科学一般: 2014年3月 アーカイブ

 今回注目する記事は、前回掲載(昨日)記事( 参照 1. )の "続報" となる。

 ( 参照 1. )
  "新生児の大脳皮質"における"神経回路の成長"を"直接"観察することに成功!(遺伝研)/当誌 2014.03.30 )

 下記引用サイト記事新生児の脳の神経回路成長をマウスで観察/マイナビニュース/2014.03.30 は、文面の内容については昨日分と重複しているが、この研究の主要な成果である、観察された "神経回路の蛍光標識" の写真(=可視化!)こそが貴重であるため、再度注目してみた。

 <神経細胞は突起を激しく伸び縮みさせながら、結合すべき神経細胞に向かって突起を広げていった。遺伝子操作でNMDA型グルタミン酸受容体の働きを抑え、情報をうまく受け取れなくした神経細胞では、突起の伸び縮みが異常に激しくなり、むちゃくちゃに突起が広がったこの観察で、脳発達の正常と異常の違いがよくつかめた

 <夜行性の動物であるマウスはヒゲの感覚が発達1個の神経細胞には1本のヒゲからだけ情報が入るようにする樹状突起の形成過程も今回、明らかになった> とあるが、こうした観察を可能とするために為された次のような "可視化処理技術" の開発こそが評価されるべきなのであろう。

 <マウス大脳皮質の神経回路を生きたまま観察できる技術を初めて開発大脳皮質の神経細胞を明るく、まばらに赤色蛍光タンパク質で標識する「スーパーノバ(超新星)法」と、視床-皮質軸索を緑色蛍光タンパク質で染める方法を駆使さらに、脳の深部まで捉える二光子顕微鏡の観察技術も改良これらの新技術を組み合わせて、マウスの新生児大脳皮質の神経回路が成長する様子を直接観察> とある。

 "神経回路の発達過程" という新たな事実を究明するためには、これに相応した "新たな可視化処理技術" が開発されなければならない、という "実証的研究の手順" が重要なのであろう......。




















 "赤ちゃん" に秘められた能力! という事実にかつて驚かされたことがあった。

 < 思い起こすのは、いつぞや観てなるほどと頷いたことがある、"赤ちゃん" に秘められた能力に関するTV番組 ( 注 ) である。
 生まれて間もない "赤ちゃん" は、これから遭遇するであろうあらゆる現実環境のために、大人以上の幅広い "潜在力" を秘めているらしい。たとえば、確か、"音声" を聞き分ける能力にしても、まさに万国の言語 "音声" に対して反応できる "潜在力" を持っているという。......> ( "記憶" や "忘却" と "今を生きる" という "生き方" の在り様の検証/当誌 2010.03.21

 ( 注 )
  <「私たちの一生で、もっとも脳の潜在能力が高いのは、いつの頃か?」―――この問いに最新科学が明らかにした答えは驚くべきものだ。じつは生後8か月頃から1歳前後だというのだ。脳のなかで神経細胞同士の情報伝達を担うシナプスはその時期ピークに達したのち、早くも減少に転じてしまうのである。生まれた直後の赤ちゃんの知覚能力がきわめて高いこともはっきりしてきた。たとえば、赤ちゃんは世界中の言語の微妙な発音の違いも区別できる。つまり私たちは、いったんできたことが成長とともにできなくなるという不思議な道のりをたどっているのである。いったい、なぜそんな遠回りと思える道のりがあるのか?> ( NHKスペシャル『赤ちゃん 成長の不思議な道のり』/2008.01.21 ※ このドキュメンタリー番組は、実に秀逸だと思えた! )

 さて、今回注目する記事は、こうした "赤ちゃん" に秘められた能力!を、今後さらにつぶさに解明することにつながっていくであろうと期待させる記事なのである。

 下記引用サイト記事遺伝研、新生児の大脳皮質における神経回路の成長を観察することに成功/マイナビニュース/2014.03.28 がそれであり、<新生児大脳皮質の神経回路が成長する様子を直接観察することに成功> という画期的な研究成果について報じている。

 <国立遺伝学研究所(遺伝研)は3月27日、生まれて間もないマウスの大脳皮質の神経回路を可視化する方法を開発し、生きたまま脳の深部までとらえることの可能な改良型の二光子顕微鏡の観察技術と組み合わせることで、新生児大脳皮質の神経回路が成長する様子を直接観察することに成功したと発表/ この回路は生まれた時は未熟でおおまかにしかできておらず、さまざまな刺激により、成長することが分かっていたものの、そのプロセスやメカニズムについては、良く分かっていなかった/ 今回開発した技術を用いて新生児マウスの大脳皮質を調べたところ、神経細胞は突起を激しく伸び縮みさせながら、結合すべき正しい相手に向かって突起を広げていくことを突き止めた/ 今回開発した技術を活用していくことで、ヒトをはじめとする哺乳類の赤ん坊の脳の発達メカニズムの理解が進むことが期待できる> とある。
 末尾で併せて紹介されている<大脳皮質神経細胞が正常に成熟する様子> という画像なぞは、この技術が今後もたらすに違いない興味深い研究成果を、彷彿とさせて余りある......。

 "認知症" の半数以上(7割)を占めるとも言われる "アルツハイマー型認知症" については、当誌でも、かねてより関連記事をフォローし続けてきた

 ◆ 参照 最新関連記事
  アルツハイマー病の原因物質を短時間で検出する技術開発(早大)!病気早期発見に期待!/当誌 2014.03.28

 "アルツハイマー型認知症" の治療の主眼は "いかに発症程度を抑制し、症状進行を遅らせるか......" にあり 現状では、"根治治療法" は無い、とされている。それだけに、"新たな薬剤開発" への期待は決して小さくない

 今回注目する記事は、そうした期待が託された "新たな薬剤開発" に挑み、しかも "患者由来のiPS細胞から分化させた神経細胞" を用いるアプローチによる研究! ということだけに注目される

 下記引用サイト記事富士フイルムと京都大学iPS細胞研究所 患者由来iPS細胞を用いてアルツハイマー型認知症治療薬「T-817MA」に関する共同研究を開始/FUJIFILM/2014.03.27 がその記事であり、概要は次のとおりとなる。

 <富士フイルム株式会社(社長:中嶋 成博)と京都大学iPS細胞研究所(所長:山中 伸弥、以下CiRA)は、患者由来のiPS細胞を用いてアルツハイマー型認知症治療薬「T-817MA」に関する共同研究を、3月より開始しました。本研究は、iPS細胞を用いて「T-817MA」の有効性を予測するバイオマーカーの特定を目指すなど全く新しい新薬開発へのアプローチであり、アルツハイマー型認知症治療薬の開発を加速させるもの/ 今回、CiRAの解明結果を活用して、富士フイルムとCiRAは、アルツハイマー型認知症患者由来のiPS細胞から分化誘導させた神経細胞を用いて、「T-817MA」の有効性を予測するバイオマーカーの特定やアルツハイマー型認知症患者の治療に対する新たな臨床試験の方法の確立を目指す共同研究を行います。また本共同研究では、細胞生育・増殖のための足場である、富士フイルムの「リコンビナントペプチド(RCP)」を用いて、iPS細胞の樹立や神経細胞への分化誘導の効率化に関する検討も実施/ 今回の共同研究は、患者由来iPS細胞を用いて得た培養皿の中のデータを、実際のヒトの臨床試験でのデータに付き合わせて解析することが特長です。患者由来iPS細胞を用いて培養皿の中と実際の臨床試験を直接結びつけることは、これまでになかった新たな研究方法であり、最終的に本方法で患者さんに届くまでの薬剤開発を行うことが可能になる> とある。

 注目点はやはり、<今回の共同研究は、患者由来iPS細胞を用いて得た培養皿の中のデータを、実際のヒトの臨床試験でのデータに付き合わせて解析することが特長患者由来iPS細胞を用いて培養皿の中と実際の臨床試験を直接結びつけることは、これまでになかった新たな研究方法最終的に本方法で患者さんに届くまでの薬剤開発を行うことが可能になる> という、"新たな研究方法(新たな臨床試験の方法の確立)" 自体を併せて開発する点、であろう。

 "アルツハイマー病" を早期に発見 (原因物質 "アミロイドβ" の蓄積発見) することは、その重要性にもかかわらず、現状ではかなり困難だとされている

 ◆ 参照 <"認知症" のおよそ半数を占めるとされる "アルツハイマー病"(アルツハイマー型認知症)。その発症メカニズムは未だ全容解明には至っておらず、根治治療法は叶っていない
 そのため、治療の主眼は "いかに発症程度を抑制し、症状進行を遅らせるか......" にあるとも言われている。したがって、その兆候をいかに早期に発見するかが重要! とされる。
 ところがその発見とて、必ずしも容易ではなく、"陽電子放射断層撮影(PET)とコンピューター断層撮影装置(CT)を組み合わせた「PET―CT」" を駆使する "脳ドック" などでも、≪画像をきちんと読み取れる「読影」の専門家や、検査結果から病気との関連を判定できる医師がいるかどうか> という課題に直面しているという≫ ( "血液検査"でアルツハイマー予見、精度90%超!(米大学) 予防/早期治療に結びつくか?!/当誌 2014.03.11 【 "アルツハイマー型認知症" に関する最近の当誌記事 】含む )

 こうした現状であるだけに、米国における "血液検査"でアルツハイマー予見、精度90%超!(米大学) 予防/早期治療に結びつくか?!/当誌 2014.03.11 が注目されたりもするわけだ。

 そして、今回注目する記事は、国内(早稲田大)での研究成果である。

 下記引用サイト記事アルツハイマー病の原因物質、短時間で検出 早大が開発/日本経済新聞/2014.03.25 - 12:08 がこれだ。

 <早稲田大の逢坂哲弥教授と朝日透教授らの研究チームは、アルツハイマー病の原因物質を短時間で検出する技術を開発した。高性能な半導体センサーを使い、病気の原因とされる物質をとらえる。将来、血液による検査も可能になれば、病気の早期診断につながると期待される/ アルツハイマー病は認知症のうち7割を占める。脳内にアミロイドβ(ベータ)という物質がたまって病気を発症するとされる。アミロイドβは脳から血液にも流れ出るとされ、検出できれば早期診断につながる/ 研究チームは半導体センサーを改良。アミロイドβが付着すると、半導体に流れる電流が変化し検出できる。実験では水に溶かしたアミロイドβを1時間以内でとらえた> とある。

 まだ実用/臨床の段階ではないようだが、今後の研究が大いに期待される

 "記憶力(の向上)" というテーマは、今や、学生諸君に関係したものというよりも、国民病の様相を呈する "認知症" にとっての重要課題だと言えなくもない
 ところが、この"記憶力(の向上)" というテーマ ―― 記憶の形成、記憶の再生 ―― は、さまざまな研究がある割にはその解明が難航しているようにも見える

 ちなみに、脳内での "記憶(長期記憶)" のメカニズムにあっては、脳内の "海馬" という部位が重要な役割を果たしているようだ。この点を、先ずは前提的に意識しておきたい。

 ◆ 参照 1.
 「記憶の形成」とは、神経回路の新たなつながりが生まれることを意味しているのだ。多くの記憶情報が、共通の神経回路を利用しながら蓄積される。それまでつながりがなかった神経回路に、活発な伝達が形成されることが「記憶の形成」である。......
 記憶の形成と定着は、情報が海馬を通過することによって生まれるが、海馬の内部で記憶の蓄積が行われているわけではない。海馬に届けられた情報は、数分間から一ヶ月前後にわたって海馬内に留まると考えられているが、記憶情報の蓄積は、大脳皮質(特に側頭葉)で行われる。また、記憶を確かなものとして定着させるために、睡眠が重要な役割を果たしていると言われている。睡眠中に、新たな神経回路がしっかりと確立すると考えられているのだ。> (伊古田俊夫 著『脳からみた認知症』2012.10.20 講談社ブルーバックス)

 さて、今回注目する記事は、どうもこの "海馬" の働きに関係しているようであり、勇み足的に言えば "認知症" の解明にも関連していくかに思われるのだ......。 ただし、読み方次第では、単に "記憶力向上のハウツー" として活かすことも可であろう。

 下記引用サイト記事カフェインは学習後に記憶力向上と米研究/【共同通信】/2014.03.25 - 10:28 は、"記憶力(の向上)" というテーマに対して、"カフェイン" の効果という観点から実証的に迫っている研究成果だ。

 <コーヒーやお茶などに含まれるカフェインは、眠気を覚ます作用だけでなく、学習後に摂取すると記憶力を高める働きもありそうだとの研究を、米ジョンズ・ホプキンズ大のチームがまとめた/ 普段コーヒーをあまり飲まない160人(平均年齢20歳)が対象。無作為に2群に分け、2日がかりの実験を実施/ 1日目は、さまざまな絵を見て簡単な問いに答える課題を与えた後、200ミリグラムのカフェイン偽薬のいずれかが入ったカプセルを飲んでもらった。2日目は、前日と同じ絵のほか、よく似ているが細部が異なる絵や全く違う絵を交ぜて見せ、「前日と同じ」「前日と似ている」「初めて見る」の三つに分けてもらうテストをした/ その結果、前日と同じ絵、初めて見る絵の正答率はカフェイン群も偽薬群も差がなかったが、似ているが細部が異なる紛らわしい絵を正しく区別できたのは、カフェイン群の方が多かった。記憶がより正確だったことになる。/ こうした効果は、カフェインを100ミリグラムに減らすと見られなかったほか、2日目のテスト前にカフェインを与えた場合にも確認できなかった/ チームはこの結果を、覚えたいものを見た後にカフェインを適量摂取すれば記憶の固定に有効な可能性がある、と解釈している。今後はカフェインがどのような仕組みで記憶力に作用するのかを解明する研究が必要だとしている> とある。

 なお、"同研究" を報じる別の記事では、以下のような重要な指摘が見受けられた。

 ◆ 参照 2.
 ヤッサ博士(米ジョンズ・ホプキンズ大)は、今回の実験から、カフェインによって長期記憶が強化されると結論づけており、また、イメージ画のわずかな違いを区別できたことから、カフェインはパターン分離をつかさどる海馬に影響を与えているのではないかと推察しています> (カフェインに記憶力をアップさせる効果があることが判明/Gigazine/2014.01.16

 ◆ 参照 3.
 海馬は、過去の行動を思い出す能力を使って、例えば、いつもと違う場所に鍵を置いた場合のような、よく似ているが異なる出来事どうしの差異を検出している。「パターン分離」と呼ばれる過程だ。さらに海馬は、これとは逆の「パターン補完」と呼ばれる機能も果たしている。これは、例えば、昔の写真を見ることで海馬がその写真が撮影された当時の記憶を呼び起こす、というように、切り離された情報の断片をもとに保存された記憶が復元される過程をいう。......研究チームは現在、パターン分離とパターン補完に大きく寄与する、これら2種類の顆粒細胞集団を詳細に調べることを計画しており、仲柴研究員は、そうした研究の結果が最終的には、疾患、脳障害、加齢に伴う認知障害の神経学的起源の解明に重要な意味を持つようになると期待している。> ( RIKEN RESEARCH

 脳の代謝を高め、脳活動を刺激するとされる "カフェインの覚醒作用" については、日常生活の経験で実感されてきたはずだ。
 だが、"偽薬(プラシーボ)" による結果を並列するという "実験の定石" を踏まえて導き出した "実証的成果" は大いに注目に値する。
 と同時に、"海馬" の働きの一つである「パターン分離とパターン補完」という機能の重要性を、さらに示唆する点が興味深い


 "何が原因なのか?" が判然としない "身体の異常な症状" というのが、一番 "手を焼く" ものだ。ただただ "不安とストレス" が募り、そして、いつの間にか時間が経過して悪化の一途を辿る......。

 振り返ってみるとこうしたケースは決して少なくなさそうだが、すぐに思い当たるのが、"慢性疲労" であり、"抜け毛" なのかもしれない

 ところで、この間、"免疫のメカニズム" に対していろいろな点から関心を寄せているのだが、その "免疫のメカニズム" では、"情報伝達分子/シグナル伝達分子/サイトカイン" ( ◆ 参照 過剰な"細胞死/免疫応答"制御!又しても"免疫細胞"領域で新たな分子メカニズム発見!/当誌 2014.02.07の役割が不可欠で重要だとされている。
 ちなみに、"サイトカイン" については以下のように理解しておく。

 ◆ 参照
 サイトカイン (cytokine) とは、 細胞から放出され、種々の細胞間情報伝達分子となる 微量生理活性タンパク質で、通常低分子量(分子量は8万以下、3万以下が多数) で、 糖鎖を持つものが多い。体液を通って細胞表面の高親和性受容体などに結合し、 多面的な生物活性を発現させる。
 働きは、免疫、炎症に関係したものが多く知られるが、細胞の増殖、分化、細胞死、あるいは創傷治癒など 作用は多様......ホルモンと似ている......サイトカインとホルモンは、はっきりとした区別があるものではなく......
>( ウィキペディア - サイトカイン

 そして、今回注目する記事では、"TGF-β(ベータ)" という "サイトカイン" が問題視されている。

 ◆ 参照
 TGF-β とは  細胞増殖・分化を制御し、細胞死を促すことが知られているサイトカイン(細胞の働きを調節する分泌性蛋白の一種)>( 筑波大学 医学医療系

 結果としては単純な身体の不調の裏に、こうした "細胞/分子" レベルでのメカニズムが展開していることに、やや驚かされる......。

 下記引用サイト記事 1/2 慢性疲労は寝ても治らないって本当?「本当:ストレス発散をするしかない」/マイナビウーマン/2014.03.22 / すべての男性が抱えている「抜け毛の原因」とは?/Kao Japan(花王"育毛トニック"PRページより) が、"慢性疲労"/"抜け毛" の原因は、"TGF-β" の作用にあるという、意表を衝いた解説をしている。

 <なんとなくダルさが続く慢性疲労。休日をゴロゴロと過ごしても、疲れがとれないまま月曜日を迎えるなんてパターンがお約束だが、寝ても治らないのはなぜか?/ 慢性疲労の正体は、ストレスを感じた脳が過剰に放出するTGF-βで、自分で自分を傷つけるアレルギーのようなものだから、睡眠では解消しない。やがて意欲や創造性も減退してしまうので、疲労感を踏み越えてストレス発散に出かけよう!/ なぜストレスが慢性疲労を引き起こすのか? 原因は、細胞の増殖を抑制する物質・TGF-β(ベータ)が過剰に放出されること/ ひとはストレスを感じると免疫が低下し、菌やウィルスに侵されやすい状態になってしまう。そこでTGF-βを放出し侵入者に対抗するのだが、過剰放出されると自分自身も攻撃してしまい悪影響を及ぼす。慢性疲労は、いわばアレルギーのようなものなのだ/ TGF-β過剰の状態が続くと、なんと脳の前頭前野(ぜんとうぜんや)が委縮してしまう/ 前頭前野は脳の司令塔とも呼ばれ、感情や理論、経験や推測を束ねて「そのひとらしい」行動をつかさどる。やる気、計画性、創造性など、ポジティブな要素をたくさん引き連れているのだが、その部分が委縮してしまうため、「なにかしよう」と思う気持ちが薄れてしまう/ 原因であるストレスを解消するには気分転換が重要 ...... 原因であるストレスを排除すれば解消する。
 脳の委縮は一時的なので、TGF-βが減少すればもとに戻る。前頭前野が活発に働けば、やる気や創造性も復活する
> (下記引用サイト記事 1

 <毛髪は、生え始めてから一定の期間を経ると自然に抜け落ち、抜け毛となります。そして、毛髪が抜け落ちたところから、また新しい毛髪が生えてきます。この周期を「ヘアサイクル」といいます。/ ところが頭皮の中にひそむ"ある物質"が働き始めると、「まだ育つはずの髪」が成長を止めて、早く抜けてしまうことがある!/ 抜け毛の原因。それはすなわち、「まだ育つはずの髪」の成長期を終わらせてしまう、"ある物質"/ 実は、髪の成長期を終わらせてしまう "ある物質" は、この「毛乳頭」の中にひそんでいる/ 髪の成長期を終わらせてしまう、毛乳頭の中の"ある物質"。それはTGF-βと呼ばれており、すべての成人男性が頭皮(毛根内部の毛乳頭)の中に抱えている物質です。が、/ TGF-βは、常に毛髪に悪さをしているというわけではありません。 体内からの影響などにより、TGF-βが活性化し、「活性型TGF-β」に変化したとき、『そろそろ成長期を終わりにして、退行・休止期に入ろう!』というシグナルを出し始めてしまう/ そう、「活性型TGF-β」こそが、抜け毛の原因のひとつだったのです!!/ ただ逆に言うと、TGF-βの活性化を止めれば、毛母細胞に対する『退行・休止期に入ろう!』というシグナルも止めることができるのです。> (下記引用サイト記事 2) とある。

 こうした "メカニズム" を了解することで、的外れではない適切な対処方法が浮かび上がってくるというものだ......。

 <"認知症" の半数が該当しているとされる "アルツハイマー型認知症" は、現状、"根治は困難" であるため、"対症療法" = "薬治療"> に依存しているというのが実情(再) 脳梗塞予防の既存薬「シロスタゾール」!アルツハイマー型認知症の進行を抑制!/当誌 2014.03.12 ) )のようである。

 そこで期待されるのが、より正確な "予見" に基づく "予防/早期治療" ということになる。

 ◆ 参照
  "血液検査"でアルツハイマー予見、精度90%超!(米大学) 予防/早期治療に結びつくか?!/当誌 2014.03.11

 さらにまた、日常的な "食生活/ライフスタイル" に対する見直し! も余儀なくされることになりそうだ

 今回注目する下記引用サイト「揚げ物を摂りすぎると認知症リスクが高まる」/HUFF POST LIFESTYLE/2014.02.28 - 16:28 は、"意外なリスク" を秘めた平凡な食生活に関するものである。

 <揚げたてのフライドポテトや、カリカリになるまで焼いたベーコンは、ときどき無性に食べたくなるものだ。しかし、このような食品を頻繁に摂取することで、糖尿病やアルツハイマー型認知症の発症率が高まるという研究結果が新たに発表された/ この原因として研究者が指摘するのは、肉や乳製品に多く含まれる、「終末糖化産物(AGE/AGEs)」という化学物質だ。AGEは、特に高温で調理された食品に大量に含まれる物質だが、細胞の老化と炎症を進行させる働きがある/ 研究者たちは、この因果関係の証明にはさらなる研究が必要になることを認めているものの、今回の結果を考慮に入れて、「水分を使わずに、肉を高温で調理する」方法は避けるよう勧めている/ 炒めものや揚げ物を避けたほうが良いもう1つの理由として、それらの食品に多く含まれる「飽和脂肪酸」の存在がある。昨年発表された研究によると、飽和脂肪酸を多く含む食品を摂取している人は、アルツハイマー型認知症の特徴である、脳の老人斑を発生させるリスクが高いことがわかっている/ ニール・バーナード医師は、......「体に悪い脂肪の量を減らすなど、食事と生活スタイルを変えることで、アルツハイマー型認知症を発症するリスクを最大80%まで抑えることができる」と指摘> とある。

 しかし、"分かっていてもやめられない......" というのが人の習性なのかもしれない

 ◆ 参照
 糖尿病患者の大半が腎障害などの合併症に不安を感じ、治療の重要性を認識しているにもかかわらず、きちんと治療を継続できている人は半数程度にとどまる>( 糖尿病治療、継続は半数 合併症の不安感じても/47NEWS/2014.03.18 )

 現在、"救急病院" でも "CTやMRI(磁気共鳴画像装置)の撮影" が救急医療に用いられているという。"大動脈瘤(りゅう)" といった急を要する症状への診察/診断も欠かせないからだ。
 しかし、こうした "画像装置" が奏功するためには、"撮影された患者の当該画像" が適切に "読み取られる(「読影」される)" ことが不可欠となり、そのための "専門医" が必須となる。

 もちろん、"救急病院" 側には "「読影」専門医" がいるのだが、もし "深夜" であれば、"たたき起こして招来する" という対応にならざるを得ないはずだ......。
 というのも、"「読影」" は誰にでも簡単にできることではなく、高度な "専門性と経験" が要請されるからだ。

 ちなみに、事情はやや異なるが、当誌でも以下のような例に注目したことがある。

 ◆ 参照
 陽電子放射断層撮影装置(PET)とコンピューター断層撮影装置(CT)を組み合わせた「PET―CT」の画像が役立つこともある/ 大切なのは画像をきちんと読み取れる「読影」の専門家や、検査結果から病気との関連を判定できる医師がいるかどうかだ>( "認知症"の心配と"脳ドック"の利用!"脳ドック"にあまり期待し過ぎないで上手に利用?!/当誌 2014.01.22 )

 そこで、現代の技術環境ならではの "インターネット(クラウドコンピューティング技術)" が活用されることになる

 下記引用サイト記事深夜の急患CT、海外医師が読影 美濃加茂・木沢記念病院/岐阜新聞 Web/2014.03.20 - 10:05 は、その "好例" について報じている。

 <救急医療で深夜の時間帯に搬送された患者のCT(コンピューター断層撮影装置)などの画像読影を、時差のある米国在住のベテラン日本人放射線診断医(画像診断医)が遠隔診断する「画像コンサルタントサービス」を、美濃加茂市古井町下古井の木沢記念病院が3月から本格的に始めた。日本では初の取り組みといい、応急処置に追われる当直医の負担を減らし、迅速で正確な画像診断で医療過誤防止にもつなげる/ 昨年10月から試用で画像診断を行い、2月末までに大動脈瘤(りゅう)や虫垂炎など171件の救急事案で対応/ セキュリティーが厳密なクラウドコンピューティング技術を利用して画像を送信。平均18分で診断結果の所見が同病院救急医療センターへ戻され、当直医らがパソコンで閲覧し活用> とある。

 医療の領域におけるこうした "リモート診察/診断" というケースは、条件が満たされれば進展していくものと予想される......。

 ランニング/ジョギング/ウォーキング(お薦めはサイクリング)などの "有酸素運動" は、もっぱら"ダイエット効果" に着目されがちだが、実は、"脳の老化防止!" にも効果絶大! である

 この点については、当誌でも以前に注目したことがある。

 ◆ 参照
 運動は身体を鍛えるだけでなく、脳を若返らせることもできることが解明された/ その驚くべきメカニズムは「学習」と「記憶」の能力を司る脳内の海馬という部分についての研究によって明らかとなった。
 海馬では、大人になっても新しい神経細胞がたえず作られている。このことを「神経新生」といい、脳の働きにとって重要な機能とされている。しかしその頻度は年齢とともに減少し、ストレスや疾患など個人がおかれた環境によっても大きく変化する。
 今回の研究によって、その老化に伴って脳内の神経新生が減衰していく仕組みが解明され、中心となる因子であるWnt3(ウィント3)とその因子が担っている役割がつきとめられた......
>( ランニングで脳が若返る!新しい神経細胞を作る因子メカニズム/希望の処方箋!/当誌 2011.08.24 )

 ......老化で低下した「新しく神経を作る力」が、運動等によって再び活性化するメカニズムを検証......「学習」と「記憶」の能力を司る脳内の海馬という部分には神経幹細胞が存在し、大人になっても新しい神経細胞がたえず作られています>( 脳の「老化」と「若返り」を調節する因子/産総研/2011.08.08 )

 そして、今回注目する記事は、同事実が、"遺伝子" の視点から、"新しい神経幹細胞の生産" に関わるメカニズムとして解明されたという研究成果である。 単なる "神経細胞" ではなく "新しい神経幹細胞の生産" という点が注目されるべきかと思われる。

 下記引用サイト記事ランニングは脳の老化を防ぐ!?:研究結果/WIRED/2014.03.21 - FRI は、<ランニングのような有酸素運動が老化のプロセスを阻止して、海馬の中での新しい神経幹細胞の大量生産を促し、記憶能力を増大させること> が確認された、と以下のように報じている。

 <身体運動、特にランニングは、神経系にも影響を及ぼして、新しいニューロンの生産を促進する。しかし、それだけではないランニングが新しい神経幹細胞の生産を促して、脳の老化を遅らせ、記憶力のパフォーマンスを向上させることも証明/ この研究は、成人年齢における幹細胞の喪失が、不可逆的プロセスではないことを証明する最初のもの/ ランニングのような有酸素運動が老化のプロセスを阻止して、海馬の中での新しい神経幹細胞の大量生産を促し、記憶能力を増大させることを確かめました/ 欠損をもつ神経細胞新生は、この遺伝子が欠如していても身体活動が行われることで再始動/ 身体運動は、幹細胞の喪失のプロセスを完全に逆転させるだけでなく、持続的効果をもつ細胞の大量増殖を引き起こすのです/ なぜそうなるのかは明らかではありません/ 「発見は、海馬や側脳室下帯における成体幹細胞の増殖を増大させることを目指したさらなる研究のための基礎となる。結果は、老化と海馬依存性記憶の喪失の予防のために、非常に重要な意味をもつだろう」/ 彼はいま同僚たちとともに、同じメカニズムがアルツハイマー病やパーキンソン病、脳梗塞のマウスのモデルでも効力をもつことができるかどうかを、増殖の活発な幹細胞を分離したり移植したりしながら、発見しようとしている> とある。

 折から、"認知症" における "神経細胞阻害" の現象が警戒されている現状があるだけに、こうした研究成果への注目は重要であるに違いない。

 "記憶のメカニズム" 解明が、"実証的アプローチ" によって遂に達成されたと考えて良いのであろう。

 証明された事実それ自体は、"憶測/洞察/思弁アプローチ" が示唆していた事実とさほど違わないと思われるが、今回、その事実に "実証的証明" が施された点は、何よりも意義深い

 まして、現代のわれわれは、"国民的病" という "認知症" の拡がりに遭遇することで、"記憶のメカニズム" の解明が、その治療法模索という点から急務となっているわけだ。

 今回注目する記事は、いわば、"デカルト以来350年の謎" に実証的な決着! をつけたとされる研究成果を報じるものである

 下記引用サイト記事記憶の脳回路痕跡 マウスでついに発見!/東京大学大学院薬学系研究科/2014.03.17 がその画期的記事である。

 <東京大学 大学院薬学系研究科の池谷裕二准教授らの研究グループは、脳回路の中の記憶にかかわるニューロンで、興奮性シグナルが増強することが、記憶痕跡の実態であることを証明

 <◆ニューロン(神経細胞)で抑制性シグナルに打ち勝つほどの大きな興奮性シグナルが受け取られることにより記憶は思い出される(再生される)ことが分かりました。
  ◆学習後のマウスの脳スライス標本を調べることで、記憶の痕跡がニューロン間の信号伝達の増強により脳回路に保存されていることを発見しました。
  ◆記憶が脳内でどのようにしてできるのかを理解することで、逆に、記憶ができない疾患ではどのような問題が生じているのかを解明でき、認知症治療の糸口を探ることができます。

 <本研究成果により、脳が極めて精細な興奮性調節に基づいて記憶を再生するという画期的な発見がもたらされ、記憶のメカニズムの解明に向けた大きな研究の進展が得られました。これは、脳が記憶を再生する仕組みに関するデカルト以来350年の謎を解決したのみならず(附論参照)、今後、認知症など記憶ができない疾患ではどのような問題が生じているのかを解明する手がかりとなることが期待されます> とある。

 何と言っても、"実証的アプローチ" ならではの、<記憶にかかわったニューロンを、そうでないニューロンとは区別できる特殊な遺伝子改変マウスの標本を用いて、記憶に関わったニューロンが優先的に活動しやすくなることで記憶の再生が起こることを示しました> という点、ここが注目されて良いはずだ。

 そして、"350年を隔ててデカルトの洞察" を次のように "実証的に読み替え" た点、これもまた注目に値する。

 <痕跡(過去の記憶)とは、過去に活動電位が通過したシナプスのことで、その結果として、次に活動電位が到達したとき、このシナプスが活動することが、はるかにたやすくなっている

 今回注目する記事は、前々回の下記記事を "ニュース・リソース" に立ち戻って注目するものである。
 "図表" が添えられることで、研究内容の"正確なメカニズム" が理解し易いと思われたため "追加的に再注目" することにした


 ◆ 参照
 <ワクチンを使い、糖尿病のマウスの治療に成功したと、大阪大の研究グループが発表した。論文は18日以降、米科学アカデミー紀要電子版に掲載される。効果の持続も確認され、糖尿病の新しい治療法として期待される/ 食後に小腸から出るホルモンは、膵臓(すいぞう)からのインスリン分泌を促し、血糖を下げる。一方、血中にわずかに存在する酵素「DPP-4」はこのホルモンを分解し血糖の低下を抑制する現在、2型糖尿病の治療薬にDPP-4の働きを阻害する薬がある/ 研究グループは、DPP-4を標的としたワクチンを作製マウスに2週間ごとに3回接種した結果、DPP-4に対する抗体が作られ、阻害薬と同じようにDPP-4の機能を阻害した。ワクチン効果は2~3カ月持続>( 糖尿病治療の新手法 "ワクチン"で!酵素"DPP-4"を標的!マウスでの効果確認(大阪大)!/当誌 2014.03.19

 下記引用サイト記事糖尿病の新しい治療法開発に光/大阪大学 ResOU リソウ/2014.03.18 では、既に "糖尿病治療薬" として活用されている "DPP-4阻害薬" のメカニズムの解説がなされた上で、本研究グループの独自なワクチン療法が説明される。

 <本研究グループは、このDPP-4を薬剤ではなくワクチンによって阻害することを試みましたDPP-4部分配列を抗原として設計し、自然免疫を活性化するようなアジュバントと呼ばれる分子と一緒に、2週間毎に3回マウスに接種しました。その結果、DPP-4に対する抗体が産生され、DPP-4にその抗体が結合することにより、DPP-4の機能を阻害することが分かりました。次に、高脂肪食を食べさせて糖尿病にしたモデルにこのDPP-4に対するワクチンを投与した結果、血糖を有意に下げることができ、そのときの血液中のGLP-1濃度およびインスリン濃度が高いことも確認されました。DPP-4に対する抗体ワクチン接種後の数ヶ月間維持できており、ワクチンの追加により再び抗体が上昇することも確認できました。/ 以上の結果から、ワクチンにより誘導されたDPP-4に対する抗体が、DPP-4の機能を阻害することで、糖尿病の治療に応用できる可能性がマウスの実験から示されました> とある。

 <DPP4 ペプチドワクチンの仕組み>という "免疫/ワクチンの基本構図" に照らした図表は、この研究の基本メカニズムを端的に示している

 左上の "DPP-4ワクチン" 投入によって、"DPP-4抗体" が産生され、右下の "DPP-4" の機能が阻害され、そして右上の "インスリン分泌=血糖値低下!" が導き出されるというメカニズムが一目瞭然である

 "自然に備わった免疫力" が試されるのは、風邪やその他単純な感染症細菌による病気から、ウイルス性の病気やがんなど至る病気に至るまでさまざまなケースが考えられる

 ただし、一つ注意しておきたいケースは、"耐性を獲得した菌" に遭遇する場合であり、特に、"多剤耐性菌" に感染する場合だ。

 <多剤耐性菌とは、多くの抗菌薬(抗生物質)に耐性を獲得した菌のことです。私達は感染症にかかってもその治療薬として抗菌薬を使うことができれば、菌は死んでしまい、その後症状も回復します。たとえ菌がある抗菌薬に耐性を獲得してしまい治療に使えなくなったとしても、抗菌薬は多くの種類がありますので他の抗菌薬を使って治療することが可能です。しかし、多剤耐性の菌に感染してしまった場合、使える抗菌薬の種類はかなり限定されてしまいますので、耐性でない菌に比べれば治療が困難になることは事実です。なお、報道などで表現されている"ほとんどの抗生物質に耐性を示す"ような多剤耐性菌であっても、まだ一部の抗菌薬は使用可能なので、全く治療の手段が無いわけではありません多剤耐性菌といっても多くの菌名に分けられ、腸内細菌科に属する大腸菌や肺炎桿菌、エンテロバクターなどの菌、ブドウ糖非発酵菌と呼ばれるグループに属する緑膿菌やアシネトバクターなどの菌、さらに黄色ブドウ球菌や腸球菌などが代表的で他にも多くの菌種があります。> ( 多剤耐性菌情報/一般社団法人 日本感染症学会

 今回注目する記事は、この "多剤耐性菌" であって、しかも "新型" と見られる "細菌" による "院内感染(病院内での感染)" が発生していた、というものだ。

 下記引用サイト記事新型耐性菌か、院内感染110人 大阪医療センター 野中良祐、佐藤建仁 中村通子/朝日新聞/2014.03.18 - 17:07 は、以下のように報じている。

 <ほとんど全ての抗菌薬が効かない多剤耐性菌「メタロβ(ベータ)ラクタマーゼ(MBL)産生菌」の院内感染が、国立病院機構大阪医療センター(大阪市中央区)で起きていたことがわかった。過去3年間に入院した約110人の患者が保菌・感染していた/ 複数の診療科で2011年度から年間30~40人、計約110人が保菌・感染していたという/ MBL産生菌免疫が弱った人が感染すると肺炎などになることがある> とある。

 "糖尿病" もまた、"がん"/"認知症" と並び、高齢化時代には暗い影を落とし続ける厄介な病気だ。しかも、"高血糖" は "血管" を損なうことから、他の成人病を誘発する病気として警戒されている

 しかし、下記のように関連記事をフォローし続けているが、その治療法に関しては、現状 "決め手を欠く" 状況であるように見える。

 ◆ 参照
 ○ 糖尿病の悪玉物質(細胞を老化させるタンパク質"p53")を特定!マウスで症状抑制改善!/当誌 2014.02.12
 ○ 糖尿病治療に朗報!マウスの胚性幹細胞(ES細胞)から"膵臓細胞"を効率よく作製に成功!/当誌 2014.12.17
 ○ 全国初の"脳死膵島移植"手術成功!膵臓移植がムリでも"膵島"移植ならばできる場合も!/当誌 2013.10.09
 ○ "膵島細胞を肝臓に移植の糖尿病治療"法で、拒絶反応/副作用なし!の新方法開発成功!/当誌 2013.06.10
 ○ "新型細胞"使い糖尿病改善!膵臓の"膵島細胞"×増殖力持つ"幹細胞"!再生医療分野!/当誌 2013.05.30

 こうした現状で、下記引用サイト記事ワクチンで糖尿病治療=マウスで効果、持続も-大阪大/時事ドットコム/2014.03.18 - 04:14 は、薬の投与/服用ではない "ワクチン" 接種という新手法に基づく治療法(研究段階)について報じている。

 なお、"ワクチン" という手法については、とりあえず以下のように理解しておく。

 <ワクチン(独: Vakzin、英: vaccine)はヒトなどの動物に接種して感染症の予防に用いる医薬品。毒性を無くしたか、あるいは弱めた病原体から作られ、弱い病原体を注入することで体内に抗体を作り、以後感染症にかかりにくくする。弱いとはいえ病原体を接種するため、まれに体調が崩れることがある>( ウィキペディア - ワクチン

 引用サイト記事 は、以下のとおりだ。

 <ワクチンを使い、糖尿病のマウスの治療に成功したと、大阪大の研究グループが発表した。論文は18日以降、米科学アカデミー紀要電子版に掲載される。効果の持続も確認され、糖尿病の新しい治療法として期待される/ 食後に小腸から出るホルモンは、膵臓(すいぞう)からのインスリン分泌を促し、血糖を下げる。一方、血中にわずかに存在する酵素「DPP-4」はこのホルモンを分解し血糖の低下を抑制する現在、2型糖尿病の治療薬にDPP-4の働きを阻害する薬がある/ 研究グループは、DPP-4を標的としたワクチンを作製マウスに2週間ごとに3回接種した結果、DPP-4に対する抗体が作られ、阻害薬と同じようにDPP-4の機能を阻害した。ワクチン効果は2~3カ月持続> とある。

 ただ、<酵素「DPP-4」はこのホルモンを分解し血糖の低下を抑制> とあるが、"酵素「DPP-4」" は、一体何のために存在しているのであろうか? 過剰な "低血糖" の防止のためなのであろうか( "低血糖" は "低血糖" で、また警戒されるべき症状とされている)......。その点が気になった。

 いずれにしても、<酵素はDPP4と呼ばれる。その働きを阻む糖尿病治療薬は既にあるが、中神教授は「ワクチンは薬と違い、飲み忘れがないのが利点。安全性や効果を確かめる臨床試験を、5年後をめどに実施したい」と話す>( 阪大、糖尿病ワクチンを開発 マウスの血糖低下 【共同通信】/2014.03.18 - 04:00 )と別記事も報じており、"糖尿病" 患者にとっての "薬服用" は煩わしいもの! これが、解除/軽減されることは望ましいことであるに違いない......。

 "iPS細胞(人工多能性幹細胞)" に関する研究は、この1~2年の間で目覚ましい進展を見せている。
 この進展を詳細に追うことなぞできないが、当誌で扱ってきた主な関連記事だけでも、多岐の臓器に向けた "(移植用)細胞" が、以下のように作製されている

 ざっと、"がん免疫細胞療法用NKT細胞"/"神経細胞"/"血小板のもとになる巨核球という細胞"/"肺組織の細胞"/"膵臓細胞"/"赤血球前駆細胞"/"肝臓のもととなる「小さな肝臓」"/"網膜の組織細胞"/"膵島細胞"/"髪の毛のもと「毛包」" といった多彩な拡がり! が見られる。

 ◆ 参照
 ① 各地で進む!"がん免疫細胞療法:NKT細胞療法"臨床試験!新たながん治療の選択肢!/当誌 2014.03.13
 ② パーキンソン病!"iPS細胞"を使った再生医療での治療/京大が16年にも"臨床研究"開始!/当誌 2014.03.08
 ③ 京大、iPSで"血小板"(←巨核球)大量作製 輸血安定供給へ!"赤血球量産"技術も既に!/当誌 2014.02.15
 ④ iPS細胞(人工多能性幹細胞)研究の多彩な動向!着実な歩みを見せる実用化アプローチ!/当誌 2014.01.17
 ⑤ "肺組織(呼吸器細胞)"を作るための材料として"iPS細胞"が利用可能!研究者らが成功!/当誌 2013.12.18
 ⑥ 糖尿病治療に朗報!マウスの胚性幹細胞(ES細胞)から"膵臓細胞"を効率よく作製に成功!/当誌 2013.12.17
 ⑦ iPS細胞から"赤血球量産"の技術開発(京大)!遺伝子操作での"不死化赤血球前駆細胞"!/当誌 2013.12.07
 ⑧ ヒトのiPS細胞から肝臓の元となる「小さな肝臓」を作りマウスの体内での機能に成功!/当誌 2013.07.05
 ⑨ "iPS細胞"を使った"加齢黄斑変性"治療の臨床研究(続報) "加齢黄斑変性"が最初の理由!/当誌 2013.06.29
 ⑩ "新型細胞"使い糖尿病改善!膵臓の"膵島細胞"×増殖力持つ"幹細胞"!再生医療分野!/当誌 2013.05.30
 ⑪ iPS 臨床研究 "パーキンソン病"でも! ぐるぐると回っていたネズミがまっすぐ歩けた!/当誌 2013.03.02
 ⑫ "iPS細胞"使い髪の毛のもと/器官="毛包"を作り出す実験に成功!薄毛脱毛治療に応用!?/当誌 2013.01.25

 各々の研究成果の進展度合いはさまざまであるが、いずれも来たるべき "臨床試験" に向けた研究に余念がないようである。

 そして、今回注目する記事は、人が "発話" する際に欠かせない "声帯" に関わる "声帯粘膜細胞" の作製である。これを、"iPS細胞" から作製したという

福島医大医学部耳鼻咽喉科学講座の今泉光雅助教(36)は、人間由来のヒト人工多能性幹細胞iPS細胞)を使って声帯粘膜と同様の性質を持つ細胞を作製する実験に成功した。マウスのiPS細胞による組織再生技術を応用し、人間の声帯の再生治療に向けた新たな一歩を踏み出した。将来的に再生が可能になれば、拒絶反応なしに声帯を修復できる

 <今泉氏は、ヒトiPS細胞の研究で世界的な成果を挙げている米国のウィスコンシン大で信頼性の高いヒトiPS細胞の提供を受け、培養して300万個まで増やした。人間の声帯から採取した「線維芽細胞」と混ぜ合わせ、分化・誘導を促した
 線維芽細胞は、人体内で組織が損傷を受けた際に損傷部に移動してコラーゲンを作り、修復を助ける性質を持つ。今泉氏はこの性質に着目し、活用することを発想。培養の過程でヒトiPS細胞声帯の粘膜細胞と同様の性質を持つ細胞に変化させることに成功

 <iPS細胞で再生した組織は、移植しても原則的に拒絶反応がないとされる。将来的にiPS細胞による声帯再生が実現すれば、移植して声を出しやすくするなど患者の日常生活の質向上に結び付くと期待される> とある。

 "今泉氏による独自の着眼点!" だとされる <今泉氏は、......人間の声帯から採取した「線維芽細胞」と混ぜ合わせ、分化・誘導を促した
 線維芽細胞は、人体内で組織が損傷を受けた際に損傷部に移動してコラーゲンを作り、修復を助ける性質を持つ。今泉氏はこの性質に着目し、活用することを発想。培養の過程でヒトiPS細胞声帯の粘膜細胞と同様の性質を持つ細胞に変化させることに成功> という点が実に素晴らしい!

 人の体にもともと備わり、"自然治癒力" を発揮する "免疫力" に関しては、これこそが理想だ! と思うがゆえに、随時関心を向け続けている

 これまで当誌では、"腸内細菌" に関する記事や、"がん免疫療法" に関する記事など、主なものとしては下記のように注目してきた。

 ◆ 参照 1. 各地で進む!"がん免疫細胞療法:NKT細胞療法"臨床試験!新たながん治療の選択肢!/当誌 2014.03.13

 ◆ 参照 2. 今注目の"免疫力"の本命:"腸"という臓器!"腸は第2の脳"どころか脳より賢い腸に従え!/当誌 2014.03.07

 ◆ 参照 3. 免疫力!腸内細菌とヨーグルト!ヒトの腸管は抗体の6割をつくる人体最大の免疫器官!/当誌 2014.02.19

 病気の予防/治療法としては、"やっかいな方法、高額となる方法" は、避けられれば避けたい。できれば、"フリー(無償)!" が理想。 だから、"運動療法" に目が向くわけだし、また、同じ観点から "免疫力" というメカニズムに関心が向くことになる

 今回注目する記事は、こうした "フリー(無償)!" 路線の最たるものと言えそうだ。

  下記引用サイト記事 1、2 リンパを流す(1)腹式呼吸で免疫力アップ/読売新聞 yomiDr./2014.03.16 と リンパ管とリンパ節の役割/情報オムニバス - リンパの役割「排泄機能」と「免疫機能」  がこれらである。

 結論から言うと

 <リンパを流すと免疫力アップにつながる。大橋さんが勧めるのが、「就寝前に横になった状態で、腹式呼吸をゆっくり5回」。腹部に滞留しがちなリンパ液がスムーズに流れ、免疫細胞が血管に流れ込みやすくなる> という、<正しいリンパ液の流し方> を実行する、ただそれだけのこと。

 自分はかねてより、"腹式呼吸" を "気分鎮静化(副交感神経)" のために留意しているが、<腹部に滞留しがちなリンパ液がスムーズに流れ、免疫細胞が血管に流れ込みやすくなる> という専門家のアドバイスは貴重だと思えた。ちなみに、

 <リンパとは通常、リンパ管と、その中のリンパ液を指す。私たちの体内には、血管網とは別のリンパ網が張り巡らされている/ 毛細血管だけでは回収しきれない水分や老廃物の回収にあたるのが、リンパ管の主な役割/ ところが近年、リンパにはもっと重要な役割があることが分かった。免疫力に密接に関係していた> とある。また、

 <リンパ液というのはリンパ管に流れ込んだ組織液のことで、血液のようにポンプで体内を流れるわけではなく、大体骨格筋の収縮によって流れます> とある点にも留意すべきか。"運動が不可欠!" ということになる。

 このテーマの記事は、既に、大阪大学の研究グループによる研究成果として、次のように当誌で扱った。

 <アルツハイマー病は、脳の細胞内で作られたアミロイドベータ(Aβ)という物質が細胞の外に出て脳内で蓄積し、神経細胞が死滅して発症する/ 脳内のタンパク質が、アルツハイマー病の原因とされる物質蓄積を防ぎ、発症のリスクを下げているとみられることを大阪大とドイツの医学研究所のチームが解明......この「掃除役」のタンパク質を増やせれば、予防や治療に役立つとしている>( "アルツハイマー病"の脳内原因物質"アミロイドβ"の"掃除役タンパク質sorLA"が特定!/当誌 2014.02.14 )

 今回、再度注目してみる理由は、この「掃除屋」タンパク質= "sorLA(ソーラ)" が "気になった" からである。
 "気になった" 点とは、<私たちの脳が自衛機能を有している> という点、つまりこの「掃除屋」タンパク質= "sorLA(ソーラ)" とは、<我々の脳に神経変性疾患に対する自衛策がもともと備わっている> "タンパク質" だということであり、それがいわば "免疫機能" のように働いているという点なのであるこの "内在性" という特質は見過ごしてはならない、と思えたのである。

 <アルツハイマー病の原因と考えられている物質(Aβ)の分解を促進するタンパク質の機能を発見
  ・アルツハイマー病などの疾患に対して、私たちの脳が自衛機能を有していることが明らかに

 <sorLA(ソーラ)という脳内の膜タンパク質が、アルツハイマー病などの神経変性疾患発症の原因と考えられているAβペプチド(アミロイドを形成するものの一種)の蓄積を防ぎ、アルツハイマー病に罹るリスクを軽減する役割を持つこと/ 我々の脳に神経変性疾患に対する自衛策がもともと備わっていることを示した/ アルツハイマー病治療と予防のための新しい「作用点」を発見/ sorLAが持つ「掃除屋」としての機能の詳細な解明を通して、アルツハイマー病を含む神経変性疾患の発症の初期メカニズムの理解がさらに進むことも期待

 <sorLAは神経ニューロンに存在する膜タンパク質で、コレステロールの細胞内への取り込みに関与するリポタンパク質受容体と近縁の膜タンパク質/ このsorLAタンパク質の立体構造を調べる過程で、偶然このタンパク質がを結合する性質があることを見つけました/ sorLAを通常よりたくさん持つように人工的に改変したマウスを用い、sorLAが増えると脳内に生じるの量(健常者でも一定の量存在します)が75%も減少することを明らかにしましたsorLAを培養細胞に発現させると、外から加えたを細胞が中に取り込んで、分解していく様子もとらえられました(図1)> とある。

 なお、<今回の結果は、我々の脳の中にはもともとAβのような「危険な」ペプチドを処理するためのメカニズムが存在することを明らかにしました> とある点に、とにかく注目したいところである......。

 "眼科" の "再生医療" 分野で、これまでは、いわゆる "(臓器の角膜)移植" というかたちの "大掛かりな手術" が必要とされてきた治療に対して、"体外で培養された細胞(角膜の内皮細胞)" を "移植" する、といった "臨床研究" が、"世界初" で取り組まれ成果を上げている、という。

 こうした "再生医療" 分野での "細胞移植" に関しては、これまでに当誌では以下のような記事を扱ってきた

 ◆ 参照 1.
 ○ <iPS細胞から育てた神経細胞を移植......>( パーキンソン病!"iPS細胞"を使った再生医療での治療/京大が16年にも"臨床研究"開始!/当誌 2014.03.08 )
 ◆ 参照 2.
 ○ <心臓の心筋以外の細胞五つの遺伝子を入れて、拍動する心筋細胞に変える/ iPS(人工多能性幹)細胞を使わずに直接、心筋細胞ができれば、細胞移植の必要がなく、がん化のリスクも低い......>( iPS細胞を使わずに"心筋細胞"を作製!慶大成功!"心筋梗塞"治療に遺伝子治療から光!/当誌 2013.07.17 )
 ◆ 参照 3.
 ○ <膵臓の中の膵島細胞肝臓に移植する糖尿病治療......>( "膵島細胞を肝臓に移植の糖尿病治療"法で、拒絶反応/副作用なし!の新方法開発成功!/当誌 2013.06.10 )

 今回注目する記事は、下記引用サイト記事 1、2培養角膜3人に移植し視力回復 世界初の臨床研究、京都府立医大/【共同通信】/2014.03.12 - 17:43角膜内皮細胞を培養、移植 府立医大が世界初/京都新聞/2014.03.06 - 09:18 であり、いわゆる "iPS細胞" アプローチではなく、<独自に探し出した3種類の薬剤を使う>という "培養" アプローチだという。

 <京都府立医大や同志社大、滋賀医大のチームは12日、目の角膜を透明に保つ角膜内皮が傷み、視力が低下する水疱性角膜症患者3人に、培養して作った角膜内皮細胞を移植する臨床研究を実施し、視力回復に成功したと発表した。チームによると、培養した角膜内皮細胞の移植は世界初/ 今回の手法は多くの患者に移植したり、同じ患者に再度移植したりできる利点

 <角膜内皮が傷んで視力が低下する「水疱性(すいほうせい)角膜症」の患者3人に、培養した細胞を目に注入する手術を実施......慢性的に提供者が不足している角膜移植に置き換わる治療として期待されている/ 府立医大の木下茂教授のグループは、独自に探し出した3種類の薬剤を使うことで、人の角膜から取り出した内皮細胞をシャーレ上で増やすことに成功した。この細胞を角膜の裏側に注入/ 木下教授は「角膜のような臓器ではなく細胞の移植のため、手術が簡単で患者の負担が少ない。正常な角膜組織を傷つけないので治療効果も期待できる」と話している> とある。

 いわゆる "iPS細胞" アプローチではない "細胞培養" 法ではあっても、これを安全に "移植する" という "再生医療の治療法" が定着していくならば、これまでのような患者の負担が大幅に軽減され、まさに "光が射す" ものと思われる......。

 "三大療法"(除去手術/抗がん剤/放射線)に依拠してきたとされる "がん治療" であるが、これらに伴いがちな "副作用" と袂を分かつかたちで推進されているのが、いわゆる "がん免疫細胞療法" だ。
 "がん免疫療法" とは、患者体内に備わった "免疫力/免疫細胞" を活性化させ、支援することで、"がん細胞" の動きを封じ込める治療法のことである。

 この新しい動向は、現在 "研究~臨床試験" の段階とはいうものの、かなり迅速な進展を見せているようだ。
 "がん免疫療法/がん免疫細胞療法" で有望視されているのは、"NKT細胞療法" と呼ばれる治療法!
 その最先端の研究動向としては、<ヒトiPS細胞からNKT細胞を作製......
> が以下のように注目された。

 ◆ 参照
 ○ <理化学研究所は強力な免疫作用のあるナチュラルキラーT(NKT)細胞」の作製に成功。......ヒトiPS細胞からNKT細胞を作製......NKT細胞は、細胞傷害性の「ナチュラルキラー(NK)細胞」と「T細胞」を活性化して腫瘍を抑制する働きを持つ>( "iPS細胞"技術:"がん免疫療法"への応用目指し着実な進展!NKT細胞ほか免疫細胞培養!( 当誌 2014.01.27 )

 今回、注目する記事は、既に "臨床試験" の段階へと歩を進めている国内各地の病院でのケース(研究段階の"iPS細胞" からの培養アプローチとは異なる模様)を扱った記事下記引用サイト記事がん免疫治療に新たな手法 NKT細胞療法/中日新聞/2014.03.11 である。

 <人体に備わる免疫機能を高め、がん細胞を攻撃させる免疫細胞療法。その有効性を示すデータは乏しかったが近年、新たながん治療の選択肢として、その可能性を示すデータが示されつつある。その一つで、NKT細胞と呼ばれるリンパ球を活性化する治療法臨床試験が、国立病院機構名古屋医療センター(名古屋市中区)などで実施されている

名古屋医療センター/ 治療の効果と安全性を確かめる試験を昨年三月、始めた/ 臨床試験では、患者の静脈からの成分採血で、白血球の一部を取り出し、フラスコで培養。NKT細胞を活性化できる状態にして、再び患者の体内に点滴で戻す/ 齋藤俊樹・臨床研究センター再生医療研究部長は「抗がん剤と異なり、副作用はほとんどない」と話す/ 培養の途中で、NKT細胞の鍵になる物質「アルファ・ガラクトシルセラミドアルファ・ギャルセル)」を加える。白血球の一部と、アルファ・ギャルセルが結合し、NKT細胞と接触すると、NKT細胞が増殖、活性化する。NKT細胞が活性化すると、がんを攻撃する物質や、他の種類のリンパ球を活発にさせる物質が出て、がんの再発を抑えると期待される/ NKT細胞はT細胞、NK細胞の両方を活性化できると考えられており、従来の免疫治療の弱点を補う可能性がある」と、千葉大大学院の本橋新一郎教授(免疫細胞医学)は指摘> とある。

 こうした "臨床試験" は、九州がんセンター(福岡市)千葉大病院(千葉市)で実施されており、それぞれの病院において目標数とされる "実績/治療例" の蓄積が目指されているとのことである。

 "認知症" の半数が該当しているとされる "アルツハイマー型認知症" は、現状、"根治は困難" であるため、 "対症療法" = "薬治療" というのが現状であることは、すでに了解してきたところだ。

 ◆ 参照 1.
 ○ <いくつかある薬の中で最も多く処方されているのは、エーザイの「アリセプト」( 一般名:ドネペジル塩酸塩>( "65歳以上で七人に一人が認知症!"の切迫/当面の対症療法としての"薬治療"の現実は?!( 当誌 2014.03.10 )

 また、<既存薬の脳梗塞予防薬「シロスタゾール」> が奏功するという事実についても着目した。

 ◆ 参照 2.
 ○ アルツハイマー型認知症の進行を既存薬(脳梗塞予防薬「シロスタゾール」)内服で抑制!( 当誌 2014.02.28 )

 今回は、この<既存薬の脳梗塞予防薬「シロスタゾール」> の "詳細" を、再度追うために、下記引用サイト記事脳梗塞予防薬が認知症の進行抑制にも有効であることを確認/国立循環器病センター/2014.02.27 という記事(ニュースソース)に目を向け直すことにした。

 <国立循環器病研究センター(略称:国循)は、脳梗塞再発予防薬として広く用いられている抗血小板薬シロスタゾール」が認知症の進行予防にも有効であることを明らかにしました/ 認知症は、いくつかの対症療法は存在しますが、認知機能の低下そのものを根本的に食い止める手法はまだ見つかっていません/ アルツハイマー型認知症認知症症状の進行抑制に用いられるドネペジル塩酸塩という薬剤を内服している洲本伊月病院の患者を対象に、シロスタゾール内服者と非内服者年間の認知機能低下率をミニメンタルステート検査(MMSE)により比較したところ、シロスタゾールを内服していた患者では年間の認知機能低下が有意に抑制されていることが分かりましたシロスタゾールを内服していた患者では、特に記憶の再生や自分の置かれている状況を正確に把握する能力(見当識)の低下が阻止されていました/ シロスタゾールがアルツハイマー病のような神経変性症にも有効である可能性を示唆している> とあり、その "有効性" を納得させるに足る【 図 】 シロスタゾールによる認知機能低下抑制 を添えている。

 なお、シロスタゾールという "薬" 自体については以下が参考となる

 ◆ 参照 3. ○ シロスタゾール - おくすり110番

 "認知症" のおよそ半数を占めるとされる "アルツハイマー病"(アルツハイマー型認知症)。その発症メカニズムは未だ全容解明には至っておらず、根治治療法は叶っていない
 そのため、治療の主眼は "いかに発症程度を抑制し、症状進行を遅らせるか......" にあるとも言われている。したがって、その兆候をいかに早期に発見するかが重要! とされる。

 ところがその発見とて、必ずしも容易ではなく、"陽電子放射断層撮影(PET)とコンピューター断層撮影装置(CT)を組み合わせた「PET―CT」" を駆使する "脳ドック" などでも、<画像をきちんと読み取れる「読影」の専門家や、検査結果から病気との関連を判定できる医師がいるかどうか> という課題に直面しているという。(◆ 参照 5.

 こうした現状において、下記引用サイト記事血液検査でアルツハイマー予見、精度90%超 米大学/CNN.co.jp/2014.03.10 - 10:03 は、<血液検査でアルツハイマー予見> という "血液検査法" の開発について報じている。

 <米ジョージタウン大学などの研究チームは10日までに、将来的にアルツハイマー病を発症するかどうかを極めて高い精度で予見できる血液検査法を開発したと発表/ 研究チームは血液検査で手軽に調べられる脂肪の値に着目。米ニューヨーク州とカリフォルニア州に住む70歳以上の健康な高齢者数百人の血液を調べた/ このうち28人が5年後に、アルツハイマー病やその前兆となる軽度の認知症状を発症。この28人の脂質を調べたところ、特定の10種類の脂質の値が、発症しなかった人に比べて低くなっていたことが分かった/ 検証のため、アルツハイマー認知症状を発症している別の54人の血液を調べ、やはりこの脂質の値が低いことを確認/ この血液検査法では、90%以上の精度アルツハイマー病認知障害を発症するかどうかを予見できるという。症状が表れる前から予測できるのが特徴で、研究者は、脳の細胞が死滅し始めるのと同時に脂質の濃度も低下し始めるようだと解説> とある。

 研究チームは、<今後は40代と50代を対象にこの検査法を試す> とあり、検証実績データの蓄積が進めば、アルツハイマー病 の "予防/早期治療" が大きく前進することになりそうだ。

"アルツハイマー型認知症" に関する最近の当誌記事

 ◆ 参照 1.
 ○ <これまでに我々の研究グループはアルツハイマー型認知症嗅覚障害があり、嗅覚機能検査が早期診断に役立つことを報告していた>( アロマセラピー!"香りの力"で認知症を予防する!アルツハイマー型認知症と嗅覚障害!( 当誌 2014.03.04 )
 ◆ 参照 2.
 ○ アルツハイマー型認知症の進行を既存薬(脳梗塞予防薬「シロスタゾール」)内服で抑制!( 当誌 2014.02.28 )
 ◆ 参照 3.
 ○ "アルツハイマー病"の脳内原因物質"アミロイドβ"の"掃除役タンパク質sorLA"が特定!( 当誌 2014.02.14 )
 ◆ 参照 4.
 ○ アルツハイマー病で脳内に蓄積する「アミロイドβ」を制御する遺伝子発見(大阪大学)!( 当誌 2014.02.05 )
 ◆ 参照 5.
 ○ <アルツハイマー病などの認知症を心配して脳ドックを受診する人が増えている。主に脳梗塞の兆候をつかむ目的で使われてきたが、用途が拡大しつつある。ただ、認知症の発症メカニズムは解明しきれておらず、予防・治療法も研究途上だ。脳ドックに期待しすぎないで、......"認知症"の心配と"脳ドック"の利用!"脳ドック"にあまり期待し過ぎないで上手に利用?!( 当誌 2014.01.22 )

 <65歳以上の認知症の有病率は15%>( 下記引用サイト記事認知症高齢者、462万人の衝撃~薬治療でも改善困難、重い経済的負担/Business Journal/2014.01.28 )とは、単純に言い換えると、"65歳以上の高齢者の七人に一人は認知症!" だということになる。

 "二人に一人はがんを罹患" の比率に比べれば低いものの、もはや "認知症" は高齢者にとって決してめずらしい病気とは言えなくなった、ということになる。

 こうした推移を想定せざるを得なかっただけに、当誌でも、"認知症" 関連記事をフォローし続けてきた。

"認知症" に関する最近の当誌記事
 ◆ 参照 1.
 ○ 認知症:仮設暮らし リスク1.3倍!/認知症:「本人の努力次第」(自己責任論)ではない!( 当誌 2014.03.06 )
 ◆ 参照 2.
 ○ アロマセラピー!"香りの力"で認知症を予防する!アルツハイマー型認知症と嗅覚障害!( 当誌 2014.03.04 )
 ◆ 参照 3.
 ○ アルツハイマー型認知症の進行を既存薬(脳梗塞予防薬「シロスタゾール」)内服で抑制!( 当誌 2014.02.28 )
 ◆ 参照 4.
 ○ 65歳以上の4人に1人が認知症とその"予備軍"となる見込み! 認知症に関する基礎知識!( 当誌 2014.01.07 )

 だが、浸水のごとくジワジワと足元に迫ってくる現状の動向に気づく時、一つ思い当たることは、"今後に向けられた新治療法(新しい研究成果)" への関心とともに、"現状の治療状況" にも十分に目を向ける必要がある! という点である
 すでに、"高齢者介護" という課題については、"老々介護" という厳しさに加えて<十代や二十代の若者が介護の担い手となる「ヤングケアラー」の問題が浮かび上がってきた>( <セカンドライフ>増える「ヤングケアラー」10代・20代が介護/東京新聞/2014.03.05 )ことも憂慮され始めている

 今回注目する記事は、こうした "切迫した動向" において "避けられない課題" の一つとしての "対症療法" = "薬治療" の現実に関するものである。

 下記引用サイト記事認知症高齢者、462万人の衝撃~薬治療でも改善困難、重い経済的負担/Business Journal/2014.01.28 は、その典型的な問題を取り上げている。

 <認知症の中で最も多いとされるのが、アルツハイマー病です。アルツハイマー病は、記憶と関係が深い海馬という脳の一部と、その周辺の萎縮が早期から見られます。必ず表れる症状として、もの忘れ、判断力の低下など、中核症状と呼ばれるものがありますが、現在はその症状の進行を遅らせる薬による治療が主流/ いくつかある薬の中で最も多く処方されているのは、エーザイの「アリセプト/ アリセプトは3mgから服用を開始し、1〜2週間で5mgへ増量します。3mgでは基本的には効果はなく、吐き気や軟便などの消化器症状の副作用に慣れるための服用となります。さらに症状が進行した場合、10mgの服用へと移行していきます。アリセプトは服用開始後、効果がみられるまで3カ月ほどかかる/ あくまでも、認知機能を改善するものではなく、症状の進行を遅らせるもの/ アリセプト5mgの薬価は356円で1日1回1錠、保険も適用されるため月額数千円とはいえ、毎日、しかも将来にわたって服用し続けなければならないことを考えると、経済的負担は決して軽いとはいえない価格です。「なかなか効果を感じられない」「お金がかかる」といったことから、ご家族による服用中止というケースも少なくありません。しかし、6週間服用を中止すると、進行を遅らせていた症状が、何も治療しない場合の状態へと一気に悪化してしまうことがあります。素人判断で服用を中止することは取り返しのつかないことになりかねません> とある。

 ◆ 参照
 製品例:アリセプト( 一般名:ドネペジル塩酸塩

 "3.11" (東日本大震災 2011.03.11) から3年が過ぎようとしている
 この "歴史的な巨大災害" が、この日本に "一体何を残し、何を残せないでいるのか?" という問いかけの思いがジワリと込み上げてくる

 いろいろな思いを禁じえないが、ちょうど昨夜観たTV番組( NHKスペシャル『無人の町の"じじい部隊"』2014年3月7日 午後10時00分~10時49分)で触発された印象 ―― 一言では表現できないのだが、心折れずに歩を進める......とでも言おうか ―― をとにかく心に留めておこうかと......。

 ◆ 参照 1.
 <帰還困難区域(旧警戒区域)の現場にテレビカメラが初めて長期にわたって入り、継続取材したドキュメント。厳重にゲートで閉ざされた福島県大熊町。退職したばかりの町の元最高幹部たち6人からなる自称"じじい部隊"が、無人となった町を飛び回る。防護服に身を包み、防犯・防火のパトロールを行い、一時帰宅の住民を扶助、除染作業を監視し、山川でセシウム値を計測...。将来の住民帰還が不可能にならないよう、「無人の町」の留守を守り、町の復興・帰還計画をけん引しているのだ。「全員帰還」から「移住支援」に舵を切り始めた政府。「帰還」VS「移住」に分かれる住民。苦しい状況の中、今日も自ら最前線に立つ元最高幹部たち。番組では、四季を通じて"じじい部隊"の活動を追いながら、これまで断片的にしか伝えられてこなかった帰還困難区域の全貌と現状を伝える。>( NHKスペシャル『無人の町の"じじい部隊"』

 さて、今回着目したい記事は、こうして "3年が経過" しつつも、今なお "自然災害" と "政治の貧困!" とが災いして "修復されない現実!"、これを痛々しく照らし出すものだと言える。
 下記引用サイト記事医師の4割が「精神疾患増加」 東北3県の調査/【共同通信】/2014.03.07 - 18:27 は、決して偽りでは修復不能な "人の心に居座る傷痕" を照射している

 <東日本大震災で被災した岩手、宮城、福島3県の沿岸部で被災者を診察している医師70人のうち、約4割(27人)が「心的外傷後ストレス障害(PTSD)などの精神疾患が増加傾向にある」とみていることが共同通信のアンケートで7日、分かった/ 被災者に精神疾患が多くみられることは専門家が指摘してきたが、直接診察に当たっている医師により裏付けられた形/ 震災から3年近くを経ても生活環境の改善が進まない実態が明らかになった> とある。

 つい先日、<仮設住宅での暮らしが、高齢者の認知症リスクを1・3倍高める可能性があること> という、これまた哀しい現状が気になったばかりであった。

 ◆ 参照 2.
 <東日本大震災後の仮設住宅での暮らしが、高齢者の認知症リスクを1・3倍高める可能性があることが、東北大の古川勝敏准教授(老年医学)の研究グループの調査でわかった/ 震災で家族を亡くしたり、外出や運動の機会が減ったりしたことが影響している/ 仮設住宅に暮らす65歳以上の700人を対象に、物忘れの度合いを検査/ その結果、36%にあたる252人に記憶力や判断力、計算力などの低下がみられ、「認知症か認知症予備軍の可能性がある」と判断/ 国内の認知症患者は、予備軍を合わせると高齢者の28%で、仮設住民に占める割合の方が上回っていた>( 認知症:仮設暮らし リスク1.3倍!/認知症:「本人の努力次第」(自己責任論)ではない!( 当誌 2014.03.06 )

 これらの記事は、冒頭の無人の町の"じじい部隊"の果敢さとは対照的に、"心が折れてやむなし" とさえ言えてしまいそうな "危機的状況" を逆照射しているのではなかろうか。決して弱音の観点ではなく、事実の問題として......。

 <日本では難病(特定疾患)に指定>されている "パーキンソン病" には、効果的な治療法の決め手がないだけに、今回着目する下記引用サイト記事パーキンソン病、iPS使い治療 京大が16年にも/日本経済新聞/2014.03.07 - 02:05 は、"朗報!" として注目されるものと思われる。

 そもそも "パーキンソン病" とは、以下のように、脳内のドーパミン不足とアセチルコリンの相対的増加とを特徴とする "難病(特定疾患)" だ。

 <脳内のドーパミン不足とアセチルコリンの相対的増加とを病態とし、錐体外路系徴候(錐体外路症状)を示す進行性の疾患である。神経変性疾患の一つであり、その中でもアルツハイマー病についで頻度の高い疾患と考えられている。日本では難病(特定疾患)に指定されている。本疾患と似た症状を来たすものを、原因を問わず総称してパーキンソン症候群と呼ぶ。本症はパーキンソン症候群の一つであるということもできる。>( ウィキペディア/パーキンソン病

 こうした "難病" であるだけに、かねてより、折からの "iPS細胞を使った再生医療" のアプローチに大きな期待が寄せられていた。

 ◆ 参照
 ○ <iPS細胞を使った再生医療はこのほか、パーキンソン病や角膜のやけどなどを対象とした臨床研究の計画が進んでいる (iPS治療、実用化へ歩み着実 研究進展に期待/朝日新聞/2014.01.15 - 22:29)> (iPS細胞(人工多能性幹細胞)研究の多彩な動向!着実な歩みを見せる実用化アプローチ!( 当誌 2014.01.17 )

 ○ <ヒトのiPS細胞からドーパミンを出す神経細胞を作り、パーキンソン病の症状を示すネズミの脳に移植/ 体の片側がうまく動かず、同じ場所をぐるぐると回っていたネズミは、4か月後、症状が改善し、まっすぐ歩けるようになった> (iPS 臨床研究 "パーキンソン病"でも! ぐるぐると回っていたネズミがまっすぐ歩けた!( 当誌 2013.03.02 )

 そして、今回下記引用の記事のとおり、<臨床研究を2016年にも始める> というかたちでの具体化に至った。

 <京都大学iPS細胞研究所(山中伸弥所長)はiPS細胞を使い、手足などが震える神経の難病であるパーキンソン病を治す臨床研究を2016年にも始める。iPS細胞から育てた神経細胞を移植し、脳の機能を回復させる。治療に必要な細胞を安全に作る技術を確立した。iPS細胞を使う移植は今夏にも理化学研究所が目の難病を対象に世界で初めて実施する。今回は2例目になりそうだ。日本発の再生医療が世界をリードする可能性がある/ 患者の血液からiPS細胞を作製し、さらに大量の神経細胞に成長させて患者の脳に移植する。細胞移植で、患者の脳内で減っている神経伝達物質「ドーパミン」の量を増やす> とある。

 <移植によってがんができるリスクは非常に低い/ 京大チームはこれまでにネズミやサルを使い実験。iPS細胞から作った神経細胞を移植し、治療効果を確認している> とのことであり、その "臨床成果" が待ち望まれている。

 "免疫力" の観点から、"" という臓器に着目し続けている。ヒトの "免疫力" の "60%" が、"腸" における "腸管免疫系" によって担われているからである

 ◆ 参照
 ○ "腸"は老化のバロメーター!残り時間が寿命決定!老化指標の"P16(がん抑制遺伝子)"!( 当誌 2014.03.05 )
 ○ 免疫力!腸内細菌とヨーグルト!ヒトの腸管は抗体の6割をつくる人体最大の免疫器官!( 当誌 2014.02.19 )

 その "" という臓器には、さらに注目すべき奥儀が隠されているようなのだ。特に "中高年層" にとっては、今からでも遅くない "起死回生の健康法!" への道が示唆されているかと思われる。

 この辺の事情を興味深く説くのは、下記引用サイト記事50歳からの食事 脳より賢い腸に従え/日本経済新聞/2014.03.05 - 06:30 である。

 < 【腸のオキテ(1)】 幸せを感じさせるのは脳ではなく、腸
 腸は、脳よりもずっと賢く、人体にとって最も重要な臓器/ 腸内細菌は消化機能だけでなく、ビタミン類を合成したり、免疫を活性化して病原菌を排除したりする働きも担っています。さらに、幸福感をもたらすドーパミンやセロトニンといった「幸せ物質」の前駆体(ある物質が生成される前段階の物質)を合成し、脳へ送り込んでいるのも腸内細菌/ 現代人の腸内細菌は激減/ 40~50代男性のその量は、戦前の3分の1/ 野菜を食べなくなり、腸内細菌のエサとなる食物繊維の摂取量の減少、食品添加物やストレスによるダメージが、その原因/ 怖いのは、活性酸素/ ストレスで体内に活性酸素が発生すると、あらゆる細胞や腸内細菌を攻撃し、ダメージ。

【腸のオキテ(2)】 本当は、腸は炭水化物を嫌がっている
 体を動かすエンジンは2種類あり、一つが炭水化物を糖に変え、瞬発力を生む「解糖エンジン」。もう一つは、酸素を燃料に持続力を生む「ミトコンドリアエンジン/ 50歳を過ぎてからも変わらずお菓子やパンを食べていると、解糖エンジンが活発になり、ミトコンドリアエンジンがうまく回らない/ 取り込んだ酸素は使われないまま活性酸素になり、腸にダメージ/ 日本人の4大疾病のがん、心筋梗塞、脳卒中、糖尿病のすべてに活性酸素が関係/ 50歳を過ぎたら、炭水化物類は食べないほうがいい/ バカな脳の指令は無視して、真面目に体を正常に保つ腸にこそ、従うべきなのです。本当は、腸は糖が多いことを嫌がってるはず。

【腸のオキテ(3)】 大きなウンコ、出てますか?
 腸がよく働いている人ほど腸内細菌が多く、食物繊維が多いため便は大きくなる。また、臭いが少なく、黄金色で練り歯磨きくらいの硬さがベスト。それがスポーンと出たら、腸からの良い便り/ 食物繊維が豊富な野菜や果物、乳酸菌が豊富な納豆や味噌をせっせと食べましょう/ 楽しく食べると免疫力が上がります/ 中高年以降はたんぱく質やコレステロールが不足しがち/ 50代を過ぎたら週2回は肉、これは鉄則/ 酸素を取り込みながらゆっくりとした運動を行うこと、体を温めることはミトコンドリアエンジンを活性化させ、腸も喜びます/ 好きなことをしている人のほうがずっと長生き。

【腸のオキテ(4)】 キタナイ生活をすれば腸はキレイになる
 普段から腸に雑多な菌を入れていれば、腸内細菌が鍛えられて大事に至らない/ インフルエンザやノロウイルスが猛威を振るい、花粉症やアトピーが増えた原因は、行き過ぎた清潔志向が免疫を低下させているため/ 泥まみれになって遊んだ子供は丈夫で、風邪をひきにくいものです。大人も、衛生的にはある程度おおらかなほうがいい。 > とある。

 "脳" 至上主義とも言えそうな環境で "足掻き続けて生きた(?)" 半生を、"悔い改める(?)" のは至難の技ではないかと思える。
 しかし、<腸のオキテ> に従うことなく、<日本人の4大疾病のがん、心筋梗塞、脳卒中、糖尿病> に打ち克つことは難しいようである
......。

 "認知症" の予防/治療には、医学的観点を基軸にしながらも、さまざまな分野からのアプローチが欠かせないようである
 先日も、"記憶と嗅覚" という視点に依拠した "アロマセラピー" という治療法について注目してみた。

 ◆ 参照 アロマセラピー!"香りの力"で認知症を予防する!アルツハイマー型認知症と嗅覚障害!( 当誌 2011.00.00 )

 今回は、少なからず重要な意味を持つはずの "社会的な側面" の問題/課題に注目してみようと思う。

 下記引用サイト記事 1仮設暮らし 認知症リスク増 ... 東北大調査/読売新聞 - yomiDr./2014.03.05 は、まさに "認知症" の "社会的な側面" を裏書きしているのだと思われる。
 "認知症" が、決して、"個々人の身体的状態" のみで説明し尽くされる病気ではないことを、説得力を持って示された実証数値ではなかろうか

 <東日本大震災後の仮設住宅での暮らしが、高齢者の認知症リスクを1・3倍高める可能性があることが、東北大の古川勝敏准教授(老年医学)の研究グループの調査でわかった/ 震災で家族を亡くしたり、外出や運動の機会が減ったりしたことが影響している/ 仮設住宅に暮らす65歳以上の700人を対象に、物忘れの度合いを検査/ その結果、36%にあたる252人に記憶力や判断力、計算力などの低下がみられ、「認知症か認知症予備軍の可能性がある」と判断/ 国内の認知症患者は、予備軍を合わせると高齢者の28%で、仮設住民に占める割合の方が上回っていた> とある。

 また、下記引用サイト記事 2認知症を考える (11)「本人の努力次第」ではない (斎藤正彦、都立松沢病院院長)/読売新聞 - yomiDr./2014.03.02 は、"認知症" を専門的な精神医の眼から見ると、<「本人の努力次第」> で回避できる病気ではない! という点が、説得力あるかたちで平易に語られている

 <現在、認知症の原因疾患を確実に予防する方法はありませんが、血管を含む循環器の健康が、認知症発症のリスクを下げるということはかなり確実/ ただし、健康に注意している人でも、遺伝的な要因など、自分の努力では制御できない理由で、いろいろな病気になることを防ぐことはできません。まして、認知症について言えば、長生きこそが最大のリスクなのです/ 予防への熱意は、裏を返せば、私たち国民の心の中にある認知症への恐怖です。これを医療、介護に関わる経済負担を軽減したい行政的意図があおり立てると、国を挙げての認知症予防フィーバーが起こります。こういう風潮は、認知症になるのは予防を怠ったからだといった自己責任論に結びつきかねません/ 高齢になって健康を維持できるかどうかは、本人の努力だけで決まるものではありません。運悪く病気になった人を、みんなで、快く支え合う社会であってほしいと私は思います> とある。

 人間は "社会的動物" であるのだから、人間の人間たる秀でた特徴としての "意識/精神" が病む("認知症")ことの原因として、"社会的な側面" の問題/課題を考慮しないというのは、やはりムリがあるのだと思われる......。
 "認知症" の予防/治療には、"社会的な側面" の問題/課題が十分に組み込まれるべきだと思えてならない。

 "免疫" の働きに注目するならば、何と言っても、"腸管免疫系" と呼ばれている "" に注意を払わざるを得ないようである。

 ◆ 参照
 <"乳酸菌" などの "腸内細菌" が機能する舞台は、もちろん "腸" であり、これらによって果たされる "免疫" は "腸管免疫系" と呼ばれ、何とヒトの "免疫力" 全体の "60%" を占めるのだそうだ。
 どうも、"乳酸菌"/"プラズマ乳酸菌"/"免疫力" という体内リンケージは、ことインフルエンザ・ウイルスにのみ関わっているのではなくて、"免疫力" という点において、"がん" を含む多くの病気とその治癒力にも深く関係している
>( 免疫力!腸内細菌とヨーグルト!ヒトの腸管は抗体の6割をつくる人体最大の免疫器官!( 当誌 2014.02.19 )

 そして、今回、注目する記事は、単刀直入に、その "腸" が "寿命を決める" 臓器であると言明する、下記引用サイト記事腸は老化のバロメーター(1)残り時間が寿命を決める/msn 産経ニュース/2014.03.03 - 09:30 である。

 <腸の老化を遅らせ、健康で長生きしませんか?/ 腸は最も老化しやすい臓器/ がん抑制遺伝子の一つで、老化の指標とされるP16というタンパク質が一番早く検出されるのは腸。食物の消化吸収のため、長時間酷使されるので疲れるためでしょう。腸の残り時間は人の寿命を決めます/ 腸は臓器の中でも特に指令を多く出すため、その機能が衰え、脳に指令が行き届かなくなると、他の臓器に甚大な影響を与える。腸が人の寿命を左右するといわれるゆえんだ/ この腸の老化を最も自覚しやすいのが便秘。年を取るとほとんどの人が便秘気味になってくる......> とある。

 <がん抑制遺伝子の一つで、老化の指標とされるP16というタンパク質が一番早く検出されるのは腸。......腸の残り時間は人の寿命を決めます> という指摘は、実に説得力がある。

 なお、この<がん抑制遺伝子/P16> については、末尾参照記事が解説している。
 <正常細胞が分裂寿命に達したり、発癌ストレスが生じた場合には、p16INK4a遺伝子の発現が著しく上昇し、細胞老化を起こす/ これらは正常細胞が有する癌化を防ぐための自己防御機構と考えられています>( がん研究所/がん生物部 原 英二研究室
 つまり、"細胞がん化抑制 = 細胞老化誘導(細胞死?)" という機能を果たす、と理解できる。

 いずれにせよ、<P16というタンパク質が一番早く検出されるのは腸> であるという事実は、<腸は最も老化しやすい臓器> であることを意味しているということになる......。

 相変わらず "認知症/アルツハイマー型認知症" の話題が人々の関心を集めている
 当誌でも随時このテーマの記事をフォローし続けている。

 ◆ 最新記事参照 アルツハイマー型認知症の進行を既存薬(脳梗塞予防薬「シロスタゾール」)内服で抑制!( 当誌 2014.02.28 )

 さて、"認知症/アルツハイマー型認知症" は、言うまでもなく "もの忘れ"/"記憶減退" が最大の特徴だとされる病気である。
 そして、"記憶" という能力と、実は深い関係のある能力が動物には備わっている
 その能力とは、"嗅覚" なのである。

 <あえて、"臭い、香り" にこだわるのは、これらが "記憶" を呼び覚ます重要な刺激だと実感するからである。この点はかねてより体感的に気づいていたが、どうも少なからぬ脳科学者たちもこの事実をあちこちで指摘しているようだ。
 記号情報で飛躍的発展を遂げた人間も、動物としての基本構造は、今なおしっかりと内蔵しているわけであるが、その動物たちにとっては、"嗅覚" は重要な "生存ツール" のはずであり、その関係から "嗅覚" にまつわる "記憶" はかなり刻印が深いのではなかろうかと推測できる。......
>( "情報社会" の基本構造に楯突く "嗅覚" 情報という "ダサイ(クサイ)" 課題( 当誌 2010.02.27 )

 今回は、この "記憶と嗅覚" という観点から、最近、注目度が増している "認知症とアロマセラピー" という話題に目を向けてみたい。
 今回取り上げたい記事は、下記引用サイト記事二点、【 引用記事 1 】香りの力で認知症を予防する 鳥取大学大学院医学系研究科保健学専攻・病態解析学分野 浦上克哉/鳥取大学発ベンチャー 株式会社ハイパーブレイン/更新日 2010.03.21 と、 【 引用記事 2 】認知症予防に対する アロマセラピーの可能性 鳥取大学医学部保健学科生体制御学 助教谷口美也子 教授 浦上克哉/鳥取大学/2011.05.09 である。

 まず、注目すべきは次の叙述であろう。

 <アルツハイマー型認知症はもの忘れから始まるといわれているが、実は嗅覚障害が先に起こる。最初に臭神経が障害され、次いで海馬の神経細胞が障害される。そこで嗅覚障害はあるが、もの忘れはまだないという状態で香りによる嗅覚刺激を行なえば認知症を予防できる可能性が考えられる

 そして、<アロマセラピー> では、<香りによる嗅覚刺激> として、<アロマオイル> が、<神経細胞を活性化> させるものと、<神経細胞の癒し効果> があるものとして二通りが援用される、というのである。その結果、
 <アルツハイマー型認知症ではアロマセラピーにより顕著に改善効果がみられた> とある。

 なお、図表「匂いを感じるメカニズム」【 引用記事 2 】)は、"嗅覚/嗅神経" と、脳での "記憶" を司る部位(海馬、扁桃体、視床下部、大脳辺縁系)とが緊密な連携プレーを果たしている様子を彷彿として伝えている。

 いずれにしても、"記憶" と "匂い" とは不可分の関係にありそうだ。ちょいと、動物たちの驚くべき習性を思い浮かべれば、十分に納得できるはずだ......。

 がん治療法は、"三大療法"(除去手術/抗がん剤/放射線)に依拠してきた とされているが、医療技術の発展や研究開発の進展によって、"患者にとっての選択肢" は増えつつあるのが現状だ。

 全く "新たな治療法" としての、"がん免疫療法" というアプローチも視野に入り始めた昨今だ。
 ◆ 参照 1.
 "iPS細胞でがん免疫療法"!京大発ベンチャーが着手!いよいよ"実用化のステージ"か!( 当誌 2014.03.01 )

 こうした状況で、上記の "三大療法" からも、種々の革新が加えられた "新たな治療法" が登場し、注目を浴びている。
 サイバーナイフ( CyberKnife )」という、最新医療機器を駆使したがん治療のアプローチ(「定位放射線治療」/「放射線治療ロボット」)である。
 実際にメスを使って体を傷つけるのではなく、患部に細い放射線を正確に照射し、あたかもメスで切り取ったように病巣を破壊してしまうものと言われている。

 その特徴としては、以下の点が挙げられている。
 <【サイバーナイフの4つの特徴】
◎ 高性能 : 病変だけを狙い打つ最新の治療「病変追尾システム(TargetLocatingSystem:TLS)」
◎ 低浸襲性 : 治療のつらさ、痛みを伴わない「プラスチック製マスク」
◎ 治療自由度 : 通院での定位放射線治療が実現「分割治療」
◎ フレキシブル : 大きな病変にも対応「ロボットアーム」
>( 新百合ケ丘総合病院

 今回、注目する下記引用サイト記事がん治療で増える選択肢、切らずに治す「サイバーナイフ」とは?/神奈川新聞 カナロコ/2014.02.28 は、この動向について報じている。

 <医療技術の進歩や研究開発により、がんの新たな治療法が開発され、患者の選択肢が広がっている/ 患者が自ら選ぶ時代に変わりつつある/ 「切らずに治すがん治療法は脳外科が源流です」。新百合ケ丘総合病院(川崎市麻生区)の笹沼仁一院長は、同病院が誇る最新鋭のエックス線治療ロボット「サイバーナイフ」の原理について、そう切り出した/ 「ナイフという名称がついているが、体にメスを入れるわけではない。近年、ニーズが増えている『切らずに直す』ための有力な装置で、保険も適用される」。サイバーナイフの基になったのは、頭頸部の病巣に放射線の一種、ガンマ線を集中的に照射し治療するガンマナイフだ/ 開頭手術による患者の身体的な負担をいかに軽減するかという考えからこの装置の導入が進んだ。脳腫瘍などの病巣をナイフで切り取るような治療法/ サイバーナイフを使った治療の効果を顕著に高めているのは、極小のがん細胞も鮮明に映し出すPET画像との融合です。それがこの治療法の生命線/ 一つ一つの線量は微量で正常な細胞をほとんど傷つけることなく病巣に達し、さまざまな角度からがん細胞に集中して攻撃する/ 切らずに治す治療はあくまで選択肢の一つ。がんの種類によっては、外科手術が最適な場合もある......どれを選ぶかは個人の判断。じっくり考えて選択するとともに、セカンドオピニオンを受けることが大切> とある。

 "がん免疫療法" がいよいよ "実用化のステージ" へと踏み込んだと言って良さそうだ。ちなみに、"臨床試験" は5年後......、とあるが、最終ステージへと踏み込んだものと見える

 これまで、がん治療法は、"三大療法"(除去手術/抗がん剤/放射線)に依拠してきたが、漸く "がん免疫療法" という新しいアプローチへと移行しつつあるのようだ。

 <"がん免疫療法" とは、簡単に言えば、患者体内に備わった "免疫力/免疫細胞" を活性化させ、支援することで、"がん細胞" の動きを封じ込める治療法>("がん免疫療法"進展!免疫細胞を"再教育"!新療法で白血病患者88%の症状消失(米国)!( 当誌 2014.02.23 )) と理解される。

 何と言っても、上記の"三大療法"(除去手術/抗がん剤/放射線) に付きまとってきた "不相応な副作用" からの "解放!" が、"期待されるメリット!"。

 そうした "魅力のあるがん治療技術" だけに、当誌でも以前から注目しフォローを続けてきた。

がん免疫療法 に関する当誌での主な掲載記事 】

 1.iPS細胞から免疫細胞を作り出す研究

 ◆ 参照 1.
 <がん免疫療法への応用を目指し、iPS細胞から免疫細胞を作り出す研究が進んでいる。理化学研究所は強力な免疫作用のあるナチュラルキラーT(NKT)細胞」の作製に成功。 熊本大学は膵臓がんや胃がんの治療に向けて「マクロファージ」と「樹状細胞」を効率的に増やす手法を開発した> ( "iPS細胞"技術:"がん免疫療法"への応用目指し着実な進展!NKT細胞ほか免疫細胞培養!( 当誌 2014.01.27 )

 ◆ 参照 2.
 <ウイルスに感染した細胞やがん細胞などを攻撃する免疫細胞の一種「T細胞」を一度、人工多能性幹細胞(iPS細胞)にした上で、同じ能力を持つ「元気」なT細胞に再生させることに世界で初めて成功したと、東京大の中内啓光(ひろみつ)教授らのグループが発表した。このT細胞を患者の体に戻すことで、がんなどの新たな治療法につながる ......> ( iPS細胞の技術応用で、がん細胞などを攻撃する免疫細胞の一種"T細胞"の若返りに成功!( 当誌 2013.01.05 )

 2.多彩ながん免疫療法研究アプロ―チ

 ◆ 参照 3.
"がん免疫療法"進展!免疫細胞を"再教育"!新療法で白血病患者88%の症状消失(米国)!( 当誌 2014.02.23 )



 そこで、今回、注目するのが、"がん免疫療法" の "実用化のステージ" への第一歩を報じる下記引用サイト記事iPS細胞でがん免疫療法、京大発ベンチャーが着手/朝日新聞/2014.02.27 - 00:32 となる。

 <iPS細胞(人工多能性幹細胞)を使い、弱った免疫細胞を若返らせてがんをやっつける新しい手法の実用化に、京都大学発のベンチャー企業が乗り出した。多くの人が治療を受けられるようにするための臨床試験(治験)を5年後にも始めるのが目標/ この企業はアストリム(社長=桂義元・京大名誉教授)。新手法では、がん患者の体内から「キラーT細胞」という免疫細胞を取り出してiPS細胞にし、もう一度キラーT細胞にして体に戻す/ いったんiPS細胞にしてからキラーT細胞に育て直すと、標的をたたく性質を保ったまま若々しさを取り戻すとわかり......> とある。

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