yasuo hirose: 2017年3月 アーカイブ

 "緑茶のカテキン(EGCG)" の "健康効果" には、"脳出血/脳梗塞/がん/認知症などなど" 幅広い予防効果がある、と数えあげられてきた。

 ◆ 参照 当誌過去の "カテキン" 関連記事

 (1) "緑茶のカテキン(EGCG)" が "前立腺がん"の予防に効果あり(人間にも)!との研究結果!/当誌 2015.06.06
 (2) "緑茶"に"認知症予防"効果か(金沢大)!? "脳出血/脳梗塞/がん"などの抑止効能に加え!/当誌 2014.05.16
 (3) "緑茶"習慣で"脳出血/脳梗塞"の発症率低下! "生活習慣病"を"生活習慣の緑茶"で制す!?/当誌 2013.03.16

 今回注目する下記引用サイト記事茶カテキン、肝臓で効く 岐阜大グループ解明/中日新聞/2017.03.30 は、  <緑茶に含まれる茶カテキンが、動脈硬化のリスクを高める悪玉コレステロールLDLを肝臓に取り込んで分解や排せつする働きを助け、LDLの血中濃度を下げる仕組みを岐阜大応用生物科学部の長岡利教授(58)らの研究グループが突き止めた。ドイツの食品科学の専門誌電子版に掲載された> と報じている。

 <......LDL大半は肝臓で作られ、血液を通じて細胞膜などのもとになる脂質を運ぶ。ただ血中濃度が高くなると、動脈硬化などの心疾患にかかるリスクが高まると知られている。肝臓は血中濃度が高くならないよう、LDLの分解と排せつもしている。  茶カテキンの一つ「エピガロカテキンガレート(EGCG)」を継続的に摂取すると、肝臓でLDLが、より取り込まれることは分かっていたが、仕組みは知られていなかった。  長岡教授らは、ヒトの肝臓細胞を培養し、EGCGを加えて実験した。  すると、LDLと結び付いて肝臓に取り込む受け皿となるタンパク質「LDL受容体」が増え、一方で受容体を分解する酵素「PCSK9」が減ることを発見した。さらに受容体を作る橋渡し役となる遺伝子因子を増やす作用があることも見つけた。  食品科学の専門誌として有名な「モレキュラー・ニュートリション&フードリサーチ」電子版二月九日号に掲載された。  医療現場では、血中のLDL値を低下させるため、受容体の活性化薬「スタチン」が広く処方されている。長岡教授は「茶カテキンと一緒に摂取すれば、LDLの血中濃度を下げる効果がさらに高まる。身近な緑茶の効用を見直してほしい」と期待する。 (兼村優希)> とある。




















 他人の細胞を使って作った人工多能性幹細胞(iPS細胞)から網膜の細胞を作製し、重い目の病気の患者に移植(「他家移植」)する世界初の臨床研究 については、すでに、その "承認" に関する記事が伝えられていた。

 ◆ 参照 当誌過去の "他家移植" 関連記事

 (1) 世界初、他人の"iPS細胞"から作った網膜の細胞移植手術! 厚労省の専門部会が了承!/当誌 2017.02.04
 (2) 世界初、"他人のiPS細胞移植" 臨床研究が承認! 条件付きで 大阪大審査委員会/当誌 2016.09.11
 (3) "他人のiPS細胞"使った臨床研究(「他家移植」!という方法) 来年前半の手術へ準備!/当誌 2016.06.09

 今回注目する下記引用サイト記事世界初、他人のiPS移植 理研、目の病気に網膜細胞/共同通信/2017.03.28 - 19:40 は、  <理化学研究所などのチームは28日、目の病気の患者に、他人の人工多能性幹細胞(iPS細胞)から作った網膜の細胞を移植する手術を実施したと発表した。他人のiPS細胞を使った移植世界初患者本人のものを使うより準備期間が短く、費用も安くなる利点があるiPS細胞を使った日本発の再生医療の普及に向けた大きな一歩となる> と報じている。

 <......理研の高橋政代プロジェクトリーダーらが、神戸市立医療センター中央市民病院で臨床研究として実施した。「滲出型加齢黄斑変性の60代男性に対し、iPS細胞から作った網膜細胞を含む溶液を注射針で目に注入。細胞が網膜に定着するのを待つ手法で移植した> とある。

 "特別養護老人ホーム" への "入所待ち!"(とその厳しさ)は、"保育園問題" とともに、かねてより悩ましい話題とされてきた。 そして今、事態は "複雑さ(?)" を呈しているようだ。

 ◆ 参照 "特別養護老人ホーム" 関連記事

  <老人ホームというと、待っている人が多くて、なかなか入れないというイメージがありますが、今、ベッドが空いてきているんです。まず見ていくのが、入居待ちが52万人に上るとされる、特別養護老人ホームです。介護や医療的なケアなどのサービスが受けられ、国などから補助金が出ているため、年金の範囲内で入ることができます。全国の特別養護老人ホームのベッド数は、56万床余り。ベッドがどれだけ使われているかを示す稼働率について、今回、国が委託調査を行ったところ、その稼働率が96%と、100%に満たないことが分かりました。入りたくても入れない高齢者がたくさんいる一方で、なぜベッドが空いているのか......> ( クローズアップ現代「」"老人ホーム"が空いている!?/NHK クローズアップ現代 /2017.03.16


 今回注目する下記引用サイト記事特養待機者36万6100人、受け皿不足続く...厚労省調査/yomiDr. ヨミドクター/2017.03.28 は、  <厚生労働省は27日、寝たきりなどで介護が必要な人が暮らす特別養護老人ホームに入りたくても入れない人が約36万6100人に上ると発表した。受け皿となる施設の不足が依然深刻な状況が浮き彫りになった> と報じている。

 <......調査は、2016年4月現在の状況を集計した。特養は、介護保険法が改正された15年4月以降、やむを得ない事情がある場合を除き、入居者を介護の必要性が高い要介護3以上に限っている。待機者のうち、要介護3以上は約29万5200人認知症でやむを得ない人など、要介護2以下は約7万900人だった。  今回の結果を13年10月の前回調査と比べると、要介護3以上の待機者は、約4万9900人減った。特に最も重い要介護5の待機者が2万1000人減った。政府は20年代初頭までに50万人分以上の新たな受け皿を確保する方針を掲げており、増設が進んだことが理由とみられる。  要介護3以上の待機者のうち、医療機関や介護老人保健施設など、自宅以外で暮らしながら、待機している人が約17万2000人。一方、自宅などで生活を送りながら待機している人は約12万3200人に上った> とある。

 "がん免疫療法"(オプジーボもその一種)が、その注目度と期待度とを高め続けている。

 ◆ 参照 当誌過去の "免疫細胞" 関連記事

  <ヒトの免疫細胞の一種「(キラー)T細胞」を一度、人工多能性幹細胞(iPS細胞)にした上で、これらを再生/増殖して再び患者の体に戻してがん治療に役立てようとするアプローチ> ( iPS細胞 "がん殺傷免疫細胞"を作製成功!(京大ウイルス・再生医科学研究所グループ)/当誌 2016.11.23


 今回注目する下記引用サイト記事次世代療法で血液がん治験...自治医大病院など/YOMIURI ONLINE/2017.03.25 は、  <自治医科大病院やバイオ関連企業のタカラバイオ(本社・滋賀県草津市)などは、遺伝子を改変してがんへの攻撃力を高めた免疫細胞で、血液のがん「急性リンパ性白血病」の重症患者を治療する臨床試験(治験)を、2017年度から始める。次世代のがん治療法で、海外の臨床試験では高い治療効果が報告されており、20年度の薬事承認を目指す> と報じている。

 <......この治療では、患者から取り出した免疫細胞に、人工的な遺伝子を加え、白血病細胞の「目印」となるたんぱく質を認識できるようにし、目印を狙って攻撃できるようにする。そして、この免疫細胞を大量に増やし、患者の体内に戻す。  治験は、急性リンパ性白血病の再発患者など既存の治療が行えない重症の成人二十数人を対象に計画。  今年1月、自治医科大病院を含む、三重大病院、東京大医科学研究所病院など6施設で治験を行う計画が、薬の承認審査を行う独立行政法人「医薬品医療機器総合機構(PMDA)」に提出された。計画は認められ、現在は自治医科大病院などで患者募集を始めており、4月以降に治療を始める予定だ> とある。

 がんの大半が "遺伝子複製ミス" を原因として発生しており、またこの点については避けようがない、という米研究グループの研究については、やはり、衆目を集め続けている。

 ◆ 参照 当誌過去の "遺伝子複製ミス" 関連記事

 (1) "がんの3分の2はDNAの複製ミス" によって起きている!(米研究グループ) 防げない?!/当誌 2017.03.26
 (2) がん6割、遺伝子複製ミスが主因!細胞分裂の際に誰にでも起きる複製ミスが主な原因!/当誌 2017.03.25


 今回注目する下記引用サイト記事がんの遺伝子変異、大半がDNAの「ランダムなミス」 研究/JIJI . COM/2017.03.24 - 11:25 は、  <【マイアミAFP=時事】 がんの原因は何か──。23日に発表された研究論文は、遺伝および環境要因ではなく、細胞分裂時に生じるランダムなミスが、腫瘍の遺伝子変異の大半を占めていることを示唆している。  論文は米科学誌「サイエンス」に掲載された。研究論文を執筆した研究チームは、2015年1月に発表された研究で、ランダムなDNA変異、つまり「不運」が、がんの原因となる場合が多いと指摘し、賛否両論を巻き起こした。  研究チームは今回、独自に開発したDNA配列と疫学のデータに基づく数理モデルを、世界69か国に拡張した> と報じている。

 <......論文の共同執筆者で、米ジョンズ・ホプキンス大学シドニー・キンメル総合がんセンターの「ルードウィクがん遺伝学・治療学センター」共同所長、バート・ボーゲルスタイン氏は、記者会見で「がんで発生する変異の3分の2は、細胞が分裂する際に起こすミスに起因している」と語った。  論文によると、がんの変異の29%は環境が要因となっており、遺伝要因は全体の5%だという。  ボーゲルスタイン氏は、「正常な細胞が分裂するたびに、いくつかのミスを起こす。これが変異だ」と説明。「たいていの場合、これらの変異は何の害も及ぼさない」と続けた。  しかし、「これは通常の状況。つまりは『幸運』ということだだが時にこれが、がん誘発遺伝子で起きることがある。これが『不運』なのだ」と指摘した。  今回の研究の目的は、この種の変異に関する理解を向上させ、がんを早期に発見する方法の確立につなげることだった。  研究はまた、何ら問題の無い環境においても、がんが発症することを浮き彫りにしている。これによって、一部の患者が診断を受ける際に直面する罪悪感が和らぐ可能性がある。
 ただ、研究者らは、喫煙や過度の日光に当たることなど、がんに関する既知のリスク要因を避けることはこれまでと同様に強く求められるとしている。  今回の研究は「がんの42%は防ぐことができるという疫学的な推計と完全に一致しており、このようながん予防ガイドラインを誰もが忠実に守るべきだ」とボーゲルスタイン氏は強調した。  ■ 加熱する議論  研究チームが米国の患者に基づいて行った2015年の研究は、科学界に大きな議論を巻き起こした。  当時の研究をめぐっては、がんが不可避で予防できないケースがそれほど多いのなら、食事に気を配ったり日光から身を守ったりする必要はないと考える人が出てくる恐れがあるとして、批判する声が上がった。  2015年12月には、がんの症例の大半が、ランダムな変異ではなく、喫煙や紫外線への暴露などの環境要因によって引き起こされるとする、チームの研究に反論する論文も発表された。  一連の流れについて、英オープン大学のケビン・マッコンウェイ名誉教授(応用統計学)は、「今回の論文が、この問題に最終的な結論を下すには至っていないことは確かだ」とコメントしている。同名誉教授は今回の研究には参加していない。  一般の人にとって、今回の研究から学び取れる内容は、多くのがん性変異は避けることができないが、多くのがん症例は予防が可能ということだ。  「変異の生成にランダムな複製成分が関与するかに関係なく、環境的原因や遺伝的原因を取り除くことで、多くのがん発症リスクを大きく低減させることは可能」とマッコンウェイ名誉教授は話した
> とある。

 がんの発症の足元には、"遺伝子複製ミス" という "不可避の現象" が横たわっていることに、昨日、注目したところだ。

 ◆ 参照 当誌過去の "遺伝子複製ミス" 関連記事

  <複製ミスは、タイプミスと同じで一定の割合で必ず起きる......> ( がん6割、遺伝子複製ミスが主因!細胞分裂の際に誰にでも起きる複製ミスが主な原因!/当誌 2017.03.25


 今回注目する下記引用サイト記事"がんの3分の2はDNAの複製ミス" 米研究グループ/NHK NEWS WEB/2017.03.24 - 05:07 は、前掲の昨日の注目記事と大筋では変わらないのだが、  <がんにつながる遺伝子の変異が何によって起こるか、アメリカの研究グループが患者のデータベースを解析したところ、がん全体の3分の2はDNAの複製ミスによって起きていることがわかりました。研究グループは、防げないがんもあるとして早期発見の重要性を指摘しています> と報じている。

 <......がんにつながる遺伝子の変異主に遺伝的な要因や、たばこやウイルス感染などの環境の要因によって起きるとされてきましたが、こうした要因がないのにがんになる人もいます。  アメリカのジョンズ・ホプキンス大学のグループは、アメリカのがん患者の遺伝子のデータベースなどを使って、32種類のがんについてがんにつながる遺伝子変異が起きる原因を解析した結果を、24日付の科学雑誌「サイエンス」に発表しました。  その結果、遺伝子変異が起きるのは、遺伝的な要因が5%、環境の要因が29%だったのに対し、誰にでも起きる細胞分裂の際のDNAの複製ミスが66%を占めていたということです。  この割合はがんの種類によって異なり、複製ミスによる変異が、前立腺がんや脳腫瘍などでは95%以上と高かった一方で、肺がんの場合、たばこなどの環境の要因が65%だったということです。  研究グループは、がんは複数の変異が重なった場合に起きるため、およそ40%は環境や生活スタイルの改善で予防が可能だとする一方、防げないものもあるとして、早期発見などの必要性を指摘しています> とある。

 今回注目する下記引用サイト記事がん6割、遺伝子複製ミスが主因 肺、胃は予防が有効/共同通信/2017.03.24 - 03:01 は、  <【ワシントン共同】 肺がんや胃がんは、たばこや食事などの環境要因で起きやすく予防が有効だが、脳腫瘍や乳がん、前立腺がんなど多くのがんは、細胞分裂の際に誰にでも起きる遺伝子の複製ミスが主な原因だとする研究結果を米ジョンズ・ホプキンズ大のチームが24日付の米科学誌サイエンスに発表した。がん全体で見ると6割が複製ミスによるものだという> と報じている。

 <......チームは「複製ミスは、タイプミスと同じで一定の割合で必ず起きるがんとの戦いに勝つには、予防だけでなく、早期発見が重要だ」と訴えている> とある。

 "耐性菌多剤耐性菌)" は、現在、世界的な広がりで "危機的状況!" を生み出しており、これまでにも繰り返し報じられ、警告されている。

 ◆ 参照 当誌過去の "耐性菌" 関連記事

 (1) <抗生物質などの抗菌薬の過剰な使用によって薬の効かない耐性菌への感染が世界的に広がるおそれがあることから、厚生労働省は、抗菌薬の適切な使用を医療機関に求めるマニュアルを新たに作成することを決めました......> ( もはや一刻を争う"耐性菌対策"! 抗菌薬の適切な使用求めマニュアル作成へ!(厚労省)/当誌 2016.12.07

 (2) <世界は "ペニシリン以前の時代" に戻ろうとしている?......> ( 「スーパー耐性菌」(全ての抗生物質に"耐性"を持つ!) 米国内で初の感染例を確認!/当誌 2016.06.12


 今回注目する下記引用サイト記事新薬開発が急がれる耐性菌/47 NEWS - 医療新世紀/2017.03.21 は、  <世界保健機関(WHO)は、既存の抗菌薬が効きにくいため新薬が早急に求められる耐性菌12種のリストを公表した> と報じている。

 <......緊急性が特に高い第1グループの3種として、いずれも難治性感染症への切り札として使われる抗菌薬カルバペネムに耐性を持つ「アシネトバクター・バウマニ」「緑膿菌」「大腸菌などの腸内細菌科細菌」を挙げた。これらの細菌は既に他のほとんどの抗菌薬に耐性があるため、世界の医療現場で深刻な問題になっている。  抗菌薬の新規開発は長く停滞している。薬の必要性が特に高い細菌を明示することで政府や民間の研究開発資金投入を促す狙いがある> とある。

 今回注目する下記引用サイト記事脳タンパク質分解酵素を特定 アルツハイマー治療に期待/共同通信/2017.03.22 - 06:07 は、  <記憶力の増強など脳の機能を高めるタンパク質「リーリン」分解してしまう酵素を、名古屋市立大などの共同研究チームが22日までに特定した。リーリンの減少はアルツハイマー病や統合失調症の発症に関係するとされており、治療薬の開発が期待される> と報じている。

 <......名古屋市立大の服部光治教授(分子神経科学)は「製薬会社と酵素の働きを抑える薬剤を開発中で、5年後をめどに治験をしたい」と話す。  チームによると、遺伝子改変や脳への投与でリーリンが増えたマウスは、アルツハイマー病の症状が改善することが知られている> とある。

 "iPS細胞" 技術が、"「創薬」研究" を "新たな段階" へと押し上げたことは良く知られている。

 ◆ 参照 当誌過去の "創薬研究" 関連記事

 (1) "iPS細胞"技術は"再生医療"分野での成果に加え、「創薬」研究においても手堅く展開!/当誌 2014.09.20

 (2) <iPS細胞を使った「創薬」が、大きな進展を見せている。根本的な治療法のない難病「軟骨無形成症」の新薬候補の化合物が見つかったとの研究成果がきょう発表された他、アルツハイマー治療薬への応用、新薬の副作用の検査など、多岐にわたる研究が進められている。さらに、iPS細胞を使うことで、現在、動物実験が前提となっている創薬の流れを根本から変える可能性もあるという......> ( iPS細胞が変える"薬の常識" ~最前線からの報告~/NHK ONLINE クローズアップ現代/2014.09.18/当誌 2014.09.20

 (3) <......「これまで動物実験で効くと思われた薬の候補が実際の患者では効かないことが多くあったため、iPS細胞から変化させたヒトの細胞が薬作りに使えるのは、効果や安全性を見るのに非常に強い味方になると思う」......> ( iPS細胞使い治療薬の候補の物質特定/NHK NEWS WEB/2014.09.18 - 02:26/当誌 2014.09.20


 今回注目する下記引用サイト記事生命科学実験、ロボットで自動化 産総研など/日本経済新聞/2017.03.20 - 01:30 は、  <産業技術総合研究所を中心とする産官学の研究チームは、生命科学実験をロボットを使って自動化することに成功した。ロボット複数台で同じ実験をして、ほぼ同じ結果が出ることを確かめた生命科学は実験者による違いが大きく、同じ実験をしてもしばしば結果が異なる再現性の低さが問題になっているロボットによる自動化は、創薬研究の効率向上や研究不正の防止につながる> と報じている。

 <......研究チームは産総研のほか慶応義塾大学、味の素、九州大学、理化学研究所、東京医科歯科大学の6機関。  生命科学の実験は「試薬を注入してかき混ぜる」「細胞を培養する」「増えた細胞を別の容器に移す」「遠心分離機にかける」といった様々な工程の組み合わせだ。研究チームは各工程について作業の仕方を分析し、その動きを数値化して、ロボットの動きを制御するプログラムを作った。  参加機関は市販の人型双腕ロボットこのプログラムを組み込み、それぞれの実験拠点で共通の実験を試みた。  特定の遺伝子を増幅する試験では、全ての拠点で同じ特定の遺伝子を増幅できた48種類の化合物からがん細胞と結合するものを選ぶ試験でも、どのロボットも同じ3種類を選び出し、再現性の高さを確認した。  また細胞内の様々なたんぱく質の量を測定する実験をしたところ、量が多いたんぱく質の測定値は、ばらつきが数%にとどまった少量しかないものは人の手で測るのは困難なことが多いが、ロボットは約20%のばらつきで測定できた。  実験の工程を決め、プログラムをロボットに組み込めば実 できる。ロボットの知識は必要ない。夏目徹・創薬分子プロファイリング研究センター長は「生命科学で行う実験の約8割をカバーしているだろう」と言う。残る2割はあまり使われない工程なので、個々の研究機関が必要に応じてプログラムを作る。  産総研発のベンチャー、ロボティック・バイオロジー・インスティテュート(東京・江東)が販売しているロボットシステムにプログラムを組み込んだ。価格は1台約1億円。研究室で製薬会社がロボットを試用できる仕組みも整えた。夏目センター長は「5台ほど導入することで、相乗効果が期待できる」と話している> とある。

 がんの恐さの核心は、"転移" にあると見据えられているだけに、そのメカニズムや予兆の指標などをはじめとして、"転移" に関する研究は旺盛に取り組まれている。

 ◆ 参照 当誌過去の "転移" 関連記事

  <......がん細胞がもともとあった場所(原発巣)から血管内に入り込み、他の臓器に転移することは知られていたが、血管はがん細胞の通り道でしかないと思われていた。  研究チームの実験では、マウスのがんの中を走る血管の細胞からタンパク質が分泌され、これを感知したがん細胞が活性化、血管の内部に入り込んでいることを確認した。> ( "がん転移"に関するメカニズム! 血管からの分泌タンパク質が影響! 北大チーム解明!/当誌 2016.07.17

 今回注目する下記引用サイト記事がん肝転移の目印特定、鳥取大 タンパク質、治療法開発に期待/共同通信/2017.03.18 - 17:34 は、  <肝臓に転移しやすいがん細胞かどうかが分かる目印となるタンパク質を特定したと、鳥取大の岡田太教授(実験病理学)のチームが18日までに明らかにした。成果は英科学誌電子版に発表した。> と報じている。

 <......このタンパク質は「Amigo2」で、がん細胞で増加すると肝転移しやすくなるほか、予後不良となることを確かめたという。  岡田教授は「今後、Amigo2の増加を抑える薬を開発できれば、肝転移の予防や治療につながる」と期待する。  チームは、がん患者の約90%が、がんの転移の結果死亡していると説明しており、中でも肝臓は最も転移しやすい臓器という> とある。

 つい先日、"C型肝炎" とその "救済措置" から漏れている人たちが少なくない現状に関心を向けたばかりである。 ところが、同種の病気である "B型肝炎" についても、"救済措置" としての給付金を受給している人の比率が極めて低いのが現状だという。

 ◆ 参照 当誌過去の "C型肝炎" 関連記事

  <手術で止血用の血液製剤「フィブリノゲン」などを投与され、C型肝炎ウイルス(HCV)に感染したと推定される全国の約1万人のうち、国による救済措置を受けていない人が約7千人に上ることが、国や製薬会社に損害賠償を求めている薬害訴訟の名古屋弁護団などの調べで分かった。提訴して感染が証明されれば、1200万~4千万円の給付金が支払われるが、これまでに原告となったのは3千人余り。大勢が救済されないまま、来年1月15日の提訴期限が迫っている......> ( "C型肝炎" 7000人が未救済!薬害訴訟(血液製剤"フィブリノゲン")、来年1月提訴期限!/当誌 2017.03.16


 今回注目する下記引用サイト記事B型肝炎給付金、受給1割未満 特措法5年、救済に遅れ/共同通信/2017.03.18 - 09:22 は、  <集団予防接種の注射器使い回しによるB型肝炎ウイルス感染者のうち、救済目的の特別措置法施行から5年が経過した今年1月末時点で、国との和解手続きを経て給付金の受給資格を得た人は約2万6千人だったことが18日、分かった。推計の給付対象者は45万人で、1割にも満たない現状が判明> と報じている。

 <......症状がなく感染に気付かない人が多いほか、手続きに時間がかかるケースも増えており、国は検査費助成や担当職員の増員など対応を急ぐ。  集団予防接種での注射器使い回しは国が禁じた1988年まで40年続けられ、この間にB型肝炎ウイルスへの感染が拡大した> とある。

 "医療もビジネス" であることに変わりはない。よって、"経営管理" の視点も無くてはならない。しかし、より無くてはならない視点は、"生命を預かる仕事" であり、だからこその "排他的特権" が付与されている点ではなかろうか。

 今回注目する下記引用サイト記事在庫処理で不要な薬投与、広島 統合失調症患者に/共同通信/2017.03.17 - 12:21 は、  <広島県福山市の福山友愛病院で昨年11~12月、統合失調症などの患者6人に対し、本来は必要のないパーキンソン病の治療薬を投与していたことが17日、病院への取材で分かった。病院側は同日記者会見し「薬の期限切れが迫ったことが投与のきっかけ」と在庫処理が理由だったと説明した> と報じている。

 <......病院側は、患者の1人が投与後に体調不良となったことを明らかにした。  病院側によると、当時、使用期限が迫った治療薬が70錠残っており、病院を運営する医療法人「紘友会」の元理事の指示で、62錠を投与した。薬剤師の指摘で不適切な投与が発覚し、病院が今月に調査委員会を設置した> とある。

 今回注目する下記引用サイト記事三重大 心筋梗塞高めるDNA配列発見 リスク予測法の実用化目指す/伊勢新聞/2017.03.16 は、  <【津】三重大学(津市)は十五日、生活習慣病である心筋梗塞発症するリスクが、DNA配列の違いで約三倍に高まると発表した。今後、ほかの生活習慣病に関する遺伝子の研究を進め、DNA配列から病気のリスクを予測するシステムの実用化を目指すという> と報じている。

 <......三重大先端科学研究支援センターなど四研究機関と八病院の共同研究で判明した。約一万一千人分のDNAを解析した結果、免疫細胞をコントロールする遺伝子が正しい塩基配列になっていない人は、通常の人の二・九四倍心筋梗塞を起こしやすいことが分かった。  同センターの山田芳司教授(60)は「塩基配列が変わることで免疫細胞をコントロールする遺伝子の力が弱くなり、過剰反応した免疫細胞が血管を炎症させてしまう。その結果、血栓が形成され、心筋梗塞が発症しやすくなるのではないか」と推定した。  同センターによると、心筋梗塞のリスクが高いDNA配列を持つ人は、全体の1・52%で人口十万人に対して千五百人。国内で心筋梗塞の発症率は人口十万人に対して八十人であることから山田教授は「1・52%という数字は決して低くはない」とした。  山田教授は「心筋梗塞が発症する要因の40―50%は遺伝子が関与している」と説明。「病院での臨床だけでは発症する要因の半分しか分からない。残りの半分である遺伝子を解析することで、リスクを診断し、最適な予防法を患者に伝えることができる」と語った。  今回の研究成果は米国医学誌の電子版で掲載される予定。同センターなどは、心筋梗塞以外の十二種類の生活習慣病に関する遺伝子についても研究を進めている。六日には、遺伝子を利用したリスク検出方法の特許を出願しており、実用化を目指している> とある。

 今回注目する下記引用サイト記事がん細胞の栄養源断ち「兵糧攻め」に...阪大チーム、化合物開発/yomiDr. ヨミドクター/2017.03.15 は、  <がん細胞栄養源を断ち、「兵糧攻め」にする新たな化合物を開発し、増殖を抑えることに成功したとする研究成果を、大阪大学の金井好克教授(薬理学)らのチームがまとめた> と報じている。

 <......マウスで効果を確認しており、2018年度から薬剤として患者に使用する臨床試験(治験)を阪大病院で開始し、新治療薬の開発を目指す。15日から長崎市で始まった日本薬理学会で発表する。  がん細胞は表面のたんぱく質の「入り口」から、栄養源のアミノ酸を取り込んで増殖するとされている。  チームはこれまでに、様々ながん細胞に共通して存在する「LAT1」と呼ばれる入り口を特定この入り口を塞ぎ、がん細胞へのアミノ酸の補給を阻む化合物を開発した。   膵臓 がんや胃がんなどの細胞に試験管内で加えたところ、がん細胞の種類にかかわらず増殖を抑える効果を確認。膵臓がんのマウスを使った実験でも、化合物を飲ませたほうが、何もしなかったマウスより長く生存した。  患者への負担が少ない飲み薬として開発する方針で、金井教授は「既存の抗がん剤と併用することで、より高い効果も期待できる。治療が難しい患者に対する新たな薬になれば」と話す> とある。

 放置すれば肝硬変や肝臓がんを起こす恐れがありながらも、"C型肝炎" への認識と警戒は、必ずしも高くないかのようだ。

 ◆ 参照 当誌過去の "C型肝炎" 関連記事

  <企業で健康管理を行う全国の産業医のうち、感染が分かってすぐに治療を勧める医師は、全体の半分しかいない/ 全国の産業医900人にアンケート調査したところ、感染が分かった段階で従業員をすぐに専門の医療機関に紹介しているという医師は53%しかいませんでした/ 中には、肝臓がんや肝硬変が疑われるなど症状が進行して初めて紹介すると答えた医師も多数......> ( "C型肝炎"は早期発見/治療が肝臓がんへの進行を阻止!なのにこれを勧める医師は半数!/当誌 2013.12.15


 今回注目する下記引用サイト記事C型肝炎、7000人が未救済 薬害訴訟、来年1月が提訴期限/中日新聞/2017.03.14 - 09:00 は、  <手術で止血用の血液製剤「フィブリノゲン」などを投与され、C型肝炎ウイルス(HCV)に感染したと推定される全国の約1万人のうち、国による救済措置を受けていない人が約7千人に上ることが、国や製薬会社に損害賠償を求めている薬害訴訟の名古屋弁護団などの調べで分かった。提訴して感染が証明されれば、1200万~4千万円の給付金が支払われるが、これまでに原告となったのは3千人余り。大勢が救済されないまま、来年1月15日の提訴期限が迫っている> と報じている。

 <......感染している可能性があるのは、ウイルスで汚染されたフィブリノゲンが使われた1964~94年の間に、事故などで手術を受けた人や出産した人国は防止対策が不十分だったと認め、2008年に施行した特別措置法で給付金の支払いを始めた。給付金の請求期限は当初5年間だったが、5年延長され、来年が期限となる

 給付を受けるには、国と製薬会社を提訴して血液製剤による感染を立証する必要があるが、今年2月末までに提訴したのは名古屋や東京、大阪など5原告団を中心に計3140人にとどまる。

 弁護団によると、C型肝炎は潜伏期間が30年以上になることもあり、症状が出ておらずに感染に気付かない人が多い。健康診断の血液検査で感染者と分かっても、医師法で5年の保存義務のある診療カルテが既に破棄されていたり、病院に保存されていたとしても捜す協力が得られなかったりしているという。

 C型肝炎は、放置すれば肝硬変や肝臓がんを起こす恐れがあり、未発症でも継続した治療が必要となる。

 弁護団の堀康司弁護士は「感染の恐れがある人はまず検査してほしい。カルテが残っていなくても、何らかの手段で投与の事実が証明できる場合があり、あきらめずに相談して」と話している。問い合わせは名古屋弁護団(火曜、木曜日の午前10時~午後1時)=電052(950)3314=へ。

 (中日新聞・室木泰彦)> とある。

 "がん細胞側の遺伝子が次々と変異する" ことで "薬への耐性" を持ち、抗がん剤が効かなくなる、というケースが発生するこしは、決してめずらしくないと言われる。

 今回注目する下記引用サイト記事薬効かない肺がんに新治療法 2剤投与、マウスで効果/共同通信/2017.03.13 - 19:00 は、そうしたケースへの朗報に値するもので、  <遺伝子が次々と変異して薬が効かなくなった肺がんに、米国で開発中の新薬と既存の大腸がんの薬を組み合わせて投与すると効果があることを、公益財団法人がん研究会などのチームがマウスで確かめ13日、英科学誌に発表した> と報じている。

 <......がん研の片山量平主任研究員は「有効な治療法になる可能性がある。臨床研究で人での効果が示されれば、患者に福音となる」と話している。  対象となるのは、肺がんの85%を占める非小細胞肺がんのうち、遺伝子「EGFR」の変異が原因のがん。治療薬イレッサなどが有効だが、1年ほどで遺伝子に新たな変異が生じ、薬に耐性ができてしまう> とある。

 "iPS細胞" の作製技術は、言うまでもなく "再生医療" 分野で活用されているとともに、もう一方では、"難病"向け治療薬研究("創薬")などでの研究環境づくりにおいて多大な貢献がなされている。

 ◆ 参照 当誌過去の "iPS 難病" 関連記事

  iPS細胞の医療応用"二つの流れ"!(1)"再生医療"分野、(2)難病向け治療薬研究"創薬"!/当誌 2014.09.21


 今回注目する下記引用サイト記事パーキンソン病、ALSなど231種類の難病iPS...京大が作製/yomiDr. ヨミドクター/2017.03.10 は、  <京都大学iPS細胞研究所は、国が指定する難病(306種類)の約8割にあたる231種類について、iPS細胞(人工多能性幹細胞)を作製したことを明らかにした。  それぞれの難病の遺伝情報を持つ患者の血液などを用いて作った。研究機関に提供し、難病の原因解明や薬の開発に役立ててもらう> と報じている。

 <......作製したのは、パーキンソン病ALS(筋萎縮性側索硬化症)腸に潰瘍や炎症が起きるクローン病などのiPS細胞。約5年かけて作った患者が少ない難病は、薬の利益が見込めず、製薬企業が新薬開発を行いにくい患者のiPS細胞を使えば、試験管内で病気を再現でき、薬の候補物質を試す研究が進むと期待される。  難病のiPS細胞は、理化学研究所バイオリソースセンター(茨城県)の細胞バンクに保存し、大学や製薬企業に提供する。欧米でも同様の取り組みはあるが、保存する難病の細胞の種類としては最多という。  仙台市で開かれた日本再生医療学会で発表した> とある。

 "iPS細胞" から、がん細胞 を攻撃する "免疫細胞"(キラーT細胞) を作り、がん治療にあたる試みはすでに実施されている。 ただ、患者本人の "iPS細胞" から "免疫細胞" を作製するアプローチには、多大なコストが掛かるという問題点があった。

 ◆ 参照 当誌過去の "iPS細胞 免疫細胞" 関連記事

  <ヒトの免疫細胞の一種「(キラー)T細胞」を一度、人工多能性幹細胞(iPS細胞)にした上で、これらを再生/増殖して再び患者の体に戻してがん治療に役立てようとするアプローチ......> ( iPS細胞 "がん殺傷免疫細胞"を作製成功!(京大ウイルス・再生医科学研究所グループ)/当誌 2016.11.23


 今回注目する下記引用サイト記事備蓄iPSでがん治療 京大、コスト抑え免疫細胞/日本経済新聞/2017.03.10 - 00:09 は、  <京都大学iPS細胞研究所の金子新准教授は9日、京大が備蓄するヒトのiPS細胞からがんを攻撃する免疫細胞を作り、マウスに移植して治療効果を確かめたと発表した。患者に移植すれば様々ながんを治療できる可能性がある。備蓄細胞を使うことで患者自身のiPS細胞を使うより治療費を数分の1以下に抑えられる。数年以内に臨床試験(治験)を目指す> と報じている。

 <......仙台市で開催された日本再生医療学会で発表した。  健康な人の体内では、がん細胞免疫細胞が攻撃して増殖を防ぐが、がん患者はこの能力が下がり病気が進行する。研究チームは備蓄したiPS細胞にがん細胞を認識する遺伝子を導入し、免疫細胞に育てた。  ヒトの肺がん細胞を腹部に移植した計8匹のマウスで実験。iPS細胞から作った免疫細胞を腹部に移植した4匹は60日後も全て生き残った。治療しない4匹は約40日で全て死んだ。  様々な細胞に育つiPS細胞から免疫細胞を作る研究が京大などで進むが、患者自身の細胞から作るiPS細胞を使うと治療費が高くなる。京大が健康な人から作って備蓄するiPS細胞を使えば、費用を数分の1以下に抑えられる。  今後は免疫細胞の移植回数や量を動物実験で見極め、治験を経て実用化を目指す。画期的な治療効果で注目を集める小野薬品工業などのがん免疫薬に続く次世代の治療法になる可能性がある> とある。

 "生命倫理" についての問題も懸念される中、"技術の進歩" は、一歩一歩、"ゲノム編集" の "応用拡大" を推し進めている。

 ◆ 参照 当誌過去の "ゲノム編集" 関連記事

 (1) ゲノム編集"で将来子どもも 米学術機関、遺伝性の深刻な病気を防ぐ目的に限り容認!/当誌 2017.02.16

 (2) 「ゲノム編集」技術、初の"人体への応用"!"肺がん患者"に、中国の研究グループ!/当誌 2016.11.18

 (3) 新手法「GEEP法」で"遺伝子改変"ブタ! 疾患モデルブタとして治療研究に活用!(徳大)/当誌 2016.09.17


 今回注目する下記引用サイト記事中国、正常な受精卵にゲノム編集 人の遺伝子改変/共同通信/2017.03.10 - 11:19 は、  <【ワシントン共同】生物の遺伝子を自由に改変できる「ゲノム編集」の技術を人の正常な受精卵に対して使い、病気の原因となる遺伝子の修復に成功したと、中国・北京放射医学研究所などのチームが9日までに国際科学誌に発表した> と報じている。

 <......人の受精卵のゲノムを編集することは、影響が子孫へと受け継がれるため倫理的に否定的な意見が強い。2015年に中国の別のチームが、染色体数に異常があり子にならない受精卵で実施したが、正常なものでは世界初とみられ、議論を呼びそうだ。受精卵は解析に使い、子宮には戻していない> とある。

 今回注目する下記引用サイト記事目の手術に使えるゲル開発 網膜治療で負担軽減/共同通信/2017.03.10 - 00:59 は、  <眼球の内部を満たし、目の形を保っている硝子体として使えるゲルを開発したと、東京大と筑波大のチームが10日付の英科学誌に発表した。将来、網膜剥離など、目の病気の手術に活用することで、患者の負担を減らせる可能性があるという> と報じている。

 <......硝子体は、目に入った光の情報を脳へ伝える網膜と接している。網膜剥離の治療では、硝子体をガスなどで満たし、剥がれた網膜を接着させる手術が行われるが、手術後に入院してうつぶせの姿勢を続けたり、場合によって再手術を受けたりする必要がある新たなゲルを使えばこうした課題を解消できるとしている> とある。

 事故やけがによる "脊髄損傷" では、"運動機能" が失われ、"感覚知覚機能" も失われる(麻痺)。しかも、現状では "修復と再生は不能!(決定的な治療法なし)" と見なされてきた。 が、"新たな治療法" が模索されている。

 ◆ 参照 当誌過去の "脊髄損傷" 関連記事

  iPS細胞を使い脊髄損傷の患者を治療!世界初の臨床研究を2018年前半にも開始!(慶大)/当誌 2017.02.12


 今回注目する下記引用サイト記事脊髄損傷回復の細胞特定 生理学研、新治療法に期待/共同通信/2017.03.07 - 18:18 は、  <軽度の脊髄損傷回復するのに関わっている神経細胞を、自然科学研究機構生理学研究所(愛知県岡崎市)などの研究グループがサルを使った実験で特定し、7日までに米科学誌に発表した。新しい治療法やリハビリ法の確立につながると期待している> と報じている。

 <......研究グループによると、脊髄には脳からの運動の指令を筋肉に伝える「皮質脊髄路」が走っており、これが傷つくと脊髄損傷になる。「脊髄固有神経細胞」が生き残っていれば、代替経路を開拓し、運動機能が回復すると言われてきたが、立証されていなかった> とある。

 がん治療において、種々の視点から "ナノ粒子" 技術の応用されるケースが増えている。

 ◆ 参照 当誌過去の "ナノ粒子 がん" 関連記事

 (1) "悪性度の高いがん"を見分ける造影剤(マンガンイオン)!東大など数年内実用化めざす!/当誌 2016.05.20

 (2) "ナノテクノロジー"を使って"脳へのがん転移"治す!"血液脳関門"を通過してがん治療!/当誌 2015.06.12


 今回注目する下記引用サイト記事がん患部標的の粒子開発 副作用少ない治療期待/共同通信/2017.03.08 - 02:03 は、  <九州大と量子科学技術研究開発機構(千葉市)の共同研究チームは7日までに、がん細胞に特有の高温性に反応して膨らむナノ粒子を開発した。米科学誌電子版に発表した。粒子に含ませた薬剤を、がん患部だけにとどまらせることができるといい、九大大学院薬学研究院の唐沢悟准教授(有機化学)は「副作用の少ない治療が期待できる」と話している> と報じている。

 <......がん細胞は、それぞれ数十~数百ナノメートルの隙間がある。この隙間を狙ってナノ粒子に薬剤を含ませて運ぶ治療はこれまでもあったが、粒子が隙間にとどまることができず正常な細胞にも広がり、副作用を招いていた> とある。

 近年、"人工知能(AI)" を応用したシステムが、様々なジャンルで開発されている。 そして、"知能" と称されているからか、一般のITシステムを凌駕しているかのような差別化印象(権威的?)で受けとめられてもいる。 それだけに、ある種の配慮が欠かせないようでもある。

 今回注目する下記引用サイト記事AI自身に倫理求める 学会が研究開発指針/日本経済新聞/2017.03.05 - 23:52 は、  <人工知能学会がこのほど、人工知能AI)の研究開発における「倫理指針」を公表した。AIを開発する研究者だけでなく、AI自身も指針を守るべきだとの条項を盛り込んだのが特徴。工学系の学会が研究の内容にかかわる倫理指針を策定するのは珍しいが、AI悪用や乱用に対する社会の懸念に向き合う姿勢を打ち出すことで、信頼を得る狙いがある> と報じている。

 <......取りまとめに当たった東京大学の松尾豊特任准教授は「AIがAIを生み出すような(将来の)リスクにも対応できる内容にした」と説明する。  指針の序文では、AIが社会に浸透することにより「生活が格段に豊かになることが期待される一方で、悪用や乱用で公共の利益を損なう可能性も否定できない」と明記した。そのうえでAIが有益なものとなるよう、研究者は「社会の様々な声に耳を傾け、社会から謙虚に学ばなければならない」と求めた。  また「人工知能への倫理順守の要請」という条項を設け、「人工知能も学会員と同等に倫理指針を順守できなければならない」と定めた。研究者ではなくAIそのものに対する条項は「AIに市民権を与える未来を想定して盛り込んだ。ここまで踏み込んだのは世界でも初めてだ」と、策定に携わった京都大学の西田豊明教授は話す。  自らデータを学習するAIは、学習の内容によっては特定の人を攻撃したり、非倫理的な判断を下したりすることがある2016年に米マイクロソフトが公開したAI「Tay」は差別的な発言を連発して運用停止に追い込まれた将来AIがAIを開発する時代が来れば、研究者だけでなくAIにも倫理を求める必要が生じるという。  医学系の学会が特定の医療技術について倫理指針を設けることはあるが、工学系の学会では珍しい。策定に携わった国立情報学研究所の武田英明教授は「指針を社会とAI研究者の対話の始まりにしたい」と強調する> とある。

 喫煙が原因と見なされるのは、"肺がん" だけではない。 "肺気種" なども同様であり、<いったん発病すると、治ることはなく、進行を遅らせることしかできません。患者のQOLを著しく阻害します。ある意味、肺ガンよりも悪質で、悲惨な病気だと思います。とかを合併して発症すると、単なる肺炎でも死に至るほど重篤な症状になります> と警戒されたりもするくらいだ。

 今回注目する下記引用サイト記事一般社団法人 日本呼吸器学会 呼吸器の病気 は、  <主に喫煙が原因で肺機能が低下し呼吸が困難になる慢性閉塞性肺疾患(COPD)が、運動をすると分泌されるホルモンの働きで予防できることが分かったと大阪市立大のチームが6日、国際専門誌電子版に発表した。  運動による予防法やホルモンを利用した治療薬開発につながる可能性があるという> と報じている。

 <......チームによると、COPDたばこの煙によって、肺胞の破壊や気道の炎症が生じ、息切れやせきが起こる。  チームは、運動によって骨格筋から分泌されるホルモン「アイリシン」に着目。COPD患者40人血中アイリシン濃度や肺の状態を調べ、濃度が高いほど肺胞の破壊が少ないことを突き止めた> とある。

 乳がんは、手術をしても、その10年後や20年後でも再発や転移する場合があることが知られている>( 参照 下記関連記事 (3) ) と懸念されてもいるだけに、再発・転移に対する恐れには警戒が必要と見なされている。

 ◆ 参照 当誌過去の "乳がん 転移" 関連記事

 (1) "症状和らげる放射線"の「緩和照射」!"生活の質改善"に期待!痛みや神経圧迫を除去!/当誌 2016.07.27

 (2) がん細胞が"転移する仕組み"の一部を解明!がん新薬/分子標的薬開発への期待!(富大)/当誌 2015.07.10

 (3) <......乳がんは、手術をしても、その10年後や20年後でも再発や転移する場合があることが知られている。この仕組みとして、がん細胞の発生の大元であるがん幹細胞がはじめて発生した時に骨髄に移動し、増殖もせず休眠状態になり、長い年月を経て再び目覚めるためと考えらえているが、どのようなメカニズムで休眠状態になり、また目覚めるのかはよく分かっていなかった......> ( 術後長期間を経て"再発・転移"する乳がんのメカニズムを解明!(国がん) 新治療法へ!?/当誌 2014.07.05


 今回注目する下記引用サイト記事【レポート】 乳がんはどの部位に転移しやすいのか? - 皮膚転移・骨転移の症状とは 須藤妙子/マイナビニュース/2017.03.03 は、  <厚生労働省の発表(2012年)によると、乳がんは日本人女性の11人に1人が罹患(りかん)する病気だ。乳がんの根治を目指すには、検診による早期発見のほか、全身治療で再発・転移を防ぐことも重要となる。  今回は、胸部・乳腺外科の法村尚子医師に、乳がん転移しやすい部位と、皮膚・骨への転移の症状治療法についてうかがった> と解説している。

 <......――乳がんが転移しやすい部位はどこですか?  乳房から離れた別の臓器にがんが出てくることを「転移」と言います。がん細胞がリンパ液や血液の流れに乗って移動し、そこで成長します。乳房から近い、リンパ節や皮膚に転移することが多いですが、遠く離れた臓器では、骨→肺→肝臓→脳の順に転移することが多いです。  ――皮膚転移と骨転移について、詳しく教えてください。  皮膚転移は、乳がんが浸潤し、腫瘍が皮膚の表面に顔を出した状態です。進行すると潰瘍を作り、浸出液(患部の表面から出る透明あるいは黄色の液体のこと)、悪臭、出血、痛みなどが出ることがあります。治療基本的には、抗がん剤治療、分子標的治療、ホルモン療法などの全身治療を行います。必要に応じて、浸出液や悪臭、出血のコントロールのため、その部分の手術、放射線照射、軟こう塗布を行います。  骨転移で転移する骨の部位は、背骨(腰・胸・頚など)、骨盤、肋骨(ろっこつ)、頭蓋骨などが多いです。症状には、転移した骨の部位に伴う痛み、骨折、脊髄が圧迫されることによる手足のしびれや麻痺(まひ)などがあります。  治療では皮膚転移同様、基本的には抗がん剤治療、分子標的治療、ホルモン療法などの全身治療を行います。また、ビスフォスフォネート剤による治療をすることで、骨折の頻度を減らしたり、疼痛(とうつう)を和らげたりします。痛みが強い場合や骨折が起こりそうな場合は、骨折予防の効果も期待して放射線を照射します> とある。

 高額な薬価が問題視され、今年2月に半額に引き下げられた> ところの "がん治療薬「オプジーボ」" である。 が、"適用拡大" の動向は続く。

 ◆ 参照 当誌過去の "オプジーボ 適用拡大" 関連記事

 (1) "オプジーボ"で効果ある患者は、"特定の免疫細胞"が増加!治療"効果予測"に応用期待!/当誌 2016.11.19

 (2) "頭頸部がん"の治療薬として、"オプジーボ"(小野薬)の適用拡大が承認、米国で!/当誌 2016.11.16

 (3) "血液がん"にも"オプジーボ"適用拡大!既に、悪性黒色腫/非小細胞肺がん/腎細胞がん!/当誌 2016.11.13


 今回注目する下記引用サイト記事「オプジーボ」、頭頸部がんも 高額薬、適用拡大続く/共同通信/2017.03.03 - 18:13 は、  <高額な薬価が話題になったがん治療薬「オプジーボ」について、厚生労働省の部会は3日、治療に使う対象を新たに頭頸部のがんにも拡大することを了承した。約1カ月後に正式承認され、保険適用される。  対象は、頭頸部がんのうち再発や遠隔転移のある症例。頭頸部がんの患者は年間約2万5千人とされる> と報じている。

 <......オプジーボはまず皮膚がんで認められ、非小細胞肺がん腎細胞がん悪性リンパ腫に適用が拡大してきた。患者本人の免疫の働きを利用する仕組みの薬剤で、患者の一部に優れた効果が期待される。  オプジーボは、高額な薬価が問題視され、今年2月に半額に引き下げられた> とある。

 近年のがん治療では、"放射線治療" にせよ、"抗がん剤" 治療にせよ、その副作用を極限化させることが留意された手法へと向かっている。

 ◆ 参照 当誌過去の "悪性脳腫瘍" 関連記事

 (1) "がん幹細胞"を減らす"核酸"で、悪性脳腫瘍/"膠芽腫"の治療薬を開発!(名古屋市立大)/当誌 2016.12.26

 (2) "がん狙い撃ち"放射線治療="ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)"、実用化に向け最終治験!/当誌 2016.01.09

 (3) がん細胞狙い撃ち!正常細胞傷つけぬ"ウイルス薬"(ウイルス療法)治験開始へ(鹿児島大)/当誌 2015.06.10


 今回注目する下記引用サイト記事脳腫瘍の新型薬治験 国立がんセンターなど/日本経済新聞/2017.03.02 - 11:53 は、  <国立がん研究センターなどは2日までに、有効な治療法がなくなった悪性脳腫瘍に対する新しい抗がん剤の臨床試験(治験)を始めたと発表した。腫瘍細胞にだけ現れる酵素の働きを抑えて治療する薬で、従来の抗がん剤より効果が高く、副作用が少ないと期待される。まず20人以上の患者で安全性を確かめ、大規模な治験に移る。3年後の実用化を目指す> と報じている。

 <......治験は第一三共と実施する。国立がんセンター中央病院など5施設が参加する。  神経膠腫(グリオーマ)と呼ぶ脳腫瘍の一種で、IDH1という遺伝子に変異がある患者が対象になる。この遺伝子の変異悪性神経膠腫の患者の7割以上に見つかるという。治験では、IDH1遺伝子の変異によってできる酵素の働きを抑えて腫瘍細胞だけを殺す分子標的薬と呼ぶ薬の安全性と効果を確かめる。  神経膠腫脳にしみ込むように広がるため正常な組織との見分けがつきにくい手術で全部を摘出することは困難とされる> とある。

  "免疫治療薬" としての "抗体製剤、抗体医薬品" が、"アレルギー ~ がん" など幅広い分野で応用されている。

 ◆ 参照 当誌過去の "抗体医薬" 関連記事

  "抗体医薬":生体がもつ"免疫システムの主役である抗体"を主成分とした医薬品が熱い!/当誌 2014.01.01


 今回注目する下記引用サイト記事かゆみ減らす抗体に有効性 アトピー皮膚炎、京大治験/共同通信/2017.03.02 - 03:39 は、  <アトピー性皮膚炎のかゆみを軽減する「抗体製剤」の臨床試験(治験)で、有効性を示す結果が出たと、京都大や九州大、中外製薬などのチームが2日、米医学誌電子版に発表した。  かゆみによる不眠が改善する傾向も見られたという。チームは2019年以降、薬事承認を得るための申請を目指しており「かゆみ改善に特化した新たな薬剤として実用化したい」としている。  治験は国内外の18歳以上の患者約200人を対象に実施した> と報じている。

 "がん発症と遺伝子 (変異) との関係" は多々指摘されているが、"がん転移" についても "遺伝子の働き" との関係が着目され始めている。

 今回注目する下記引用サイト記事卵巣がん転移の仕組み解明 予防薬開発に期待/共同通信/2017.02.28 - 19:18 は、  <卵巣がんが体内の別の場所に転移する際に働く遺伝子を特定し、転移仕組みを解明したと、国立がん研究センターと名古屋大のチームが28日付の英科学誌に発表した> と報じている。
 <......遺伝子は「MMP1」で、卵巣がんの細胞でこの遺伝子が活発に働いていると転移しやすいとみられる。がんセンターの横井暁・特任研究員は「転移のしやすさが分かれば、治療後の検査の頻度を増やすなど対策できる。将来、転移を防ぐ薬の開発につながるかもしれない」と話している> とある。

 今回注目する下記引用サイト記事拒絶反応抑える新手法、東北大 「マウスで効果」/共同通信/2017.02.28 - 04:00 は、  <がん細胞を攻撃するなど免疫をつかさどるナチュラルキラー細胞(NK細胞)の働きを抑える手法で、移植手術後のマウスの拒絶反応「閉塞性細気管支炎」緩和できたとの実験結果を、東北大のチームが28日付の米専門誌に発表した> と報じている。

 <......炎症により気管支がふさがる閉塞性細気管支炎は、肺移植後の主な死因の一つ。従来は別の種類の免疫細胞が引き起こすことが知られていた。チームの小笠原康悦教授(免疫学)は「NK細胞も関わることが分かり拒絶反応を抑える新たな免疫抑制剤の開発が期待できる」と話す。  免疫細胞は、移植した臓器を異物とみなして攻撃するため、拒絶反応が起こる> とある。

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