場合に比べ、併用では約4倍の細胞が死滅した。アデノウイルスを感染させた中皮腫の細胞では、がん抑制遺伝子「p53」が活発になり、細胞死を起こすという。  田川部長は「薬剤がp53の働きを助けることで相乗効果が出る」とみる。効果や安全性の検討を重ね、3~4年後に臨床研究を始めたい考えだ。  研究成果は28日から横浜市で始まる日本がん)学会で発表する> とある。

 "うつ病" の治療は、従来、何らかの原因で不足する "脳内の神経伝達物質「セロトニン(脳内の神経伝達物質)」" をどう増強するかに関心が注がれてきていた。 が、近年、これに加えて新たな視点が注目されはじめている。

 ◆ 参照 当誌過去の "うつ病" 関連記事

 (1) マウスの実験で示された"既存胃薬"による"うつ病"の改善可能性! (岡山理大グループ)/当誌 2017.06.05
 (2) "うつ病"改善、鍵となる物質(タンパク質HPS105)特定!マウス実験で岡山理科大など!/当誌 2017.06.02
 (3) "うつ病"の改善物質(海馬の神経細胞を新生/増加)を特定!新規治療薬に期待!(阪大)/当誌 2017.04.27


 今回注目する下記引用サイト記事体内生成物質に抗うつ効果を確認 鳥取大医学部 斉藤智子/朝日新聞 - apital/2017.09.24 - 06:00 は、  <鳥取大医学部付属病院精神科(米子市)の岩田正明准教授のグループが、人の体内でつくられる「βヒドロキシ酪酸(BHB)」という物質に抗うつ効果があることをラット実験で確認したと発表した。英国のオンライン科学誌「Scientific Reports」に公開された。  BHBは、糖分が欠乏した状態の時に体内でつくり出されて代わりのエネルギー源となる物質。ココナツオイルなど中鎖脂肪酸を含む油の摂取や、運動、食事の工夫などで増えるとされる。うつ病の原因の一つとされる脳内の炎症性物質を抑える作用が海外で報告されていたが、今回の研究で実際にうつ状態を改善する結果が得られたという> と報じている。

 <......実験では、夜に光を当てるなどストレスを約1カ月間与え続けたラットと、同様にストレスを与えながらBHBも皮下注射で与え続けたラット(各16匹)を比べた。水に入れて無理やり泳がせたところ、BHBを与えたグループはストレスのないラットの行動とほぼ同じだったが、BHBを与えなかったグループは、あきらめて動かない時間が約3割長かったという。  従来のうつ病治療薬は、うつ病患者に不足したセロトニンなどの脳内の神経伝達物質を増やして効果を上げる仕組みだが、薬に十分反応しない患者も約3割いるとされる。今回の研究は、脳内の炎症性物質を抑えることによって治療・予防を目指すもので、岩田准教授らは、従来の抗うつ薬が効きにくかった患者に有効な治療薬の開発につながることを期待している。  岩田准教授は「BHBは元々体内にある物質のため、体への負担が少なく、脳への移行性も高いと考えられる。難治性の患者への効果を期待している」と話した。今後、脳内に直接投与した場合や、食事やサプリメントとして与えた場合のラットへの影響を調べるなどして臨床応用につなげるという> とある。

 "喫煙および受動喫煙の健康被害" の問題とその対策に関しては、なぜ "スッキリとした国民的合意による一歩" が踏み出せないのであろうか。 良心的な医療研究者たちによる調査・研究がまだまだ必要だというのであろうか。 それもいいが、時間経過が事態悪化を増幅させることになる点も考慮しなければならない。

 ◆ 参照 当誌過去の "受動喫煙" 関連記事

 (1) <政府は13日、策定中の第3期がん対策推進基本計画について、2020年までに受動喫煙をゼロにするとの目標を盛り込まないまま10月中旬にも閣議決定する方針を固めた> ( 受動喫煙ゼロ"目標先送り"! 要は、喫煙被害の認識不足!と税収入の惜しさ! だけの話/当誌 2017.09.16

 (2) <"がん死亡" の抑制には、"喫煙および受動喫煙" の抑制・禁止が不可欠だと常識化しているにもかかわらず、自民党政府の、相変わらずの "問題先送り" 姿勢、本気度無きパフォーマンスが、未来を憂う人々を悲しませている......> ( "肺がん患者"の9割が"受動喫煙"を不快だと答える!自民・大西氏の発言受けた調査結果/当誌 2017.06.03


 今回注目する下記引用サイト記事受動喫煙でも大動脈疾患 死亡リスク2倍超に/47NEWS - 医療新世紀/2017.09.19 は、  <受動喫煙にさらされる程度の高い人は、低い人に比べて、大動脈の病気で死亡するリスクが2倍以上に高まることが、筑波大などによる大規模疫学調査で分かった。  発表した山岸良匡・准教授(社会健康医学)は「受動喫煙肺がんや脳卒中のリスクが高まることは知られていたが、大動脈疾患との関係が明らかになるのは初めて」としている> と報じている。

 <......チームは1988~90年、全国の4万8677人(40~79歳)喫煙受動喫煙の頻度、生活習慣や健康状態について尋ね、その後、94%の人を平均16年にわたって追跡調査した。その結果、大動脈の内側が裂ける「大動脈解離」で66人大動脈がこぶのように膨らむ「大動脈瘤」が原因で75人死亡していた。  チームは受動喫煙の頻度を三つに分類。家庭内外でほとんどない「程度が低い」家庭内でほぼ毎日2時間以上または職場や飲食店でほぼ毎日の「程度が高い」その中間の「中程度」で、亡くなるまでの年数を考慮して分析した。  その結果、「程度が高い」人は大動脈解離や大動脈瘤のために死亡するリスクが「程度が低い」人の2・35倍。「以前たばこを吸っていた」人のリスク(1・62倍)より高かった。喫煙者は4・09倍だった。  また、家庭内より職場や飲食店での受動喫煙の方が、リスクが高くなることも分かった。山岸准教授は「煙にさらされる時間が長く、煙の量も多いためではないか」と推測。飲食店などの受動喫煙対策を強化する健康増進法の改正では「十分な対策を講じなければならない」と注意喚起した> とある。

 "糖尿病" は、<悪化すると人工透析が必要になり多額の医療費がかかる> という点で、国・自治体などの医療費を増大させ、財政を圧迫する。  だが、それは集積結果であり、それ以前に患者個々人が人工透析治療を含めた、多くの怖い合併症治療のお世話とならざるを得ないのだ。  そして今、そうした糖尿病患者の人口が、増大、高止まりを続けているという。

 今回注目する下記引用サイト記事糖尿病患者 初の1000万人 16年、高齢化・肥満増で/日本経済新聞/2017.09.21 - 19:10 は、  <糖尿病が強く疑われる患者が2016年に推計1千万人に上ったことが21日、厚生労働省の国民健康・栄養調査でわかった。高齢化の進展などで、前回患者数を推計した12年調査から50万人増え、初めて1千万人台になった。糖尿病が悪化すると人工透析が必要になり多額の医療費がかかる。自治体などによる糖尿病の重症化予防の取り組みが急務となっている> と報じている。

 <......同調査は厚労省が健康増進法に基づいて毎年実施している。項目は身体的データや食事、飲酒、喫煙、睡眠、運動など幅広い。糖尿病の患者数の推計などは4~5年おきに調査している。  16年は約2万4千世帯を対象に行った。糖尿病はこのうち20歳以上の約1万1千人について、過去1~2カ月の血糖状態を示す「ヘモグロビンA1c」を測定糖尿病が強く疑われる患者や、検査値が正常と異常の間にあり「可能性を否定できない」予備軍を全国にあてはめて推計した。  糖尿病患者は、推計を始めた1997年の690万人から右肩上がりで推移している。有病率の高い高齢者人口の増加とともに、運動不足や食生活の乱れなどで肥満が増えているのが原因とみられる。  患者は全体の12.1%。男性は50代で12.6%、60代で21.8%、70歳以上で23.2%。女性は50代で6.1%、60代で12.0%、70歳以上で16.8%。患者のうち、治療を受けている人は男性78.7%、女性74.1%といずれも増加傾向にあるが、自覚症状がない患者も多いという。  予備軍07年の1320万人をピークに減少し、16年は12年よりも100万人少ない1千万人と推計した。厚労省は08年度から始まった特定健康診査(メタボ健診)などによる予防効果が出ているとみている。  糖尿病とも関係する肥満度は国際的な指標「BMI」で算出している。BMIは体重(キログラム)を身長(メートル)の2乗で割り、18.5~25未満は「ふつう」、25以上を「肥満」と規定する。都道府県別でBMIが高いのは男性が高知25.1、女性が福島23.9。低いのは男性が新潟23.1、女性が福岡21.8だった。  運動項では、1日あたりの歩数で多いのは男性が大阪(8762歩)、女性が神奈川(7795歩)。少ないのは男女ともに高知(男性5647歩、女性5840歩)。大阪と高知の男性は3千歩超の差があった。  食事項目では、1日あたりの野菜摂取量で多いのは男女ともに長野。少ないのは男性が愛知、女性が大阪だった。食塩摂取量は男女ともに沖縄が少なかった> とある。

 過去の膨大なデータを組み込んだ "ディープラーニング(深層学習)" 方式のAIは、「AI医療」として、医療各分野で応用され進展している。

 今回注目する下記引用サイト記事糖尿病の合併症、AIで予測 藤田保健衛生大など/中日新聞/2017.09.20 - 18:15 は、  <人間では処理しきれない膨大なデータを人工知能(AI)を使って分析し、糖尿病の合併症の一つ「腎症」の発症などを予測するシステムを、藤田保健衛生大(愛知県豊明市)と日本IBM、第一生命保険が共同開発した。医療分野でもAIの活用は進んでいるが、同大によると、日本人の生活習慣病に関する予測システムは初めてという。糖尿病の治療や診断はもちろん、今後の「AI医療」の進展にも期待が高まる> と報じている。

 <......糖尿病は国内で300万人の患者がいる代表的な生活習慣病で、悪化すると腎臓の機能が低下する腎症や、網膜症、脳梗塞といった重い合併症を引き起こすリスクがある。  同研究では、藤田保健衛生大病院が、糖尿病患者6万4千人と、それ以外の患者6万8千人の電子カルテのデータを匿名化して提供。合併症のうち「糖尿病性腎症」に着目し、日本IBMのAIシステム「Watson」(ワトソン)が、人間の脳の神経回路をモデルにしたディープラーニング(深層学習)によって解析した。  腎機能を示す検査データ「eGFR」値や血糖値はもちろん、因果関係が薄いとされがちな検査データも含め24項目の数値を分析。時間経過による変化や既往症の有無も踏まえた。その結果、現時点では腎症の予兆がない初期の糖尿病患者でも、近い将来の見通しとして180日後に発症するかどうか、高い精度で予測することができるようになったという。  「ワトソン」は数値化されたデータだけでなく、電子カルテに記載された医療スタッフと患者とのやりとりなども解読できる。スタッフが患者の治療への取り組みを「褒めた」場合、患者の血糖値の改善傾向が強まることも分かり、心理面での治療支援にも活用できる可能性が出てきた。  開発に関わった藤田保健衛生大の鈴木敦詞教授は「診断はあくまで医師が行うものだが、AIの判断を参考にすることで診断技術の向上や、指導方法の改善につなげたい」と話していた> とある。

 国内における "がん発症(率)" の "地域差" については、種々の視点から問題提起されているようである。

 ◆ 参照 当誌過去の "がん 県" 関連記事

  <がんによる死亡率が12年連続で全国最悪となっている青森県が、県内の市町村のがん検診を調べたところ、一部の自治体で検査方法が不適切など、検診の質に問題があることがわかりました。専門家は、「検診の質をどう保つのかは全国共通の課題でほかの都道府県でも調査を進め質の管理を徹底してほしい」と話しています......> ( がんによる死亡率が12年連続で全国最悪となっている青森県、"がん検診の質"に問題も?!/当誌 2017.01.27


 今回注目する下記引用サイト記事がん発症、日本海側で多く 17年、最多の101万人/共同通信/2017.09.20 - 00:00 は、  <国立がん研究センターは19日、2013年に新たにがんと診断された人は86万2千人で、日本海側で多いとする分析結果を公表した。部位別でも胃がん日本海側肝臓がん西日本に多いなどの地域差が明らかになった。高齢化に伴い、当面患者の増加が続く見込みで、17年は過去最多の101万4千人になると予測している> と報じている。

 <......地域差には生活習慣やウイルス感染が影響したと考えられる一方、医療体制の格差が要因とみられる例もあった。同センターは「都道府県でがん対策を立てる際の材料にしてほしい」と話す。  都道府県が行う「地域がん登録」のデータから全国の状況を推定した> とある。

 がん細胞の増殖や転移を抑制する効果がある物質> については、いろいろな食品に目が向けられる割には "決め手を欠く" のが、これまでの実情であったかもしれない。

 今回注目する下記引用サイト記事がん細胞の増殖抑える効果 信大農学部などのグループ確認/信毎web/2017.09.19 は、  <信州大農学部(上伊那郡南箕輪村)の真壁秀文教授(生物有機化学)らの研究グループが18日までに、ブドウやリンゴなどに含まれる化合物「エピカテキンオリゴマー」にがん細胞の増殖や臓器への転移を抑制する効果があることを確認した。研究グループによると、がんの抑制効果がある化合物を特定した例はほとんどなく、がん治療への応用が期待できるという> と報じている。

 <......グループは、真壁教授と信州大バイオメディカル研究所の藤井博教授(分子生物学)、同大農学部の梅沢公二助教(構造生物学)ら。2012年から共同で研究に取り掛かった。藤井教授が当時、ブドウの抽出物に、がん細胞の増殖や転移を抑制する効果がある物質が含まれていることを突きとめていたが、物質の特定には至っていなかったという。  グループで分析を進めた結果、物質は、ブドウに含まれる渋味成分で、ポリフェノール化合物の一種「エピカテキン」が複数連結した「エピカテキンオリゴマー」だと判明した。エピカテキンオリゴマーはリンゴや小豆、カカオなどにも含まれているという。  グループは、エピカテキンオリゴマーの効果を検証。真壁教授がエピカテキンを二つから六つ連結したエピカテキンオリゴマーを合成し、梅沢助教が分子構造を確認。藤井教授が、前立腺がんの細胞にエピカテキンオリゴマーを混ぜ、人工的に作った細胞組織にがん細胞がどれだけ転移するかを調べた。  共同作業の結果、エピカテキンを四つつなげたものでは転移したがん細胞の数が減り、連結数が五つ、六つではさらに減ることが明らかになった。グループの論文は8月、国際学術誌「サイエンティフィック・リポーツ」に掲載された。  藤井教授は「いろんな分野の研究を組み合わせたからこそ得られた成果」とし、真壁教授は「食べ物を研究対象とする農学部らしさを示せたのではないか」としている> とある。

 これまでも、薬剤を投与してiPS細胞を神経細胞に変える方法はあった> というが、今回、注目したい研究成果は、<光を当てたときに遺伝子の働きが高まり、iPS細胞の変化を自由に制御できる> という技術へとつながり得る画期的なものだと思われる。

 今回注目する下記引用サイト記事光で神経細胞に変化 東大、iPS細胞を制御/日本経済新聞/2017.09.18 - 0:39 は、  <東京大学の佐藤守俊教授らは、さまざまな組織に育つiPS細胞を光で刺激して神経細胞に変える手法を開発した。光を当てると特定の遺伝子が働くようなしかけをiPS細胞に組み込んだ同じ原理で神経細胞以外に変えるのも簡単だという。細胞の機能を光で操る技術に道を開く成果で、生命現象の解明や病気の研究に役立つ> と報じている。

 <......研究グループは「クリスパー・キャス9」というゲノム編集技術を応用した。光に反応するたんぱく質などをiPS細胞に送り込み、神経細胞へ変えるたんぱく質の生産を促した。   実験では、iPS細胞青色の光を当てる特定の遺伝子の働きが高まり、iPS細胞が神経細胞に変化した。  これまでも、薬剤を投与してiPS細胞を神経細胞に変える方法はあった今回の方法は光を当てたときに遺伝子の働きが高まり、iPS細胞の変化を自由に制御できる。  今後は同じ原理を応用して、神経細胞以外の細胞への変化も光で制御できるようにしたいという。  光の刺激で遺伝子の働きを調節する手法は「光遺伝学」として注目されている。ゲノム編集技術も従来の遺伝子組み換え技術に比べて桁違いに高い精度で遺伝子を改変できるとして研究が盛り上がっている> とある。

 "ビール" にこうした "効果" があるとなると、愛飲家は、 "鼻高々で" ジョッキをあおることができる、となりそうだ。

 今回注目する下記引用サイト記事ビール成分に肥満認知症予防効果 ホップの苦味、キリン解明/共同通信/2017.09.16 - 15:59 は、  <ビールの醸造過程で原料のホップから出る苦味成分に、肥満でリスクが高まる認知機能低下を改善する効果があることキリンホールディングス傘下の健康技術研究所が解明した。7月にロンドンで開催した国際アルツハイマー病学会で発表した> と報じている。

 <......この成分はイソα酸と呼ばれ、ビール1リットルに10~30ミリグラム程度含まれる。コクや苦味が強いビールの方が多いといい、キリンは将来的に飲料やサプリメントなどの商品化を目指す。  最近の研究では肥満によって認知症のリスクが高まるとされている。研究所では今回、イソα酸入りの高脂肪の餌を与えるマウスと、イソα酸なしのマウスに分けて実験した> とある。

 健康や美容のために "肥満" を解消したいと、数限りない人が望んでいるようである。

 今回注目する下記引用サイト記事肥満の改善薬開発に期待 原因酵素を特定/共同通信/2017.09.14 - 18:55 は、  <脳の摂食中枢で働き、肥満原因となる酵素を特定したと、基礎生物学研究所(愛知県岡崎市)などの研究チームが14日発表した。この酵素は血糖値を下げるインスリンの働きも阻害しているといい、同研究所の野田昌晴教授(神経生物学)は「酵素の働きを抑制する薬が開発できれば、肥満糖尿病を改善できる」と期待している> と報じている。

 <......チームによると、体内では、脂肪細胞から分泌されるレプチンというホルモンが摂食中枢に作用して食べる量を調整しているが、肥満の人では必ずしも食べる量が抑えられていない。レプチンが働きにくくなっているためだが、その仕組みは分かっていなかった> とある。

 かねがね、、"受動喫煙" の問題への政治決断は、"公共理念" への試金石のひとつだと思ってきた。 目先の安直な税収入を捨てても、"人々の将来の健康" を選び抜くという聡明さが求められるからだ。

 ◆ 参照 当誌過去の "受動喫煙" 関連記事

 (1) <がん予防のために受動喫煙を防止する目標は先送りし、7月にも予定する閣議決定までに厚労省が定める。協議会では委員全員が受動喫煙ゼロの目標を求めたが、厚労省は飲食店などの受動喫煙防止策を巡る自民党との協議の行方を見ながら決める方針> ( 厚労省の"がん対策の本気度"は、"受動喫煙の目標先送り!"の判断から透けて見える!?/当誌 2017.06.04
 (2) <"がん死亡" の抑制には、"喫煙および受動喫煙" の抑制・禁止が不可欠だと常識化しているにもかかわらず、自民党政府の、相変わらずの "問題先送り" 姿勢、本気度無きパフォーマンスが、未来を憂う人々を悲しませている> ( "肺がん患者"の9割が"受動喫煙"を不快だと答える!自民・大西氏の発言受けた調査結果/当誌 2014.00.00


 今回注目する下記引用サイト記事受動喫煙ゼロ目標先送り がん計画、10月閣議決定/共同通信/2017.09.13 - 19:38 は、  <政府は13日、策定中の第3期がん対策推進基本計画について、2020年までに受動喫煙をゼロにするとの目標を盛り込まないまま10月中旬にも閣議決定する方針を固めた> と報じている。

 <......並行して議論していた受動喫煙対策を強化する健康増進法改正の見通しが立たないことが理由。都道府県が来年度からのがん計画を作成するために早期に閣議決定する必要があると判断した。法案提出後、改めて整合する内容を基本計画に反映させる。

 計画は、本年度から6年間のがん対策の方向性を決めるもので、がんの予防や検診の充実が柱。当初は夏の閣議決定を目指していた> とある。

 "がん患者の血液" から、"遺伝子変異" を見つけて、"がんを早期に発見する検査手法" は、すでに試みられてきた。

 ◆ 参照 当誌過去の "血液 がん遺伝子" 関連記事

 (1) <検査受託会社の日本遺伝子研究所(仙台市)は米国企業との共同研究で血液からがんを早期に発見する検査手法を新たに確立した。検査板に血液を流し、微細な溝にかかった体内物質からがん細胞を見分ける仕組み。実証実験で9割のがん検出成果が得られたという......> ( "がん"早期に発見する"血液検査"手法を新たに確立!技術高め検査普及へ(遺伝子研など)/当誌 2016.06.17
 (2) <わずかな血液を検査するだけで、がんに関連する異常な遺伝子を60種類検出する新しい手法を国立がん研究センターが開発した。 多くの遺伝子異常を調べるためには、針で刺して組織を取り出す生体検査が行なわれているが、患者の負担が大きく、出血による合併症の危険もある。新手法なら繰り返し検査できるうえ、一人ひとりのがんの進み方にあった薬や治療法の選択ができるようになる> ( わずかな血液で "がん遺伝子(遺伝子異常)"60種類検出!多くのがんに対応 (国がん研セ)/当誌 2015.12.29


 今回注目する下記引用サイト記事血液でがん遺伝子特定、国内初 東京医科歯科大/共同通信/2017.09.13 - 18:24 は、<同検査の臨床試験は国内初> という点が注目されるわけだが、  <東京医科歯科大は13日、がん患者の血液から、原因となる遺伝子変異の種類を特定する新しい検査の臨床試験を始めたと発表した。一度に73種類の変異を調べることが可能で、遺伝情報を利用して患者に合った個別化医療を提供する「がんゲノム医療」につながると期待される。同検査の臨床試験は国内初> と報じている。

 <......がん細胞の遺伝子を調べるには、一般にがん組織の一部を切り取る「生検」が必要だが、新検査は血液に含まれる、がん細胞から放出されたDNAを検出するため、採血だけで検査が可能となる。  新検査は米ベンチャー企業が開発し、大学が8月28日に実施した> とある。

 "パーキンソン病" の治療への足取りは、わずかながらも進展を見せている。

 ◆ 参照 当誌過去の "パーキンソン病" 関連記事

 (1) ヒトiPS細胞由来のドーパミン神経細胞を、パーキンソン病のカニクイザルの脳に移植!/当誌 2017.09.02
 (2) パーキンソン病のサル、"iPSからのドーパミン産生細胞"移植で症状改善!京大が確認!/当誌 2017.09.01


 今回注目する下記引用サイト記事パーキンソン病の進行抑制化合物 京大教授ら開発/京都新聞/2017.09.12 - 16:16 は、斬新なアプローチでの新薬開発が期待されるものであり、  <細胞のエネルギーの基となるATP(アデノシン三リン酸)の量を調整することでパーキンソン病の進行を抑える化合物を、京都大生命科学研究科の垣塚彰教授らがマウスの実験によって見つけたほかの神経の病気への応用も期待できるという。国際科学誌にこのほど発表した。  パーキンソン病は千人に1人が発症し、神経伝達物質ドーパミンを作る神経細胞が変性し、手足の震えから進行して運動機能が失われる。神経細胞でのATP量の減少が背景にあるとされる> と報じている。

 <......垣塚教授らは既に、ATPの分解を抑える化合物「KUS剤」は開発していた。さらに今回は、ATPの産生を促す作用を持つ化合物「エスクレチン」を、約10万種の中から発見したパーキンソン病モデルのマウスに投与したところ、KUS剤もエスクレチンのいずれにおいても、ATP量の低下が抑えられ、細胞死が少なくなった。運動能力の低下も抑制された。  垣塚教授は「ATP量の低下が背景にある病気は多い。応用の幅は広いはず」と話している> とある。

  医療技術の進歩と高度化は有難いに違いないものの、その分、いやそれ以上の感がある "医療費の超高額化" が、無気味だと言うほかない空気を醸成している。

 ◆ 参照 当誌過去の "医療費 高額" 関連記事

 (1) <日本赤十字社医療センター(東京)は30日までに、5月に保険適用が決まった抗がん剤「ザルトラップ」について、治療で原則使用しない方針を決めた。同じ効果で約半額の既存類似薬があり、割高な新薬を使うメリットはないと判断した。薬価が高いことを理由に医療機関が使用を差し控える決定をするのは異例......> ( がん治療 "抗がん剤"の使用では効果が同じなら"安い薬"を!日赤医療センターが決定!/当誌 2017.07.02
 (2) <免疫治療薬はがん患者の2~3割に治療効果があるとされる。効く人では長期間効果が続くが、どの患者に効くか事前に予測できない。また、いつまで使い続けるべきなのか基準がなく、薬代が膨らむ恐れが指摘されている> ( 高額ながん免疫薬、効く患者に投与できるよう効果予測研究!医療費抑制!(国立がんセ)/当誌 2017.02.28


 今回注目する下記引用サイト記事医療費「月千万円以上」過去最多の484件、昨年度/日本経済新聞/2017.09.12 - 0:28 は、  <医療機関での高額な治療が増え続けている。健康保険組合連合会(健保連)の集計によると、患者1人あたりの医療費が1カ月で千万円以上だった例が、2016年度は484件となった。15年度に比べて件数は3割以上増え、過去最多になった。1カ月で1億円を超えた治療も2件あった。医療の技術が高度になっていることが背景にあり、財政負担と両立できるかが課題だ> と報じている。

 <......健保連によると、フォンウィルブランド病と呼ばれる血液疾患の治療が月約1億700万円で最も高額だった。2番目は血友病で約1億200万円。いずれも症状の悪化を防ぐために高額な治療薬を使う。月1億円を超える医療費が記録されたのは11年度以来。  上位100件を疾患別に見ると、循環器系が41件で最も多く血液の34件先天性が8件が続く。千万円以上の件数は06年度で116件だったため、10年で約4倍に増えた。C型肝炎の治療薬や補助人工心臓など高額な治療法や医療機器の保険適用が相次いだことが背景にある。  日本の医療保険制度では患者の負担が一定額を超えると、超えた分を保険でまかなう「高額療養費制度」がある。患者負担が抑えられる一方で、保険や公費などをあわせた医療費はこの10年で約9兆円増えている。  厚生労働省は医療費の膨張を受けて、医薬品や医療機器の費用対効果を価格に反映するための議論を始めている。効果の高い薬でも費用があまりにも高い場合、薬価を下げる検討に入る。他方、製薬会社などの開発への意欲をそぐ懸念も指摘されており、慎重な議論が求められそうだ> とある。

 統合失調症など "重い精神疾患" 患者の "平均余命" は、一般人口に比べ22年も短い! という調査結果にはやはり驚かされる。

 今回注目する下記引用サイト記事重い精神疾患で余命短く 多い心血管疾患/47 NEWS - 医療新世紀/2017.09.05 は、  <重い精神疾患で長期に入院した経験がある人の平均余命は、一般人口に比べ22年短いとの研究を、東京大病院精神神経科の近藤伸介助教らがまとめた。寿命に与える影響を数字で示したのは国内初という。  主な死亡原因には自殺のほか心血管疾患も含まれており、患者の心だけでなく、体へのケアの重要性が浮かんだ> と報じている。

 <......近藤さんらは、東京都内で病院から地域生活への移行を支援する社会福祉法人「巣立ち会」を最近24年間に利用した人のうち、亡くなった45人について分析。死亡時の平均年齢は63歳、入院期間は平均16年、87%が統合失調症を抱えていた。  45人は、同様の年齢構成の一般人口と比べ平均22・2年、早く死亡していた。欧州でも15~20年早く死亡する傾向があるとの報告がある。  死因別に見ると、自殺が一般人口の7・4倍だったほか、心筋梗塞や心不全などの心血管疾患が5・1倍と高かった。60%の人は、精神科以外に、糖尿病や高血圧といった心血管疾患につながる不調で通院していた。  体の不調の原因は不明だが、薬の影響や、体を動かす意欲の低下などが考えられるほか、経済的な事情もうかがえる。87%が生活保護や障害年金を受け、独居も多いため、健康面で支えてくれる人がおらず食生活が乱れ、不調を招いた可能性があるという。  近藤さんは、精神科と他科の連携不足にも目を向ける。「精神疾患の重症患者は遠隔地の精神科病院に送る対応が常態化しており、適切な時期に内科など体の治療が受けにくい」と指摘。「患者と一般人口との健康格差は自己責任ではなく社会的な問題だ」と強調した> とある。

 抗がん剤や放射線治療といったがん治療法では、不妊となる恐れがあり、これを避けるため、若い女性がん患者が、治療前に "卵子凍結保存" を行うというケースが現われはじめているという。

 ◆ 参照 当誌過去の "卵子 凍結保存" 関連記事

 (1) <がんの治療前に卵子の凍結保存をしておけば、将来、子どもを作れる可能性のある未婚のがん患者の女性は、年間推計5000人余りに上るのに対し、実際に凍結保存しているケースは年に250件ほどにとどまっているとする初の報告書を国の研究班がまとめました。......> ( 未婚の女性がん患者、不妊の恐れ避け、がん治療前に卵子の凍結保存! 初の実態調査!/当誌 2017.05.22
 (2) <女性は高校1年の16歳の時、血液がんの悪性リンパ腫を発症。抗がん剤治療で不妊になる恐れがあり、高校2年の2001年、不妊治療施設で卵子を2個採取し、凍結保存した。病気を克服後、13年に結婚。体外受精した卵子を子宮に戻し、昨年8月に男児を産んだ。闘病中は保存した卵子の顕微鏡写真を手元に置いた。女性は「この卵子が赤ちゃんになってくれると思うと(心の)支えになった」と振り返った......> ( がん治療の女性!闘病を支えたのは手元の"冷凍保存卵子の写真"!そして無事男児出産!/当誌 2015.03.10


 今回注目する下記引用サイト記事がん患者の卵子凍結保存1200件余 初の全国調査/NHK NEWS WEB/2017.09.09 - 14:10 は、  <がん患者の若い女性抗がん剤などの治療によって不妊になるのを防ぐため卵子や受精卵を凍結して保存するケースがどのくらいあるのか東京大学の研究チームが調査したところ、おととしまでの5年間に全国の少なくとも120余りの医療機関で、合わせて1200件以上行われていたことがわかりました> と報じている。

 <......卵子や受精卵の凍結保存は、がん患者の若い女性が、抗がん剤や放射線治療によって卵子がダメージを受けて不妊になるのを防ぐため、治療前に行うものですが、全国でどのくらい行われているのか実態はわかっていませんでした。  東京大学の研究チームが、生殖補助医療を行う全国の600余りの医療機関を対象にアンケート調査を行い、およそ8割の施設から回答を得ました。  その結果、おととしまでの5年間に少なくとも全国の126の医療機関で行われ、未婚の女性が行う卵子の凍結保存は580件、既婚の女性が行う受精卵の凍結保存は631件で、合わせて1211件行われていることが初めてわかりました。この中では、100人を超えるがん患者の卵子や受精卵を凍結保存している医療機関もありましたが、多くは2人から4人の卵子や受精卵を凍結保存していて、分散して保管している実態も明らかになりました。  調査を行った東京大学の大須賀穣教授は「小児がんの場合などには10年以上の長期間保管するケースも考えられ、責任ある保管態勢が必要だ」と話しています> とある。

 手術中における "がん組織の識別" は、"取り残し=再発" を回避するためにも重要なアクションとなる。 が、"病理医" と呼ばれる専門医でも時間を要する検査を、手術中に全うすることは至難の業だと言われる。 ここから、 "がん組織スピーディな病理的識別方法" が重要な課題となって浮上するわけだ。

 ◆ 参照 当誌過去の "がん 識別" 関連記事

 (1) <がんがどこまで広がっているのかを手術中に素早く検査する技術の成果が相次いでいる。キヤノンと浜松医科大学は特殊な電磁波を使って脳腫瘍を見分ける技術を開発した。東京大学や弘前大学はそれぞれ、がん細胞だけを光らせる物質を作った。簡単に切除範囲を把握できるようになり、再手術など患者の負担を減らせる病理医と呼ぶ専門医の不足を補う効果が期待できる......> ( "がん細胞の広がり" 手術中にすぐ判定!簡単に切除範囲を把握!検査技術成果相次ぐ!/当誌 2015.03.18
 (2) <乳がん手術で取り出した組織に、がん細胞を光らせる試薬を吹き付ける方法で、1ミリ以下の小さながんを検出できることを確認したと、九州大病院別府病院(大分県)の三森功士教授、東京大の浦野泰照教授ら。 手術中に、がんの取り残しの有無や切り取る範囲を広げるべきかを判断でき、再発の危険性が低くなると期待できるという。蛍光色素メーカーの五稜化薬(札幌市)と共同で、市販に向けた試験をしたいとしている。......> ( 手術中に"1ミリ以下の微小ながん"識別!既に開発の"発光"試薬、市販に向けた試験へ!/当誌 2015.07.15


 今回注目する下記引用サイト記事「ペン」でがん発見の精度向上へ 10秒で特定可能と ジェームズ・ギャラガー・ヘルス科学担当記者、BBCニュースサイト/BBC NEWS JAPAN/2017.09.07 は、  <米テキサス大学の研究チームが開発した、ペンのような装置が、がん細胞を10秒で特定できるという。 科学誌「Science Translational Medicine」 に6日、論文が掲載された。  研究チームが開発した「MasSpec Pen(マススペック=質量分析)」精度96%でがんを発見するという。これによって、腫瘍の摘出はこれまでより素早く安全で正確になり、かつ「取り残し」による悲劇も回避できると、研究チームは説明している。  「ペン」は、がん細胞独特の代謝作用読み取るがん細胞は猛スピードで増殖しているため、細胞内の化学反応は正常な細胞と大きく異なる> と報じている。

   ―― 以下略 ――

 言うまでもなく、"心筋梗塞などの虚血性心疾患" 警戒すべき病気である。 幸い、命に別状が無かった場合にも後遺症を被るケースが少なくないとされる。

 今回注目する下記引用サイト記事マグネシウム多い食品、心筋梗塞のリスク低下 国循など/日本経済新聞/2017.09.08 - 0:00 は、  <国立がん研究センターと国立循環器病研究センターは7日、マグネシウムを多く含む食品をよく食べる人は心筋梗塞などの虚血性心疾患を発症しにくいことが分かったと発表した。約8万5千人を15年間ほど追跡したところ、摂取量が多いと発症リスクが3~4割低くなった。マグネシウムが多い魚や果物、野菜、豆類、海藻などをよく取ることが望ましいという> と報じている。

 <......岩手や茨城、沖縄など8県の特定地域に住む45~74歳の住民のうち、循環器疾患やがんにかかったことがない人を対象に調べた。138品目について1日に食べる量を聞いて、マグネシウムの摂取量を推計。摂取量によって5つのグループに分け、発症率の違いを比べた。  男女ともマグネシウム摂取量が増えるほど、虚血性心疾患を発症するリスクが下がった。例えば男性では、最も多いグループは最少のグループよりも34%低かった。  マグネシウムが欠乏すると、血圧上昇や動脈硬化などを起こしやすくなるとされる。日本人はマグネシウムの摂取不足が指摘されている> とある。

 "iPS細胞" 技術の研究・活用が、 "再生医療" にとどまらず、"創薬" の研究分野に拡がり、少なからぬ成果を上げていることはよく知られている。 「進行性骨化性線維異形成症(FOP)」の治療薬候補の発見についてもその好例であった。

 ◆ 参照 当誌過去の "進行性骨化性線維異形成症(FOP)" 関連記事

  <......筋肉の中に骨ができる難病「進行性骨化性線維異形成症(FOP)」の治療薬の候補を、京都大の戸口田淳也教授(幹細胞生物学)らのチームが人工多能性幹細胞(iPS細胞)を使って発見し、臨床試験(治験)を9月以降に始めることが1日、分かった......> ( "iPS創薬"、世界初治験へ9月以降!筋肉の中に骨ができる難病「FOP」の治療薬!(京大)/当誌 2017.08.03


 今回注目する下記引用サイト記事世界初、iPS創薬治験7日開始 京大が骨の難病で/共同通信/2017.09.06 - 23:29 は、  <患者の人工多能性幹細胞(iPS細胞)を使って京都大の研究チームが見つけた、骨の難病の治療薬候補について、京大病院が7日から臨床試験(治験)を始めることが6日、分かった。京大によると、iPS細胞を使って発見した薬の治験は世界初> と報じている。

 <......京大病院は現場の医師が主体となって進める「医師主導治験」で取り組み、7日から患者登録が可能になる。「再生医療」と並ぶiPS活用のもう一つの柱「創薬」が本格的に動きだした。  この難病は「進行性骨化性線維異形成症(FOP)」で、チームによると、国内の推定患者数は約80人という> とある。

 今回注目する下記引用サイト記事ダウン症のマウス、生まれる前に症状改善する化合物発見 西川迅、合田禄/朝日新聞/2017.09.05 - 04:03 は、  <妊娠中のマウスに与えることで、生まれてきたダウン症の子どもマウスの症状を改善する化合物を、京都大の萩原正敏教授(化学生物学)らのグループが見つけた。5日、米科学アカデミー紀要に発表する。  ダウン症人間だと23対ある染色体のうち21番目が1本多くあるために起こる。遺伝子が過剰に働く影響で知的障害や先天性の心臓病などを引き起こす。妊娠中、胎児がダウン症かどうかは調べられるが、根本的な治療法はない。  研究グループは、ダウン症の人では神経細胞の増加を抑える遺伝子が過剰に働いていることに着目。この遺伝子の働きを妨げ、神経細胞の増殖を促す化合物を探し出した> と報じている。

 <......妊娠中のマウスにこの化合物を口から与えると、生まれたダウン症のマウスで脳がきちんと成長したのを確認。ダウン症の子どもマウス12匹の学習能力を迷路を使ったテストで調べると、通常のマウスと同水準だった。別のマウスに与えると神経細胞が増えていた。  ダウン症の人の細胞から作ったiPS細胞に化合物を加える実験でも、神経細胞が増えることを確認した。  この化合物を投与しても染色体の異常自体は変化しないが、ダウン症の出生前治療につながる可能性がある。萩原教授はそれを期待しつつ、「臨床で妊婦に使うには安全性や、社会的な合意を得るうえでハードルが高い。まずは脳梗塞(こうそく)などの治療薬として開発を目指したい」と話す。  妊婦の血液でダウン症など胎児の染色体異常を調べる新型の出生前診断では、染色体異常が確定した人の9割以上が人工妊娠中絶している。一方、知的な発達の遅れが出る可能性があっても出産を望む人もいる。  胎児治療が可能になれば、妊娠の継続、人工妊娠中絶のほかに選択肢が増えることになるが、国立成育医療研究センター遺伝診療科の小崎里華医長は「マウスや細胞での研究段階で、母体への影響や薬の投与の量、時期、長期的な効果など課題は多い」と話す。(西川迅、合田禄)> とある。

 その予兆は速やかに捉えられたに越したことはない "アルツハイマー病" ゆえに、その早期発見手段としての "採血、血液検査" の方法は、かねてより追及されてきた。

 ◆ 参照 当誌過去の "アルツハイマー病 採血" 関連記事

  <今回、研究グループでは、アミロイドベータがたまった高齢者と健康な高齢者合わせて60人以上から血液を採取し、アミロイドベータがたまった人の血液では「APP669-711」と呼ばれるたんぱく質の量が僅かに変化していることを突き止めました。......> ( アルツハイマー病の原因物質の蓄積が判定できる新技術!血液が数滴あればできる検査!/当誌 2014.11.12


 今回注目する下記引用サイト記事採血しアルツハイマー診断 京都医大開発、簡便迅速/共同通信/2017.09.05 - 01:32 は、  <アルツハイマー病かどうかを、腕から採取した血液を使って診断できる手法を開発したと、京都府立医大の徳田隆彦教授(神経内科学)らのチームが4日付の海外の専門誌電子版に発表した> と報じている。

 <......徳田教授は「新手法は体への負担が少なく簡便で、正確、迅速に判別できる」と話している。  チームによると、「タウ」というタンパク質のうち、脳内に蓄積しやすいタイプのタウが増えるとアルツハイマー病になりやすいため診断ではこの異常なタウの血中量を測定。これまで、脳脊髄液から検出する方法はあったが、背中に針を刺して採取する必要があった> とある。

 一口に "認知症" と言っても、実は、 "アルツハイマー型/脳血管性/レビー小体型/前頭側頭型など" と、症状や原因が異なる様々な種類がある。  また、"認知症" はという病気は複雑でもあるため、あらゆる視点・手法からの研究がなされてはいるものの、いまだに決め手となるほどの治療法は確立されていない。

 ◆ 参照 当誌過去の "認知症" 関連記事

 (1) 認知症「前段階」(MCI)が半数回復!回復可能なことを示す!愛知で高齢者4年追跡調査/当誌 2017.08.21
 (2) "認知症"治療・予防薬、新薬の登場は?早くて2020年ごろと想定されるも簡単ではない!/当誌 2016.02.03/>
 (3) 65歳以上の4人に1人が認知症とその"予備軍"となる見込み! 認知症に関する基礎知識!/当誌 2014.01.07


 今回注目する下記引用サイト記事認知症に繋がる...?研究から分析した9つの要因
/livedoor - COSMOPOLITAN/2017.09.03 - 10:51 は、  <最新の論文によると、認知症のリスクを高める9つの要因が明らかになったそう。<Good Housekeeping>によれば、その中には、中年期の聴力低下(損失)、社会からの孤立、うつ病治療の遅れなどが含まれているという> と報じている。

 <......<BBCニュース>が伝えた内容によれば、認知症予防、介入、治療に関するランセット委員会は、こうしたリスク要因は認知症発症率の最大35%を占めるものの、改善が可能な内容だと分析。ただし、それ以外の65%については、個人では防ぎようがないという。 9つのリスク要因は次のとおり

 1.中年期の聴力低下(損失)― 9%
 2.高校中退 ― 8%
 3.喫煙 ― 5%
 4.うつ病早期治療の遅れ ― 4%
 5.運動不足 ― 3%
 6.社会からの孤立 ― 2%
 7.高血圧 ― 2%
 8.肥満 ― 1%
 9.2型糖尿病 ― 1%

この論文で取り上げられた所見を補足する形で、著者は 2 について詳しく説明している。高校を中退することが大きなリスク要因となるのは、人は生涯学び続けることで脳の余力が鍛えられるため、学業中退者はその機会を逃している可能性が高いからなのだとか。  また今回、<BBCニュース>が伝えたこの内容は、ロンドンで開催されるアルツハイマー病協会国際会議で発表されるそう。  この論文について、アルツハイマー協会で研究部長を務めるダグ・ブラウン博士は「認知症は予防できるとはいえ、21世紀最大の課題です。みんながリスクを自覚し、生活習慣を改善しなければなりません」とコメントしている。  ※この翻訳は、抄訳です。  Translation: Rubicon Solutions, Inc.> とある。

 がんの治療法をはじめとして、"ゲノム(全遺伝情報)" に焦点を合わせるアプローチが、重要視されつつあるのが昨今である。

 今回注目する下記引用サイト記事厚労省、認知症治療へゲノム管理 拠点を新設、AIでデータ解析/共同通信/2017.08.23 - 14:11 は、その "認知症" 適用とでも言うべき動向であり、  <認知症の治療対策を進めるため、厚生労働省が患者のゲノム(全遺伝情報)などを一元的に管理、解析するデータセンターを新設する方向で検討していることが23日、分かった。認知症のゲノム解析を目的とした大規模拠点の設置は初めて。人工知能(AI)で膨大なデータを分析することにより、治療法を確立することも期待される> と報じている。

 <......65歳以上の認知症患者は2012年の462万人から25年には700万人に急増することが見込まれており、国を挙げての対策が急務となっている。データセンター新設はその一環で、18年度予算の概算要求に関連費用を盛り込む> とある。

 新しいがん治療法として、免疫細胞に遺伝子操作を施した "がん免疫細胞療法" が、米国で承認されたという。

 今回注目する下記引用サイト記事ノバルティスの新型がん免疫薬、米で承認/日本経済新聞/2017.08.31 は、  <【ワシントン共同】 米食品医薬品局(FDA)は30日、製薬大手ノバルティスが開発した、治療が難しい子どもの白血病患者に対する新型のがん免疫細胞療法を承認したと発表した> と報じている。

 <......患者の免疫細胞に遺伝子操作を加えてがんに対する攻撃力を増強する治療法で、効果の高さが注目されていた。広く実施が認められたものとしては、米国初の遺伝子治療となる。  治療は小児や若者の急性リンパ性白血病の患者が対象。患者から取り出した免疫細胞のリンパ球に遺伝子操作を加え、がん細胞を見つけ攻撃する能力を高めた上で体内に戻す> とある。

  "パーキンソン病のサル" を、 "iPSからのドーパミン産生細胞" 移植によって症状改善する研究については、昨日も注目したところだ。

 ◆ 参照 当誌過去の "パーキンソン病のサル" 関連記事

  パーキンソン病のサル、"iPSからのドーパミン産生細胞"移植で症状改善!京大が確認!/当誌 2017.09.01


 今回注目する下記引用サイト記事iPSでパーキンソン病改善 サルで1年超有効確認/京都新聞/2017.08.31 - 11:33 は、昨日の記事よりやや詳細なものであり、  <ヒトiPS細胞(人工多能性幹細胞)から作製したドーパミン神経細胞を、パーキンソン病のカニクイザルの脳に移植し、1年以上の長期にわたって有効性と安全性を確認したと、京都大iPS細胞研究所の高橋淳教授や菊地哲広研究員らのグループが31日、英科学誌ネイチャーで発表する。今回の成果などをもとに、2018年度中に治験を申請する方針も示した> と報じている。

 <......パーキンソン病は、神経伝達物質ドーパミンを作る神経細胞の変性が主な病因で、手足が震えから進行し、運動機能が失われていく高橋教授らは、これまでにもヒトiPS細胞由来のドーパミン神経細胞をパーキンソン病のカニクイザルの脳に移植する実験を行ってきたが、今回は、移植する細胞の作製法や量などを治験での計画と同一にして、詳細に評価した。  実験では、ヒトiPS細胞由来のドーパミン神経細胞を8匹のカニクイザルの脳に移植した。移植が原因とは考えられない病気を発症した1匹を除いて移植後約1年にわたり、徐々に足の震えが減り、行動が活発化することが確認できた。また、サルの脳の組織を調べ、移植した細胞が一定量生着してドーパミンを作り出していることや、1年半から2年は脳内に腫瘍を作らないことも確かめた。  高橋教授や森実飛鳥助教のグループは、カニクイザル由来のiPS細胞について、拒絶反応が起きにくい細胞の型から作った神経細胞をカニクイザルの脳に移植すると生着率が高く、炎症がほとんど起きないことも確認し、英科学誌で同日発表する。治験では、拒絶反応が起きにくいヒトiPS細胞を備蓄した「iPS細胞ストック」を使った移植を行う予定で、その有用性も確認できたという。  高橋教授は「基礎研究を実際の医療に応用するためには、そのプロセスが重要となる。治験の前に、ヒトと同じ霊長類で有効性と安全性をしっかりと確認することができたと考える」と話している> とある。

 根本的な治療法は難しいとされている "パーキンソン病" にあっては、≪ iPS細胞を作製 ⇒ ドーパミンを作る神経細胞に変えて培養 ⇒ 移植 ≫ という研究が進められてきた。

 ◆ 参照 当誌過去の "パーキンソン病 iPS" 関連記事

 (1) <......パーキンソン病は、脳内の神経細胞「ドーパミン産生細胞」が機能しなくなり、脳が体に運動するよう出す指令がうまく伝わらなくなる。根本的な治療法として、iPS細胞からこの神経細胞をつくって患者の脳に移植する研究を、山中教授が所長を務める京大iPS細胞研究所の高橋淳教授らが進めている......> ( パーキンソン病 来年度にも臨床! iPS細胞からこの神経細胞を作り患者の脳に移植!/当誌 2016.09.20
 (2) <......京大iPS研の高橋淳教授(脳神経外科)らの計画では、患者自身の細胞からiPS細胞を作り、ドーパミンを作る神経細胞に変えてから、針を使って患者の脳の中央部に高い精度で注入する。今回の研究は、移植で有害なことが起きないか確かめるのが主な目的だが、移植した細胞がうまく働けば、病気の進行を抑えられる可能性がある......> ( 脳に"iPS神経細胞"移植へ!"パーキンソン病"治療めざす臨床研究!(京大iPS細胞研究所)/当誌 2015.05.20


 今回注目する下記引用サイト記事iPS移植サルの症状改善 パーキンソン病、京大が確認/共同通信/2017.08.31 - 02:06 は、  <人の人工多能性幹細胞(iPS細胞)から神経の元になる細胞を作ってパーキンソン病のサルの脳に移植し、最長2年間観察した結果、症状が改善し、腫瘍ができる異常も起きなかったと、京都大の高橋淳教授のチームが30日付の英科学誌ネイチャー電子版に発表した> と報じている。

 <......チームは2018年度、患者に移植する治験を計画。霊長類で長期の解析結果が出たのは初めてで「有効性と安全性が確認できた」としている。  パーキンソン病は脳の神経伝達物質ドーパミンを出す神経細胞が減り、手足の震えや体のこわばりなどが起こる難病。根本的な治療法はない> とある。

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