yasuo hirose: 2015年8月 アーカイブ

 "iPS 細胞" は、専ら "内臓臓器" の "再生" という視点で注目されがちであるが、"ウイルスに感染した細胞やがん細胞などを攻撃する免疫細胞(=T細胞)" を "再生" させる( "若返りさせる" & "増殖" )というアプローチでも、"iPS 細胞" の技術が応用され成功している。( 下記の関連記事 (1)参照 )

 ◆ 参照 当誌過去の "がん 免疫細胞" 関連記事

 (1) <ウイルスに感染した細胞やがん細胞などを攻撃する免疫細胞の一種「T細胞」を一度、人工多能性幹細胞(iPS細胞)にした上で、同じ能力を持つ「元気」なT細胞に再生させることに世界で初めて成功したと、東京大の中内啓光(ひろみつ)教授らのグループが発表した。このT細胞を患者の体に戻すことで、がんなどの新たな治療法につながる。 「今回の方法を使えば、特定の対象を攻撃する若くて元気の良いT細胞を大量に増やすことができる」......> ( iPS細胞の技術応用で、がん細胞などを攻撃する免疫細胞の一種"T細胞"の若返りに成功!/当誌 2013.01.05

 (2) iPS細胞からがん攻撃の免疫細胞(NKT細胞)を作りがん治療の"臨床研究"計画!(理化学研)/当誌 2015.04.23

 (3) "がん免疫(細胞)療法"/最近の各種動向一覧!最新:腫瘍細胞免疫回避の一要因 PD-L1!/当誌 2014.04.17


 今回注目する下記引用サイト記事東大、iPS応用でがん小さく マウス実験で成功/日本経済新聞/2015.08.28 - 01:00 は、すでに成功している <免疫細胞の一種「T細胞」を一度、人工多能性幹細胞(iPS細胞)にした上で、同じ能力を持つ「元気」なT細胞に再生させる> 研究 ( 上記の関連記事 (1)参照 ) を踏まえつつ、  <東京大の中内啓光教授らはiPS細胞から作った免疫細胞がんを小さくする実験にマウスで成功した。体内でうまく働かなくなった免疫細胞の能力をよみがえらせて、がんを攻撃する。 数年以内に患者で検証したい> と報じている。

 < 東京大の中内啓光教授らはiPS細胞から作った免疫細胞がんを小さくする実験にマウスで成功した。体内でうまく働かなくなった免疫細胞の能力をよみがえらせて、がんを攻撃する。数年以内に患者で検証したいという。成果は米科学誌ステム・セル・リポーツ(電子版)に28日、掲載される。  実験ではウイルスに感染してがん化したヒトの細胞をマウスの体内に移植し、このがん細胞を攻撃する免疫細胞をiPS細胞から作り出して体内に入れた。免疫細胞が盛んに働き、がんは20分の1ほどに縮小した。免疫細胞を入れないマウスでは、がんは10倍の大きさになった。  体内にがん細胞ができると、がんを取り除こうとする免疫細胞が攻撃を始める。ただ、免疫細胞はやがて疲弊し、がん細胞が増殖してしまう。研究チームは、攻撃能力の落ちた免疫細胞を取り出してiPS細胞に変えて育てると、免疫細胞が若返り攻撃能力が回復することを実証した。この仕組みを応用したがん免疫療法の実用化を目指す> とある。




















 相変わらず "抗がん剤の副作用" が懸念!され続けている( 下記の関連記事参照 )ところへ持って来て、"抗がん剤の製薬会社" が "副作用" に関する "報告義務" を怠っていたという事実が公表されている。

 ◆ 参照 当誌過去の "抗がん剤 副作用" 関連記事

 (1) "抗がん剤のやめどき"!概して副作用が目立ち始める抗がん剤"開始から2週間後"辺り!/当誌 2015.05.21

 (2) 抗がん剤=殺全身細胞薬は、がん完治の薬ではない!だから"やめどき"が必ずや訪れる!/当誌 2015.05.16


 今回注目する下記引用サイト記事抗がん剤の重い副作用、報告漏れ...ファイザーに業務改善命令へ/yomiDr. ヨミドク/2015.08.28 は、  <製薬大手ファイザー(東京)が、抗がん剤などの医薬品の重い副作用約200人分を期限内に国へ報告しなかったとして、厚生労働省は9月にも、医薬品医療機器法(旧薬事法)に基づき同社に業務改善命令を出す方針を固めた> と報じている。

 < 製薬大手ファイザー(東京)が、抗がん剤などの医薬品の重い副作用約200人分を期限内に国へ報告しなかったとして、厚生労働省は9月にも、医薬品医療機器法(旧薬事法)に基づき同社に業務改善命令を出す方針を固めた。  副作用情報に関する社内体制の不備が原因で、同省は再発防止策の策定などを同社に求める。  関係者によると、今回の副作用報告漏れは同社の社内調査で発覚した。医療情報担当者は重い副作用の情報を把握していたものの、安全管理責任者まで報告が上がっていなかったケースが、2008年頃からあったという。同法では、副作用の重大性などに応じて、15日以内または30日以内に厚労相への報告を義務付けている。  同社広報部は「現段階でのコメントは差し控えたい」としている。  (2015年8月28日 読売新聞)> とある。

 多くの中高年がその痛みで悩まされている "変形性ひざ関節症" ! 鎮痛のみの対症療法や人工関節導入手術とは異なった、"増殖された軟骨細胞の移植" という新しい治療アプローチの開発については、すでに報道されている。( 下記の関連記事参照 )

 ◆ 参照 当誌過去の "変形性膝関節症" 関連記事
  <東京医科歯科大は1日、半月板の損傷などで痛みを訴える患者の膝に幹細胞を移植し、修復させる再生医療の臨床研究を7月下旬に開始すると発表した。国内で潜在的に2500万人いるとされる変形性膝関節症の治療法開発につなげたい考えだ。......> ( "幹細胞移植"で"変形性膝関節症"を修復させる再生医療の臨床研究開始!(東京医歯大)/当誌 2015.07.03


 今回注目する下記引用サイト記事傷んだひざを再生する臨床研究始まる/NHK NEWS WEB/2015.08.28 - 08:18 は、その "新しい治療アプローチ" を開発している "東京医科歯科大学のグループ" による研究の最新情報を伝えている。
 <ひざの激しい痛みが続く「変形性ひざ関節症」の患者に、軟骨を作り出す患者自身の細胞を移植して傷んだひざを再生する、新たな臨床研究東京医科歯科大学のグループが、今月、スタート。 今回、対象となるのは、この病気のうち、ひざにある半月板と呼ばれる軟骨がずれ、傷ついたことが原因の患者で、患者10人に自身の軟骨を作り出す細胞を移植して半月板などを再生し、痛みなくひざを動かせるようになるかどうか安全性と効果を確かめます。> と報じている。


 <今回、対象となる患者は、「変形性ひざ関節症」の中でも半月板と呼ばれる軟骨がずれて、傷ついたことが原因の人です。
 臨床研究では、まず、ずれた半月板の位置を元に戻し、この際、ひざの中にある「滑膜幹細胞」という、軟骨を作り出す細胞を取り出します。そして、試験管の中で、およそ5000万個にまで増やしたあと、患者のひざに注射して傷ついた半月板の周囲などに移植します。すると細胞が、軟骨に変化して半月板の傷ついた部分を再生し、ひざが健常な時の働きを取り戻せるということです。研究グループでは、ことし中に、10人の患者にこの治療法を行う予定で、募集は、すでに終えた
> とある。

 "iPS細胞から作った心筋細胞シート" の研究については、以前にここで注目したことがある。(下記の関連記事参照) その時点では、<"心筋細胞シート" が心臓に同化することを確認> という進捗段階であった。

 ◆ 参照 当誌過去の "細胞シート" 関連記事

  <人工多能性幹細胞(iPS細胞)から作った心筋細胞のシートをラットに移植すると、心臓の一部となり同化して動くことを、大阪大のチームが大型放射光施設「スプリング8」(兵庫県佐用町)を使った分子レベルの分析で確かめた。26日、記者会見して発表した。  大阪大はこの「心筋シート」で重い心不全の患者を治療する再生医療研究を進めており、心筋シートが心機能を改善することは動物実験で分かっていたが心臓と同化して動くメカニズムは詳しく証明されていなかった。  心臓血管外科の澤芳樹教授は記者会見で「治療の有効性を示す証拠になる」と話し、臨床研究を2~3年以内に開始したいとした> ( iPS細胞から作った"心筋細胞シート" 心臓に同化を確認!大阪大 3年以内に臨床研究!/当誌 2015.01.28


 今回注目する下記引用サイト記事心臓に細胞シート移植、大阪大 医師主導治験1例目/【共同通信】/2015.08.26 - 12:06 は、上記の関連記事"続報" に相当するものと思われる。<薬事承認を求めるためのデータを得るのを目的> とする <「医師主導治験」の1例目> が実施されたと報じている。

 <重い心臓病を患う東北地方の40代男性の太ももから、筋肉のもとになる細胞を採取してシート状にし、自身の心臓の表面に移植して機能を改善させる手術を実施したと、大阪大の澤芳樹教授(心臓血管外科)のチームが26日記者会見し明らかにした。男性の経過は良好で、来月にも退院予定。  チームはこれまでこの手法に関し臨床研究を行って安全性を検証してきた。今回は企業による治験ではなく、現場の医師が主体になって独自に企画や発案しながら治験を進める「医師主導治験」の1例目薬事承認を求めるためのデータを得るのが目的としている。今後、約半年~1年以内に計5人の成人に移植する計画。> とある。

 身の回りで "がん患者さん" の話が囁かれることが、"あっと言う間に増加!" したかの昨今だ。
 そして、 "がん拠点病院" などで治療を受けていた人が、"在宅医療" として自宅に戻り、あるいは "ホスピス、緩和ケア施設" に入所し、ほどなく召されていくという推移......。 自分の知人に、同じことがあり唖然とさせられたのも、つい最近のことだ......。


 ※ 註. がん拠点病院( がん診療連携拠点病院 )
 <全国どこでも質の高いがん医療を提供することができるよう、全国にがん診療連携拠点病院を407箇所、特定領域がん診療連携拠点病院を1箇所、地域がん診療病院を1箇所、指定しています(平成26年8月6日現在)。 専門的ながん医療の提供、地域のがん診療の連携協力体制の構築、がん患者に対する相談支援及び情報提供等を行っています。> ( 厚生労働省


 今回注目する下記引用サイト記事《1948》 家に帰れるのは死ぬ数日前 長尾和宏 (ながお・かずひろ)/apital 朝日新聞の医療サイト/2015.08.21 は、  "がん治療" 現場の実情として、<がん拠点病院から家に帰って来られた患者さんがたった数日で亡くなることが、3人続いています。 帰宅した時には状態が悪すぎて、お話をする間もなくすぐに旅立たれるのが、がん拠点病院の医師からの在宅依頼> という現実を伝えている。

 <がん拠点病院から家に帰って来られた患者さんがたった数日で亡くなることが、3人続いています。  帰宅した時には状態が悪すぎて、お話をする間もなくすぐに旅立たれるのが、がん拠点病院の医師からの在宅依頼。  もちろん帰る直前まで、抗がん剤や高カロリー輸液や輸血などありとあらゆる濃厚治療を受けられています。 それでいて緩和医療は、充分ではない。  本来、緩和ケアが先だと思うのですが、現実はそうではない。  こねてこねてこねくり回してから、死ぬ直前に家に返す。それも本人や家族が要望してはじめて帰宅がかなうのです。  本人や家族がそれで満足ならば、それでいいのですが、「まさかこんなに早いとは思わなかった」と言われると辛い。  病院は死を想定していないが、現実には死はすぐそこに迫っていたがん拠点病院の主治医がどう考えているのか、知る由もありません。  一方、台湾では、「あと数時間」と病院の医者が言ったとたんに慌てて家に連れて帰り、地域の長老が看取る文化があるそうです。  「病院で死ぬと魂が家に残るから」が病院で死なせない理由。しかしそんな台湾でも、一昨年に在宅死と病院死が逆転した。  がんの治療の〝やめどき〟は、本当に難しいと思いますが、〝やめどき〟が必ずある、と思っていたら自己決定できるはず。  もうひとつの理由は、在宅医療をまったく信じていないのです。それががん拠点病院の本音なのでしょうが、反論できない事情があります。> とある。

 先端医療の最前線では、治療効果の飛躍的向上に寄与する新しい概念やキーワードが設定され注目される。
 そのひとつに "オートファジー"( 細胞の中で異常なたんぱく質を分解する機能 )という用語がある。


 ◆ 参照 当誌過去の "オートファジー" 関連記事

  <細胞の中で異常なたんぱく質を分解する「オートファジー」と呼ばれる機能に注目......> ( "脳細胞の栄養不足"でもアルツハイマー病は悪化する!過度のカロリー摂取だけでなく!/当誌 2015.08.21


 今回注目する下記引用サイト記事膵臓がんの強さ、ほかのがんとの違いは何か 悪性度とオートファジー 西川伸一 THE CLUB/Med エッジ/2015.08.24 - 04:00 は、かねてより悪性度が高く、治療が難しいがんとされてきた膵臓がん! それを巡る研究において、昨今何かと注目されている新概念の「オートファジー」( 細胞の中で異常なたんぱく質を分解する機能 )に焦点を合わせながら、その周囲の分子の働きの全体メカニズムの解明(に関する論文)について、解説しつつ、  <上流から下流まで具体的なネットワークを決めた研究で、これだけ長い回路が明確になると、がん抑制の分子標的の開発も進むだろう> と少なからぬ期待を込めて見守ろうとしているいる。

  "膀胱がん" に対しては、"膀胱全体を摘出" してしまう "全摘手術" という治療法が "標準治療" だとされているようである。

 ◆ 参照 当誌過去の "膀胱がん" 関連記事

 (1) 膀胱がん、男性ホルモンの分泌を抑えることで、がんの再発が抑えられるとの研究結果!/当誌 2015.03.31

 (2) <菅原文太さんは2007年にぼうこうがんを発症。ステージ2と宣告され、10人医者がいたら9人が「ぼうこうの全摘出が必要」と診断するまでに進行していたという。だが、文太さんはどうしてもぼうこうを摘出することが許せなかった。  「尿意を自分で感じて排出する行為にこそ、人間らしさがあるという考えでした。ぼうこうを全摘した場合、体に人工ぼうこうの袋を取り付けなければないないのですが、菅原さんは『あんなもの、ぶら下げれるわけないだろ!』と拒絶し続けていました」とは文太さんを知る医療関係者。摘出手術を断った文太さんは、知人を通じてぼうこう温存療法を推奨する医師を紹介してもらった。これは読んで字のごとく、抗がん剤や陽子線治療で「切らずに治す」治療法のことだ。......> ( 文太さん、セカンドオピニオンの重要性訴えた!"膀胱全摘"判断に傾く日本の医療現場!/当誌 2014.12.04


 今回注目する下記引用サイト記事(患者を生きる:2867) がん 膀胱取らずに治す:5 情報編 特殊な化学療法で温存も/朝日新聞/2015.08.22 - 05:00 は、  <がんが筋層まで進み、転移がなければ膀胱を取る全摘手術が標準治療> となる "膀胱がん" 治療の現状にあって、<全摘手術が標準治療になる患者でも、手術できない場合や膀胱の温存を希望した場合には、温存療法が選択肢になる> とし、<膀胱のすぐ上流の動脈を風船でふさいで血流を止め、高濃度の抗がん剤を直接流し込む「バルーン塞栓(そくせん)動脈内抗がん剤投与法(BOAI)」> という "特殊な化学療法" の "温存療法" を紹介している。
 <高濃度の抗がん剤が全身に回らないよう透析装置を使って取り除くので、副作用は少ない> とあり、"10年後の生存率" は、<BOAIに放射線療法などを組み合わせた温存療法の163人では約80%と高かった> という。


 <膀胱(ぼうこう)がんは膀胱内側の表面にある粘膜にでき、その下の筋層、しょう膜と外側に向かって進む。  がんが粘膜にとどまっている早期は、尿道から内視鏡を通して削り取る方法で治るがんが筋層まで進み、転移がなければ膀胱を取る全摘手術が標準治療だ。だが、全摘しても、再発や転移などで約半数が亡くなるという。  大阪医科大の東治人教授(52)は全摘でも再発するのは「転移が見つからなくても実際にはがん細胞が膀胱以外に広がっているから」と説明する。また、連載で紹介した有川勝己さん(41)のようにリンパ節などに転移がある場合手術せず、化学療法や放射線療法が原則だ。  全摘手術が標準治療になる患者でも、手術できない場合や膀胱の温存を希望した場合には、温存療法が選択肢になる。大阪医科大や筑波大などがそれぞれの特殊な技術で実施している。ただし、がんの状態によって温存療法ができないこともある。  通常の化学療法は、抗がん剤の点滴薬を静脈から入れる。抗がん剤は心臓を通って全身の動脈に回るため、膀胱に達するのは全体の一部だ。そこで、東さんらは膀胱のすぐ上流の動脈を風船でふさいで血流を止め、高濃度の抗がん剤を直接流し込む「バルーン塞栓(そくせん)動脈内抗がん剤投与法(BOAI)」を開発した。高濃度の抗がん剤が全身に回らないよう透析装置を使って取り除くので、副作用は少ない。  膀胱がんは、この方法に都合のいい条件がそろっている。膀胱は動脈の下流にあるので、血流を止めてもほかの臓器に損傷を与えない膀胱がん抗がん剤の効果が高く、また膀胱自体が原始的な臓器で激しいダメージを受けても機能は戻る。  全摘手術の138人では10年後の生存率が約50%だったのが、BOAIに放射線療法などを組み合わせた温存療法の163人では約80%と高かったという。  だが、保険で認められている抗がん剤の使用法は静脈から。適用外のBOAIはこの治療だけで約100万円が自費負担になる。保険適用の申請には治験が必要で、製薬企業に利益がないため、実現は難しいという。  (鍛治信太郎)> とある。

 患者個人の医療費負担が軽減されるのも良いし、その結果、国の医療費予算が縮小できるのも結構なこと! それを叶える一助となるのが、いわゆる "ジェネリック医薬品" だ。

 ◆ 参照 当誌過去の "ジェネリック" 関連記事

  <"ジェネリック" 医薬品とは、特許によって保護された初発の医薬品の特許期間が過ぎることで、後発の製薬会社が同種類の医薬品を製造・出荷することが可能となり、研究開発費分が上乗せされない分、販売価格が安くなるそんな医薬品のことである......> ( 現状では多くの人に薬の基本的な知識の不足が目立つ! 啓発団体が「10カ条提言」!/当誌 2014.08.09


 今回注目する下記引用サイト記事ジェネリック、海外での品質検査強化へ...安全確認し普及促進/読売新聞/2015.08.21 は、  <新薬より安価な後発医薬品(ジェネリック)の普及を促進するため、政府は来年度、日本に原薬や製剤などを輸出する海外製造所に派遣している査察員を、増員する方針を固めた> と報じている。
 "ジェネリックの普及" によって、その結果、"医療費削減" を目指す政府、厚労省にとって、<ジェネリックの信頼性への懸念が普及への障壁になっている> とのことであり、そのため、<海外の医薬品製造所に出向き、〈1〉製造過程や品質管理〈2〉社員の教育訓練――について、国内と同様の査察を実施> することで "ジェネリックの信頼性向上" をはかる方針なのだという。


 <新薬より安価な後発医薬品(ジェネリック)の普及を促進するため、政府は来年度、日本に原薬や製剤などを輸出する海外製造所に派遣している査察員を、増員する方針を固めた。  ジェネリックの信頼性への懸念が普及への障壁になっているためで、研究者などから品質への疑問が出たジェネリックについて、厚生労働省が実施した品質確認検査の結果を、新たにまとめる。  薬の安全性の査察を行う独立行政法人「医薬品医療機器総合機構」(PMDA)の担当部門を、現在の約50人から1・5倍程度に増員する。査察員は海外の医薬品製造所に出向き、〈1〉製造過程や品質管理〈2〉社員の教育訓練――について、国内と同様の査察を実施する。  疑問が指摘されたジェネリックの品質確認検査の結果については、厚労省が「ブルーブック(仮称)」として冊子にまとめ、医療関係者らに配布する。  ジェネリックは特許の切れた新薬と同じ有効成分で作られ、価格は3~5割程度のものが多い。効果や安全性は、厚生労働相が新薬と同等と認定しているが、医師や利用者の間では不安が根強く、2014年の厚労省調査によると「積極的には処方しない」とした医師の約6割が「(効果や副作用を含む)品質に疑問がある」と答えた。  今年2月現在の普及率は、欧米各国よりも低い58・2%。中でも、「輸入品の安全性への問い合わせが多い」(厚労省)ことから、海外査察員の増員により不安解消を目指すことにした。同省は来年度予算の概算要求に、ジェネリック普及の関連費用として計9億1000万円を盛り込む。  政府は6月末、年40兆円を超す医療費削減の目玉として、ジェネリックの普及率を20年度末までに80%以上に高める目標を設定。達成されれば、年に1・3兆円削減できる計算だ。  厚労省ではこのほか、ジェネリック普及に向けた総合戦略を月内に策定する方針で、承認当初は新薬の6割(一部5割)に設定されている価格を、さらに引き下げられないか検討する。ジェネリックに市場を奪われる形になる新薬メーカーについても、薬価改定の度に安くなる新薬の価格を、特許期間の20~25年の間は下がりにくくする育成策を検討する。> とある。

 人の痛みは分からない」という言い方がある。 ひょっとしたら、これに最も当てはまるのは医者ではないか、と思うことがある。
 現に、日本の "緩和ケア" でも、<日本では、がん患者の疼痛(とうつう)(痛み)緩和が遅れている。......患者の痛みに対する医師の認識不足。> ( "疼痛緩和ケア"は「正義」だ! 日本では"がん患者"の疼痛(痛み)緩和が遅れている!( 当誌 2015.08.14 ) ) との声も上がっている。

 そして今、"子宮頸がんワクチン" 接種後の痛みに関して......。

 ◆ 参照 当誌過去の "子宮頸がんワクチン" 関連記事

  "子宮頸がんワクチン"副作用、重い副作用例が千件超(1112件)と研究者チーム分析発表!/当誌 2014.09.15


 今回注目する下記引用サイト記事子宮頸がんワクチン接種後の痛み、「心の問題」と診断しないで/読売新聞/2015.08.20 は、  <子宮頸(けい)がんワクチンの接種後に体の痛みなどの重い症状が出ている問題で、日本医師会と日本医学会は19日、全国の医療機関を対象とした診療の手引を公表。 「心の問題」などとして医療機関で理解してもらえないという患者や家族の訴えを受け、診療の注意点などを示した。 手引では、ワクチン接種後に痛みなどを訴える患者が受診した場合、患者・家族の話にしっかり耳を傾けることが重要とした。その上で「心因」という表現は「気のせい」などの誤解を招く恐れがあるため、患者に用いないことを明記した。> と報じている。

 <子宮頸(けい)がんワクチンの接種後に体の痛みなどの重い症状が出ている問題で、日本医師会と日本医学会は19日、全国の医療機関を対象とした診療の手引を公表した。  「心の問題」などとして医療機関で理解してもらえないという患者や家族の訴えを受け、診療の注意点などを示した。  手引では、ワクチン接種後に痛みなどを訴える患者が受診した場合、患者・家族の話にしっかり耳を傾けることが重要とした。その上で「心因」という表現は「気のせい」などの誤解を招く恐れがあるため、患者に用いないことを明記した。  子宮頸がんワクチンは2013年4月、国の定期予防接種となったが、体の痛みなどの症状が出たという報告が相次ぎ、同年6月以降、積極的に接種を勧めることを中止している。厚生労働省の有識者検討会は昨年1月、接種後の症状は「痛みや不安に対する心身の反応が引き起こしたもの」との見解を示したが、一部の専門家から批判の声が上がっていた。> とある。

 "iPS細胞" 技術の進展は、"再生医療" 分野での "移植臓器再生" にとどまらず、「創薬」研究(治療薬の開発、その開発過程・検査過程での貢献!)にあっても着実であるかに思われる。

 ◆ 参照 当誌過去の "iPS細胞と「創薬」" 関連記事

 (1) <iPS細胞の医療応用は大きく二つの流れがある。  一つは再生医療。iPS細胞からつくった細胞や組織を患者に移植し、病気やけがで失った機能の回復を目指す。iPS細胞を使った臨床研究は目の難病ですでに始まり、理化学研究所の高橋政代プロジェクトリーダーらは12日に世界初の手術を実施し、注目を集めた。/  もう一つが今回のような難病の治療薬の研究だ。筋萎縮性側索硬化症(ALS)、筋ジストロフィー、アルツハイマー病など様々な病気でも同様の取り組みが進む。......> ( iPS細胞の医療応用"二つの流れ"!(1)"再生医療"分野、(2)難病向け治療薬研究"創薬"!/当誌 2014.09.21
 (2) <"iPS細胞" 技術の可能性は、"再生医療" 分野での "移植臓器再生" にとどまらず、「創薬」研究(治療薬の開発、その開発過程・検査過程での貢献!)においても手堅く展開し始めているという。  患者から作ったiPS細胞を使い、治療薬の候補となる物質を特定する というかたちで、いわば、"患者から作ったiPS細胞" が "患者自身" の "病状" の "代理(?)" 的役割を果たす! かのようなのである。......> ( "iPS細胞"技術は"再生医療"分野での成果に加え、「創薬」研究においても手堅く展開!/当誌 2014.09.20


 今回注目する下記引用サイト記事iPSで初期の筋ジス病態 京大、新薬開発に期待/【共同通信】/2015.08.20 - 18:23 は、"「創薬」研究" の方の流れといえる"iPS細胞" 技術の展開だ。  <筋肉が徐々に壊死するデュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)患者の皮膚から作製した人工多能性幹細胞(iPS細胞)を筋肉細胞に変化させ、初期の病態を体外でつくり出すことに京都大iPS細胞研究所のチームが世界で初めて成功。 チームは、有効な治療法や新薬の開発に貢献できる成果だとしている> と報じている。

 <筋肉が徐々に壊死するデュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)患者の皮膚から作製した人工多能性幹細胞(iPS細胞)を筋肉細胞に変化させ、初期の病態を体外でつくり出すことに京都大iPS細胞研究所のチームが世界で初めて成功し、20日付の英科学誌電子版に発表した。  チームは、有効な治療法や新薬の開発に貢献できる成果だとしている。  チームによると、DMD小児発症の筋疾患としては患者数が最も多く、国内に推定5千人。遺伝子の変異により、筋肉の構造を保つタンパク質「ジストロフィン」が作れなくなる> とある。

 これまで、アルツハイマー病と "脳内たんぱく質" との関係に関する言及は多々あったものの、"脳細胞への栄養の多寡" とアルツハイマー病との関係に関しては、特に注目すべきレポートはなかったかに思う。

 今回注目する下記引用サイト記事脳細胞の栄養不足でアルツハイマー悪化も/NHK NEWS WEB/2015.08.20 - 04:11 は、  <過度の食事制限などによって脳の細胞が栄養不足になると、アルツハイマー病を悪化させる可能性がある> とする研究報告について報じている。

 <過度の食事制限などによって脳の細胞が栄養不足になると、アルツハイマー病を悪化させる可能性があるとする研究報告を東京医科歯科大学のグループが発表しました。  この研究を行ったのは東京医科歯科大学の岡澤均教授らのグループです。
 グループは、細胞の中で異常なたんぱく質を分解する「オートファジー」と呼ばれる機能に注目し、アルツハイマー病のマウスの脳の内部を特殊な顕微鏡で観察しました。  その結果、脳の細胞が栄養不足になるとアルツハイマー病によって蓄積する異常なたんぱく質が細胞の中に過剰に取り込まれて分解しきれないまま残り、細胞が死んでしまう現象が確認できたということです。  アルツハイマー病過度なカロリーの摂取が症状を悪化させるとされていますが、グループでは逆に過度の食事制限をした場合も症状が悪化する可能性があるとしています。  岡澤教授は「食べすぎたり、逆に制限しすぎたりせず、腹八分目でバランスよく適度なカロリーを取ることが病気の悪化を防ぐのに大事なのではないか」と話しています。
> とある。

  "抗がん剤の副作用" を挙げれば、枚挙にいとまがないほどに数多い。 その上、"延命" どころか "縮命!" というリスクまで危惧されているのが実情。

 ◆ 参照 当誌過去の "抗がん剤 副作用" 関連記事

  乳がんで"抗がん剤"治療:98%に脱毛、5年後も10%がかつら!平均3.4カ月後から再生!(抗がん剤副作用関連記事リスト含む)/当誌 2015.07.12


 今回注目する下記引用サイト記事目の副作用にも注意を 抗がん剤、早期対応が鍵 生活への影響大きく/47 NEWS 医療新世紀/2015.08.18 は、これまでの "抗がん剤の副作用" 情報のラインアップを広げ、あまり知られていない "目の副作用" について取り上げて、  <入院でなく外来での治療が増えた抗がん剤その副作用と聞いて思い浮かぶのは、脱毛、吐き気、貧血などだが、目にも異常が出る場合があることはあまり知られていない。目の症状が命に関わることはほとんどないが、生活への影響は大きい上、放置すると悪化し後遺症につながるものもある。専門医は「抗がん剤治療中に目がおかしいと思ったら、我慢せず主治医に相談を」> と報じている。

 <入院でなく外来での治療が増えた抗がん剤その副作用と聞いて思い浮かぶのは、脱毛、吐き気、貧血などだが、目にも異常が出る場合があることはあまり知られていない。目の症状が命に関わることはほとんどないが、生活への影響は大きい上、放置すると悪化し後遺症につながるものもある。専門医は「抗がん剤治療中に目がおかしいと思ったら、我慢せず主治医に相談を」と勧める。  ▽ 涙が止まらない  静岡県立静岡がんセンター (同県長泉町)眼科の柏木広哉部長が「涙が止まらない」と訴える涙目の患者の増加に気づいたのは2007年ごろ。患者は翌08年4月からの4年間で約200人。「以前はほとんどなかったのに急に増えた印象だ」  07年は、がんの治療をめぐり変化があった。「ティーエスワン(TS-1)」という既存の抗がん剤が、国内の大規模臨床試験の結果、胃がん手術後の再発予防などに有効と分かり、標準的な治療に位置付けられた。  「TS-1を比較的長期間飲み続ける人が増えた結果、涙目の発症が多くなり注目されるようになったのではないか」と同センター消化器内科の安井博史部長はみる。胃がん手術後にこの薬を飲んだ人を安井さんらが調べると、4人に1人程度の割合で、治療が必要な涙目の症状があった。  ▽ 仕組みは未解明  涙は黒目の外側上方にある涙腺から分泌され、目の表面を潤した後、涙点から涙小管、涙のう、鼻涙管を経て鼻へ排出される。涙点以降の経路(涙道)のどこかが炎症などで狭くなったりふさがったりすると、流れが滞って涙目になる。視界がぼやけて物が見にくくなるため、車の運転に支障を来すこともある。  TS-1が涙目を引き起こす仕組みは未解明だが、成分が涙に出て涙道の粘膜を傷める可能性が指摘されている。軽症なら成分を洗い流すため、防腐剤を含まない目薬をさす。水道水は滅菌されていないので使わない。  涙道が通りにくくなっていればファイバースコープで観察し、ポリウレタンなどの微細な「涙管チューブ」を挿入し通過を確保する治療法がある。チューブは抗がん剤治療の終了後に抜き取る。  ただ「涙目を放置して涙道の状態が悪化すると、チューブも入れられず回復が難しいケースもある。早い対処が何より大切」と柏木さんは力説する。問題は、涙道の治療を手掛ける眼科医が少ないことだ。▽ 分子標的薬でも  TS-1以外の抗がん剤でも、結膜炎や角膜障害、まつげが抜けるなど、さまざまな症状がある。しかし目の副作用に対する認知度が低いこともあって、頻度などの実態ははっきりしていない。  がん細胞の特定の分子を狙い撃ちする「分子標的薬」と呼ばれる抗がん剤の一部でも最近、目の副作用が出ることが分かってきた。光を感じる網膜に水がたまるなどして、物がゆがんで見えたり、かすんだりする。  症状によっては抗がん剤治療を休んだ方がいい場合もあるし、注意深く変化を観察し早めに手を打つことが大切だ。しかし、抗がん剤治療を担当する医師と眼科医が同一施設内で連携して治療に当たることができる医療機関は数少ない。  柏木さんは、抗がん剤治療を受ける患者への一般的な注意として「目にも副作用が出る可能性があることを知った上で、異常を感じたらまず主治医に相談し、必要に応じ専門の眼科医を紹介してもらってほしい」と話す。同センターは、抗がん剤治療で起きる可能性がある目の症状や対処法などをまとめた小冊子「抗がん剤治療と眼の症状」 を作成、ホームページで公開している。  (共同通信 吉本明美)> とある。

 簡単な "血液検査" による "アルツハイマー病/認知症" の "早期発見" というアプローチについては、これまでに何度か注目してきた。 "軽度" の進行段階で発見できれば、"進行を遅らせる" ことができるため、"早期発見" に大きな意味があるからだ。

 ◆ 参照 当誌過去の "アルツハイマー病 血液検査" 関連記事

 (1) (再) "血液検査"で、"アルツハイマー病"の危険性判定!その"検査実施上の追加情報"!/当誌 2015.06.30

 (2) "血液検査"で、"アルツハイマー病"の危険性判定!早期発見、進行予防に期待!(筑波大)/当誌 2015.06.28

 (3) アルツハイマー病の原因物質の蓄積が判定できる新技術!血液が数滴あればできる検査!/当誌 2014.11.12


 今回注目する下記引用サイト記事血液で「軽度認知障害」を判定/NHK NEWS WEB/2015.08.18 - 04:55 は、  <認知症の前段階と言われる「軽度認知障害」になっているかどうかを血液を調べるだけでおよそ80%の精度で判定できる方法を筑波大学などのグループが開発。 茨城県内の高齢者およそ900人を12年間追跡調査し、軽度認知障害からアルツハイマー型の認知症へと病状が進行していく過程を詳しく調べ、 その結果、病状が進むにつれ、患者の血液の中では、「アミロイドベータ」と呼ばれる異常なたんぱく質の排出などに働く3種類のたんぱく質が減っていることが分かった。> のだと報じている。

 <認知症の前段階と言われる「軽度認知障害」になっているかどうかを血液を調べるだけでおよそ80%の精度で判定できる方法を筑波大学などのグループが開発しました。  筑波大学の朝田隆名誉教授と内田和彦准教授らのグループは、茨城県内の高齢者およそ900人を12年間追跡調査し、軽度認知障害からアルツハイマー型の認知症へと病状が進行していく過程を詳しく調べました。  その結果、病状が進むにつれ、患者の血液の中では、「アミロイドベータ」と呼ばれる異常なたんぱく質の排出などに働く3種類のたんぱく質が減っていることが分かったということです。  そしてこれらのたんぱく質を目印にしたところ「軽度認知障害」かどうかをおよそ80%の精度で判定できる検査法の開発に成功したということです。  すでに国内およそ500か所の医療機関で検査が行える体制になっているということで、内田准教授は、「認知症は症状が進行してから病院に行っても治療の効果が見込みにくい。この検査をきっかけに早い段階で診断を受け、運動を取り入れたり食生活を改善するなどして認知症の予防につなげてほしい」と話しています。> とある。

 かつてより、"盲腸" の手術(開腹手術)後に注目させられたのは "ガス(おなら)" の出ることであった。 言うまでもなく、腸の癒着=「腸閉塞」のリスクを警戒してのことだったようである。

 今回注目する下記引用サイト記事医師「むしろ難しい」 腹部がん手術で2割発症の「腸閉塞」とは/dot/週刊朝日 2015年8月21日 は、  <腹部のがんの手術を受けた人の約2割に発症する腸閉塞。その基礎知識と治療、医師選び> などについて報じている。 いざ "手術" となったとしても、<腸閉塞の手術は、臨機応変な対応が必要なため、定型化されたがんの手術よりむしろ難しいです。腹腔鏡手術の熟練者のもとで受けることをおすすめします> と強調される。

 <腹部のがんの手術を受けた人の約2割に発症する腸閉塞。その基礎知識と治療、医師選びについて、大腸がんの腹腔鏡手術にその黎明期から携わり、下部消化管に詳しい聖マリアンナ医科大学東横病院病院長の宮島伸宜(みやじまのぶよし)医師に聞いた。  腸閉塞は、機能性機械性に分類されます。何も原因がないにもかかわらず、腸の動きが止まったり、無秩序に動いたりしてしまうのが機能性手術後の癒着やポリープなど詰まる原因があるものが機械性です。  機能性では、腸の機能を整える内科的治療を選択します。機械性単純性と絞扼性(こうやくせい)に分けられ、血管が締め付けられる絞扼性は、緊急手術をしないと命に関わります。単純性は内科的治療と手術に分かれ、多くは、1週間ほどの入院により絶飲食と点滴で経過をみて、改善しなければイレウス管による治療などをおこなうとほぼ改善します。それでも改善しない場合に、手術をおこないます。  腸閉塞は原因となる元の手術を、開腹手術よりも腹腔鏡手術でおこなったほうが発症しにくいと言われています。同様に、腸閉塞自体の手術をおこなう際も腹腔鏡手術のほうが再発が少ないです。ただし、腸閉塞は詰まった場所が数カ所に及ぶ場合もあり、見るだけでは限界があるので、閉塞部位が確定できたときに腹腔鏡手術を選択すべきです。腸閉塞の手術は、臨機応変な対応が必要なため、定型化されたがんの手術よりむしろ難しいです。腹腔鏡手術の熟練者のもとで受けることをおすすめします。  また、大腸がんの閉塞に対するステント治療は、成功すれば緊急手術で人工肛門を作ることを避けるメリットがあります。一方、穿孔やステントのずれの危険もあるため、合併症で緊急手術になる場合もあります。さらにステントを使ったほうが予後が悪いという報告もあるため、ステントの経験が豊富な病院で治療を受けるべきでしょう。  高齢者は、腸閉塞になると、脱水状態に陥りやすく重症化しやすいです。手術経験のある高齢の方は、膨満感や腹痛、便秘や吐き気などの症状が出たら、腸閉塞も疑ってすぐに病院を受診しましょう。元の手術の執刀医師に診てもらうのが理想ですが、近隣の消化器病に強い病院も探しておきましょう。> とある。

 まるで "SFホラー映画" をも思わせるような、奇想天外な "感染" 事件だ。 これで、取りあえずの対応によって、感染者の "症状が改善" されたから良かったものの、不可解な "未知の成り行き" に向かっていたならどうなっただろうかと......。

 今回注目する下記引用サイト記事古細菌の感染症「世界初」 脳脊髄炎で認知症状/【共同通信】/2015.08.14 - 05:00 は、  <物忘れや鬱など認知症の症状がある患者の脳にウイルスや細菌とは異なる生物グループの古細菌」が感染し、脳脊髄炎が起きていたとする研究成果を、鹿児島大や京都大のチームが13日付の米神経学会誌に発表した。古細菌火口や海底など特殊な環境に存在し、病気の原因となるとは従来考えられておらず古細菌による感染症の確認は世界初という> と報じている。

 <物忘れや鬱など認知症の症状がある患者の脳にウイルスや細菌とは異なる生物グループの古細菌」が感染し、脳脊髄炎が起きていたとする研究成果を、鹿児島大や京都大のチームが13日付の米神経学会誌に発表した。古細菌火口や海底など特殊な環境に存在し、病気の原因となるとは従来考えられておらず古細菌による感染症の確認は世界初という。  チームによると、2005~12年にかけて、認知症状が進行する南九州の40~70代の男女4人に対する病気の原因究明過程で、磁気共鳴画像装置(MRI)で脳や脊髄に炎症が見つかった。4人の患者で脳の組織の一部を顕微鏡で調べたところ、核や細胞壁を持たない未知の微生物が血管の周りに集まっていた。  微生物のDNAを調べると、塩分の強い環境にすむ「高度好塩菌」という古細菌の一種と似た配列が多数見つかり、形状などから新種の古細菌と判断したという。いずれの患者も抗菌薬などで症状が改善した。古細菌は、細胞内に核を持つ細菌とは進化の系統上、別の生物とされている。  鹿児島大の高嶋博教授(神経科学)は「新たな患者は見つかっておらず感染の広がりはないと考えられる。古細菌はこれまで医学では触れられることがほとんどなかった。原因不明の慢性の病気や感染症の原因解明につながる可能性がある」と話した。> とある。

 最近では、"歯周病" による深刻な身体への影響などをはじめとして、"歯の健康状態" の良し悪しが、思わぬ病気の原因となっている点が次々と明らかにされている。

 ◆ 参照 当誌過去の "動脈硬化" 関連記事

  <"血液サラサラ" 状態が、健康にとって望ましい状態であること! は言い尽くされてきた。 つまり、血液がサラサラとスムーズに流れていく状態で、ネバネバ、ドロドロとした高脂血症 ―― 総コレステロール・中性脂肪・LHD(悪玉)コレステロールの値が基準値より高く、血液中に脂質が多い状態 ―― ではない状態が望ましい、ということ。 そして、この "血液サラサラ" には、いゆゆる "植物繊維" を多く含む食品など( 大豆・魚・植物性の油・緑黄色野菜・海草・きのこ類...... )が良いとされている。> ( "心筋梗塞"予防にも、"心筋梗塞"後にも"食物繊維摂取/血液サラサラ"で死亡リスク減!/当誌 2014.07.23


 今回注目する下記引用サイト記事奥歯全て失うと、動脈硬化リスク倍...高齢者調査/読売新聞/2015.08.13 は、  <奥歯を全て失った高齢者は、全部ある高齢者に比べて動脈硬化になるリスクが約2倍に高まることが、厚生労働省研究班(研究代表者=前田芳信・大阪大歯学部付属病院長)の調査でわかった。 研究班は「奥歯がない人は、かみにくい緑黄色野菜などの摂取量が減るためではないか」としている> と報じている。

 <奥歯を全て失った高齢者は、全部ある高齢者に比べて動脈硬化になるリスクが約2倍に高まることが、厚生労働省研究班(研究代表者=前田芳信・大阪大歯学部付属病院長)の調査でわかった。  研究班は「奥歯がない人は、かみにくい緑黄色野菜などの摂取量が減るためではないか」としている。  研究班は、大阪大や東京都健康長寿医療センターなどの研究者らで構成。高齢者の歯と健康との関係を明らかにするため、2010年から各地の70歳~100歳以上の2300人を追跡調査している。  今回、兵庫県内の70歳代の男女約500人について上下左右に4本ずつ計16本の奥歯の状態と動脈硬化との関係を調べた。奥歯が全部ある265人で動脈硬化が見つかった割合は約4割だったのに対し、全て失った121人では約6割だった。喫煙や歯周病などの要因を除外した上で比較したところ、奥歯がない人は、ある人に比べて1・87倍、動脈硬化になりやすいとの結果が出た。  一方、食事状況を尋ねた別の調査では、奥歯が全てない人は、ある人より緑黄色野菜と魚介類の摂取量がそれぞれ15%と12%少なかったこれらは動脈硬化の原因となる血液中の活性酸素や脂質を除去する成分を豊富に含んでいる。  研究班の池辺一典・大阪大准教授(高齢者歯科学)は「奥歯がない人は、繊維質が多い野菜や、貝類、干物などを避けてしまうのだろう。入れ歯を使うなどして、しっかりと食べてほしい」と話している。  (2015年8月13日 読売新聞)> とある。

 以前、<血液が固まるのを防ぎ、脳梗塞予防などに用いられる薬「シロスタゾール」に、認知症の進行を抑える効果のあることが、国立循環器病研究センターなどの研究で分かった。>( 下記 "関連記事" 参照 ) という記事に注目した。そして、その後、国立循環器病研究センターで治験も始められていたようだ。

 ◆ 参照 当誌過去の "シロスタゾール" 関連記事

 (1) <認知症の前段階とされる軽度認知障害(MCI)の人に、血液が固まるのを防ぐ錠剤「シロスタゾール(一般名)」を投与して、認知症への進行を抑えられるか調べる......> ( 認知症予防の治験開始!軽度認知障害(MCI)に抗血小板薬"シロスタゾール"!(国循研セ)/当誌 2015.05.26
 (2) <血液が固まるのを防ぎ、脳梗塞予防などに用いられる薬「シロスタゾール」に、認知症の進行を抑える効果のあることが、国立循環器病研究センターなどの研究で分かった。......> ( アルツハイマー型認知症の進行を既存薬(脳梗塞予防薬「シロスタゾール」)内服で抑制!/当誌 2014.02.28


 今回注目する下記引用サイト記事軽度認知障害、脳梗塞再発予防薬で食い止める臨床試験/読売新聞/2015.08.13 は、  <国立循環器病研究センター(大阪府吹田市)は、脳梗塞再発予防薬が「軽度認知障害」の進行を食い止める効果を確かめる臨床試験(治験)を始めた。  国内の11施設以上が参加する。  同センターの猪原匡史医師らは昨年2月、脳梗塞再発予防薬の「シロスタゾール」が、アルツハイマー病の進行を抑える可能性を示した論文を米科学誌に発表した。シロスタゾールには脳血管を広げて血流を促す働きがあり、病気を引き起こす有害なたんぱく質を脳の外に排出するとみられる。  軽度認知障害は、日常生活に支障はないが、記憶力が低下し、認知症になる危険性がある。治験では、軽度認知障害の200人(55~84歳)をシロスタゾールを飲む群と飲まない群に分け、記憶力低下など病状の進行度を比較する。  (2015年8月13日 読売新聞)> と報じている。

 "痛み" には、身体に生じた異変に関する "アラーム" というような相応の意義があり、その点で我慢することにも意味がありそうだ。 ただ、"がんの痛み" とその "緩和" は別であり、"緩和ケア" の考え方にもつながる重要な認識だとされる。

 ◆ 参照 当誌過去の "緩和ケア" 関連記事

 (1) <がんに関しては、痛みを我慢する医学的なメリットはまったくありません。逆に、痛みによって「動かない」「食べない」「眠れない」状態が続けば体力の低下を招き、この先に受けるべき治療の選択肢を狭めてしまうことにもなりかねません。......がんの痛みは積極的に取るべきです......> ( がんの痛み、我慢しないで!がんでは、痛みを我慢する医学的メリットはまったく無し!/当誌 2015.02.11
 (2) <医療用麻薬の充実で、がんの痛みはほぼ確実に消せる時代になった。ところが日本では、医療技術が向上したにもかかわらず、がん性疼痛を取り除く治療が十分におこなわれていないという現実があります。  WHOのまとめによると、日本の場合、本来必要な医療用麻薬の使用量に対して実際の使用量はわずか15.6%と、先進国では最低水準です。裏を返せば、日本のがん患者の多くは、適切な治療を受けずに痛みを我慢している──ということを示しているのです。> ( がんの痛み取り除く治療「日本は先進国では最低水準」!必要以上に麻薬を怖がる風潮?!/当誌 2015.02.10


 今回注目する下記引用サイト記事疼痛緩和は「正義」だ  高野聡 / MMJ編集長/毎日新聞/2015.08.12 は、  <がんのような深刻な病気では痛みがなくなるだけで、患者の生活はずっと改善される> という<緩和ケア> の観点から、<日本では、がん患者の疼痛(とうつう)(痛み)緩和が遅れている> と指摘し、その理由として <医師、患者双方に「中毒を起こす」「次第に効きめがなくなる」という誤解が根強い> ことや、<患者の痛みに対する医師の認識不足> が挙げられ、<「除痛(じょつう)率」の向上>、そして <痛みは万人共通だ。痛みに対するケアは、思想や信条を超えた「正義」ではないか> と解説している。

 < 人生で2度目のぎっくり腰を経験した。突然襲った激痛が消えるまで数日間、床に伏せながらつくづく思った。「痛いのは嫌だ」  痛みは実は人の体にとって重要な感覚だ。糖尿病患者が病気に気付いたときは既に進行していたというケースは、神経障害の痛みなど初期の自覚症状が乏しいために起きる。一方、がんのような深刻な病気では痛みがなくなるだけで、患者の生活はずっと改善されるだろう。  日本では、がん患者の疼痛(とうつう)(痛み)緩和が遅れている世界保健機関(WHO)はモルヒネなどの医療用麻薬の使用を推奨するが、日本の消費量は米国の水準の20分の1と低い医師、患者双方に「中毒を起こす」「次第に効きめがなくなる」という誤解が根強いためだ。青森県立中央病院の的場元弘・緩和医療科部長は「医療用麻薬で中毒は起きない。主な副作用は吐き気や便秘。併用する薬によっては酒酔いに似たせん妄も起こるが、適切な処置で対応できる」と説明する。  さらに患者の痛みに対する医師の認識不足もある。2012年に米国で発表された「痛みに関する『痛い』真実」と題する論文で、患者の痛みに対して何らかの治療を行った医師は15%しかいないことが明らかになった。的場さんらの研究でも、医師、看護師から「痛みはありませんか」と聞かれた患者の多くは「懸命に治療してくれている先生に申し訳ない」と気遣い、本心を十分には伝えていなかった。同病院では試行錯誤の末「生活上痛みで困っていることはありませんか」という問いが最も患者が本心を打ち明けやすいと気付き、それ以来、問いを実践して「除痛(じょつう)率」の向上を目指している。  07年に始まったがん対策推進基本計画「初期段階からの緩和医療の実施」が盛り込まれ、緩和ケアの研修を修了した医師は約4万5000人に及ぶ。政策的な成果は上がっているが、医療用麻薬の消費量は09年以降頭打ち状態だ。「講義で学んでも、臨床現場で疼痛緩和を経験しなければ、意識は変わらない」というのが的場さんの実感だ。  痛みは万人共通だ。痛みに対するケアは、思想や信条を超えた「正義」ではないかと思う。(毎日新聞2014年5月15日掲載)> とある。

 "難しいがん" の一つに、"胆管がん" があることは、つい先日にも注目したばかりだ。( 下記 "関連記事" 参照 )
 <見つけにくく、有効な薬も少なく、治癒は困難なことが多い> と三拍子揃えているのだから、その "難しさ" は "膵臓がん" に匹敵するかと思われる。


 ◆ 参照 当誌過去の "胆道がん" 関連記事

  <消化器がんの専門医は、胆管がんについて「難しいがん」と口をそろえる。三嶋秀行・愛知医科大臨床腫瘍センター教授(消化器外科、がん化学療法)は「見つけにくく、有効な薬も少なく、治癒は困難なことが多い」と話す。その最大の特徴は、早期の段階ではほとんど症状が出ないことだ。......> ( 働き盛りの命奪う「胆管がん」の厳しい現実!難しい早期発見!有効薬少、治癒は困難!/当誌 2015.07.16


 今回注目する下記引用サイト記事難治の胆道がん、進行遺伝子特定 国立がんセンター/朝日新聞 - 瀬川茂子/2015.08.11 - 09:54 は、そうした "胆管がん" を含む "胆道がん" に関する "遺伝子異常" について、  <国立がん研究センターのグループは、胆管がんと胆のうがんの遺伝子解析を大規模に実施し、がんの原因となる遺伝子異常を32個見つけた。2008年に始まった国際がんゲノムコンソーシアムの一環として、日本が解析を担当した。有効な治療法が確立していない難治がんの治療法開発につながると期待される> と報じている。

 <国立がん研究センターのグループは、胆管がんと胆のうがんの遺伝子解析を大規模に実施し、がんの原因となる遺伝子異常を32個見つけた。2008年に始まった国際がんゲノムコンソーシアムの一環として、日本が解析を担当した。有効な治療法が確立していない難治がんの治療法開発につながると期待される。  11日、米専門誌ネイチャージェネティクス電子版に発表する。  肝臓でできた胆汁を十二指腸に運ぶ胆管や胆のうなどのがんをまとめて胆道がんとよぶ。グループは、260人の患者の組織を解析した結果、胆道がんの進行に重要な役割を果たす遺伝子異常の32個を特定した。そのうち14個については、肺がんや乳がんなど他のがん用に、その遺伝子の働きの異常を抑える薬(分子標的薬)が開発されている。今回調べた胆道がん患者の約4割は、14個のうちの1個以上の遺伝子異常をもち、分子標的薬が効く可能性があることがわかった。18個についても、将来は、治療薬開発が進む可能性もある。  今後、新たな分子標的薬の開発が進む可能性がある。また免疫の働きを上げる薬の開発が進んでおり、胆道がんに効く可能性も示された。  米国では、がん患者ごとに遺伝子異常を詳しく調べて対応する薬を使う大規模な臨床試験が始まっている。今回の結果で、胆道がんでは、どの遺伝子を調べればよいかがわかった。  「患者ごとに遺伝子を調べ、その遺伝子異常に対応する薬の効果を調べる臨床試験を検討していきたい」と同研究センター研究所の柴田龍弘分野長(ゲノム解析)は話している。  胆道がんは早期発見が難しく、国内では年に約1万8千人が死亡する。アジアに多いがんとしても知られる。> とある。

 次第に実態解明が進んでいる "パーキンソン病" ではあるが、まだまだ、よく分かっていないことが多々残り続けている。

 ◆ 参照 当誌過去の "パーキンソン病" 関連記事

 (1) "パーキンソン病"の進行に"炎症性物質"の血中濃度が関係と判明!(京都宇多野病院調査)/当誌 2015.07.31
 (2) 脳に"iPS神経細胞"移植へ!"パーキンソン病"治療めざす臨床研究!(京大iPS細胞研究所)/当誌 2015.05.20


 今回注目する下記引用サイト記事パーキンソン病を画像診断 将来の早期発見に期待/【共同通信】/2015.08.10 - 20:01 は、  <手足が震え、体がこわばるパーキンソン病にかかったマウスで、脳の神経活動に異常が出ている領域を磁気共鳴画像装置(MRI)で突き止めたと、東北大と徳島大のチームが10日付の英科学誌電子版に発表した。> と報じている。

 <手足が震え、体がこわばるパーキンソン病にかかったマウスで、脳の神経活動に異常が出ている領域を磁気共鳴画像装置(MRI)で突き止めたと、東北大と徳島大のチームが10日付の英科学誌電子版に発表した。  発病初期のマウスを使っており、東北大の小山内実准教授は「パーキンソン病は症状を見て診断しているのが現状。将来、MRIを使った診断が可能になれば、症状が出る前の早期発見につながる」と話している。  小山内准教授によると、パーキンソン病はドーパミンが減少して発症することが知られているが、脳内でどのような神経活動の変化を引き起こすのか、よく分かっていなかった> とある。

 今後の医療環境について気遣う時、一方で "医療制度" の変わり方が気になるとともに、今後の医療スタッフ(医師)の水準も気掛かりとなりそうだ。もはや、「医は仁術」なぞ望むべくもないが......。

 今回注目する下記引用サイト記事医学生、授業に不満3割 人不足の診療科には関心/47 NEWS 医療新世紀/2015.08.04 は、今後の医療界を背負って立つ、現在の "医学生" たちの意識動向についてのアンケート結果について報じている。

 <医学生のほとんどは医師としての将来に希望を抱き、大学での学習は有用だと思う半面、実際の授業や実習の内容には3割が満足していないことが、日本医師会総合政策研究機構 (東京)の坂口一樹研究員のアンケートで分かった。  「医師としての将来に希望を持っているか」との問いには、「強く持っている」と「まあ持っている」を合わせて87%が前向きに回答。「医学部の学習・授業が将来に役立つと思うか」にも「強く思う」が24%、「まあ思う」が57%とほとんどが肯定した。  ただ「授業・実習内容に満足しているか」と現状を尋ねると「妥当」が11%、「まあ妥当」が56%なのに対し「あまり妥当でない」が24%、「全く妥当でない」も4%あった。男性、国公立大の学生に不満足の程度が強い傾向があり、坂口研究員は「学生の前向きな姿勢を実際の学習につなげるために改善の余地がある」と指摘している。  将来専門にしたい診療科を主要19領域から二つまで選ばせると、内科が34%とトップ。小児科19%、総合診療科15%、外科14%と続き、医師不足が懸念される救急科、産婦人科もそれぞれ10%、9%と比較的上位だった。  へき地・離島勤務についても「従事したい」が6%、「興味はある」が27%、「期間限定なら」が35%。坂口研究員は「大半の学生に意欲は十分にあり、実績として認められる制度を設計できれば赴任する人は確保できるはずだ」と分析した。  昨年6~7月に質問紙を配布、回収する方法で80の医学部・医科系大学で計1309人から回答を得た。回答者の男女比、国公立・私立の割合は医学生全体と差はなかった。> とある。

 "膵臓がんリスク" も判定できるとした、味の素の "血液検査" については、既に伝えられてきた。

 ◆ 参照 当誌過去の "味の素 血液検査" 関連記事

  味の素 "血液検査"で膵臓がんリスク判定 早期発見!人間ドックのオプション検査開始!/当誌 2015.06.15


 今回注目する下記引用サイト記事味の素のがんスクリーニング検査「AICS」、早期発見が困難な膵臓がんに対応/マイナビニュース/2015.08.07 は、  <味の素は8月7日、同社のがんリスクスクリーニング検査「アミノインデックス(AICS)」が、膵臓がんの早期発見に対応したと発表した。 AICSは、味の素と臨床検査会社であるエスアールエルが2011年より共同で提供している検査で、血中アミノ酸濃度バランスの変化を解析・指標化し、胃がんや肺がんなどのリスクを調べることができる。検査に要する血がわずか5mlと少量なことから、体に負担の少ないスクリーニング検査となっており、2015年7月現在で956の医療機関で受診可能となっているほか、地方自治体の住民検診に採用されるなど普及が進んでいる。これまでは胃がん、肺がん、大腸がん、前立腺がん(男性のみ)、乳がん(女性のみ)、子宮・卵巣がん(女性のみ)という6種類のがんを対象としていたが、膵臓がんが新たに加えられた> と報じている。

 <味の素は8月7日、同社のがんリスクスクリーニング検査「アミノインデックス(AICS)」が、膵臓がんの早期発見に対応したと発表した。  AICSは、味の素と臨床検査会社であるエスアールエルが2011年より共同で提供している検査で、血中アミノ酸濃度バランスの変化を解析・指標化し、胃がんや肺がんなどのリスクを調べることができる。検査に要する血がわずか5mlと少量なことから、体に負担の少ないスクリーニング検査となっており、2015年7月現在で956の医療機関で受診可能となっているほか、地方自治体の住民検診に採用されるなど普及が進んでいる。これまでは胃がん、肺がん、大腸がん、前立腺がん(男性のみ)、乳がん(女性のみ)、子宮・卵巣がん(女性のみ)という6種類のがんを対象としていたが、膵臓がんが新たに加えられた。  これは、味の素と大阪府立成人病センターの片山和宏 副院長を中心としたグループとの多施設共同研究による成果で、膵臓がん患者360名と健康な人8372名の血中アミノ酸濃度バランスの変化を解析した結果、膵臓がん患者の血中アミノ酸濃度バランスが有意に変化していることがわかった。また、手術可能な段階の患者でも進行がん患者と同様の変化を示すことが判明し、その変化を解析する事で、膵臓がんの早期発見技術の開発が可能となった。  膵臓がん早期の発見が難しく、切除手術も長時間となり患者への負担が大きいだけでなく、腫瘍が2cmを超えると周囲へ浸潤して取りきれないことがあるなど、治療が極めて難しいがんとして知られているだけに、AICSによる膵臓がんの早期発見が可能となり、より効果的な治療につながることが期待される。> とある。

 "重粒子線" や "陽子線" を患部に照射し、がんを治療する "粒子線治療" は、国が重点支援する "先進医療" 政策の一つと言うだけでなく、高額な自己負担医療費という点でも注目されてきた。

 ◆ 参照 当誌過去の "粒子線" 関連記事

  がん細胞だけを"ピンポイント"で狙う"体幹部定位放射線治療"の成果!病巣を三次元で!/当誌 2015.06.24


 今回注目する下記引用サイト記事粒子線治療:先進医療除外も 一部がん 学会、優位性示せず/毎日新聞/2015.08.08 東京朝刊 は、  <重粒子線や陽子線を患部に照射し、がんを治療する粒子線治療について、日本放射線腫瘍学会が「前立腺がんなど一部では、既存の治療法との比較で優位性を示すデータを集められなかった」とする報告書を厚生労働省に提出した。粒子線治療はがん細胞を狙い撃ちできる治療法として普及し、診療報酬上も自己負担となる照射費用以外は保険適用される優遇を受けている同省は優位性を示せない部位について、有効性や副作用の有無を調べる臨床試験を求める「格下げ」や、がんの進行度に応じて先進医療からの削除も検討する。......> と報じている。

 <重粒子線や陽子線を患部に照射し、がんを治療する粒子線治療について、日本放射線腫瘍学会が「前立腺がんなど一部では、既存の治療法との比較で優位性を示すデータを集められなかった」とする報告書を厚生労働省に提出した。粒子線治療はがん細胞を狙い撃ちできる治療法として普及し、診療報酬上も自己負担となる照射費用以外は保険適用される優遇を受けている同省は優位性を示せない部位について、有効性や副作用の有無を調べる臨床試験を求める「格下げ」や、がんの進行度に応じて先進医療からの削除も検討する。  粒子線治療は、機器や治療技術の有効性、安全性がある程度認められるとする「先進医療A」に指定され、照射のための300万円前後の費用を自己負担すれば、残りの入院や検査、投薬の費用に保険を適用できることが、診療報酬点数表に盛り込まれている。現在、放射線医学総合研究所(千葉市)など同省の基準を満たした全国の施設で、他に転移のないがんを対象に実施している。先進医療による粒子線治療が始まった2001年度以降、昨年度までに約2万1000人以上が治療を受けた。  報告書によると前立腺がんや一部の肝臓がんなどについて、国内外の文献などを参考に生存年数や副作用のデータを既存のエックス線治療と比べた結果、症例数が少なかったり、比較条件が異なっていたりしたため優位性が証明できなかった。過去の診療報酬改定で、保険適用の可否を審査する同省の先進医療会議が何度も既存治療との比較結果を要求していた。同学会は当初、これらの治療の保険適用を目指したが、報告書で「先進医療Aのままでは評価に耐えるデータの蓄積は困難」と結論づけた。  今後の診療報酬改定で粒子線治療の一部がBに「格下げ」された場合、対象となる疾患数や患者数、試験期間が限られるため、施設経営に影響が出る可能性がある。さらに先進医療から削除されれば自由診療になり、治療費全額が患者負担となる。厚労省は来年1月をめどに結論を出す方針。  一方、同学会は、小児がん▽骨・軟部腫瘍▽頭頸(とうけい)部がん▽原発性肝臓がん▽原発性肺がん−−の5種類は有効性と安全性が認められ、他に根治療法がないことから保険適用を要望した【阿部周一】> とある。

 臨床用として使われる "iPS細胞" は、その移植効果に大きな期待が託される一方で、その作製に "多大な時間と費用" がかかることがボトルネックとされてきた。

 ◆ 参照 当誌過去の "iPS ストック" 関連記事

 (1) <京都大iPS細胞研究所(山中伸弥所長)は28日、患者本人以外の人から作製し、保存している医療用のiPS細胞(人工多能性幹細胞)を、今秋にも医療機関などに提供できる見通しが立ったと発表> ( "医療用iPS細胞"(患者本人以外の人から作製保存)を今秋にも提供!(京大iPS細胞研究所)/当誌 2015.05.02

 (2) <理化学研究所などは昨年9月にiPS細胞を使った患者への移植を実施したが、手術までにかなりの時間がかかったうえ、個人ごとに作るため費用が膨らんでいた。2例目の臨床研究で備蓄した細胞を使うのは、こうした課題を克服する狙いがある。  iPS細胞は患者の皮膚や血液の細胞から作っている。患者本人の細胞を使えば拒絶反応が起きないからだ。しかし、患者の細胞を使って実施した1例目の移植は費用が5000万~1億円ほどかかったといわれる。iPS細胞を利用する再生医療の普及に向けた大きな課題となっていた。......> ( iPS細胞移植手術、"他人の細胞からのiPS細胞作製"でコスト大幅減!手術待ち期間短縮!/当誌 2015.03.23


 今回注目する下記引用サイト記事京大、臨床用iPSを初提供 大日本住友製薬に/【共同通信】/2015.08.06 - 21:20 は、  <京都大iPS細胞研究所は6日、人の人工多能性幹細胞(iPS細胞)を備蓄しておくストック計画の一環として、大日本住友製薬に臨床用iPS細胞を有償提供したと発表した。 京大は拒絶が起こりにくいiPS細胞を備蓄し、広く迅速に提供する体制を整備してきた。実験用は提供していたが、安全性の高い臨床用は今回が初めてで、患者への利用が進みそうだ> と報じている。

 "大腸がん" が、その増加もあって注目せざるを得なくなっている。 最近では、俳優の今井雅之(54)さんが "がん告白" 後、ほどなく亡くなる不幸があった。芸能界でも、その罹病者は少なくないようで、渡哲哉、石坂浩二、鳥越俊太郎、坂口良子......と名前が挙がる。

 ◆ 参照 当誌過去の "大腸がん" 関連記事

 (1) "大腸がん"早期発見でほぼ治る!便に混入した少量の血液(潜血)を調べる"便潜血検査"!/当誌 2015.07.13

 (2) "大腸がん"は若い人ほど命を脅かす!がん細胞の遺伝子に抗がん剤を無力にする仕組み!/当誌 2015.06.17

 (3) 15年のがんと診断される人:98万人と予測(死亡する人:37万900人)! (国立がん研セ)/当誌 2015.04.30

 (4) "大腸がん"悪化の「目印」となる分子を特定!(京大など) "転移予測"の実用化目指す!/当誌 2014.12.05

 (5) 大腸がん、"肛門残す手術法"! 2年後の排便「とても良い」3割 自分で排泄、満足感!/当誌 2014.11.15


 今回注目する下記引用サイト記事男性の大腸がん、最多に...胃がんを上回る/読売新聞/2015.08.04 は、  <国立がん研究センターは3日、国が指定する「がん診療連携拠点病院」(409施設)の2013年の診療実績を公表した。  同年に拠点病院でがんと診断された症例数は62万9491例(国内のがん全症例の約70%)。男性の部位別症例数では、07年の集計開始以来、大腸がんが初めて胃がんを抜き、最多となった。  13年のがん症例数は高齢化の進行などで増加し、前年から約3万9千例増えた。最多は大腸がん(9万1530例)で、胃がん(7万5265例)、肺がん(7万3017例)と続いた> と報じている。

 <国立がん研究センターは3日、国が指定する「がん診療連携拠点病院」(409施設)の2013年の診療実績を公表した。  同年に拠点病院でがんと診断された症例数は62万9491例(国内のがん全症例の約70%)。男性の部位別症例数では、07年の集計開始以来、大腸がんが初めて胃がんを抜き、最多となった。  13年のがん症例数は高齢化の進行などで増加し、前年から約3万9千例増えた。最多は大腸がん(9万1530例)で、胃がん(7万5265例)、肺がん(7万3017例)と続いた。  男女別でみると、男性大腸がん(5万4601例)、胃がん(5万2807例)、前立腺がん(5万257例)、肺がん(5万255例)の順。女性は乳がん(6万4552例)が最多で、大腸がん(3万6929例)、肺がん(2万2762例)、胃がん(2万2458例)と続いた。> とある。

 その "除去" などをねらいとして、"がん細胞(その可能性ある細胞)" ならそれとしてそれらにのみ働きかけるには、先ずはそれらをそれらとして識別、選別しなければならない。 昨今、こうしたアプローチや方法への関心が高まっている。

 ◆ 参照 当誌過去の "RNA" 関連記事

  <人の人工多能性幹細胞(iPS細胞)で作った細胞集団の中から、心筋や肝臓など特定の細胞だけを正確に選別して取り出すことに成功したと、京都大iPS細胞研究所の斉藤博英教授と吉田善紀講師らのチームが21日付の米科学誌セル・ステム・セル電子版に発表した。 細胞の種類によって異なる「マイクロRNA」という物質を目印に選別する新手法......> ( "iPS細胞"で作った細胞集団から"特定の細胞"だけを正確に選別成功!(京都大iPS細胞研)/当誌 2015.05.23


 今回注目する下記引用サイト記事京大iPS研:RNAでがん死滅 人工回路作製/毎日新聞/2015.08.04 - 09:10 は、  <京都大iPS細胞研究所(京都市左京区)は、遺伝子の働きを調節する特定のリボ核酸(RNA)を用いた「人工回路」を作製し、がん化した細胞を死滅させる実験に成功したと発表した。こうした回路を組み合わせることで、がん化した細胞を除去する方法の開発などにつながる可能性があるという。 研究では、がん化した細胞を識別するRNAと、細胞死を引き起こすRNAの2種類を組み合わせて人工回路を作製この回路をシャーレ上で子宮頸(けい)がんの細胞に加えると、約6割が死滅したという> と報じている。

  <京都大iPS細胞研究所(京都市左京区)は、遺伝子の働きを調節する特定のリボ核酸(RNA)を用いた「人工回路」を作製し、がん化した細胞を死滅させる実験に成功したと発表した。こうした回路を組み合わせることで、がん化した細胞を除去する方法の開発などにつながる可能性があるという。  斉藤博英教授(生命工学)らの研究グループが開発。論文は4日、英科学誌「ネイチャー・バイオテクノロジー」の電子版に掲載された。  研究では、がん化した細胞を識別するRNAと、細胞死を引き起こすRNAの2種類を組み合わせて人工回路を作製この回路をシャーレ上で子宮頸(けい)がんの細胞に加えると、約6割が死滅したという。  これまでデオキシリボ核酸(DNA)を用いた人工回路はあったが、DNAは細胞の核に投与する必要があり、遺伝子を傷つける可能性があった。RNAの回路は、核の周囲の細胞質で機能して速やかに分解されるため、安全で医療への応用に適しているという。また、人工多能性幹細胞(iPS細胞)を分化させる際に目的以外の細胞ができてしまう課題でも、こうした細胞を排除する方法を確立できる可能性がある。  斉藤教授は「今後は実際に目的の組織に人工回路を運ぶ方法などが課題になる」と話している。【川瀬慎一朗】> とある。

 様々な臓器の細胞が、"iPS細胞" を経由して作製されている今日だ。 と同時に、他方では "iPS細胞" 経由の作製に潜む問題点への懸念を回避するように、別のアプローチでの再生医療向け細胞の作製が試みられている。

 ◆ 参照 当誌過去の "神経細胞作製" 関連記事

  <人の皮膚細胞に6種類の化合物を加えて、神経細胞に変化させることに成功。化合物で成功した例はなく、自分の細胞を移植するため、拒絶反応が起こりにくい> ( 人の皮膚細胞から神経細胞作製!化合物加え!拒絶反応が起こりにくい!(京都府立医大)/当誌 2014.00.00


 今回注目する下記引用サイト記事再生医療向け神経・心臓細胞、iPS使わず効率作製 東大など/日本経済新聞/2015.08.03 - 0:30 は、  <再生医療に使う神経や心臓の細胞患者の皮膚からiPS細胞を介さずに効率よく作る研究が脚光を浴びている。京都府立医科大学はヒトの皮膚細胞に特殊な化学物質を与え、8割以上の確率で神経細胞に似た細胞に変えた東京大学はマウスの皮膚細胞へ遺伝子を導入し、心筋の一種に育てたiPS細胞を培養する手間が省け、これまで数カ月かかるとされた治療の準備期間が数週間に短縮できる可能性があるという> と報じている。

 <再生医療に使う神経や心臓の細胞患者の皮膚からiPS細胞を介さずに効率よく作る研究が脚光を浴びている。京都府立医科大学はヒトの皮膚細胞に特殊な化学物質を与え、8割以上の確率で神経細胞に似た細胞に変えた東京大学はマウスの皮膚細胞へ遺伝子を導入し、心筋の一種に育てたiPS細胞を培養する手間が省け、これまで数カ月かかるとされた治療の準備期間が数週間に短縮できる可能性があるという。再生医療の選択肢が広がりそうだ。  国内外で研究が進むのは「ダイレクト・リプログラミング」と呼ぶ技術。皮膚などから取った細胞の性質を化学物質や遺伝子で強引に書き換え、神経や肝臓といった別の細胞に変える。  再生医療では患者の皮膚などをiPS細胞に変え、時間をかけて移植用の細胞に育てる方法が有望視されている。ダイレクト・リプログラミングは目的の細胞を直接に作り、準備を含む治療期間の短縮に道を開く。がんになりにくく、拒絶反応を防げるとの期待もあったが、狙った細胞ができる効率が低かった。  京都府立医科大学のチームは、ヒトの皮膚の細胞に6種類の低分子化合物を与えて3週間培養し、最大で80%以上の確率で神経細胞のような細胞に変化させた。  ヒトの受精卵から様々な細胞ができるなかで、神経細胞になる運命をつかさどる遺伝子を制御する約20種類の化合物から、最適な6種類を選んだ。細胞の運命を決めるスイッチに6種類の化合物が作用し、皮膚細胞が神経細胞のような細胞に育ったとみている。  変化した細胞は軸索という突起が現れ、神経細胞同士をつなぐシナプスのような構造から、神経伝達物質が出ていた。神経の興奮や抑制を促すたんぱく質も見つけた。神経伝達物質を加えるなどして神経細胞かどうかを詳しく調べる計画だ。  化合物を使う同様の手法は従来もあったが、細胞が変化する確率が1%未満だった。今後は脊髄を損傷させたマウスで治療効果を確かめる。5~10年後の実用化を目指す。  東大の竹内純准教授らは、全身に血液を送り出す心臓の心室筋の細胞を、皮膚から作る実験にマウスで成功した。  胎児の背中にある線維芽細胞に4種類の遺伝子を入れて培養したところ、7日後には20%が心室筋の細胞に変わった。従来は3種類の遺伝子だけを導入していたが、ほかの種類の筋肉ができる問題があった。  今後は確率を40~50%に引き上げたうえ、5~6年後にはシート状の心筋を作って臨床研究に入りたい考えだ。将来は心筋梗塞を起こした心臓の治療につなげる。血液を受け入れる心房筋の作製研究も進める> とある。

 大腸がんは、"亡くなる人" も多ければ、場合によっては "人工肛門" という選択もあり得るため、少なからぬ恐れが振り向けられている。
 さらに、"肝臓や肺" など他の臓器への "転移" の可能性も警戒されている。


 ◆ 参照 当誌過去の "大腸がん" 関連記事

 (1) "大腸がん"早期発見でほぼ治る!便に混入した少量の血液(潜血)を調べる"便潜血検査"!/当誌 2015.07.13

 (2) "大腸がん"は若い人ほど命を脅かす!がん細胞の遺伝子に抗がん剤を無力にする仕組み!/当誌 2015.06.17

 (3) 15年のがんと診断される人:98万人と予測(死亡する人:37万900人)! (国立がん研セ)/当誌 2015.04.30

 (4) "大腸がん"悪化の「目印」となる分子を特定!(京大など) "転移予測"の実用化目指す!/当誌 2014.12.05

 (5) "人工肛門"回避の可能性拡大!"直腸がん"に究極の手術"ISR"!肛門括約筋を一部温存!/当誌 2014.10.21


 今回注目する下記引用サイト記事(患者を生きる:2852)がん 転移と手術:5 情報編 肝転移、広がる手術適応/朝日新聞/2015.08.01 - 05:00 は、  <大腸がんが、血液の流れに乗って最も転移しやすい臓器肝臓で、次いでが多い。 がんは、ほかの臓器に転移すると手術では治療しにくいイメージが強い。しかし、大腸がんの場合は近年、他の臓器に転移しても手術で治せるケースが増えている。特に肝臓への転移では、手術中に超音波を使って残すべき血管の位置を確認しながらミリ単位で腫瘍(しゅよう)とその周囲だけを切り取る手術が導入され、手術を受けられる患者の幅が広がった。> と報じている。

 <大腸がんで亡くなる人は年間4万人を超し、がんの部位別の死亡者数(2013年)では肺、胃に次いで3番目に多い。  大腸がんが、血液の流れに乗って最も転移しやすい臓器肝臓で、次いでが多い。  がんは、ほかの臓器に転移すると手術では治療しにくいイメージが強い。しかし、連載で紹介した斎藤信彦さん(68)のように、大腸がんの場合は近年、他の臓器に転移しても手術で治せるケースが増えている。特に肝臓への転移では、手術中に超音波を使って残すべき血管の位置を確認しながらミリ単位で腫瘍(しゅよう)とその周囲だけを切り取る手術が導入され、手術を受けられる患者の幅が広がった。  がん研有明病院(東京都江東区)の斎浦明夫・肝胆膵(かんたんすい)外科部長(48)によると、同病院で大腸がんの肝転移が見つかった患者のうち、当初から手術が可能な人は50~60%転移が3個以下で手術しやすいと判断された場合、同病院ではまず肝臓の切除手術を行い、その後、抗がん剤治療をすることが多い。  大腸のがん本体の状態にもよるが、転移が4個以上で再発しやすいと判断された場合抗がん剤治療をした上で肝臓の切除をし、手術後にも再び抗がん剤治療をするケースが多いという。  肝臓への転移は、数が多いと手術をしにくいが、10個以上あっても手術できるケースがある。一方、転移の数は少なくても、腫瘍が血管を大きく巻き込んでいる場合などは、手術が難しい。また、肝臓以外の複数の臓器や腹膜などに転移が見つかった場合は、肝臓を切る手術では治療効果が見込めず、化学療法の対象になる。  肝臓には再生能力があるので、正常な組織を3割残すことができれば、ほぼ元通りの体積に戻る。当初は肝臓内に転移した腫瘍の数が多いなど、すぐに手術ができない人も、抗がん剤によって腫瘍が縮小し、手術可能になることがある。  斎浦さんは「大腸がんの肝転移は再発率が高い。しかし、再発しても切除ができれば治せる可能性が高まる。たとえ肝転移が再発しても、あきらめずに治療を受け続けてほしい」と話す。(山本智之)> とある。

 "がんの発症" に、"遺伝子異常(変異)" が深く関わっていることはよく知られている。

 ◆ 参照 当誌過去の "がん 遺伝子" 関連記事

 (1) 肺がんや胃がんなど21種類約2000症例のがん細胞の"ゲノム(全遺伝情報)"を解読/DB化!/当誌 2015.07.02

 (2) 患者から採取したがん細胞の"遺伝情報"で各々の患者に合った"個別化医療"!(がん研セ)/当誌 2015.03.12

 (3) がん転移促す遺伝子発見!転移を抑える薬剤や術後経過の診断法開発への期待!(京大)/当誌 2015.01.25

 (4) 遺伝子異常が原因にならないがんがあること!京都大iPS細胞を使った研究で明らかに!/当誌 2014.02.16

 (5) 病気などの"原因遺伝子"が次々明らかに! "遺伝子操作"が治療の決め手となる趨勢か?!/当誌 2013.09.12

 (6) "がん"になる可能性がある"遺伝子配列のわずかな違い(SNP)"!国際共同で新たに特定!/当誌 2013.03.29


 今回注目する下記引用サイト記事遺伝子異常調べ、抗がん剤選択 米で試験へ 別の臓器向けでも効く可能性/big>
/朝日新聞/2015.08.02
 は、  <米国立保健研究所(NIH)は、がん細胞の遺伝子を解析して、効き目の高い抗がん剤を選ぶ新しい治療法の開発に乗り出す。胃や肺など臓器ごとに開発された抗がん剤を、がんの原因となる遺伝子異常の組み合わせに応じて処方する。患者に最適な抗がん剤を処方できるようになるとともに、現在、臓器別に行われている治療を根本的に変える可能性がある> と報じている。

 <米国立保健研究所(NIH)は、がん細胞の遺伝子を解析して、効き目の高い抗がん剤を選ぶ新しい治療法の開発に乗り出す。胃や肺など臓器ごとに開発された抗がん剤を、がんの原因となる遺伝子異常の組み合わせに応じて処方する。患者に最適な抗がん剤を処方できるようになるとともに、現在、臓器別に行われている治療を根本的に変える可能性がある。  NIH傘下の米国立がん研究所(NCI)を拠点に、標準的な治療で使われる抗がん剤が効かなかったがん患者約3千人からがん細胞を採取、がんに関係する143個の遺伝子の4千カ所以上の部分を網羅的に解析する。見つかった遺伝子異常の組み合わせに対応して別の抗がん剤を投与する臨床試験を行う。患者の募集を近く始める。  抗がん剤では現在、たんぱく質の異常な働きを阻害する「分子標的薬」が次々登場している。通常、がんのできる臓器ごとに開発・承認されるが、原因となる遺伝子異常が同じなら、異なる臓器のがんでも効く可能性がある。例えば乳がん用に開発された分子標的薬トラスツズマブはHER2遺伝子の異常を標的にしているが、胃がんや肺がんでも同じ遺伝子の異常が原因になっているケースがあることがわかっている ......> とある。

 同じ種類のがんでも、薬の効き目や副作用は人により差がある> と言われ、がん治療における "個人差" 対応と "最適化" とが欠かせない時代になってきたとされる。


 今回注目する下記引用サイト記事がん最適治療 人工知能で 日本人向けに研究 日本IBM・東大、患者別に選択肢 最短10分で/日本経済新聞/2015.07.30 は、  <日本IBM東京大学医科学研究所最新鋭のコンピューター「ワトソン」を使ったがん治療法を開発する。東大が持つ日本人患者のデータなどを集め人工知能で分析し、遺伝子情報をもとに個別の患者に適した治療方針を最短10分程度で導き出すがんのかかりやすさには人種や地域の差がある。日本で研究成果を上げればアジア人へのがん治療にも応用が期待できそうだ。 日本IBMは国内外の論文や薬の効能などの最新のデータをワトソンに蓄積する。ワトソンは文章が理解できるため大量のデータを短時間で読み込める。東大医科研は日本人のがん患者の血液や組織から採取した遺伝子データなどを入力する。 同じ種類のがんでも、薬の効き目や副作用は人により差があるデータベースをもとにワトソンは副作用が少なく、効き目が強い薬など患者ごとに適した治療法の選択肢を提示する。東大医科研では今夏から患者のがん細胞をもとに最適な治療法を探す研究を始める> と報じている。

 "ナノテクノロジー" は様々な分野で発展しているが、"がん治療" の領域では "ナノマシン" という技術が、"がん細胞" を正常細胞と見分けて選別的に対応・攻撃するものとして期待されている。

 ◆ 参照 当誌過去の "ナノマシン" 関連記事

  <......がん細胞と正常細胞を見分け、がん細胞にのみ抗がん剤を注入する医療用分子ロボット......> ( ナノテクノロジー/生体分子ロボットの世界コンペで日本勢(東北大/東工大)が快挙達成!/当誌 2012.12.28


 今回注目する下記引用サイト記事どうすれば安全安心:抗がん剤投薬システム「ナノマシン」 副作用減らし効果高める/毎日新聞/2015.07.30 東京夕刊 は、  <ウイルスほどの大きさのカプセルに入った抗がん剤を、がん細胞までピンポイントで届ける投薬システムの臨床試験が、国内で最終段階に入っている。「ナノマシン」と呼ばれる新技術で、早ければ来年度中にも承認され、医療現場での使用が始まる見通しだ。 ナノマシンを使ってシスプラチンをがん細胞だけにピンポイントで運べれば、正常な細胞に影響を与えないので副作用をほとんど感じることなく、(副作用)対策も不要になる。 また、がん細胞の中に入り込み核の近くで抗がん剤を放出することから、薬剤耐性を獲得したがん細胞への効果も期待される。 ナノマシンは微小ながんも見つけることが可能だ。 副作用が軽減され、抗がん剤の効果が従来の方法と同等か、それ以上ならば、それだけでも患者には大きな利益があると言えるのではないでしょうか> と報じている。

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