yasuo hirose: 2015年9月 アーカイブ

 近年、増加の一途をたどる "前立腺がん" ではあるが、その "PSA検査法" は必ずしも十分な "信頼性" を獲得していないのが現状のようだ。( 下記の関連記事参照 )

 ◆ 参照 当誌過去の "前立腺がん検診" 関連記事

  <......前立腺がんは「前立腺特異抗原(PSA)」という物質の値を血液検査で測定できるようになっている。前立腺がんの可能性をその値の高さから判断できるのだ。結果として、前立腺がんが疑われて、前立腺に針を刺す精密検査からがんが判明する人が増えている。  ただし、そのなかで命に関わるがんは意外と少ない。  米国をはじめ、前立腺がんが見つかっても、定期的な検査をするのみで、手術をしない「アクティブ・サーベイランス」という考え方が一般化している。......> ( "前立腺がん検診"は過剰医療なのか?米国での"PSAスクリーニング検査"非推奨の効果!/当誌 2015.06.29


 今回注目する下記引用サイト記事前立腺がん、「偽陽性」少ない検査技術 コニカミノルタなど/日本経済新聞/2015.09.27 - 23:30 は、その "PSA検査法" の "信頼性" をめぐり、<従来より信頼性の高い前立腺がんの検査技術> が開発された、<新検査法は、がんになると増える特定の糖鎖が結合したPSAだけを測定することで、偽陽性を減らした>と報じている。

 < コニカミノルタは横浜市立大学の山下克子客員教授と共同で、従来より信頼性の高い前立腺がんの検査技術を開発した。現在のPSA(前立腺特異抗原)検査は、がんではなく、高齢者に多い前立腺肥大でも陽性になってしまうことが多いが、新検査法はがんのみを検出しやすい。5年以内の実用化を目指す。  PSA検査では血液をとり、前立腺から分泌されるPSAというたんぱく質を調べる。前立腺肥大や炎症など、がん以外の原因で陽性になる「偽陽性」が少なくないとされる。陽性の場合、前立腺に針を刺して細胞をとり、調べる必要がある。  新検査法は、がんになると増える特定の糖鎖が結合したPSAだけを測定することで、偽陽性を減らしたがんがないのに従来のPSA法で陽性と判定された前立腺肥大の31人の血液を検査したところ、22人を陰性と正しく判断した。検査の感度はPSA法と同じ。がんの9割を発見できる> とある。




















 "深刻な腎不全" のケースでは、"人工透析/ドナー待ち移植" だけが治療の選択肢となり、しかも、"ドナー件数が圧倒的に希少な現状" は、腎不全患者を悲観視させることにつながっている。 そこで待ち望まれるのが、"人工腎臓/再生腎臓" であり、その研究の進展ということになる。

 ◆ 参照 当誌過去の "腎不全" 関連記事

 (1) 腎臓病に朗報!"体性幹細胞"からの"腎臓の立体組織"作製に成功!岡山大・杏林大など!/当誌 2014.11.26

 (2) "人工透析/ドナー待ち移植"だけの現状を打破する弾みとなるか?!"人工腎臓"の研究成果!/当誌 2013.04.29


 今回注目する下記引用サイト記事再生腎臓:ラットで排尿成功 「10年以内、人へ応用」/毎日新聞/2015.09.23 - 12:43 は、"再生腎臓" の研究に関する最新動向を伝えており、  <動物の体内で成長させた再生腎臓から、尿を体外に排出させる実験に成功 ...... これまで、腎臓の再生はできていたが、排尿させることができなかった。 「腎臓の再生医療の人への応用に向けた大きな一歩」......> と報じている。

 < 動物の体内で成長させた再生腎臓から、尿を体外に排出させる実験に成功したと、東京慈恵会医科大の横尾隆教授(腎臓再生学)らのチームが、米科学アカデミー紀要に発表した。これまで、腎臓の再生はできていたが、排尿させることができなかった。チームは「腎臓の再生医療の人への応用に向けた大きな一歩」と説明する。  腎臓で作られた尿は、尿管を通ってぼうこうにためられ、体外に排出される。当初、新しく作った腎臓と元からあるぼうこうを人工の管などでつないで排尿を試みたが、人工の管は尿をぼうこうに送る収縮運動ができず、機能しなかった。  チームはラットの胎児から腎臓や尿管、ぼうこうに成長する前の未熟な組織を取り出し、大人のラットの体内で発育。小林英司・慶応大特任教授らによる顕微鏡を用いた手術の技術を使い、成長した腎臓、ぼうこうを元からあるぼうこうと尿管でつなぐことに成功。排尿を確認した。尿には、正常な腎臓で作られる尿の3分の1以上の毒素が排出されていた。人は正常な腎臓の1割程度の機能があれば人工透析を回避できるとされ、機能も問題なかった。  チームは、ブタでも同様の手法で排尿を確認し、サルを使った実験にも着手している。未熟な組織が臓器へ成長する「スイッチ」を入れるには、動物の体へいったん移植することが必要で、動物を利用することに倫理面や種を超えた感染症などの問題があるが、横尾教授は「10年以内に人への応用を目指したい」と話す。  日本透析医学会によると、2013年末に腎臓病を患って人工透析を受けている国内の患者は31万4180人。深刻な腎不全の患者は腎臓移植を受けるしかないが、日本臓器移植ネットワークによると今年8月末現在、移植希望の登録患者が1万2619人に達するのに対し、移植数は脳死と心停止後を合わせても111件。腎臓の再生医療への期待は高い 【藤野基文】> とある。

 "女優・川島なお美さんの訃報" はさまざまに報じられている。 当誌でも関心を向けてきた "胆管がん" の恐さという点もあるが、その点もさることながら、川島さんが "抗がん剤" 治療を拒否した! というその一点が "鮮明な印象" を与えた、と受けとめている。

 ◆ 参照 当誌過去の "抗がん剤 副作用" 関連記事

 (1) "抗がん剤副作用が原因"で死亡!遺族、病院など提訴!投与の見直しあれば...(市川市)/当誌 2015.09.14

 (2) がん患者の苦悩10年前より減少、ただし"抗がん剤の副作用"など「身体の苦痛」は増加!/当誌 2015.09.10

 (3) 抗がん剤=殺全身細胞薬は、がん完治の薬ではない!だから"やめどき"が必ずや訪れる!/当誌 2015.05.16


 今回注目する下記引用サイト記事町医者だから言いたい!《1984》 余命宣告と抗がん剤拒否 長尾和宏(ながお・かずひろ)/apital/2015.09.26 は、やはり、"抗がん剤拒否" という点に焦点を合わせつつ、なおかつ、よりシリアスなテーマである「余命宣告」という点を関係づけながら、"女優・川島なお美さんの訃報" を過不足なく伝えている。

 <川島なお美さんの訃報にショックを受けた方が多いでしょう。 私も彼女と同世代なのでショックです。ご冥福をお祈りします。  報道によると川島さんは、2013年7月の人間ドックを受けた際に偶然に胆管がんが発見され、その半年後の2014年1月に腹腔鏡手術を受けられた。  2013年7月の腫瘍発見時に、主治医から「余命1年」と宣告されたとのこと。 腫瘍発見時に、余命1年と宣告??  私は、患者さん本人にそのようなことを言ったことは一度もありません。私の予測はよく外れるので自信も無いし、なにか呪いをかけるような気がするからです。  彼女は半年後に手術を受けられましたが、余命1年なのになぜ腹腔鏡手術を受けたのか、詳しい事情は知りません。  しかし川島さんは、1年という余命宣告生き方を変えたのではないか。抗がん剤治療を拒否して、最期まで舞台に立とうと決意したのではないか。  つまり、私にしたら残酷にも見える「余命宣告」結果的に彼女の人生の最終章の生き方を決定づけたのでしょう。 その意味では、余命宣告が良かったのかもしれません。  私の経験上、胆管がんには、抗がん剤治療はあまり効きません。  その余命宣告は、彼女が強く望んだのか、あるいは主治医が勝手に
言ったのか、詳しい事情は知りません。  しかし彼女は、死を受容した(できた)からこそ、ああして堂々と最期まで舞台に立ち続け、多くの人に感動と勇気を与えることができたのではないか。  川島さんは、「余命宣告」に対する私の考え方を変えました。 余命宣告抗がん剤治療に大きな影響を及ぼすことを学びました。
   参考文献) 「長尾先生、近藤誠理論のどこが間違っているのですか?」(ブックマン社)> とある。

 "認知症" の発症原因首位二者は、"アルツハイマー病"(50%) と "脳梗塞" などの "脳血管性" 疾患(20%)だと考えられている。
 さらに、"アルツハイマー病" でさえ、"脳梗塞予防薬「シロスタゾール」" 服用によって "症状抑制・改善" がなされた、とあるから、""脳血管性" 疾患" の比重は小さくなさそうである。( 参照 下記関連記事


 ◆ 参照 当誌過去の "認知症" 関連記事

  <血液が固まるのを防ぎ、脳梗塞予防などに用いられる薬「シロスタゾール」に、認知症の進行を抑える効果のあることが、国立循環器病研究センターなどの研究で分かった/ 認知症患者は血管の病気を併発しやすく、シロスタゾールを服用することがある。研究グループは、アルツハイマー型認知症で治療中の人を、シロスタゾールを内服したグループとしなかったグループに分け、認知機能の変化を比較した。 その結果、軽度認知症の患者では、内服した人の認知機能の年間低下率は、しなかった人の約8割に抑えられた。また、記憶したり、自分のいる場所を正確に把握したりする能力も改善した> ( アルツハイマー型認知症の進行を既存薬(脳梗塞予防薬「シロスタゾール」)内服で抑制!/当誌 2014.02.28


 今回注目する下記引用サイト記事もっと知ろう 認知症 脳梗塞の予防が有効/どうしん ウェブ/2015.09.25 は、"後期高齢者(75歳~)の認知症" と "脳梗塞" との関連に注目しつつ、<後期高齢者の認知症の原因としてクローズアップされているのが脳梗塞> である、と解説している。

 < 後期高齢者の認知症は、患者の脳を顕微鏡で調べる研究で、75歳より若い世代の認知症とは異なる特徴のあることが分かってきました。  それは、米国の大規模な認知症研究である「ナン・スタディ」(2001年)と英国のケンブリッジ大の研究(09年)が共に後期高齢者の認知症は、アルツハイマー病の『脳内変化』だけでは説明できない」と指摘したことです。  アルツハイマー病の患者の脳内には「老人斑」というしみなどの変化が表れます。70歳ごろまでの認知症の多くは、老人斑などアルツハイマー病の脳内変化だけで発病しています。しかし75歳を過ぎると、認知症の人は増えて重症化するにもかかわらず、老人斑のある人は減っていくのです。  そこで、後期高齢者の認知症の原因としてクローズアップされているのが脳梗塞です。研究によると、75歳以上では、アルツハイマー病の脳内変化だけで認知症が発病する人は57%にとどまっていました。しかし、アルツハイマー病の脳内変化に加えて脳梗塞があると、93%が認知症を発病していました。  これらのことから、後期高齢者では、アルツハイマー病の脳内変化脳梗塞の二つが重なったときに認知症を発病しやすいと考えられます。  最近、生活習慣病や脳梗塞の予防策が後期高齢者の認知症を減少させていることが注目されています。これらの研究から、その理由が分かってきたように思います。(勤医協中央病院名誉院長 伊古田俊夫)> とある。

 従来、がん発症は "遺伝子異常" によるものというのが通説であるが、<遺伝子変異によらない発がん> もまた注目されている。

 ◆ 参照 当誌過去の "がん 染色体" 関連記事

  遺伝子変異によらない発がんの仕組み(=エピゲノム異常)!iPS細胞を使って解明!(CiRA)/当誌 2014.04.29


 今回注目する下記引用サイト記事がん原因、染色体の異常解明 東大教授らのグループ/apital/2015.09.24 もまた、<遺伝子変異によらない発がん> の範疇に属すものとして報じられている。

 < がんの原因となる染色体数の異常を起こす仕組みを東京大分子細胞生物学研究所の渡辺嘉典教授らのグループが解明した。新しい治療法の開発につながる可能性がある。米科学誌サイエンスに発表した。  正常な細胞では46本ある染色体の数が、がん細胞ではしばしば異常で、がん化や悪性化を促す要因になるとされるこの仕組みは長年の謎だった。  グループは、「シュゴシン」と呼ばれるたんぱく質などによって作られる複合体を研究してきた。この複合体は、細胞が分裂するときに染色体の中央部にでき、染色体が二つの娘細胞に均等に分かれるために必要な働きをしている。  がん細胞を調べると、この複合体の働きが異常になっていた人工的に働きを回復させたところ、染色体の分配の間違いが起こりにくくなることを確かめた。グループは、この複合体の異常を抑える薬を開発すれば、新たな抗がん剤となる可能性があるとしている。 (瀬川茂子) (朝日新聞 2015年9月24日掲載)> とある。

 胃がんの発症原因として、"ピロリ菌感染" が高い比率を占めていることは、かねてより指摘されてきた。 そして、より効果的な "ピロリ菌駆除" 方法が次の課題だと考えられている。

 ◆ 参照 当誌過去の "ピロリ菌" 関連記事

 (1) "ピロリ菌"に含まれる物質が正常細胞の"遺伝子変異"を誘発!胃がんの原因!(岡山大)/当誌 2015.04.25
 (2) WHO報告、胃がんの原因"8割がピロリ菌感染"!専門機関での"除菌"で発症の3~4割減! /当誌 2014.09.26


 今回注目する下記引用サイト記事ピロリ菌駆除、有効物質の作用解明 秋大大学院・伊藤教授/さきがけ on The Web/2015.09.23 - 11:36 は、  <胃がん発症のリスクを高めるとされるピロリ菌の駆除に有効な化学物質の作用> が解明された、と報じている。

 < 秋田大学は、大学院工学資源学研究科の伊藤英晃教授=分子生物学=が、胃がん発症のリスクを高めるとされるピロリ菌の駆除に有効な化学物質の作用を解明し、英科学誌「サイエンティフィック・リポーツ」のインターネットオンライン版に掲載されたと発表した。  伊藤教授は、胃潰瘍の患者が治療薬を服用している場合、ピロリ菌の除菌率が高いとされることに注目。胃潰瘍の治療薬に含まれる化学物質「GGA」が除菌の効果を高める仕組みを突き止めた。  伊藤教授は「研究が臨床に生かされ、効果的な除菌治療につながることを期待する」と話した。> とある。

 "がんと遺伝子" との深い関係については、いまや周知の事実となっている。 一方で、"遺伝子異常" が様々ながん発症させるとともに、がん抑止する機能を発揮するのも "遺伝子" だと考えられている。


 今回注目する下記引用サイト記事(がん新時代:75)がんの個性、調べて治療 遺伝子解析、薬選びの参考に/apital/2015.09.22 は、"がんと遺伝子" との密接な関係を解きほぐして解説している。 がんの発症原因・抑止・個性的症状・治療薬などの全局面にわたって "遺伝子" が関与しているとの事実が説明されている。

 < がん遺伝子の異常な働きが原因で起きる。遺伝子異常のタイプは薬の効き目にも大きく影響する。がん組織を調べると、たくさんの遺伝子異常が起きていることもわかってきた。あらかじめ遺伝情報を調べて薬の選択に役立てようとする試みも始まっている。  ■ 同じがんでも効き目に差  千葉県船橋市の主婦(77)は、2008年、市のがん検診で大腸がんが見つかった。手術で腫瘍(しゅよう)を取ったが、肺への転移が判明した。病気の進行度合いを示すステージは最も高い4。幸い抗がん剤が効いたが、肺に再発を繰り返した。  13年に国立がん研究センター東病院(千葉県柏市)で、がん組織から五つの遺伝子を調べたところ、BRAFと呼ばれる遺伝子変異が見つかった。この遺伝子変異大腸がん患者の約5%にみられるが、確立した治療法はまだない。  同病院では今年から、BRAF遺伝子変異のある患者に対し、新しい分子標的薬の安全性を確かめる臨床試験(治験)が始まり、女性も参加を決めた。  従来の抗がん剤が、がん細胞だけでなく正常な細胞も攻撃するのに対し、分子標的薬は、特定のたんぱく質や遺伝子の異常な働きを阻害するように設計されている=表。  治療開始直後、女性は激しい吐き気や食欲不振に悩まされた。ただ、肺の腫瘍が徐々に小さくなることが、画像で目に見えてわかったという。同病院消化管内科の吉野孝之科長は「同じ大腸がんでも、どの遺伝子変異があるかによって、薬の効き目に大きな違いがある。患者ごとにがんの個性を調べて、その人に適した治療ができれば、より高い効果が得られるようになるはずだ」と話す。 (宮島祐美)
 ■ 原因遺伝子100種類超  細胞増殖にかかわる遺伝子の働きが異常になり、細胞が制限なく増えてしまうのががんだ。異常が起きる原因にはたばこに含まれる発がん物質放射線など様々あるが、大部分は次世代に遺伝しない。生まれつきの遺伝子異常で、高い確率でがんになる「遺伝性のがん」は、全体の5%程度とされる。  がん化にかかわる遺伝子は、大きく分けて2タイプある。ひとつは車のアクセル役に当たる「がん遺伝子」で、働きが過剰になるとがん化につながる。突然変異のほか遺伝子の数が増える「増幅」などがある。船橋市の主婦で異常がみつかったBRAF遺伝子がん遺伝子のひとつだ。  もう一つは、遺伝子の傷の修復や、細胞を死に導いて異常な増殖を抑える「がん抑制遺伝子」で、ブレーキ役に相当する。こうしたがんの原因となる遺伝子は100種以上ある。
> とある。

 一時は大きな期待感に包まれた "がん粒子線治療" である。 しかし、その評価をめぐって新たな動きが浮上している......。

 ◆ 参照 当誌過去の "粒子線" 関連記事

 (1) <重粒子線や陽子線を患部に照射し、がんを治療する粒子線治療について、日本放射線腫瘍学会が「前立腺がんなど一部では、既存の治療法との比較で優位性を示すデータを集められなかった」とする報告書を厚生労働省に提出した。粒子線治療はがん細胞を狙い撃ちできる治療法として普及し、診療報酬上も自己負担となる照射費用以外は保険適用される優遇を受けている。同省は優位性を示せない部位について、有効性や副作用の有無を調べる臨床試験を求める「格下げ」や、がんの進行度に応じて先進医療からの削除も検討する。......> ( 粒子線治療:先進医療除外も!前立腺がんや一部の肝臓がんなど、学会、優位性示せず!/当誌 2015.08.09

 (2) がん細胞だけを"ピンポイント"で狙う"体幹部定位放射線治療"の成果!病巣を三次元で!/当誌 2015.06.24


 今回注目する下記引用サイト記事有効性に疑問符の「がん粒子線治療」 医療ツーリズム5500億の行方/dot./2015.09.21 - 07:00 は、 <安倍政権の成長戦略の目玉として掲げられた「最先端医療技術」。そのひとつであるがん粒子線治療の有効性に疑問符が付けられた。がん粒子線治療とは陽子線と、重粒子線(炭素イオン線)をがん細胞に照射する治療だが、さらに問題も起きている。 重粒子線(のエネルギーの強さ)は2~3倍高い。がん細胞を攻撃する殺細胞効果が非常に強いが、同時に正常組織に与えるダメージも大きくなる。このため、重粒子線治療は従来のX線治療では起こり得ない重篤な後遺症を招いている。 早くも看板倒れとなってしまうのか。> と報じている。

 < 安倍政権の成長戦略の目玉として掲げられた「最先端医療技術」。そのひとつであるがん粒子線治療の有効性に疑問符が付けられた。がん粒子線治療とは陽子線と、重粒子線(炭素イオン線)をがん細胞に照射する治療だが、さらに問題も起きている。早くも看板倒れとなってしまうのか。  同じ粒子線でも、陽子線重粒子線とではエネルギーの強さに大きな差がある。RBE(生物学的効果比)という指標で示すが、X線の1に対して、陽子線は1.1とほぼ同じだ。だが、重粒子線は2~3倍高い。がん細胞を攻撃する殺細胞効果が非常に強いが、同時に正常組織に与えるダメージも大きくなる。このため、重粒子線治療は従来のX線治療では起こり得ない重篤な後遺症を招いているという。  「難治性がんでも、腺様嚢胞(せんようのうほう)がんという長生きするがんがあります。唾液腺とか口腔内によく起きる疾患ですが、このがんにかかって重粒子線治療を受けた患者さんを診れば、その後遺症の重さがよくわかります。口を開閉させる筋肉や組織がダメージを受け、口がほとんど開けられなくなった人がいます。こうした重大な障害はブラックボックス化しながら、たまたま良好な経過をたどったケースリポートだけ取り出して、科学的なデータであるかのように言い募ってきた。その綻びが公になったわけで、もはや壊滅状態でしょう」(元慶応義塾大学医学部講師で、現在はセカンドオピニオン外来を開設する近藤誠氏)  既存のX線治療なども進歩して効果が変わらないのなら、わざわざ高額の粒子線治療を選ぶ患者は少なくなるのではないか。  特に重粒子線施設は海外でもドイツ、イタリア、中国の3カ所しかない。放医研は世界初の、冠たる治療施設である。今回、取材を申し込んだが、次のようなメールが返ってきた。  「誠に恐縮ですが、現在先進医療会議において審議中の案件であり、審査対象となっている現状では取材にお応えすることは差し控えさせて頂きたいと存じます」  日本の粒子線治療は、海外から患者を呼び込む「医療ツーリズム」の牽引役になると目算されてきた。  安倍政権は成長戦略に健康・医療を重点分野として掲げ、医療の国際展開を推進していくのだという。日本政策投資銀行の試算では、20年には日本への医療ツーリストが42万人、市場規模およそ5500億円を見込んでいる。  「がん粒子線治療は日本特有の技術で、海外からの注目度は高い」(産業調査部)  要は"爆買い"中国人富裕層のインバウンド消費を医療分野でも当て込んでいるわけだ。  だが、政府の皮算用もろとも、もはや"自壊"を免れないのではないか。  ※ 週刊朝日 2015年9月25日号より抜粋 > とある。

 一般に、"脳腫瘍" に対する手術は困難を極めると言われている。その一例として、非常に難しいケースの "脳腫瘍" の手術について、先日は注目した。( 下記の関連記事(1)参照 )

 ◆ 参照 当誌過去の "脳腫瘍" 関連記事

 (1) 生命維持に関わる部分の"脳腫瘍"は取れない!手術で切除できるのは最大全体の6、7割!/当誌 2015.09.20
 (2) がん治療で選択肢増加!切らずに治す"サイバーナイフ"とは?鮮明なPET画像と一体化!/当誌 2014.03.03


 今回注目する下記引用サイト記事(患者を生きる:2887)がん 脳の機能を残す:5 情報編 症状・進行、人それぞれ/朝日新聞/2015.09.19 - 05:00 は、"脳腫瘍" に対する手術は困難を極めることの実情を、"脳の構造" と "がんの進行" との関係から解説している。

 < 脳腫瘍(しゅよう)は頭蓋骨(ずがいこつ)の中に生じる腫瘍の総称だ。脳や脳を包む膜自体から生じる「原発性脳腫瘍」と、ほかの場所で生じたがんが原因になる「転移性脳腫瘍」がある。  「原発性」の発生率は年間で3万人に1人程度。国立がん研究センターは、今年新たに原発性脳腫瘍になる患者数は5100人と推計している。  腫瘍があると、頭蓋骨内の圧力が高まり、慢性の頭痛や吐き気などが起きる。また、腫瘍の場所によって、その部位が担当している「読み書き」「聴力」「視力」などの機能に障害が出る。  連載で紹介したピアノ教師の女性は、脳腫瘍の中でも「グリオーマ」と診断された。そのものは、神経細胞と、神経細胞に栄養を与える役割などがある「グリア細胞」でできている。グリア細胞から生じる腫瘍グリオーマだ。「神経膠腫(こうしゅ)」とも呼ばれ、原発性の約3割を占める。  グリオーマは一般に悪性とされ、多くの種類がある。脳内にしみこむように広がり、腫瘍と正常組織との境界があいまいで、手術で取るのが難しい。  一方、脳を包む髄膜や下垂体などに生じる腫瘍は、良性のものが多い。腫瘍と正常な部分の境がはっきりしていて、切除しやすく、手術で治しやすい。  グリオーマなど悪性の脳腫瘍は、手術でできる限り腫瘍を取り、残った腫瘍放射線治療や化学療法でたたくのが通常の治療方法だ。  ただ、脳腫瘍は患者数が少ない半面、種類が多い。このため、それぞれの種類ごとの標準治療が確立されていない。現在、日本脳腫瘍学会が診断や治療のガイドラインを作成中だ。  脳は薬剤が到達しにくい性質があるため、治療薬の開発を難しくしている。ほかの臓器のがんに有効な抗がん剤の転用も難しい。  慶応義塾大の佐谷秀行(さやひでゆき)教授(腫瘍生物学)は「一人一人の症状や進行は違うので、ほかの患者さんの例を自分に当てはめて、あきらめたり、楽観したりするべきではない」という。また医師によって治療法をめぐる見解が異なることも多く、「セカンドオピニオン」で主治医以外の意見を聞くことも重要だ。 (鍛治信太郎)> とある。

 "子宮頸がんワクチン" の接種後に、原因不明の体の痛みなどを訴える患者が相次いでいる問題は、漸く、煮詰まった局面を迎えつつある......。

 ◆ 参照 当誌過去の "子宮頸がんワクチン" 関連記事

 (1) 痛み,けん怠感,認知機能低下など「症状回復せず」186人!"子宮頸がんワクチン接種"で/当誌 2015.09.19
 (2) "子宮頸がんワクチン"接種後の痛み、「心の問題」と診断しないで! 医師には痛みが?/当誌 2015.08.23
 (3) "子宮頸がんワクチン"副作用、重い副作用例が千件超(1112件)と研究者チーム分析発表!/当誌 2014.09.15


 今回注目する下記引用サイト記事子宮頸がんワクチン 患者6人に初救済/NHK NEWS WEB/2015.09.19 - 04:07 は、漸く、厚生労働省が審査の結果、被害を受けた患者救済の第一弾を実施するとの経緯を報じている。

 < 子宮頸がんワクチン接種したあと、原因不明の体の痛みなどを訴える患者が相次いでいる問題で、厚生労働省は審査の結果、接種当時、10代だった6人について、医療費などを給付することを決めました。この問題での救済は初めてで、ほかに救済を求めている80人余りについても、順次、審査を行うことにしています。  子宮頸がんワクチンは若い女性のがんの中で最も多い子宮頸がんを予防する効果が期待されるとして、国内では6年前から接種が始まり、おととしには小学6年生から高校1年生までの女子を対象に国と自治体が費用を負担する定期接種に追加されました。しかし接種後に原因不明の体の痛みなどを訴える患者が相次ぎ、厚生労働省は積極的な接種の呼びかけを中止し、症状が出た人を対象に追跡調査を行うなど実態の把握に努めてきました。  この問題でこれまでに救済を求める申請が出された88人のうち、厚生労働省は、18日夜、専門家による会議を開いて、接種当時、いずれも10代だった7人について審査を始めました。  7人は全身の痛みや体を動かしにくいなどの症状が出ていたということで、医療機関の診断書や症状の経過などを踏まえ、厚生労働省はこのうちの6人について「ワクチン接種と症状との因果関係が否定できない」として、この問題で初めて、医療費や医療手当を給付することを決めました。残る1人は継続審査となりました。  厚生労働省はほかの81人についても順次、審査を行うことにしています。> とある。

 "がん治療" においては、常にある種の "ジレンマ" がついてまわる。 "正常細胞" への致命的な影響無く "がん細胞" を攻撃できないという点もその例だ。
 そして、"がん組織" の "切除手術" が、貴重な "周辺組織" の棄損を伴わずに実施することが難しいというケースも、この "ジレンマ" に相当する。 まして、その舞台が "脳内" である場合には、事態の深刻さは計り知れない。


 今回注目する下記引用サイト記事(患者を生きる:2885)がん 脳の機能を残す:3 「最小限の手術」を希望/朝日新聞/2015.09.17 - 05:00 は、"脳腫瘍手術" のジレンマ、いや "がん手術" 全般に共通するジレンマについて伝えている。  <生命維持に関わる部分などにある腫瘍は取れないので、手術で切除できるのは最大でも全体の6、7割という。それでは腫瘍が多く残ってしまい、手術による延命効果は小さい現実が見えてきた。しかも、腫瘍が大きいので6割でも失われる脳の機能は多い> という、とある患者さんの息詰まるごときジレンマについて報じている。

 < 右の脳に腫瘍(しゅよう)が見つかった東京都のピアノ教師の女性(54)は2009年11月、主治医(56)から手術の方法について、説明を受けた。  生命維持に関わる部分などにある腫瘍は取れないので、手術で切除できるのは最大でも全体の6、7割という。それでは腫瘍が多く残ってしまい、手術による延命効果は小さい現実が見えてきた。しかも、腫瘍が大きいので6割でも失われる脳の機能は多いだろう。  残された時間、周りの人たちといろいろなことに感動しながら生きたい。文章を書き、ピアノを弾き続けたい。延命効果に大差ないなら機能を優先したい。ずっと考えてきた希望を口にした。  「豊かな気持ちで暮らせるよう、できるだけ脳の機能を残してほしいのですが」  女性の気持ちをくみ取った主治医は「切除は病理検査に必要な最小限にとどめ、残りの腫瘍は抗がん剤で治療していきましょうか」と提案した。  「その方法でお願いします」。女性は一呼吸おき、そう答えた。  「少しでも延命効果の高い方法を選ぶべきなのでは?」と批判する親戚に、夫(57)は「本人の決断を理解してほしい」と手紙を書き、説得した。  11月の手術の直前、長く米国の大学で内科教授を務めた伯父(85)からメールが来た。  「医者としてではなく、ただあなたを深く愛する親類の一人として、少しでも治癒の可能性のある治療法を選んでほしい」。機能の保持を優先するため、余命を縮めても腫瘍の切除を最小限に抑えるという女性の決断に、反対する内容だった。  決心は揺らがなかったが、自分を気遣ってくれる伯父の気持ちを思い、涙がにじんだ。  11月中旬、7時間の手術を受けた。全身麻酔をかけて頭を開き、最初に決めた通り、検査に必要な最小限だけ腫瘍を切除した。  手術室で目を覚ますと、医師らが視界に入った。名前を呼びながら「ありがとうございました」と声をかけた。かすれ声を出すのがやっとだったが、「感謝できる心が、手術で失われずに残っていてよかった」と思った。(鍛治信太郎)> とある。

 "子宮頸がんワクチン" 接種後に全身の痛みやしびれなどの副作用が報告された問題は、少なからぬ波紋を広げていた。( 下記の関連記事参照 )

 ◆ 参照 当誌過去の "子宮頸がんワクチン" 関連記事

 (1) <子宮頸(けい)がんワクチンの接種後に体の痛みなどの重い症状が出ている問題で、日本医師会と日本医学会は19日、全国の医療機関を対象とした診療の手引を公表した。 「心の問題」などとして医療機関で理解してもらえないという患者や家族の訴えを受け、診療の注意点などを示した......> ( "子宮頸がんワクチン"接種後の痛み、「心の問題」と診断しないで! 医師には痛みが?/当誌 2015.08.23
 (2) <国による接種の呼び掛けが中止されている子宮頸がんワクチンで、難病治療研究振興財団の研究チームは13日、厚生労働省に寄せられた約2500件の副作用報告を調べた結果、1112件の重い副作用が出ていたとする独自の分析を発表した。......> ( "子宮頸がんワクチン"副作用、重い副作用例が千件超(1112件)と研究者チーム分析発表!/当誌 2014.09.150


 今回注目する下記引用サイト記事「症状回復せず」186人 子宮頸がんワクチン接種で/NHK NEWS WEB/2015.09.17 - 17:47 は、この "子宮頸がんワクチン接種の副作用" に関する "厚生労働省の調査" 結果として、<子宮頸がんワクチンを接種したあと原因不明の体の痛みなどを訴え症状が回復していない若い女性の患者が中学生や高校生を中心に200人近くに上り、このうちの70%以上が通学できないなど学校生活に支障が出ていたこと> が明らかになったと報じている。

 < 子宮頸がんワクチンを接種したあと原因不明の体の痛みなどを訴え症状が回復していない若い女性の患者が中学生や高校生を中心に200人近くに上り、このうちの70%以上が通学できないなど学校生活に支障が出ていたことが厚生労働省の調査で明らかになりました。  子宮頸がんワクチンを巡っては接種のあと、体に原因不明の痛みを訴える患者が相次いだため厚生労働省はおととし6月、積極的な接種の呼びかけを中止し医療機関を通じて調査を行っていました。  17日は厚生労働省の専門家会議が開かれおととし11月までにワクチンを接種し何らかの症状が出た2584人のうち状況が把握できた1739人について調査結果が報告されました。  それによりますと症状が出てから1週間以内に回復した人は1297人と全体の75%を占めた一方、痛みやけん怠感、認知機能の低下などの症状が回復していない人が186人いることが分かりました。  症状が続いている期間については1年以上3年未満が113人、3年以上と答えた人も51人いました。  ワクチンを接種したのは中学生や高校生が多く、症状が回復していない患者に生活の状況を複数回答で聞いたところ、通学できなかったり留年したりして学校生活に支障が出ていた人は135人と全体の73%に上り、入院した期間がある人は87人介助が必要な期間があると答えた人も63人いました。  こうした患者について、厚生労働省は、これまで、実態が明らかになっていないとして救済を行っていませんでしたが、調査結果を受けて18日、医療費などの給付に向けた審査を始め接種との因果関係が否定できない場合は救済することにしています。 ......以下略......> とある。

 "抗がん剤の副作用" の現れ方は広範囲にわたるが、女性にとって気にならざるを得ない副作用のひとつは "頭髪の脱毛" であるに違いない。

 ◆ 参照 当誌過去の "抗がん剤 脱毛" 関連記事

 (1) <乳がんで抗がん剤治療を受けた女性の98%が頭髪などの脱毛を経験し、抗がん剤投与を終えてから5年たった人の中にも、髪が十分に生えそろわずかつら(ウイッグ)を使用している人が約10%いるとの調査結果を、専門医らのグループがまとめた。> ( 乳がんで"抗がん剤"治療:98%に脱毛、5年後も10%がかつら!平均3.4カ月後から再生!/当誌 2015.07.12
 (2) "抗がん剤のやめどき"!概して副作用が目立ち始める抗がん剤"開始から2週間後"辺り!/当誌 2015.05.21


 今回注目する下記引用サイト記事薬の副作用の脱毛長期化も 乳がん女性調査で判明/47 NEWS - 医療新世紀/2015.09.15 は、  < 乳がん抗がん剤治療を受けた女性のほとんどが頭髪の大半を失う副作用を経験するうえ、治療終了から3年以上たっても頭髪の回復が半分以下という人が6人に1人の割合でいることが、専門医グループの患者アンケートで分かった> と報じている。

 < 乳がん抗がん剤治療を受けた女性のほとんどが頭髪の大半を失う副作用を経験するうえ、治療終了から3年以上たっても頭髪の回復が半分以下という人が6人に1人の割合でいることが、専門医グループの患者アンケートで分かった。  抗がん剤による脱毛の長期的な実態が判明したのは初めてという。患者の長期的な支援の重要性を示す結果となった。  アンケートは2013年、全国47医療機関で乳がんの手術と標準的な抗がん剤治療を受けた女性を対象に実施。抗がん剤治療が終わってから5年以内の1478人(平均年齢54・7歳)の回答を分析したところ、抗がん剤の副作用で髪の「全て」または「8~9割」が抜けた人は94%だった。  治療終了後の頭髪の回復度合いを、無回答を除く1267人について見ると、8割以上回復した人の割合は、終了後1年未満で53%、1年以上3年未満で64%、3年以上で62%。必ずしも年数の経過に比例して回復するという関係にはなっておらず、3年以上たっても回復が5割以下という人が16%と、6人に1人近くに上った。  脱毛中に使うウイッグ(かつら)の使用期間は、1年未満が42%と最多だったが、1年以上2年未満が29%いたほか、2年以上3年未満が5%、3年以上も4%おり、かつらを長期に必要とする人がいると分かった。  調査に携わった埼玉医大総合医療センターの矢形寛教授は「抗がん剤治療が終われば髪は元通りに生えてくる』と患者に説明する施設も多いと思うが、そうでない人がいることが明らかになった。患者への丁寧な説明と精神的な支援が必要だ」と話している。> とある。

 がんに対する"免疫力を高める新しい治療法" で使う薬剤としてその効果も注目されていた "新しい抗がん治療薬:ニボルマブ" については、つい先日に注目したばかりである。( 下記の関連記事参照 )

 ◆ 参照 当誌過去の "ニボルマブ" 関連記事

  "卵巣がん"に、"免疫細胞を支援する"抗がん剤「ニボルマブ」が効果!(京大)/当誌 2014.00.00


 今回注目する下記引用サイト記事皮膚がんの新薬、副作用で1人死亡 厚労省が注意指示/朝日新聞/2015.09.16 - 10:06 は、その "新しい抗がん治療薬:ニボルマブ" の "副作用" によって患者1人が死亡、という事態が発生したことについて報じている。

 < 厚生労働省は15日、皮膚がんの一種「メラノーマ」の治療薬「オプジーボ」(一般名・ニボルマブ)を投与された患者1人が、全身の筋力が低下する「重症筋無力症」を発症して死亡したとして、製造販売元の小野薬品工業(大阪市)に対し、薬の説明文書を改め、医師らに注意を呼びかけるよう指示した。この薬は、がん細胞の影響で抑えられていた免疫を再び活性化させる新しいタイプで、昨年7月に承認された。  厚労省によると、使用後に6人が重症筋無力症や筋炎を発症し、うち80代の女性が死亡したことが報告された。6人とも薬との因果関係は否定できないという。厚労省は説明文書の「重大な副作用」欄にこれらを追加するよう求めた> とある。

 がん治療で、患者から最も高い関心が向けられる指標は、いわゆる "5年生存率" と呼ばれる統計値だ。
 一定期間での "がん腫瘤" の "縮小/消滅" も重要な関心事とはなっても、言ってみれば "状況証拠(?)" 的事実に過ぎず、結局、"延命効果" の有無は、"5年生存率" の数値に如実に反映される。 したがって、がん治療の成果の有無は、この数値で表現されると言ってよさそうである。


 ◆ 参照 当誌過去の "5年生存率" 関連記事

  進行"大腸がん"の腹腔鏡手術、手術後の5年生存率90%超!(日本臨床腫瘍研究グループ)/当誌 2015.02.09


 今回注目する下記引用サイト記事肝と肺がん、厳しい生存率 治療開始5年後を集計/【共同通信】/2015.09.14 - 18:06 は、<国立がん研究センターは14日、2007年にがん診療連携拠点病院でがんと診断され、治療を始めた患者のデータをまとめ、5年後の生存率を公表した。乳がんは92・2%、大腸がんは72・1%、胃がんは71・2%と比較的高かったのに対して、肝臓がんは35・9%、肺がんは39・4%と厳しい状況が明らかになった。すべてのがんをまとめると64・3%だった> と報じている。

 < 国立がん研究センターは14日、2007年にがん診療連携拠点病院でがんと診断され、治療を始めた患者のデータをまとめ、5年後の生存率を公表した。乳がんは92・2%、大腸がんは72・1%、胃がんは71・2%と比較的高かったのに対して、肝臓がんは35・9%、肺がんは39・4%と厳しい状況が明らかになった。すべてのがんをまとめると64・3%だった。  集計対象となった病院が2施設以上ある都道府県別の生存率も公表した。例えば全がんでは最も高い東京(74・4%)と最も低い沖縄(55・2%)では20ポイント近く差があるが、データが限られ、一概には比較できないとしている。> とある。

 つい先日、"透析難民" という聞き慣れない言葉に遭遇したものだ( 下記の関連記事参照 )。地震などの自然災害によって "人工透析施設" が使用不能となる、というのである。

 ◆ 参照 当誌過去の "透析難民" 関連記事

  <東京都内の人工透析施設のほぼ半数は耐震性が不十分であるなど、首都直下地震が起こると、かかりつけの施設で透析が受けられなくなる「透析難民」が数万人規模で発生する恐れがあるとの調査結果> ( "首都直下地震"が起こると、数万の「透析難民」発生の恐れ! 東京女子医大医師ら調査/当誌 2014.00.00


 今回注目する下記引用サイト記事鬼怒川決壊で2病院閉鎖 医療ピンチ 透析患者 まず広域支援/東京新聞/2015.09.13 は、  <鬼怒川決壊による浸水で、常総市内の医療体制が危機的な状況に陥っている。市内にあった四病院のうち「水海道(みつかいどう)さくら病院」と「きぬ医師会病院」の二病院が水害によって閉鎖され、再開のめどが立たない。家を流された住民の避難生活も長期化が予想され、応急的な医療の受け皿づくりが待ったなしだ。こうした中、新たな支援の動きも出始めている......> と報じている。

 < 鬼怒川決壊による浸水で、常総市内の医療体制が危機的な状況に陥っている。市内にあった四病院のうち「水海道(みつかいどう)さくら病院」と「きぬ医師会病院」の二病院が水害によって閉鎖され、再開のめどが立たない。家を流された住民の避難生活も長期化が予想され、応急的な医療の受け皿づくりが待ったなしだ。こうした中、新たな支援の動きも出始めている。 (関東・東北水害取材班)  決壊から三日目を迎えた十二日夕、水害で孤立化した水海道さくら病院から約七十人の患者を助け出し、別の病院に移す作業がようやく終わった。二日がかりだった。  「体力がない患者をヘリコプターでつり上げるのは危険。寝たきりの人が多く、二人以外は消防のボートで救出するしかなかった」。広井信理事長は、疲れをにじませながら語った。  院内の一階はほとんど水没した。十一日に、約三十人の透析患者を優先してボートで救出。この日は午前十時から再開し、約七時間かけて終えた。非常用電源が途切れそうになる中、自衛隊から軽油の支援を受け、患者の人工呼吸器などの電源を維持した。  この間、二人の患者が死亡した。広井理事長は「二人は水害前から体調が悪かった」と説明した。  きぬ医師会病院は一階が浸水。十一日に患者の救出が完了したが、高価な検査機器も被害を受け、ベテラン職員は取材に「病院は存続できないんじゃないか」と案じる。同病院は市内で最も大きく、救急患者の受け入れも行ってきた。  茨城県の担当者は「二つの病院が閉鎖された影響は大きい。近隣自治体の力を借りて何とかカバーするしかないが、救急態勢などに心配も残る」と話した。  一方、菊池内科クリニック(つくば市)は十二日、西に十キロに位置するさくら病院に通院していた人工透析患者を受け入れ、四十人を透析治療した。  クリニックによると、患者の多くは六十~八十代の高齢者で、週三回の通院が必要。「避難所から通う人もいる。長期化すると患者の負担になる」と指摘する。...... > とある。

 "抗がん剤の副作用" の恐さが、相変わらず懸念され続けている。 とりわけ、死亡にまで至ったがん患者が、その直前に "抗がん剤" で苦しむ、その姿を目の当たりにしてきたご家族にとっては、いたたまれない心境となる。 これは、同じような経験をしてきた人たちが異口同音に語るところでもある。

 ◆ 参照 当誌過去の "抗がん剤 副作用" 関連記事の一部

 (1) がん患者の苦悩10年前より減少、ただし"抗がん剤の副作用"など「身体の苦痛」は増加!/当誌 2015.09.10

 (2) "抗がん剤の重い副作用"約200人分の報告漏れ!製薬大手ファイザーに業務改善命令へ!/当誌 2015.08.30

 (3) 抗がん剤=殺全身細胞薬は、がん完治の薬ではない!だから"やめどき"が必ずや訪れる!/当誌 2015.05.16

 (4) 抗がん剤"で死亡 病院に賠償命令!"抗がん剤"の"副作用危険性"に改めて"要注意"か?!/当誌 2014.05.20


 今回注目する下記引用サイト記事 :  は、"がん患者の死亡" が "抗がん剤の副作用" によるものと考えた "遺族" が、病院側を "提訴" する、という事態の推移を報じている。

 < 化学療法研究所付属病院(市川市)で食道がんの治療を受けた女性が死亡したのは、抗がん剤の副作用が原因だったなどとして、女性の遺族3人が同病院を運営する公益財団法人と担当医を相手に慰謝料など約6400万円を求めて千葉地裁に提訴していたことが11日、分かった。  訴状によると、女性は2013年9月25日から同病院に通院して、食道がん抗がん剤治療を受けることになった。がんが消失したと思われる兆候があったが、担当医は量を増やして投与。さらに、女性に顔や下肢のむくみなど副作用とみられる症状が出たが、抗がん剤の点滴を続けた。  女性は14年2月5日、救急車で同病院に搬送され入院。同17日未明に死亡が確認された。  原告側は「抗がん剤治療の危険性の説明がなく、投与方法も添付文書と異なっていた。女性は重大な副作用が現れ、その結果死亡した。抗がん剤の投与を中止するか減量していれば、女性を助けられた可能性が高い」と主張している。  同病院はコメントの掲載を拒んでいる。> とある。

 簡易版 "がん検診" での定番はと言えば、"血液検査" 。そして、変り種なのは "がん探知犬" 。さらに、意表を衝くのが、"がん患者の尿のにおい" をかぎ分ける "線虫" を活用した手法!

 ◆ 参照 当誌過去の "がん検診" 関連記事

 (1) "がん探知犬"を使ったがん検診を試験的に導入!"がん患者の尿のにおい"をかぎ分ける!/当誌 2015.05.05
 (2) <九州大理学部の広津崇亮(たかあき)助教、伊万里有田共立病院の園田英人外科部長らの研究グループは、わずかな匂いをかぎ分けることのできる線虫の性質を利用し、患者の尿でがんの有無を調べる方法を開発した......> ( がんを"尿の匂い"で発見!匂いをかぎ分ける"線虫"を利用!実用化を目指す!(九大など)/当誌 2015.03.16


 今回注目する下記引用サイト記事尿1滴でがん診断、「論文執筆より実用化優先する」/日経デジタルヘルス/2015.09.10 - 17:30 は、上記の<匂いをかぎ分ける"線虫"> を活用した "がん検診法" を編み出した九州大学大学院 理学研究院 生物科学部門 助教の広津崇亮氏の "研究内容" とその "敬服すべき研究スタンス" とを紹介している。

 < がん患者の尿1滴の"におい"から早期にがんを診断する。しかも、におい判定を行なうのは線虫――。2015年3月、九州大学のグループが発表した研究報告は、各所で大きな話題を呼んだ関連記事 )。「次世代がん診断サミット2015 ~『超早期』への破壊的イノベーション、始まる~」(主催:日経デジタルヘルス)では、その研究の中心人物である九州大学大学院 理学研究院 生物科学部門 助教の広津崇亮氏が登壇した。  3月の発表内容から「ほとんどの人に(医師と)勘違いされる」(広津氏)そうだが、肩書を見ればわかるように広津氏の専門は生物科学である。研究を発表後、自らもがん検診を受けたそうで、その辛さが身に沁みたという。その経験を通して、広津氏は「大腸カメラ(大腸内視鏡)を挿入したときの気恥ずかしさや痛みもある。毎年診断を受けるのは面倒と感じた。やはり手軽な早期発見が最良だ」と語った。  もともと、線虫を用いた嗅覚メカニズムの研究に携わってきた広津氏。今回のにおい判定では、研究界ではポピュラーとされる線虫「C.elegans」を材料として用いる。C.elegansは人間の約3倍、犬よりも多い1200個の嗅覚受容体(においを受け取る分子)を持ち、好きなにおいに寄っていく化学走性を利用して簡便ににおいに対する応答を調べることができる。さらに、嗅覚神経数が10個(犬は数億個)と非常にシンプルなため、解析が容易という利点もある。  実験では、がん患者の尿に対して誘引行動を示す結果が得られた。がん患者24、健常者218の合計242検体に対し線虫嗅覚による精度検査を実施したところ、がんの陽性反応を見極めた確率(感度)は95.8%と高い数値となった。  広津氏はこの手法「n-nose」と名付け、「苦痛がなく、簡便で、素早く、低コストで実現できる」とする。必要な尿は1滴のみで、約1時間半で結果がわかる。また、線虫の飼育コストや機器の導入コストの低さから、先進国だけではなく「全世界に導入が可能」と語った。なお、現状の検体実験結果からは、尿採取であっても糖尿病、妊娠、食事条件などの影響を受けないことが判明しているという。  これまでに反応したのは胃がん、結腸・直腸がん、前立腺がん、乳がん、膵臓がん、食道がん、肺がんなど10種類。がん探知犬の研究結果を見ると、がん種によって匂いが違う可能性が示されていることから、今後は尿1滴でがん種の特定まで持ち込みたいとする。そして、研究者は普段、論文執筆を重視するが、このテーマについては「自らがn-noseの実用化に向けて本腰を入れていく」と力強く結んだ。> とある。

 "がん免疫療法" という治療アプローチは、他の治療法が奏功しなかったがん患者さんたちから少なからぬ期待を寄せられている。 患者体内に備わった "免疫力/免疫細胞" を活性化させ、支援することで、"がん細胞" の動きを封じ込める治療法と理解されているようである。
 そのひとつとして、"ニボルマブ" という治療薬が注目されている。( 下記の関連記事参照 )


 ◆ 参照 当誌過去の "ニボルマブ" 関連記事

  <小野薬品工業が昨年末に厚生労働省に医薬品としての承認を申請し、今秋にも認められる見通し。がんの有力な治療法になると期待されている。/ 申請されたのは点滴薬ニボルマブ(一般名)で、既存の治療法で効果がなくなった皮膚がん患者が対象/ これまでの免疫療法は、免疫の攻撃能力を高めて、がん細胞を殺そうとしていた。だが、攻撃が過剰になると自分を傷つけるので免疫自体がブレーキをかけてしまい、効果は不十分だった。新しい免疫療法は、免疫のブレーキがかからないようにし、攻撃のアクセルを踏み続ける/ 国内の臨床試験(治験)では、患者35人の半数が5カ月半以上、がんが進行しなかったという/ 今回(医薬品が)認められれば、公的医療保険が使える国内初の免疫療法となる見込み> ( "がん"を攻撃する"新しい免疫療法"年内にも開始!小野薬品工業の医薬品認可の見込み!/当誌 2014.02.18


 今回注目する下記引用サイト記事卵巣がんに新治療法が効果 京大、免疫細胞をアシスト/朝日新聞/2015.09.09 - 13:03 は、前述の "ニボルマブ" を、<ほかの治療法が効かなくなった卵巣がん患者> に適応した治療法が、効果的な結果を得ていると報じている。

 < 京都大は9日、ほかの治療法が効かなくなった卵巣がん患者に、免疫力を高める新しい治療法を試し、20人中3人で効果があったと米科学誌に発表した。  卵巣がん6割以上が進行した状態で見つかり、抗がん剤などで治療しても6割以上で再発するがん細胞には、免疫細胞からの攻撃を逃れる仕組みがあるため、この仕組みを妨げて免疫細胞に攻撃を促す治療法が研究されてきた。  小西郁生教授(産科婦人科)らは、患者20人を対象に、がん細胞が免疫を止めるのを妨げる薬剤ニボルマブ」を2週間ごとに最長1年間使った。その結果、2人でがんが完全に消え、半年経っても再発していないという。別の1人はがんが3割以上小さくなった。  発熱や静脈に血の塊が詰まる重い副作用が2人でみられたが、全体的には従来の抗がん剤と比べて軽かったという。  ニボルマブメラノーマ(悪性黒色腫)の抗がん剤として承認されている。製造販売する小野薬品工業は肺がんの多くを占める非小細胞肺がんへの適応を申請中。尿路上皮がんでは臨床試験を始めており、今回の結果を受け、卵巣がんでも臨床試験を準備している。  京大の研究責任者、浜西潤三助教は「効果はあるが、どの患者に効くかを事前に判断する方法の開発が重要」と話している。(阿部彰芳)> とある。

 "がん手術の成功と、その後の再発・転移とは別もの!" とよく言われる。 医者が言う "手術の成功" とは、"合併症" のリスクを回避した首尾であった、ということのようである。
 また、"切除手術" は、メスを入れた近くに再発する "局所転移" を生じさせるリスクも低くない、のだそうである。



 今回注目する下記引用サイト記事【がん電話相談から】肺腺がん術後の抗がん剤治療、再発が心配/産経ニュース/2015.09.08 - 14:00 は、【がん電話相談】という形式で、"肺腺がん" の患者さんが、"手術 + 術後抗がん剤治療" を済ませてなお "再発の心配" が打ち消せない、というケースを採り上げ、解説している。

 < 68歳の男性です。1年前、肺腺がんステージⅢaと診断されました。3カ月後、右肺の下葉切除とリンパ節郭清術を行いました。術後2カ月目から、抗がん剤のビノレルビンとシスプラチンの2剤併用療法を4クール行いましたが、間質性肺炎が見つかったため減量して行いました。現在、毎月1回の血液検査とCT(コンピューター断層撮影)検査で様子を見ています。周囲に再発した方が多いので、心配です。再発予防のために治療など、今すべきことがあったら教えてください。   手術をされた方は皆さん、再発する可能性があり、再発を心配されます。再発をいかに抑えるかを考える必要があります。再発するということは、目に見えないがんが残っている可能性があるということであり、潜んでいるがんを抑えるために手術後に抗がん剤を追加します。あなたの場合は、手術後すでに4クールの抗がん剤治療を受けられていますので、効果的な再発予防のための治療をすでに受けられています。これ以上抗がん剤治療を継続することはお勧めしません。体に負担ばかりかかってしまい、効果も不明だからです。あとは慎重に経過観察を行っていくことが一般的な考え方です。   再発予防のために例えば、免疫療法のPD1はどうでしょうか。   PD1は注目されていますが、手術後の再発予防に有効かどうかは、これから臨床試験で確認される段階です。結果が出るのは数年先になります。また、免疫療法と言っても、薬は免疫関連の副作用もあり、効果が見えない現時点ではリスクの方が心配です。再発しているかが不明である状態で治療をするのではなく、再発したときに、しっかりした治療をすることをお勧めします> とある。

 がん患者は、"心身ともに"、大きな苦痛を背負わされる。 そして、今や広く知れ渡っているように、治療法として頼られている "抗がん剤" 自体が、"少なからぬ副作用" でがん患者を苦しめている。

 ◆ 参照 当誌過去の "抗がん剤 副作用" 関連記事

  <抗がん剤は、がんを治す薬ではない ○ 再発転移を予防するか、再発したがんを延命させるかである ○ 分子標的薬の副作用は、従来の抗がん剤より少ないが、それでもある ○ ステージや年齢によっては、抗がん剤をやらないほうがいい場合もある  抗がん剤治療の第一目的とは?  がんの再発、進行、転移をどこまで食い止められるか、どこまで時間を引き延ばせるかということが抗がん剤治療の第一目的である。だから"やめどき"が必ずや訪れる。けっして完治が目的ではない。...... 通常の細胞までも殺す薬=「殺全身細胞薬」......> ( 抗がん剤=殺全身細胞薬は、がん完治の薬ではない!だから"やめどき"が必ずや訪れる!/当誌 2015.05.16


 今回注目する下記引用サイト記事がん患者の苦悩10年前より減少 「身体の苦痛」は増加/【共同通信】/2015.09.08 - 12:33 は、 <がんの患者と体験者に悩みを尋ねたアンケート> によって、当事者らの厳しい現実!を浮かび上がらせた記事を提供している。

 < がんの患者と体験者に悩みを尋ねたアンケートで、10年前に比べて再発の不安を中心とした「心の苦悩」の占める割合が減った一方、抗がん剤の副作用など「身体の苦痛」が増えたことが8日、山口建静岡県立静岡がんセンター総長らの研究チームの調査で分かった。  がんと診断された後に仕事を依願退職したり解雇されたりした人は34・6%で、10年前の34・7%から状況の改善がなかった必要な支援としては、勤務時間の短縮や長期休職できる制度、がんや後遺症への周囲の理解を挙げる人が多かった。  調査では2013年から、各地の病院や患者会を通じ4054人に質問。> とある。

 "iPS細胞の医療応用技術" で注目すべきは、"再生医療" 分野での進展だけではない。"病気解明/治療薬開発" の分野での独特なアプローチによる研究も成果を挙げており、ここからも目が離せない。

 ◆ 参照 当誌過去の "iPS細胞 応用" 関連記事

  <iPS細胞の医療応用は大きく二つの流れがある。 一つは再生医療。iPS細胞からつくった細胞や組織を患者に移植し、病気やけがで失った機能の回復を目指す。......もう一つが今回のような難病の治療薬の研究だ。......まずは、患者の細胞からiPS細胞を作り、病気を起こしている組織や細胞を試験管で再現させる。これを使えば、実際の患者から取り出せない患部の組織を調べたり、有望な薬の候補を細胞レベルで絞り込んだりできる。> ( iPS細胞の医療応用"二つの流れ"!(1)"再生医療"分野、(2)難病向け治療薬研究"創薬"!/当誌 2014.09.21


 今回注目する下記引用サイト記事iPS細胞比較で病気解明へ 日立と京大、今月始動/【共同通信】/2015.09.07 - 22:02 は、上記の "後者" のアプローチに相当するものであり、  <病気の患者から作製した人工多能性幹細胞(iPS細胞)を、健康な人から作ったiPS細胞と比較することで、病気の発症メカニズムの解明や治療薬開発につなげる取り組み> に関する最新動向について報じている。

 <病気の患者から作製した人工多能性幹細胞(iPS細胞)を、健康な人から作ったiPS細胞と比較することで、病気の発症メカニズムの解明や治療薬開発につなげる取り組みを今月から始めると、日立製作所と京都大iPS細胞研究所が7日発表した。  患者からiPS細胞を作れば、体外で病気の症状や遺伝子の変異を再現できることを利用するもの。  取り組みでは、茨城県日立市にある「日立健康管理センタ」で健康診断を受け、病気を発症する可能性が低い同社従業員やその家族約100人から、同意を得て血液の細胞を採取する計画で、今月から収集に乗り出す。> とある。

 "糖尿病" の怖さは、一方では確実に "万病の原因になる血管障害!" をもたらしながら、その反面、現時点においては "自覚症状ナシ!" という "まやかし!" がある点であろう。 だからこそ、「患者の1割が1年で通院中断」(YOMIURI ONLINE/2014.05.25) という現象が生まれてもいるのであろう。 ことほど左様に、"糖尿病" 治療に対する患者側の姿勢には、どこか "切迫感を欠く(?)" ところが無きにしもあらずだ。 それが "インスリン注射" を避ける傾向にもつながっているのか......。

 ◆ 参照 当誌過去の "インスリン注射" 関連記事

  <"インスリン" 分泌が不足、不十分なために、"血糖値" を下げることができない "糖尿病" の治療は、薬の服用や注射によって、この不足する "インスリン" を補うことが目指されている。  しかし、重篤な症状の "糖尿病" の場合は、"インスリン" 分泌を担っている "膵臓/膵島細胞" 自体を患者の体内に "移植" するという治療法が検討されることになる。......> ( 糖尿病に"新"治療法!"膵島を皮膚下に移植"!ラット実験で成功/拒絶反応なし(京大)!/当誌 2014.06.21


 今回注目する下記引用サイト記事目標血糖値守る意識低い/47 NEWS - 医療新世紀/2015.09.01 は、 まさしく、そうした "切迫感を欠いた糖尿病患者の姿勢" の一端をえぐり出すかのように報じている。

 < 2型糖尿病飲み薬だけで治療している人は、目標とする血糖値が達成できなくても6割が治療に満足-。製薬会社アストラゼネカの調査で、目標達成に対する意識の低さが明らかになった。  調査は4月、飲み薬だけで治療する40~70代の400人を対象にインターネット上で実施。  目標の血糖値を達成できていない人の9割は「インスリン注射はしたくない」と回答した。理由は「最後の手段だと思うから」が5割余りで最も多く、「注射が怖いから」は2割強だった。  一方、内科医220人への調査では「患者がインスリンや薬の自己注射を受け入れないのは注射が怖いからとの答えが7割と最多で、患者との認識のずれが目立った。> とある。

 見つけにくく、有効な薬も少なく、治癒は困難なことが多い」という意味で "難治" と称される "胆管がん" の恐さについては、これまでにも注意を向けてきた。( 下記の関連記事参照 )

 ◆ 参照 当誌過去の "胆管がん" 関連記事

 (1) 難治の"胆道がん(胆管がん、胆のうがん)"!"遺伝子異常"を特定! (国立がんセンター)/当誌 2015.08.13

 (2) <消化器がんの専門医は、胆管がんについて「難しいがん」と口をそろえる。三嶋秀行・愛知医科大臨床腫瘍センター教授(消化器外科、がん化学療法)は「見つけにくく、有効な薬も少なく、治癒は困難なことが多い」と話す。その最大の特徴は、早期の段階ではほとんど症状が出ないことだ。佐野病院(神戸市)の小高雅人・消化器がんセンター長(消化器外科)は「がんが進行して、胆管が詰まってしまうと黄疸(おうだん)が出るが、その時にはすでにがんはかなり進行していて、治療が間に合わないことが多い」と指摘する。両医師とも「膵臓(すいぞう)がんと並んでもっとも難治性のがんだ」との見解で一致する。> ( 働き盛りの命奪う「胆管がん」の厳しい現実!難しい早期発見!有効薬少、治癒は困難!/当誌 2015.07.16


 今回注目する下記引用サイト記事 :  は、その "胆管がん" について、"幸運" にも "早期発見" というチャンスに恵まれ、<手術を受けたジャーナリストの大谷昭宏さん(69)に体験を聞き、早期発見と治療の方法を探った> というレポートを報じている。

 < 今年5月、詩人の長田弘さんが胆管がんで亡くなった(享年75)。1月には柔道家の斉藤仁さんが54歳の若さで肝内胆管がんに命を奪われている。胆管がんとはどのような病気か。手術を受けたジャーナリストの大谷昭宏さん(69)に体験を聞き、早期発見と治療の方法を探った。(医療ライター・福島安紀)  ジャーナリストの大谷昭宏さんは昨年5月、人間ドックで「肝内胆管がんの疑い」と診断された。自覚症状は全くなかったが、血液検査で肝臓の機能を表すγ(ガンマ)−GTPが異常な数値を示し、全身コンピューター断層撮影(CT)検査の画像で、肝臓内の胆管に腫瘍が見つかったのだ。  胆管は、肝臓で作られる消化液である胆汁の通り道(図)。肝臓の中を通っている部分にできるがんを肝内胆管がんと呼ぶ。昨年、女優の川島なお美さんも、この病気で手術を受けた。専門的には、肝内胆管がんは肝臓がんの一種に分類されるが、治療法は、肝臓を出て膵臓(すいぞう)の近くを通る肝外胆管のがんと共通しており、医学的に一緒に扱われることも多い。ここではまとめて胆管がんとすることをお断りしておく。  「聞き慣れない病名ですし、がんかもしれないと言われたときにはびっくりしました。でも、調べたら非常に初期のがんで、リンパ節や他の臓器には広がっていませんでした。診断した医師にも、その後、精密検査と治療を受けた大学病院の担当医にも、見つかったのは幸運だと何度も言われたので、定期的に人間ドックを受けていてよかったです」 ...... 大谷さんは昨年8月末、肝臓の約3割を切除する手術を受けた。2週間入院し、9月末には仕事に復帰している。その後、再発予防治療法を開発するための臨床試験に参加し、半年間、飲み薬の抗がん剤を服用したものの、特に生活に支障はなかったそうだ。がんの告知をきっかけに禁煙もした。  胆管がんは、胆のうがんと併せて胆道がんとも呼ばれ、男女合わせると、がんの中で6番目に死亡者が多い。欧米ではまれだが、なぜか日本を含む東アジアに患者が多く、高齢化が進むとともに徐々に増えているのが特徴だ。手術ができない段階で見つかる人も多いため、治癒の目安となる5年生存率は全体で21%と、膵臓がんの次に治りにくいがんとされる。 ......  「たばこがすべてのがんのリスクを増やすことは確かですが、胆管がんと飲酒との関係はないとされています。分かっているのは、C型ウイルス性肝炎と多少の関連があり、肝内結石症、胆管炎、膵臓と胆管が合流しているところに異常がある人は、胆管がんになるリスクが高いこと。他の多くのがんと同じように原因が不明の人も多いのが実態です」。胆管がんが専門の杏林大学医学部付属病院腫瘍内科教授、古瀬純司さんはそう説明する。  大谷さんのような肝内胆管がん初期には症状が出にくく、みぞおちや右脇腹に鈍い痛み、食欲不振、全身倦怠(けんたい)感といった症状が出たときには手遅れのケースもある。しかし、肝外胆管がんでは早い段階で黄だんが出るので、初期に発見されるケースも少なくない黄だんが出るのは、胆管にがんができると胆汁がせき止められ、行き場のなくなった胆汁が血液中にあふれ出るからだ。「尿の色が濃い灰白色便などの症状に気づいたら放置せず、できるだけ早く消化器内科を受診しましょう」と古瀬さんは強調する。症状は上の表を見てほしい。  治療には、手術と薬物療法がある完治が期待できるのは手術でがんが取り切れたときだ。同じ胆管がんでも、手術法は病巣ができた場所によって異なる。大谷さんは肝臓の一部を切除するだけで済んだものの、胆のうと十二指腸、膵臓の一部を切除し、胆管と食べ物の通り道を再建する大がかりな手術が必要になる場合もある。  さらに古瀬さんは、薬物療法についてこう語る。「胆管がんは、以前は薬が効かないと言われていましたが、効果の高い抗がん剤が出てきています。見つかった段階では進行していて手術ができない状態でも、抗がん剤治療でがんが小さくなれば手術ができるケースもあります。手術ができないと言われても諦めないでください」  「早く見つけてたたけば、がんは怖くない」と大谷さんは言う。胆管がん早期発見法はあるのだろうか。「今のところ、大谷さんが受けた全身CT検査も含め、死亡率を減らす効果が科学的に証明された方法はありません。50歳以上の人は、人間ドックで腹部超音波検査を受ければ、初期の段階で見つかる可能性があります。また、職場や自治体の健康診断で定期的に受けている血液検査で肝機能の状態が悪いようなら、精密検査を受けてください」と古瀬さん。肝臓の病気の恐れもあるわけだが、大谷さんも、がんが発見される半年前の人間ドックで、肝臓の機能を表すγ−GTPが高いことを指摘されていた。  日本人に多いだけに、早期発見法の確立と、さらなる薬の開発が望まれる。  (毎日新聞2015年7月2日掲載)> とある。

 昨今の検診では、"大腸内視鏡検査" の行われることが多くなった。 そして、がん自体の発見以前に、"大腸ポリープ" の発見、その大きさに注意が向けられている。

 今回注目する下記引用サイト記事「小さくても切除」広がる 大腸ポリープ、新手法で がん予防効果を検証/41 NEWS 医療新世紀/2015.08.25 は、  <大腸内視鏡検査が普及し、ポリープが見つかることが増えた。一定の大きさ以上のものはがんになる恐れがあり、取り除くのが一般的だ。近年、切除が簡単な新しい手法が開発され、小さいポリープも含め全て切除する処置が広まってきた。欧米では既に全切除による大腸がんの予防効果が認められているが、日本でも有効性を確かめる大規模臨床研究が進行中だ> と報じている。

 < 大腸内視鏡検査が普及し、ポリープが見つかることが増えた。一定の大きさ以上のものはがんになる恐れがあり、取り除くのが一般的だ。近年、切除が簡単な新しい手法が開発され、小さいポリープも含め全て切除する処置が広まってきた。欧米では既に全切除による大腸がんの予防効果が認められているが、日本でも有効性を確かめる大規模臨床研究が進行中だ。  ▽ 熱を加えず  ポリープ切除は、内視鏡から送り込んだ「スネア」という金属の輪をポリープの根元に掛けて絞り込み、電気を流して焼き切るのが主流。飛び出ていなければ生理食塩水などを注射して盛り上げてから同様に焼き切る。  一方、新しい手法電気を使わず、掛けた輪をそのまま絞り込んで切除する。早くから取り入れた昭和伊南総合病院 (長野県駒ケ根市)の堀内朗消化器病センター長は「ポリープを含む粘膜だけを切り取る。時間が短縮され、切除後時間がたってからの出血を抑えられる」と説明する。  焼き切る手法では、切除後しばらくしてから出血するケースがあった。切り口を焼く方が血が止まりそうだが、実際は、熱によって血管が通る層までやけどが広がり、遅れての出血や、薄い大腸の壁に穴が開く危険性が高まるというのだ。  ▽ 欧米では一般化  メーカーは形状や弾力が違うスネアをそろえていて、小さなポリープをつまみ取る、わに口クリップのような器具もある。がん細胞の見逃しや取り残しを防ぐため、ポリープの切断面にがん細胞がないかも検査する。  堀内医師は、ポリープの全切除にはがん予防の観点で重要な意味があると話す。「『小さいから切らずに来年また検査しましょう』と言っても、検査を受けない人が必ず一定数はいる」からだ。  米国では1993年、大腸ポリープを全て切除した人で、大腸がんの発症率が76~90%抑制され、2012年にはその後の追跡調査で死亡率も53%下がったと報告された。このため、欧米では既にポリープを全て切除することが一般化しているという。  ▽ 検査で長期追跡  ただ、国内のデータはなく、日本の診療ガイドラインでは依然として直径5ミリ以下のポリープは経過観察してもいいことになっている。  国内では03年、11の医療機関が参加して大規模な臨床研究が始まった。ポリープを全て切除した場合にがんの発症率、死亡率がどう変化するかを調べるとともに、現在は1年後が基本とされている内視鏡検査の間隔を広げても大丈夫かどうかを確かめる。......研究を総括する国立がん研究センター(東京)の松田尚久検診部長は「全て切除をすれば、次の検査は早くとも3年後でいいことが示された」と話す。......18年には長期的な発症率について最初の分析結果がまとまる。  松田部長は「ポリープ全て切除した場合に内視鏡検査の間隔をさらに広げても大丈夫であることが分かれば、検査の効率も上がる。患者の負担を減らしつつ、がんの早期発見と、がん死の抑制の実現が期待される」と話している。 (共同通信 由藤庸二郎)> とある。

 "帯状疱疹" については、自分も一人暮らしの学生時代に患って酷く苦しい目に遭ったことがある。 また、つい先ごろ、高齢の母親がどうも "その症状" が疑われたため、急遽、病院へと付き添ったところ、"まさに発症したばかり"、という診断がなされ、すぐさま "抗ウイルス薬" を処方して貰うという経緯があった。

 今回注目する下記引用サイト記事帯状疱疹 早く治療を 痛み長引く恐れ 「神経痛」に移行も/東京新聞/2015.09.01 は、そうした "帯状疱疹" に対しては <できるだけ早く治療を始めるのが効果的> という治療の基本について報じている。

 < 皮膚の表面と内部の神経に激痛が走り、帯状の赤い水ぶくれができる帯状疱疹(たいじょうほうしん)は、高齢期に発症しやすく、4~5%の人は一年以上痛みが長引く。発症時にできるだけ早く治療を始めることが、痛みが長引く可能性を減らすことにつながる。患者が今後増えるという予測もある (佐橋大)  帯状疱疹は、体の片側に帯状の赤みや水ぶくれ、ぶつぶつができる。胸や背中などの胴に出ることが多いが、顔や耳、腕や脚に出ることもある。皮膚の症状が出る三、四日前からチクチク、ズキズキした痛みを感じることが多いほか、発症後一~二週間でかさぶたになる。  原因は、体内に潜んでいる「水痘・帯状疱疹ウイルス」。小児期にほとんどの人がかかる水ぼうそう(水痘)は、症状が治った後も、背骨の両側にある神経節約五十カ所にウイルスが残る。普段は、免疫力で抑え込まれているが、大人になり体の抵抗力が落ちると活動を始め、神経を通じて皮膚に広がる。  愛知医科大の渡辺大輔教授(皮膚科)は「五十歳を過ぎると発症のリスクが上がる。大きな病気や精神的、肉体的な疲れも、発症の引き金になる」と話す。  体の片側だけに症状が出るのは、神経節の一カ所からウイルスが出ると、免疫力が高まって、他の神経節からはウイルスが出にくくなるためと考えられている。  治療の基本は、飲み薬などの抗ウイルス薬で、ウイルスの増殖を抑えること。痛みがひどい場合は、鎮痛薬を用いることもある。「皮膚に症状が出て七十二時間以内で、できるだけ早く治療を始めるのが効果的」という。......重症化を防ぐ早期の治療が、帯状疱疹後神経痛に移行する可能性を減らすことにもつながるという。  ◆ 免疫力低下で発症増加も  「昨年、水痘ワクチンが無料接種化されたことから、帯状疱疹の患者が今後増える可能性がある」。こう指摘するのは名古屋市立大大学院医学研究科の村上信五教授(耳鼻咽喉科)だ。  それには理由がある。米国で一九九六年に接種が推奨された後、大人の帯状疱疹患者が増えたからだ。  感染歴のある大人は通常、水ぼうそうの子どもから出たウイルスに接してウイルスを抑え込む免疫力が強まり、帯状疱疹の発症を抑えている。もし、ワクチンによって水ぼうそうにかかる子が減ってしまうと、大人の免疫力が強まる機会が逆に減って、帯状疱疹の発症が増えるということが考えられるという。  神経節に潜んだ水痘・帯状疱疹ウイルスは、顔面神経まひの原因の一つでもある。こちらも早い治療が効果的といい、村上教授は「目や口が閉まりにくいなど、まひの症状が出たら三日以内に耳鼻科などに受診を」と呼び掛ける。> とある。

 "ピロリ菌" が、胃がんの原因として濃厚であることは、度々指摘されてきた。( 下記の関連記事参照 )

 ◆ 参照 当誌過去の "ピロリ菌" 関連記事

 (1) <胃がんの原因になるとされるヘリコバクター・ピロリ菌に含まれる物質が、細胞の遺伝子に変異を起こすことを岡山大のチームが突き止め、23日発表した。......実験でピロリ菌を水に漬けて抽出した成分をネズミチフス菌に加えると、遺伝子に突然変異が起きた。実験用のヒト細胞に加えた場合も、遺伝子に突然変異が生じた。......> ( "ピロリ菌"に含まれる物質が正常細胞の"遺伝子変異"を誘発!胃がんの原因!(岡山大)/当誌 2015.04.25

 (2) <世界保健機関(WHO)の専門組織、国際がん研究機関(IARC、本部フランス)は24日、胃がんの8割がピロリ菌の感染が原因で、除菌で胃がんの発症を3~4割減らせるとの報告書を発表した。......IARCは1994年にピロリ菌を発がん要因と分類したが、胃がんの主要な原因であると認めたのは初めて。特に、日本人に多い胃の入り口(噴門部)以外の胃がんでは、9割の原因であると推測されるという。> ( WHO報告、胃がんの原因"8割がピロリ菌感染"!専門機関での"除菌"で発症の3~4割減!/当誌 2014.09.26


 今回注目する下記引用サイト記事胃がん発症確率低いタイプ調査 ピロリ菌と胃炎ない人/【共同通信】/2015.09.02 - 17:53 は、そうした胃がんと "ピロリ菌" との関係を裏側から証明するような調査結果を報じている。

 < 国立がん研究センターのチームは2日、血液検査でピロリ菌萎縮性胃炎のいずれもないと判定された40~70歳の人が10年間で胃がんになる確率は0・04~0・63%と極めて低いとする大規模調査結果を発表した。この検査はABC検診と呼ばれ、胃がんのリスク判定や除菌の判断材料として、自治体や企業の健康診断で広がっている。  チームは、1993年に6府県に住んでいた40~69歳の健康な人で、血液を提供した約1万9千人を2009年まで追跡。胃がんの発症と血液検査、生活習慣の関連を分析した。> とある。

 "嚥下(えんげ)障害" が原因となって、"肺炎" を引き起こし亡くなられる患者さんが少なくない、と言われている。
 健康な者でも、錠剤の数が多くなったりすると "呑み込む" のに一苦労するのだから、"呑み込む(嚥下)" というのは "微妙な能力(?)" なのかもしれない。


 今回注目する下記引用サイト記事のみ込む力 電気で治療 世界初 嚥下障害で機器開発 兵庫医大/神戸新聞/2015.09.01 - 07:00 は、いろいろな事情で "呑み込む(嚥下)" 力が低下してしまった人の、その支援を行う機器の開発について報じている。  <兵庫医科大(西宮市)などの研究グループは31日、食物をのみ込む力が低下した「嚥下(えんげ)障害」に対し、喉の神経を微弱な電気で刺激して治療する世界初の機器を開発した、と発表。嚥下障害は食べる楽しみを奪い、死因の3位である肺炎を引き起こすが、根本的な治療法がなかった。> 当該機器の発売は9月下旬になる予定だそうだ。

 <兵庫医科大(西宮市)などの研究グループは31日、食物をのみ込む力が低下した「嚥下(えんげ)障害」に対し、喉の神経を微弱な電気で刺激して治療する世界初の機器を開発した、と発表した。嚥下障害は食べる楽しみを奪い、死因の3位である肺炎を引き起こすが、根本的な治療法がなかった。機器は9月下旬に発売予定。  食物が喉に達すると喉の神経から脳へ情報が伝わり、脳が命令を出して食物を食道、胃へと送るのが「嚥下」嚥下に障害があると、誤って空気が通る「気管」に食物が入り、肺炎の危険が高まる。  嚥下障害脳卒中などのため喉の神経活動が低下し、脳の命令が遅くなることが主な原因。年間約40万人の脳卒中患者のうち、7割以上に起こるという。  開発した機器は、食事の際、首にパッドを付けて微弱な電気を流し、喉の神経活動を活発にする。従来あった嚥下の筋肉を強化する電気治療器を参考にし、電気を弱めて流し方を工夫。従来機器の問題だった痛みをなくした。  開発した機器を12人の患者に試した結果、嚥下の速度が約15%改善し、正常化。機器は医療機器製造販売「ジェイクラフト」(大阪府和泉市)が手掛け、7月に製造販売の認証を受けた。兵庫医科大生理学講座の越久仁敬主任教授(56)は「兵庫発で全国にこの新治療法を広げたい」と話す。 (金井恒幸)> とある。

 巨大地震が起こると、様々な災難が発生する。そのひとつとして、現在通院治療中の患者さんが、その医療サービスを受けることができなくなる可能性が考えられる。医療設備利用が困難となったり、薬が貰えなくなったり......。
 今回注目する下記引用サイト記事首都地震で数万の「透析難民」 東京女子医大医師ら調査/【共同通信】/2015.08.31 - 08:36 は、多くの住民が不安とならざるを得ない "首都直下地震" による "医療サービス不能" という事態の可能性について報じ、警鐘を鳴らしている。

 < 東京都内の人工透析施設のほぼ半数は耐震性が不十分であるなど、首都直下地震が起こると、かかりつけの施設で透析が受けられなくなる「透析難民」が数万人規模で発生する恐れがあるとの調査結果を、東京女子医大(新宿区)の木全直樹医師(血液浄化療法科)らが31日までにまとめた。患者は透析施設を求めて他地域に避難することが予想され、影響は全国に及びそうだ。  東日本大震災では被災地から透析患者約1万人が避難し、42都道府県の施設が患者を受け入れた。木全医師は「首都圏全域なら10万人近い患者がいる。今のうちから患者自身や各施設で避難先を確保するなど、入念な準備が必要だ」と訴えている。> とある。

 これまで、"抗がん剤" に関してほぼ常識化しつつある事実として、がん組織側における、いわゆる "抗がん剤耐性" という問題が指摘されてきた。 "抗がん剤" の種類を、一定の期間でしばしば "変更(乗り換え)" するのは、それが故だと考えられている。

 今回注目する下記引用サイト記事薬効きにくいがん細胞、原因物質を特定 北大 /日本経済新聞/2015.08.30 - 23:35 は、そうした "抗がん剤耐性" という問題の "原因が見いだされた!" と報じている。

 < 北海道大学の清野研一郎教授らは、がん細胞が分泌する生理活性物質のインターロイキン(IL)―34に、抗がん剤を効きにくくさせる働きがあることを見いだした。抗がん剤は使い続けるとがんに耐性ができて効果がなくなるため、一定期間しか使うことができない。今回の発見は効き目を持続させる医薬品の開発につながる。  清野教授らは、抗がん剤耐性を獲得したヒトの肺がん細胞を使って実験した。抗がん剤への耐性を持つ肺がん細胞にドキソルビシンという抗がん剤を加えても、効果はみられなかった。だがIL―34に対する抗体を加えてこの物質の働きを阻害したところ、抗がん剤が再び効くようになり、がん細胞のほとんどが死滅した。  また、免疫機能を失ったマウスに耐性のがんを移植し、抗がん剤と同時にIL―34の抗体を投与したところ、抗がん剤の効果があった。  IL―34は、抗がん剤耐性を獲得したがん細胞の多くが分泌している。清野教授は脳や血液のがんでも同様の傾向があるとみている。> とある。

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