yasuo hirose: 2015年2月 アーカイブ

 "がん手術後のがん転移" が、"心臓から分泌されるホルモン" によって "抑制、予防される" という点については、当誌でも昨日関心を向けた。

 ◆ 参照 当誌過去の "ホルモン,がんの転移" 関連記事

  "心臓から分泌されるホルモン" が "がんの転移"を防ぐ!9施設で初臨床研究へ!(国循)/当誌 2015.02.27


 今回注目する下記引用サイト記事国循など、心臓ホルモンによるがん転移予防効果の仕組みを解明/マイナビニュース/2015.02.25 は、<心臓ホルモンによるがん転移予防効果の仕組み> の実際について報じている。
 <心臓から分泌されるホルモンである心房性ナトリウム利用ペプチド(ANP)が、血管を保護することでさまざまな種類のがんの転移を予防・抑制> というのがその "仕組み" なのだそうだ。


 <国立循環器病研究センター(国循)は2月24日、大阪大学との共同研究で、心臓から分泌されるホルモンである心房性ナトリウム利用ペプチド(ANP)が、血管を保護することでさまざまな種類のがんの転移を予防・抑制できることを確認し、その仕組を明らかにしたと発表した。  同成果は国循の野尻崇 生化学部ペプチド創薬研究室長、細田洋司 組織再生研究室長、徳留健 情報伝達研究室長、寒川賢治 研究所長らと、大阪大学呼吸器外科の奥村明之進 教授らの共同研究グループによるもので、米国科学アカデミー紀要に掲載される予定。  ANPは1984年に寒川氏らによって発見された心臓ホルモンで、心不全に対する治療薬として使用されている。また、肺がん手術の際、術中から3日間ANPを低用量持続投与することで術後の不整脈を抑制できることや、高齢者や閉塞性肺疾患を合併する肺がん患者ではさまざまな心肺合併症を予防できることが報告されている。  今回、肺がん手術時にANPを投与した患者を追跡調査したころ、本来は合併症予防のために投与されたANP群(手術+ANP群)は、手術単独群と比較して術後2年無再発生存率が良好であった。両軍において、年齢や性別、がん進行度などをマッチングさせた統計解析でも同様の結果が得られたことから、ANPが何らかのがん転移・再発抑制硬効果を持つことが考えられ、基礎的見地から解明が進められた。  マウスを用いた研究の結果、ANPはがんに直接作用しているわけではなく、血管への作用によるものだということが判明。ANP投与前後の血管内皮細胞を網羅的に遺伝子解析した結果、E-セレクチンという血管に特異的に発現している接着分子が、ANPによって最も抑制されている遺伝子であることがわかった。  がん手術時に血中に放出されるがん細胞はその多くが短期間で消退するが、手術時の炎症に惹き起こされた血管E-セレクチンの発現亢進によってその一部が血管へ接着・浸潤し、術後の早期再発・転移の一因となっている今回の研究結果から、ANPは炎症によって起きるE-セレクチンの発現を抑制することでがんが血管へ接着することを防ぎ、再発・転移を抑制していると考えられる。  今回の研究成果により、国循主導の肺がん手術を対象とした全国規模での多施設臨床研究を開始する予定となっている。> とある。




















  "がん治療" における "最も切実な課題" のひとつは、"再発・転移" の "抑制/阻止" だと言われている。
 なお、<転移(てんい、metastasis)とは、腫瘍細胞が原発病変とは違う場所に到達し、そこで再び増殖し、同一種類の腫瘍を二次的に生じること。> だとされる。この "転移" をいかに "抑制/阻止" するかの研究に、熱い視線が注がれている。


 ◆ 参照 当誌過去の "がん転移" 関連記事

 (1) がん転移促す遺伝子発見!転移を抑える薬剤や術後経過の診断法開発への期待!(京大)/当誌 2015.01.25
 (2) がん:"既存薬(肝炎治療薬セロシオン)"で"転移抑制"!九大教授らマウス実験で確認!/当誌 2015.01.05


 今回注目する下記引用サイト記事ホルモンでがん転移防ぐ 9施設、初の臨床研究へ/【共同通信】/2015.02.24 - 20:25 は、<心臓から分泌されるホルモンが、がんの転移を防ぐことが分かり、肺がんの手術の際に投与する臨床研究を近く9施設で始める> と報じている。

 <心臓から分泌されるホルモンが、がんの転移を防ぐことが分かり、肺がんの手術の際に投与する臨床研究を近く9施設で始めると国立循環器病研究センター(大阪府)が24日、発表した。  センターによると、ホルモンが、転移の経路となる血管に作用して転移を防ぐ仕組み。こうした臨床研究は世界初。  記者会見した同センター研究所の寒川賢治所長らによると、9施設は大阪大や北海道大、山形大、東京大、神戸大の各病院などで、対象は手術を受ける肺がん患者500人。半数に手術直前から3日間投与し、2年後の再発率を比較する。> とある。

 加齢による "骨粗しょう症" は、加齢によって "カルシウム吸収の悪化" が生じることをひとつの原因とするとともに、これまた加齢によって骨の生成に関わる "骨芽細胞" と "破骨細胞" とのバランスが崩れることにも起因していると考えられている。

 ◆ 参照 当誌過去の "骨粗しょう症" 関連記事

  宇宙で効いた「骨の特効薬」!加齢で侮れない"骨粗しょう症"の「特効薬」に繋がるか!?/当誌 2013.01.09


 今回注目する下記引用サイト記事紅茶の苦みで骨強化 ... 阪大チームがマウスで確認/yomiDr. ヨミドクター/2015.02.25 は、<紅茶の苦みや赤い色の成分に含まれる物質(ポリフェノール)が、骨の中で破骨細胞が生まれるのを抑えること> を、マウスの実験で確認した、と報じている。
 <(この)物質から薬やサプリメントを開発すれば、骨粗しょう症予防に効果が見込める。もともと食品に含まれる物質で安全性は高い> と。


 <紅茶に含まれる苦み成分に、骨が壊れるのを抑える働きがあることをマウスの実験で確認したと、大阪大などの研究チームが発表した。  骨の量が減って起きる骨粗しょう症の、新たな予防薬開発につながる成果という。論文が、24日の科学誌ネイチャーメディシン電子版に掲載される。  骨には、カルシウムでできた硬い組織を作る「骨芽細胞」と古くなった組織を壊す「破骨細胞」があり、互いがバランスを取って骨の強度を保っている。年を取ってバランスが崩れると、骨粗しょう症が起きる。  阪大の石井優教授と西川恵三助教らは、紅茶の苦みや赤い色の成分に含まれる物質(ポリフェノール)が、骨の中で破骨細胞が生まれるのを抑えることを明らかにした。骨粗しょう症になり破骨細胞が過剰に生まれていたマウスに、この物質を3日に1回ずつ注射すると、3週間後には破骨細胞が目立って減り、骨の強度もほぼ正常になった。  ただ、マウスに与えた1回の投与量を体重60キロの人がまかなうには紅茶を一度に60杯飲む必要があり、ふつうに紅茶を飲んでいても改善効果は見込めそうにないという。西川助教は「物質から薬やサプリメントを開発すれば、骨粗しょう症予防に効果が見込める。もともと食品に含まれる物質で安全性は高い」と話す。(2015年2月25日 読売新聞)> とある。

 比較的簡便な "血液検査" によって、"早期発見" が求められている病気アルツハイマー病、すい臓がんなど)の発見が可能となり始めた。

 ◆ 参照 当誌過去の "血液検査" 関連記事
 (1) アルツハイマー病の原因物質の蓄積が判定できる新技術!血液が数滴あればできる検査!/当誌 2014.11.12
 (2) すい臓がんを"血液検査"で早期発見(味の素)!早期では"自覚症状"が少ないすい臓がん!/当誌 2014.10.09


 今回注目する下記引用サイト記事【 引用記事 1 】 うつ病、血液分析から診断 鶴岡のHMTが開発/河北新聞/2015.02.21、 【 引用記事 2 】 うつ病を血液検査で簡便に診断する検査法を開発/Human Metabolome Technologies プレスリリース/2011.06.02 は、<鶴岡市のバイオベンチャー、ヒューマン・メタボローム・テクノロジーズ(HMT)は20日、同社が特許登録した血液バイオマーカーを使い、大うつ病性障害(うつ病)かどうかを検査する委託契約を東横恵愛病院(川崎市)、保健科学研究所(横浜市)と締結> と報じている。
 既に、2011年に <HMTは血液のメタボローム解析で、うつ病患者はEAP濃度が低いことを発見。うつ病診断のバイオマーカーになるとして、共同研究者とともに特許登録> しており、今回の記事は、現場の医療機関との契約締結へと発展したとの進捗が報じられている。


 <鶴岡市のバイオベンチャー、ヒューマン・メタボローム・テクノロジーズ(HMT)は20日、同社が特許登録した血液バイオマーカーを使い、大うつ病性障害(うつ病)かどうかを検査する委託契約を東横恵愛病院(川崎市)、保健科学研究所(横浜市)と締結した。  発表によると、東横恵愛病院が患者から血液検体を採取し、保健科学研究所を通じてHMTに運ぶ。血液中のエタノールアミンリン酸(EAP)を測定し、結果は研究所経由で病院側に伝える。  HMTは血液のメタボローム解析で、うつ病患者はEAP濃度が低いことを発見。うつ病診断のバイオマーカーになるとして、共同研究者とともに特許登録している。  HMTによると、国内のうつ病患者は約95万人。適切な処置をすれば治癒するが、診断は専門医による問診しか手段がなく、見逃されるリスクが高かった健康診断や専門外の診療科でも発見できるよう、客観的な指標による診断方法の確立が求められていたという。> とある。

 再生医療の研究分野では、"iPS細胞" とともに "ES細胞(胚性幹細胞)" からの "臓器の立体組織" 作製の研究が進展している。

 ◆ 参照 当誌過去の "ES細胞" 関連記事

 (1) 人の"ES細胞(胚性幹細胞)"から"小脳神経"作成成功!(理研/広島大)脳疾患治療期待!/当誌 2015.01.31
 (2) 腎臓病に朗報!"体性幹細胞"からの"腎臓の立体組織"作製に成功!岡山大・杏林大など!/当誌 2014.11.26


 今回注目する下記引用サイト記事人のESで目の毛様体縁、理研 網膜疾患治療に応用期待/【共同通信】/2015.02.19 - 19:38 は、<体のさまざまな細胞や組織になる人の胚性幹細胞(ES細胞)から、胎児の目にある「毛様体縁」を含む網膜の立体組織> が作られたと報じている。 そして、<今回の網膜組織を使えば目の難病治療に役立つ可能性がある> という。

 <体のさまざまな細胞や組織になる人の胚性幹細胞(ES細胞)から、胎児の目にある「毛様体縁」を含む網膜の立体組織を作ることに理化学研究所多細胞システム形成研究センター(神戸市)と住友化学のチームが世界で初めて成功し、19日付の英科学誌電子版に発表した。  毛様体縁には、網膜を構成する視細胞神経節細胞を作るもとになる幹細胞が含まれていた。チームは「網膜ができる仕組みを知る手掛かりになり、今回の網膜組織を使えば目の難病治療に役立つ可能性がある」とした。> とある。

 医療分野にも "ナノテクノロジー" の応用は浸透し始めていると言われる。

 <将来的には、診断・輸送・薬物投与といった複雑な機能を兼ね備えることで、がん細胞と正常細胞を見分け、がん細胞にのみ抗がん剤を注入する医療用分子ロボット
 ( 参照 ナノテクノロジー/生体分子ロボットの世界コンペで日本勢(東北大/東工大)が快挙達成!/当誌 2012.12.28


 今回注目する下記引用サイト記事「超小型無人機」で血流からコレステロール除去、米研究/時事ドットコム/2015.02.20 - 13:21 は、<超小型無人機のように動作する微小ナノ粒子を使い動脈内に蓄積したプラーク(引用者注:動脈硬化等で現れる血管の病変。)まで薬剤を運んで治療する実験的治療法コレステロール治療法> について報じている。

 <【マイアミAFP=時事】 超小型無人機のように動作する微小ナノ粒子を使い動脈内に蓄積したプラーク(引用者注:動脈硬化等で現れる血管の病変。)まで薬剤を運んで治療する実験的治療法を開発中との研究論文が、18日の米医学誌「サイエンス・トランスレーショナル・メディシン」に掲載された。(写真は米ニュージャージー州ニューアークの医療施設で、患者の血中コレステロール値を測定する医療スタッフ)  このコレステロール治療法は現在のところ、まだ実験用マウスでの試験が行われている段階だが、ナノ粒子自体はすでにがん患者に対する臨床試験が実施されている。  今後さらに安全性試験を重ねる必要があるが、現在のところ科学者らは、アテローム性動脈硬化症の治療に新たな道が開ける可能性があるのではと注目している。アテローム性動脈硬化症は、米国やその他の先進国における死因トップの心疾患を引き起こす。  米ブリガム・アンド・ウィメンズ病院と米コロンビア大学メディカルセンターが主導した今回の研究では、標的型ナノ粒子に抗炎症薬を組み込んで運ばせ、プラークが蓄積されている標的部位で治療薬を放出させた。  研究チームは、進行性の動脈硬化が起きるアテローム性動脈硬化症を発症したマウスを2グループに分け、一方のグループに5週間にわたる治療を施して、未治療グループとの比較を行った。論文によると、標的型ナノ粒子を投与されたグループでは「動脈への損傷が著しく修復され、プラークは安定化した」とされる。  ただ、マウスは心臓発作を起こさないため、今回の治療法が人間でどの程度有効かについては、人間での臨床試験を試行しなければ分からない。人を対象とした臨床試験の実施は数年先になる可能性がある。 【翻訳編集AFPBBNews】 〔AFP=時事〕(2015/02/20-13:21)> とある。

 ほぼ常識化していた医学的事実が、時として反転(?)することもあるようだ。
 "メラニン色素" が "紫外線" を遮断して "皮膚がん" を防ぐとされていた点に、新たな研究結果が浮上したという。



 今回注目する下記引用サイト記事皮膚がんにメラニンの原料が関与 藤田保健大など解明/日本経済新聞/2015.02.20 - 11:37 は、<皮膚や髪に含まれる黒い色素「メラニン」の原料に紫外線が当たると皮膚がんを引き起こすこと>、<メラニンのもとになる物質が分解され、細胞内の核に入り込みDNAを傷つけた。DNAが傷ついた細胞はがんになった> と報じている。
 <これまでメラニンは紫外線から皮膚を守る働きがあるとされていたが、がんの発症にも関わっていたことが判明> とあり、少なからぬ驚きで受けとめられている


 <藤田保健衛生大学の若松一雅教授と米エール大学などの研究グループは、皮膚や髪に含まれる黒い色素「メラニン」の原料に紫外線が当たると皮膚がんを引き起こすことを突き止めた。これまでメラニンは紫外線から皮膚を守る働きがあるとされていたが、がんの発症にも関わっていたことが判明した。   研究チームは培養した皮膚細胞などを使った実験で確認した。地上に降る紫外線全体の95%を占める「UVA」という光を細胞に当てたところ、メラニンのもとになる物質が分解され、細胞内の核に入り込みDNAを傷つけた。DNAが傷ついた細胞はがんになった。  メラニンは紫外線を遮る働きがあり、皮膚がんを防ぐ効果があるとされる。それでも、白人に比べてメラニンが多い黒人でも紫外線によって皮膚がんになることが知られ、研究チームは「黒人が皮膚がんになる原因の一端を担っているかもしれない」としている。  若松教授は皮膚がんを防ぐ方法として日焼け止めを活用するほか、「日焼け後の数時間以内にビタミンCなどを摂取すれば、ダメージを減らせる可能性がある」と話している。> とある。

 病院にせよ、老人ホームにせよ、医療なり介護なりといった本来の目的とは "真逆" の事故事件を引き起こす昨今の推移が気になる。"収益偏重!" に流れる今日の社会趨勢が底流にあるからであろうか......。


 今回注目する下記引用サイト記事「ワタミの介護」ホーム、ノロ食中毒で1人死亡/yomiDr. ヨミドクター/2015.02.20 は、<「ワタミの介護」(大田区)が運営する有料老人ホーム「レストヴィラ東大和」(東大和市、65人入居)で入居者16人が集団食中毒を起こし、うち1人が死亡した> と報じている。<ノロウイルスが検出給食を原因とする食中毒と断定> されている。

 <東京都は19日、「ワタミの介護」(大田区)が運営する有料老人ホーム「レストヴィラ東大和」(東大和市、65人入居)で入居者16人が集団食中毒を起こし、うち1人が死亡したと発表した。  発表によると、76~95歳の男女16人が12日夜から13日午後にかけて下痢や嘔吐(おうと)などの症状を訴え、うち84歳の男性が吐しゃ物を喉に詰まらせて15日に死亡した。  16人はいずれも、同ホームが10~12日に提供した給食を食べていた。同ホームの調理担当者と入居者10人からノロウイルスが検出され、都は、給食を原因とする食中毒と断定した。  都は、同社に対し、19日から3日間、同ホームでの食事を供給停止とする処分を行った。(2015年2月20日 読売新聞)> とある。

 "がん治療" においては、"がん自体" の克服もさることながら、諸々の "がん後遺症" についても懸念がつきまとう。
 中でも、"リンパ浮腫" の発症は、がん患者さんたちを思いのほか苦しめるものと見られている。


 ◆ 参照 当誌過去の "リンパ浮腫" 関連記事

 (1) "がん後遺症"(リンパ浮腫)に苦しむ人が多い現状!医療関係者の間でも比較的関心低い?!/当誌 2014.06.2
 (2) "リンパ浮腫"!"がん治療"(手術/抗がん剤/放射線)の"副作用"として発症する"むくみ"!/当誌 2014.06.20


 今回注目する下記引用サイト記事早期発見で重症化防ぐ 長く付き合う心構えを がん手術後のリンパ浮腫/47 NEWS - 医療新世紀/2015.02.17 は、<乳がんや子宮がんの手術などに伴う後遺症で、手や脚がむくむリンパ浮腫早期発見と適切なケアで重症化を防げることが分かっているが、手術後何年もたってから発症する例もある。「がん治療後」の期間は長くなっており、リンパ浮腫とも長く付き合う心構えが大切> と報じている。

 <乳がんや子宮がんの手術などに伴う後遺症で、手や脚がむくむリンパ浮腫早期発見と適切なケアで重症化を防げることが分かっているが、手術後何年もたってから発症する例もある。「がん治療後」の期間は長くなっており、リンパ浮腫とも長く付き合う心構えが大切になりそうだ。  ▽ 排水管  私たちの体内には、血液を循環させる血管のほかに、リンパ液を流すリンパ管が張り巡らされている。リンパ管は、毛細血管から細胞の隙間に漏れ出した水分やタンパク質などの老廃物を心臓へと運ぶ、一種の排水管だ。  リンパ管の要所要所にあるリンパ節という組織は、がんの広がり具合を知る手がかりとしても重視されているため、がんを手術で取り除く際、病巣近くのリンパ節が一緒に切除されることも少なくない。その結果、リンパ液の流れが滞って起きるのがリンパ浮腫。手術だけでなく放射線治療が原因になることもある。  乳がんでは脇の下にあるリンパ節を切除するため腕がむくみ、子宮がん、卵巣がんなどでは骨盤内にあるリンパ節を取るので脚がむくむ。リンパ浮腫になるのはリンパ節を切除した人の2~3割程度とみられ、手術後1年以内の発症が多いが、10年以上たってから、過労やけがなどをきっかけに発症することもある。  ▽ 日常の注意  東京でリンパ浮腫専門のクリニックを開業する広田彰男医師は「初期に日常生活に注意すれば進行は十分抑えられる」と話す。例えば体重が増えないよう減量を心がける、手術した側の手や脚への負担を避け、就寝時は枕などを使って心臓よりやや高めに保つなどだ。これらは症状が進んだ後も大切になる。
 生活上の注意以外の治療の柱は ①皮膚の手入れ ②正しいマッサージ ③圧迫療法 ④圧迫した状態での運動。けがや虫さされで皮膚に炎症が起きると、リンパ浮腫の発症や悪化のきっかけになるため、皮膚を健康な状態に保つことは重要だ。  リンパ浮腫のマッサージは皮膚の表面を手のひらでなでるように行う。筋肉をもみほぐすような強いマッサージとは全く異なる。......  手や脚を包むように圧迫してむくみを防ぐのが圧迫療法で、圧迫した状態での運動も推奨される。これに使うストッキングなど弾性着衣の一部には、購入に健康保険が適用される。  ▽ 変化も  2009年にリンパ浮腫治療室を開設したがん研究会有明病院 (東京)婦人科の宇津木久仁子副部長によると、不必要なリンパ節切除はなるべく避ける方向に、がん医療も変化してきたという。  乳がんでは、がん細胞が最初に転移するとみられるリンパ節の検査法が進歩したため、リンパ節の切除はかなり削減された。一方、子宮や卵巣のがんでそれを突き止めることは難しい。「それでも生存率などに影響がない限り、手術は縮小しようという意識は高まりつつある」と宇津木さんは話している。
(共同通信 吉本明美)> とある。

 "認知症の人" と言えばどうしても "徘徊" 目が向いてしまい、そこでは周囲の方たちの戸惑いばかりに焦点が合わされてしまう。だが、ご当人たちは一体どんなことを "困っていること" として自覚されておられるのだろうか......。

 今回注目する下記引用サイト記事認知症の悩みトップは「現金どこに」...半数以上/yomiDr. ヨミドクター/2015.02.17 は、<本人を対象にした初の全国調査> の結果として、<最多は「現金をどこにしまったか忘れてしまう」の51%で、記憶力の低下が原因のトラブルが上位に入った> という実態を報じている。

 <認知症の人日常生活でどんなことに困ったかを尋ねたところ、半数以上が「現金をどこにしまったか忘れてしまう」と答えたことが、国際大(本部・新潟県)が行ったアンケート調査で分かった。  研究チームは「本人を対象にした初の全国調査。結果を認知症の人が住みやすいまちづくりに生かしたい」としている。  調査は昨年10~12月に行われた。認知症の家族会や支援団体、グループホームなどを通じて調査票を配布し、認知症の人自身のほか、家族やケアマネジャーなどに本人から聞き取って記入してもらい、全国292人の当事者から回答を得た。  その結果、最多は「現金をどこにしまったか忘れてしまう」の51%で、記憶力の低下が原因のトラブルが上位に入った。「駅で迷う・バス停が見つけられない」(50・7%)など外出中に迷う心配を抱えている人も多かった。駅の券売機や自動改札、現金自動預け払い機(ATM)などの操作に苦労している実態も浮かび上がった。また、希望する対策としては、「商品選びや支払いを手伝ってくれる買い物サポーター」(65・4%)や、「スーパーのレジの支払いに時間をかけてもよい『スローレーン』の設置」(60・3%)が目立った。(2015年2月17日 読売新聞)> とある。

 身体組織の "炎症" の制御などにも関係する "TGF-β(サイトカインの一種)" は、いろいろな視点から関心を集めている。"がん" の悪性化という場面でもその役割が注目され始めている。

 ◆ 参照 当誌過去の "TGF-β,炎症" 関連記事
  <TGF-β とは  細胞増殖・分化を制御し、細胞死を促すことが知られているサイトカイン(細胞の働きを調節する分泌性蛋白の一種)> ( 実は"TGF-β"という"サイトカイン"の仕業!"慢性疲労"の原因も、"抜け毛"の原因も!/当誌 2014.03.26


 今回注目する下記引用サイト記事慢性炎症を抑えることでがんの悪性化を制御できる可能性 - 金沢大/マイナビニュース/2015.02.17 は、一般的に、<がんの進展プロセスについては、遺伝子の異常が蓄積することによって細胞ががん化し、転移・再発といった能力を獲得してより悪性度を増していくとする説が主流> とされているのに対して、<がんの悪性化進展は、特定の遺伝子変異慢性炎症相互作用により誘導されることを明らかにし慢性炎症を制御することによってがんの悪性化を制御できる可能性> があることなどの研究成果を報じている。

 <金沢大学は2月16日、モデルマウスを用いた研究で、慢性炎症反応による大腸がん悪性化の仕組みを解明したと発表した。  同成果は同大学がん進展制御研究所の大島正伸 教授らによるもので、2月16日(現地時間)発行の米国学会誌「Cancer Research」に掲載された。  がんの進展プロセスについては、遺伝子の異常が蓄積することによって細胞ががん化し、転移・再発といった能力を獲得してより悪性度を増していくとする説が主流となっている。  今回の研究では、浸潤性大腸がんを自然発生するマウスを作成して解析し、浸潤がん組織では炎症反応が強く誘導されていることに着目。研究を進めた結果、がん抑制経路であるTGF-βシグナルを抑制したマウスに潰瘍性大腸炎を誘発すると浸潤性大腸がんが発生すること観察し、がんの悪性化進展は、特定の遺伝子変異慢性炎症相互作用により誘導されることを明らかにした。  今回の成果によって、慢性炎症を制御することによってがんの悪性化を制御できる可能性が示され、将来的にはがんの悪性化進展を予防する抗がん薬の開発につながることが期待される。> とある。

 "再生医療" の実用化は、目覚ましい進展を遂げている。なお、そこでの一つの課題は、"移植材料" として使われる "細胞など" を如何に短時間で準備できるか、だと考えられている。

 今回注目する下記引用サイト記事>歯や軟骨から再生医療製品/yomiDr. ヨミドクター/2015.02.16 は、<国内で実用化された再生医療製品はいずれも患者自身の細胞から作るが、欧米や韓国では他人の細胞を使った再生医療製品が普及しつつある経済産業省は他人の細胞を材料にする製品作りの仕組みを提示し、迅速で安価な再生医療の拡大を目指す> という最新動向を報じている。

 <経済産業省は、治療で不要になった歯や軟骨などの細胞を使う、再生医療製品作りを後押しする。  国内で実用化された再生医療製品はいずれも患者自身の細胞から作るが、欧米や韓国では他人の細胞を使った再生医療製品が普及しつつある同省は他人の細胞を材料にする製品作りの仕組みを提示し、迅速で安価な再生医療の拡大を目指す。  再生医療では主に細胞を培養後に移植し、失われた組織や臓器の機能を回復させる。他人の細胞を使って製品化すれば、すぐに治療を開始でき、1人の細胞から多人数用の製品ができるのでコストが安くなる。  国内でも他人の細胞を使った臨床研究は行われているが、製品化については、「人体の商品化と社会に受け止められるのではないか」との懸念から事業が進みにくかった。  経産省は、医療機関で抜いた親知らずや手術で切除した軟骨の細胞などを、仲介役の企業や団体を介し、メーカーが受ける仕組みを想定。16日、有識者検討会を開き、スムーズに細胞を採取するための方策や、仲介役の役割を議論する。細胞の採取や検査にかかる費用も検討する。  世界の市場規模が現在の13億円から2030年には1600億円超に伸びると経産省は試算。国内で細胞を確保できなければ企業は輸入に頼ることになるため、企業が細胞を確保しやすい仕組みを整える必要があると判断した。(2015年2月16日 読売新聞)> とある。

 "破れた鼓膜" はどのように治療されるのであろうか。

 今回注目する下記引用サイト記事鼓膜の再生治験開始 先端医療センター病院など/神戸新聞/2015.02.13 - 07:00 は、<中耳炎などで鼓膜に穴が開いた患者を対象に、幹細胞を増やして再生する治療を、国内初の臨床試験(治験)として始めた> と報じている。
 <短時間の治療で済むため患者の負担が軽く、3週間ほどで穴がふさがり、聴力も改善する> のだそうである。


 <先端医療センター病院(神戸市中央区)は12日、中耳炎などで鼓膜に穴が開いた患者を対象に、幹細胞を増やして再生する治療を、国内初の臨床試験(治験)として始めたと発表した。短時間の治療で済むため患者の負担が軽く、3週間ほどで穴がふさがり、聴力も改善するという。製薬企業と協力し、2017年の製造販売承認を目指す。  鼓膜の穴の縁を切って幹細胞を活発化させ、増殖を促す薬を含んだゼラチンスポンジを穴に覆いかぶせる。スポンジを「足場」にして鼓膜が再生。スポンジは体内へ吸収される。  従来の治療法は耳の後ろを切開しなければならず、入院が必要だった。しかし、今回の手法を使うと治療は数十分で済む。  同病院は11~12年、臨床研究として10人に実施。別の医療機関でも200人以上に行われ、8~9割で鼓膜の穴が閉じた。治験は同病院が6人、慶応大病院と京都大病院が各7人を計画。15年の治療終了、17年の販売開始や保険適用を目指す。  先端医療センター病院の金丸眞一鼓膜再生担当部長は「鼓膜に穴が開いた患者は国内で100万人以上ともいわれる。できるだけ早くこの治療法を届けたい」と話す。(金井恒幸)> とある。

 "iPS細胞" の "がん化" の可能性の問題は、かねてより警戒されてきた。
 そして、この問題が、"iPS細胞作成時に組み込まれる遺伝子" と関係がある点も注目されてきた。

 "組み込まれる遺伝子" とは次のとおりだ。

 <iPS細胞は、"ヒトの皮膚などの細胞" に、"4つの遺伝子(Oct3/4, Sox2, Klf4, c-Myc)" を組み込みつつ培養し、その細胞を、"受精卵のような状態" に戻す(= "初期化" )ことによって作られる......> ( 参照 "iPS細胞"作製時における"組み込み遺伝子"の作用解明!"iPS細胞を作る新方法"の開発?!/当誌 2014.08.06 ) とされている。


 今回注目する下記引用サイト記事iPSがん化の仕組み解明 脊髄損傷マウスで慶応大/【共同通信】/2015.02.13 - 02:00 は、<iPS細胞を使った再生医療の安全性を高めるのに役立つ成果> に値する、<人工多能性幹細胞(iPS細胞)から作った神経幹細胞を脊髄損傷のマウスに移植した際、がんが生じてしまうメカニズムの一端を解明した> という研究成果について報じている。

 <人工多能性幹細胞(iPS細胞)から作った神経幹細胞を脊髄損傷のマウスに移植した際、がんが生じてしまうメカニズムの一端を解明したと、慶応大などのチームが12日付の米科学誌電子版に発表した。iPS細胞を使った再生医療の安全性を高めるのに役立つ成果という。  移植した細胞では、iPS細胞を作るときに入れたOCT4遺伝子の働きが高まっていた。さらに、細胞ががん化や転移しやすいように変化していた。  チームによると、実験に使ったiPS細胞は初期のもので、現在では研究が進み、より安全なiPS細胞が開発されているという。> とある。

 "糖尿病" の抜本的な治療法は、"インスリン" 分泌を担う "膵臓細胞" 自体を移植することだと考えられている。

 <"インスリン" 分泌が不足、不十分なために、"血糖値" を下げることができない "糖尿病" の治療は、薬の服用や注射によって、この不足する "インスリン" を補うことが目指されている。
 しかし、重篤な症状の "糖尿病" の場合は、"インスリン" 分泌を担っている "膵臓/膵島細胞" 自体を患者の体内に "移植" するという治療法が検討されることになる。......>
 ( 参照 糖尿病に"新"治療法!"膵島を皮膚下に移植"!ラット実験で成功/拒絶反応なし(京大)!/当誌 2014.06.21


 今回注目する下記引用サイト記事iPS、効率よく膵臓細胞作製 京大、マウスでインスリン分泌も/【共同通信】/2015.02.12 - 22:34 は、<人の人工多能性幹細胞(iPS細胞)から、膵臓のもとになる「膵芽細胞」を効率よく作製し、マウスに移植して正常に機能させることに成功した> と報じている。
 "効率よく作製!" という点が眼目となるようだ。


 <人の人工多能性幹細胞(iPS細胞)から、膵臓のもとになる「膵芽細胞」を効率よく作製し、マウスに移植して正常に機能させることに、京都大の長船健二教授(再生医学)と豊田太郎助教のチームが成功したことが12日分かった。成果は英科学誌電子版に発表した。  膵臓から分泌され、血糖値を調節するインスリンが出なくなる糖尿病の治療法の開発につながる可能性がある。  長船教授は「人への応用にはまだ課題が多いが、速やかに臨床試験を始められるよう努力したい」と話した。  iPS細胞を膵芽細胞に変化させる方法はいくつか報告されていたが、効率の面で課題があった。> とある。

 "中枢神経系" である "脊髄" は、脳と手足などの "末梢神経系" とを繋ぎ、脳からの運動命令を伝えたり、手足の感覚情報を返したりしている。
 ところが、もしこの "脊髄" が損傷する("脊髄損傷")ならば、"末梢神経系" の場合とは異なって、"修復と再生は不能!(決定的な治療法なし)" だと見なされている。 損傷部位以下の手足などから "運動機能" が失われ、"感覚知覚機能" も失われる(麻痺)ことになる。
 それゆえに、"脊髄損傷" は甚大な障害につながりかねないと警戒されている
。...... ( 参照 脊髄損傷のラット:酵素(たんぱく質)投与で神経細胞を再生、動き回れる回復 (京大)!/当誌 2014.05.17

 ◆ 参照 当誌過去の "脊髄損傷" 関連記事

 (1) "脊髄損傷"の新治療法(たんぱく質HGF投与)臨床試験開始(慶応大)!寝たきり患者回復!?/当誌 2014.06.18
 (2) 脊髄損傷のラット:酵素(たんぱく質)投与で神経細胞を再生、動き回れる回復 (京大)!/当誌 2014.05.17


 今回注目する下記引用サイト記事神経再生促すタンパク特定 脊髄損傷の治療に期待/【共同通信】/2015.02.11 - 15:31 は、"脊髄損傷" への有効な治療法につながる<傷ついた神経の再生を促す2種類のタンパク質を特定した> との研究成果について報じている。

 <名古屋大のグループが、血管や神経が通っているヒトの歯髄から採取した「間葉系幹細胞」の分泌物を分析し、傷ついた神経の再生を促す2種類のタンパク質を特定した。脊髄を損傷したラットの患部に投与すると、歩行機能が回復したという。11日に米科学誌電子版で発表した。  脊髄損傷は有効な治療法が開発されていない。グループの山本朗仁准教授(再生医学)によると、幹細胞そのものを移植する研究が進められているが、細胞が定着しにくく、腫瘍形成のリスクもある。今回のタンパク質を使えば、移植に頼らず、自己再生を促す新手法の開発が期待できるという。> とある。

 "iPS細胞" から、目の "網膜細胞" が作り出されたという研究成果に関してはすでに知られている。

 ◆ 参照 当誌過去の "iPS細胞 視神経" 関連記事

  iPS細胞で目の難病/"網膜色素変性症"の病態解明(慶応大学)!予防的な治療が可能か!?/当誌 2014.06.15


 今回注目する下記引用サイト記事iPSから視神経細胞作製 視覚情報を脳へ伝える軸索も/【共同通信】/2015.02.10 - 20:26 は、"視覚" 機能が成立するために欠かせない <視覚情報を脳へ伝える軸索という線維のある視神経細胞> を "iPS細胞から作製" するという <世界で初めて> の研究成果について報じている。

 <さまざまな細胞に成長させられるiPS細胞から、視覚情報を脳へ伝える軸索という線維のある視神経細胞を作製することに国立成育医療研究センター(東京)や埼玉医大の研究チームが成功し、英科学誌に10日、発表した。  眼から得られる視覚情報は電気信号となって、網膜から長さ3~5センチの神経線維(軸索)を伝って脳に到達する。この軸索を持つ視神経細胞の作製世界で初めてといい、緑内障など、軸索の異常で重い視力障害を起こす病気の仕組みの解明につながる可能性があるという。  チームは人間の皮膚からつくったiPS細胞を培養し、軸索を持った視神経細胞に変化させた> とある。

 "がんの痛み" については、昨日、『 がんの痛み取り除く治療「日本は先進国では最低水準」!必要以上に麻薬を怖がる風潮?! 』で注目したとおりだ。

 ◆ 参照 当誌過去の "がんの痛み" 関連記事

  がんの痛み取り除く治療「日本は先進国では最低水準」!必要以上に麻薬を怖がる風潮?!/当誌 2015.02.10


 今回注目する下記引用サイト記事がんの痛み
、我慢しないで 「がんと痛み」講師・服部政治さん アピタル夜間学校から/apital/2015.02.09 は、"がんの痛み" について、医師の立場から <がんに関しては、痛みを我慢する医学的なメリットはまったくありません。逆に、痛みによって「動かない」「食べない」「眠れない」状態が続けば体力の低下を招き、この先に受けるべき治療の選択肢を狭めてしまうことにもなりかねません> と明言した上で、<がんの痛みは積極的に取るべきです> という明確なアドバイスがなされている。

 <がんに伴って痛みを感じることは、残念ながら少なくありません。末期がんでは6~7割の方が痛みを訴えるという調査結果もあります。  がんに関しては、痛みを我慢する医学的なメリットはまったくありません。逆に、痛みによって「動かない」「食べない」「眠れない」状態が続けば体力の低下を招き、この先に受けるべき治療の選択肢を狭めてしまうことにもなりかねません。  患者さんが少しでも快適に日常生活が送れるようにするための医療が「緩和ケア」。がん治療と並行して積極的に行うべき大切な治療です。よく誤解されがちですが、もう治療法がなくなったから仕方なくする、というものでは決してありません。  がんの痛みを取るために使われる麻薬もまた、よく誤解されています。痛みの強さに応じて量を調整できる」という優れた特徴があり、吐き気などの副作用も他の薬と同じように抑えることができます。医師の指示の下で使えば安全ですし、恐れる必要はまったくありません。  がんの痛みは積極的に取るべきです。今回の講義を通じて「痛みに征服されないで」というメッセージが伝わればうれしいです。(聞き手・田之畑仁)> とある。

 がん治療のジャンルでは、昨今しばしば "緩和ケア" ―― 併せて "QOL(Quality of life, 生活・人生の質)" ―― という言葉を目にするようになった> わけだが、そこで "焦点" となっているは、"がんの痛み" の問題である。

 ◆ 参照 当誌過去の "緩和ケア,緩和医療" 関連記事
 (1) がんの"緩和ケア"、利用進まず(2.6% アフラック調査)!末期がんと同一視されている?/当誌 2014.07.13
 (2) "がん患者":高い自殺危険性(約20倍)!患者や家族へのサポート体制の充実を求める声!/当誌 2014.04.24


 今回注目する下記引用サイト記事がんの痛み取り除く治療「日本は先進国では最低水準」/livedoor NEWS/2015.02.08 - 07:00 は、"がんの痛み" の問題に関して、<日本では、医療技術が向上したにもかかわらず、がん性疼痛を取り除く治療が十分におこなわれていないという現実> がある、と報じている。


 <医療用麻薬の充実で、がんの痛みはほぼ確実に消せる時代になった。しかし、日本の臨床現場にはまだ問題が残っている。WHO(世界保健機関)薬物依存専門委員会委員を務める星薬科大学の鈴木勉教授に、日本のがん性疼痛(とうつう)治療の現状を解説してもらった。  がん性疼痛を除去する技術は、近年大きく向上しています。以前は余命いくばくもないときになって初めて痛みの除去を考えるのが普通でしたが、現在はたとえ早期がんでも、痛みがあるなら積極的に取り除く、という考え方が一般的になりました。  がんの痛みを取り除く薬は、痛みが小さいうちは非ステロイド性消炎鎮痛剤から始め、痛みが強くなるに従ってモルヒネなどの医療用麻薬を加えていく、という方法が確立されています。  医療用麻薬にも、注射薬、貼付剤、飲み薬などバリエーションが増え、患者の状態に応じて選択肢が広がってきました。  ところが日本では、医療技術が向上したにもかかわらず、がん性疼痛を取り除く治療が十分におこなわれていないという現実があります。  WHOのまとめによると、日本の場合、本来必要な医療用麻薬の使用量に対して実際の使用量はわずか15.6%と、先進国では最低水準です。裏を返せば、日本のがん患者の多くは、適切な治療を受けずに痛みを我慢している──ということを示しているのです。  「ダメ。ゼッタイ。」というキャッチフレーズで浸透した薬物乱用防止キャンペーンは、日本人に不正薬物の恐ろしさを根付かせました。しかし、がん性疼痛の治療のように、「正しく使えば有益になる」という点を教育しなかったため、必要以上に麻薬を怖がる人や、使うべきときに拒否するケースが後を絶たないのです。  早期であれ終末期であれ、痛みがあるのなら、まずはその痛みを取ってから、本来のがん治療を考えるべきです。  2人に1人ががんにかかり、3人に1人ががんで死ぬ時代です。そんな現代に生きる私たちは、「QOL(クオリティー・オブ・ライフ=生活の質)」だけでなく、「QOD(クオリティー・オブ・デス)」、つまり、いかにして"質の高い死"を迎えるか──にも、目を向ける必要があるのです。※週刊朝日 2015年2月13日号> とある。

 "大腸がん" は、日本では "女性のがんの死亡率1位" を占め、"男性では3位"(2020年には2位に上昇すると予想)とされている。
 "肺がん"、"胃がん" と競い合う "死亡率の高さ!" であることは間違いなさそうだ。


 ◆ 参照 当誌過去の "大腸がん" 関連記事

  微量の血液で大腸がん発見(国立がんセンター)!細胞が分泌する"エクソソーム"に着目!/当誌 2014.04.19


 今回注目する下記引用サイト記事進行大腸がんの腹腔鏡手術、生存率90%超/yomiDr. ヨミドクター/2015.02.06 は、そうした "高い死亡率" の "大腸がん" ではあるが、2004~09年に30病院で受診した大腸がん患者1057人が協力の追跡調査結果からは、<手術後の5年生存率は、開腹手術が90・4%腹腔鏡手術が91・8%> という "好成績!" が確認されたと報じている。

 <がん治療を多く手がける国内30病院が参加した研究で、進行した大腸がんの手術を受けた患者の5年生存率が開腹手術と腹腔(ふくくう)鏡手術でどちらも90%を超えたとの調査結果を、日本臨床腫瘍研究グループが発表した。  米国で先月開かれた消化器がんシンポジウムで明らかにされた。調査は、国立がん研究センターを中心とする同グループが、腹部に開けた小さな穴から、カメラや切除器具を入れて行う腹腔鏡手術の長期成績を、従来の開腹手術と比較するために行った。  大腸の多くを占める結腸と、直腸の一部にできたがんを対象とした。進行度は、がんが大腸の壁の筋肉層を超えているがリンパ節転移はないステージ2と、リンパ節転移があるステージ3。2004~09年に30病院で受診した大腸がん患者1057人が協力。患者を無作為に開腹手術(528人)と腹腔鏡手術(529人)に分け、ステージ3の患者には抗がん剤治療も行って5年間追跡した。  その結果、手術後の5年生存率は、開腹手術が90・4%腹腔鏡手術が91・8%で、同等の治療成績となった。過去の国内研究では、開腹手術と腹腔鏡手術を合わせた5年生存率はステージ2で約80%、ステージ3で約70%とされ、今回の成績はこれを大きく上回った。  手術後、5年間再発せずに生存した割合も、開腹手術79・7%、腹腔鏡手術79・3%で両者は同等だった。  発表した大分大学消化器・小児外科の猪股雅史教授は「大腸がんは、熟練した医師が手術を行えば、開腹でも腹腔鏡でも、同等の高い生存率を得られることが確かめられた。国際的にも誇れる成績だ」としている。(2015年2月6日 読売新聞)> とある。

 "中高年齢" の方で "膝関節" に "痛み" などの支障を来たしている人は多い。 その症状は、総じて "変形性関節症" と呼ばれているようだが、問題は "関節" 部における "軟骨" だと見られている。

 ◆ 参照 当誌過去の "変形性関節症" 関連記事

  <......軟骨は一度損傷すると元の状態に戻らない。根本的な治療は難しく、人工関節に換える置換治療などが行われていた。......> 将来的には変形性関節症の治療にも生かせる可能性がある"自家培養軟骨移植手術"成功!/当誌 2015.01.26


 今回注目する下記引用サイト記事幹細胞を磁石で集め治療、広島大 関節の欠損軟骨修復
/【共同通信】/2015.02.06 - 12:34 は、上記のような "膝" などの "関節の欠損軟骨" の修復再生医療を、"幹細胞" と "磁石の作用" とを活用して実施するもの、と報じている。

 <さまざまな組織になる「幹細胞」の内部に鉄粉を取り込ませ、関節に注入後に体外から当てた磁石で患部に集め、欠損した軟骨を修復する再生医療の手術を広島大病院が6日実施し、発表した。  内視鏡手術で実施でき、患者の体への負担が少ないのが特長。広島大によると、この手術は世界で初めてという。  実施したのは、広島大病院整形外科の越智光夫教授のチーム。  治療では、骨髄から採取した間葉系幹細胞に鉄粉をまぜて培養し、鉄粉を内部に取り込ませた幹細胞を作製。これを患者の関節に注入し、体外から当てた強力な磁石の力で軟骨の欠損部に集め、修復につなげる> とある。

 "エボラ出血熱" に対する治療薬の探索は、昨年の秋ごろ(2014年10月~)から始められていた。
 そして、"日本の既存、抗インフルエンザ治療薬" が注目されても来た。


 ◆ 参照 当誌過去の "ファビピラビル" 関連記事

 (1) エボラ出血熱向け"治療薬やワクチン" 臨床試験へ!日本企業の治療薬もギニアで開始!/当誌 2014.10.23
 (2) 抗インフルエンザ薬"アビガン"(富士フイルムの薬品) 独の病院でもエボラ患者に投与!/当誌 2014.10.10
 (3) エボラ出血熱、仏女性看護師治癒! "日本のインフルエンザ治療薬"(富山化学)服用で!/当誌 2014.10.07


 今回注目する下記引用サイト記事日本薬がエボラ熱治療に「有望」 仏機関が臨床試験/【共同通信】/2015.02.05 - 22:49 は、エボラ出血熱の治療薬として当初より注目、期待されて来た "日本の抗インフルエンザ薬(富山化学工業)" が、<臨床試験で「有望」な結果> を出した、と報じている。

 <フランス国立保健医療研究所(INSERM)は5日、エボラ出血熱の治療のため西アフリカ・ギニアで実施している日本のインフルエンザ薬の臨床試験で「有望」な結果が出たと発表した。報告を受けたフランス大統領府は「死亡症例が減り、治癒が増えている」と評価する声明を出した。フランス公共ラジオが伝えた。  薬は富士フイルムホールディングス(HD)傘下の富山化学工業(東京)が開発したアビガン(一般名・ファビピラビル)死者9千人に迫るエボラ熱に対し初の有効な治療法となる期待が高まった> とある。

 増加の一途をたどる "前立腺がん" については、その治療法をめぐって幅広い関心が高まっている。

 ◆ 参照 当誌過去の "前立腺がん" 関連記事

 (1) "前立腺がん"、切り急ぐな!「賢い選択」(Choosing Wisely)運動(米国)による一例!/当誌 2014.12.16
 (2) 今日本で最も増えている"前立腺がん"の増加原因!背景にある食生活変化!大豆/脂肪?!/当誌 2014.12.14
 (3) "抗がん剤「ジェブタナ」(前立腺がん用)"投与後に5人死亡!製薬会社「慎重投与を」と/当誌 2014.12.12


 今回注目する下記引用サイト記事前立腺がん新薬「ザイティガ錠」服用の1人死亡/yomiDr. ヨミドクター/2015.02.03 は、"前立腺がん" に関わって、<がん細胞の増殖を促す男性ホルモンの生成に関わる酵素の働きを抑える> という<前立腺がん新薬「ザイティガ錠」> の "服用" で、4人が重い "副作用" を発症、"うち1人が死亡" したと報じている。

 <厚生労働省は2日、前立腺がんの新薬「ザイティガ錠」を服用した患者4人が重い低カリウム血症を発症し、うち1人が死亡したとして、販売元の製薬会社に対し、こうした症状を起こす恐れのある患者には慎重に投与することなどを注意喚起するよう通知した。  ザイティガ錠は、ヤンセンファーマ社が昨年9月に発売開始。がん細胞の増殖を促す男性ホルモンの生成に関わる酵素の働きを抑える低カリウム血症は、血液中のカリウム濃度が低い状態で、筋力低下や不整脈などを引き起こすことがある(2015年2月3日 読売新聞)> とある。

 "パーキンソン病" は、<運動機能の悪化を主症状とする疾患で、長期の経過中に約8割の患者が認知症になることが知られている> とされている。
 未だ、全体的な原因究明には至っていないが、<遺伝によって起きるタイプ> があると見られ、"遺伝子" との関係の研究も進められてきた。


 ◆ 参照 当誌過去の "パーキンソン病" 関連記事

  パーキンソン病の悪化における運動障害と認知障害!認知症の発症もある程度予測可能?/当誌 2014.11.07


 今回注目する下記引用サイト記事パーキンソン病の原因遺伝子発見 遺伝性タイプ、順天堂大チーム/【共同通信】/2015.02.04 - 09:00 は、<遺伝性のパーキンソン病> が解析され、<遺伝によって起きるタイプの原因となる遺伝子を見つけたと、順天堂大などのチームが発表> し、<原因遺伝子が分かり、新たな治療薬の開発につながる可能性がある> と報じている。

 <神経の難病であるパーキンソン病のうち、遺伝によって起きるタイプ原因となる遺伝子を見つけたと、順天堂大などのチームが4日付の英科学誌に発表した。遺伝性の患者以外でも、この遺伝子の配列に違いがあると発症のしやすさが最大4・7倍高まるという。  順天堂大の船山学准教授は「原因遺伝子が分かり、新たな治療薬の開発につながる可能性がある」と話している。  チームは、遺伝性のパーキンソン病の家系で患者4人の遺伝子を解析。CHCHD2遺伝子に変異を見つけた。他の三つの家系でもこの遺伝子に変異があり、原因遺伝子と判断した。> とある。

 "がん治療" では、"治療処置後の転移" の問題が常に警戒される。そして、"消化器がん" の場合、その点への警戒から、"臓器摘出、リンパ節摘出" の外科手術が、放射線治療、化学(抗がん剤)治療と併せて実施されるようだ。
 ただし、"臓器摘出、リンパ節摘出" 手術は、まさに患者への負担が大きく、「クオリティ・オブ・ライフ(QOL(生活の質)」の観点からも問題無しとはされない。


 今回注目する下記引用サイト記事岡山大、体の負担少なく消化器がんのリンパ節転移を完全消去する新治療法/マイナビニュース/2015.02.02
 は、従来、<診断・治療のために臓器とリンパ節を切除することが勧められ> てきた "粘膜下層まで浸潤している消化器がん" のケースに対して、<患者の体に対しより少ない負担で、消化器がんのリンパ節転移を完全に消去する治療法> が開発された、と報じている。

 <岡山大学(岡山大)は2月2日、患者の体に対しより少ない負担で、消化器がんのリンパ節転移を完全に消去する治療法を開発したと発表した。  同成果は同大学大学院医歯薬学総合研究科消化器外科学分野の藤原俊義 教授、岸本浩行 助教、菊池寛次 医師らの研究グループによるもので、1月20日に米科学誌「Molecular Therapy」(Nature Publishing Group)電子版で公開された。  胃がんや大腸がんなどの消化器がんは、早期で粘膜内に留まっていれば開腹することなく内視鏡切除によって根治が望めるが、粘膜下層まで浸潤していると10-20%の確率でリンパ節転移が認められることがあるため、その診断・治療のために臓器とリンパ節を切除することが勧められるしかし、約80%の患者はリンパ節転移が見られず、結果的に手術の必要がなかったことになる。  同研究グループは、抗がんウイルス製剤「テロメライシン」をがんの下の粘膜下層に注入することで、リンパ節の微小転移を消去できることをマウスに移植した大腸がんのモデルで証明することに成功した。実験で投与された「テロメライシン」はリンパ流に乗ってリンパ節に到達し、がん細胞を選択的に殺傷したという。  「テロメライシン」は岡山大が開発したウイルス製剤で、ヒトのがん細胞に感染すると1日で10万~100万倍に増え、がん細胞を破壊する。その一方、正常組織細胞にも同様に感染するが、増殖はしないため、正常組織での損傷は少ないと考えられている米国ではすでにがん患者に対する臨床試験が実施されており、重篤な副作用は認められておらず、投与部位での腫瘍縮小効果などの有用性が確認されている。また、岡山大では食道がんに対して放射線治療と併用する臨床研究が進められている。  同剤は内視鏡でがんを切除する際に、がんを持ち上げるために粘膜下層に注入する薬剤としても利用できるため、内視鏡切除の際に同時に使用することで、万が一リンパ節転移があっても、患者の胃や大腸を温存し、QOL(生活の質)を高く保つことができると期待される> とある。

 "医療ミス" のケースはさまざまだ。相応の水準の "医療技術" の行使に関係するものから、いわゆる "凡ミス = 医療機器操作ミス" に匹敵するものまで多岐にわたっている。

 ◆ 参照 当誌過去の "医療ミス" 関連記事

 (1) 首の動脈傷つけ患者死亡!13年に北里大病院で医療ミス(静脈/動脈の誤認、抗凝固薬)!/当誌 2015.01.22
 (2) C型肝炎薬(田辺三菱)で"15人副作用死"!対策(対象外患者/専門医限定など)が奏功せず!/当誌 2014.07.27
 (3) がん放射線治療で3センチずれたところに誤照射/医療ミス!患者100人の7人に重い被害!/当誌 2014.07.26


 今回注目する下記引用サイト記事点滴ミスで患者失血死...福岡・北九州市立医療センター/yomiDr. ヨミドクター/2015.02.01 は、これまでにも決して無かったわけではない "点滴" 治療に関係して、患者死亡につながってしまった "医療ミス" として報じられている。

 <福岡・北九州市立医療センター(小倉北区)で2013年8月、女性看護師(20歳代)が点滴チューブの取り外し方を誤り、入院していた90歳代の女性患者を失血死させていたことがわかった。  同市が30日、発表した。市は過失を認め、遺族に賠償金約2500万円を支払う方針。  市によると、女性は感染症治療で入院し、同年8月23日夜、点滴を受けながら、薬剤を注入されていた。看護師が薬剤を注入していたチューブを点滴器具から抜く際、チューブの先に付いた連結管ごと外した。連結管は、血液が逆流して点滴器具から流れ出るのを防ぐ栓の役割がある。  約1時間20分後、心電図の異常を知らせる警告音に気付いた別の看護師が、病室で大量出血している女性を発見したが、間もなく死亡が確認された。連結管が外れた部分から血液が流れ出たとみられる。女性看護師は「チューブだけを外したつもりだった。連結管ごと外れるとは思ってもみなかった」と話しているという。(2015年2月1日 読売新聞)> とある。

 "がん治療法開発" にあっては、一方で、とにかく "優れた効き目!" が追及される。まさに "金に糸目をつけない" といった邁進ぶりなのであろう。
 しかし、生活者の現実にあっては、もちろん、医療費の負担能力の問題がボトルネックとなり、"現実的な治療法の選択" を決定させているはずであろう。


 今回注目する下記引用サイト記事がん治療法の選択、専門医86%「薬剤費影響」...学会調査/yomiDr. ヨミドクター/2015.01.29 は、当然と言えば当然のことだと思われる事実(調査結果)を、今さらのように報じている。
 <がん専門医の86%が「薬剤にかかる費用が治療法選択に影響している」と考えている>、<公的保険診療で患者1人にかけられる年間医療費の妥当な金額については、「400万円以下」と回答した医師が4割を超え、最も多かった> という調査結果である。


 <がん専門医の86%が「薬剤にかかる費用が治療法選択に影響している」と考えている、との調査報告を日本癌(がん)治療学会の研究班がまとめた。  公的保険診療で患者1人にかけられる年間医療費の妥当な金額については、「400万円以下」と回答した医師が4割を超え、最も多かった。  調査は、2013年7月、同学会に所属する診療経験20年以上の専門医にアンケートし、172人から有効回答を得た。  71%の医師が「治療費にかかわらず全ての患者が有効な治療を受けられるべきだと思う」と回答したが、現実には「薬の値段が治療法選びに影響している」と答えた医師は86%に上った。  「公的保険医療で、がん患者の1年間の医療費として、妥当と考える金額はいくらか」という問いに対する回答は、「400万円以下」が41%と最多、「401万~800万円」が39%で、「801万~1200万円」は14%だった。 ......(2015年1月29日 読売新聞)> とある。

 "心臓" と "シート" 状のものとの間には "縁" 浅からぬ関係があるようだ。これまでにも、"心筋細胞シート" という "再生部材" が注目を集めていた。

 ◆ 参照 当誌過去の "心臓,シート" 関連記事
 (1) iPS細胞から作った"心筋細胞シート" 心臓に同化を確認!大阪大 3年以内に臨床研究!/当誌 2015.01.28
 (2) 心不全などの心筋再生医療で世界初! "細胞シート(筋肉組織の培養)"をテルモが申請!/当誌 2014.11.03


 今回注目する下記引用サイト記事20年前開発の飲み薬で心臓回復シート、治験へ/yomiDr. ヨミドクター/2015.01.31 は、大阪大病院が、<重い心不全患者心臓に薬剤シートを貼り、血管や心筋細胞の再生を促す臨床試験(治験)> を始めるとの動きについて報じている。
 今回の "シート" は "薬剤シート" であり、"心不全治療に有効" とされる "薬剤" としての "シート" で、<約20年前に飲み薬として開発されながら発売に至らなかった> "薬剤" が、ここに来て "再評価" されるに至ったとされている。


 <大阪大病院は30日、重い心不全患者心臓に薬剤シートを貼り、血管や心筋細胞の再生を促す臨床試験(治験)を6月から始めると発表した。  約20年前に開発されながら発売に至らなかった抗血栓薬が心不全治療に有効と分かり、投与法を工夫して治験につなげた。6年後の薬事承認を目指す。  国内の重症心不全患者は約10万人と推定される。治験対象は、心筋梗塞などが原因で心筋の一部が機能しなくなる「虚血性心筋症」の患者24人。  薬剤は、小野薬品工業(大阪市)が飲み薬として1993年に開発したが、下痢などの副作用が強いことが分かり、発売されなかった。  発表によると、阪大チームは4年前、この薬に心不全の治療効果があることを発見微小な球状に加工してゼラチンシートにしみ込ませ、心臓に直接貼り付けることで副作用を減らす方法を開発した。虚血性心筋症を発症させたミニブタでの実験で、血流量が増えるなど心機能の回復を確かめた。心臓の細胞に血管などの再生を促す物質を作らせているとみられる(2015年1月31日 読売新聞)> とある。

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