科学一般: 2014年11月 アーカイブ

 "鳥インフル" の話題に目が向いているが、こちらは、毎年シーズン行事のようになっているヒト側の "風邪インフルエンザ" の状況である。

 今回注目する下記引用サイト記事インフル、3週間早く流行入りへ 国立感染研が集計/【共同通信】/2014.11.28 - 16:29 は、"今年のインフルエンザの流行" は、平年よりも <3週間ほど早い流行入りとなるもよう> だと報じている。

 <国立感染症研究所が28日発表した集計によると、全国約5千の定点医療機関から17~23日の1週間に報告されたインフルエンザ患者数は1医療機関当たり0・94人となり、全国流行の指標となる1人に迫った。今週の患者数は1人を超えるとみられ、平年並みだった昨シーズンより3週間ほど早い流行入りとなるもようだ。  17~23日の週に医療機関を受診した患者は推定4万人。都道府県別で医療機関当たりの患者数が多かったのは、岩手(6・20人)、福島(2・76人)、神奈川(1・96人)、東京(1・92人)、埼玉(1・83人)の順で、東日本が中心だった。> とある。




















 "鳥インフルエンザウイルスの陽性反応" の検出されるケースが国内で相次いでいる。これらは、飛来した渡り鳥のふんであったり、死骸であったりしているが、既に国内の複数個所で発生し、詳細な検査が実施されてもいる。

 ◆ 参照 当誌過去の "鳥インフル" 関連記事

 (1) 千葉の鳥インフル、高病原性鳥インフルウイルス(H5型)を検出!警戒レベル3に引上げ!/当誌 2014.11.23
 (2) 千葉県長柄町で採取したカモ類のふん、鳥インフルエンザの"陽性"反応!確定検査へ!/当誌 2014.11.22
 (3) "宮城県栗原市"でオオハクチョウから鳥インフル! 簡易検査で"陽性"!確定検査へ!/当誌 2014.11.21
 (4) 東京都内で鳥インフル陽性!野鳥ホシハジロの死骸、詳細検査(強毒性かどうか?!)へ!/当誌 2014.11.19


 今回注目する下記引用サイト記事渡り鳥から鳥インフルエンザ陽性 東京/NHK NEWS WEB/2014.11.27 - 21:24 は、先の "東京都江東区" で "野鳥のホシハジロ1羽の死骸" から "鳥インフルエンザ陽性反応" が検出されたケースとほぼ同様に、今回は、"東京都大田区" で検出されたと報じている。

 <東京・大田区で渡り鳥1羽が死んでいるのが見つかり、簡易検査で鳥インフルエンザウイルスの陽性反応が出たため、今後、詳しい検査が行われることになりました。環境省は周辺10キロを野鳥の監視重点区域に指定し、鳥の排せつ物に触れた場合は手洗いをするなどの注意を呼びかけています。  東京都によりますと、26日、大田区で渡り鳥のホシハジロ1羽が死んでいるのが見つかり、27日、簡易検査の結果、鳥インフルエンザウイルスの陽性反応が出たということです。  今後、ウイルスの中でも強い毒性を持っているタイプかどうか、1週間程度かけて詳しい検査を行うということです。  これを受けて、環境省はホシハジロが見つかった周辺10キロを野鳥の監視重点区域に指定し、鳥の排せつ物に触れた場合は手洗いをするなどの注意を呼びかけています。  東京都内では、今月13日にも江東区でホシハジロ1羽が死んでいるのが見つかり、遺伝子検査で鳥インフルエンザウイルスの陽性反応が出ましたが、その後の詳しい検査で、ウイルスは検出されませんでした> とある。

 西アフリカを中心に、相変わらず猛威を振るっているとされるのが、"エボラ出血熱" の感染である。

 ◆ 参照 当誌過去の "エボラ出血熱" 関連記事

 (1) エボラ熱死者4960人 WHO、深刻な状況続く!前回下方修正されたが再び上昇に転じる!/当誌 2014.11.10
 (2) エボラ熱の大規模感染「人道の危機」として捉えるべき! ウイルス発見の博士に聞く!/当誌 2014.11.01


 今回注目する下記引用サイト記事エボラ熱ワクチンに効果か 米で臨床試験、安全性確認/【共同通信】/2014.11.27 - 08:42 は、米国において、<開発中のエボラ出血熱ワクチン「cAd3―EBO」の小規模な臨床試験で、人での感染防止効果が期待できる結果が出た> という朗報を報じている。

 <【ワシントン共同】米国立衛生研究所(NIH)と英製薬大手グラクソ・スミスクラインのチームは26日、開発中のエボラ出血熱ワクチン「cAd3―EBO」の小規模な臨床試験で、人での感染防止効果が期待できる結果が出たと発表した。  深刻な副作用は起きず安全性も確認したとしている。来年初めにも西アフリカで医療関係者を中心に数千人規模の本格的な臨床試験を始め、実際に人でウイルス感染を防ぐことができるかどうかを確かめる方針。ただ投与量が多いと発熱するケースがあることも分かり、適切な投与量を見極めるのが課題になりそうだ。> とある。

 "内視鏡手術/腹腔鏡手術" は、一方において "医師の手による場合" の "安全性が懸念" されつつも、他方では、高度技術の "手術支援ロボット" が導入されて、その実績が増えているとされる。

 ◆ 参照 当誌過去の "手術支援ロボット" 関連記事

 (1) 手術中の手ぶれ抑えます!手術支援ロボット「アイアームス」開発(信州大/デンソー)!/当誌 2014.09.27
 (2) 内視鏡ロボット手術 (腎細胞がん部分切除手術/神戸大病院)!国の先進医療に8月承認!/当誌 2014.09.05(=内視鏡手術支援ロボット「ダ・ヴィンチ」)


 今回注目する下記引用サイト記事手術ロボット「執刀」急増、ダビンチ実績2万件/yomiDr. ヨミドクター/2014.11.24 は、いち早く国内に導入されていた "手術支援ロボット" の "ダビンチ" による手術実績が急増していることを報じている。

 <精密な動き 体への負担少なく /  手術支援ロボットの「ダビンチ」が急速に普及している。2009年11月に厚生労働省が医療機器として「薬事承認」し、販売が開始されて5年。製造販売会社によると、国内では170病院に計183台が導入され、手術実績は今年中に計2万件に達する見通しだ。  精密な動きが可能で患者の体への負担も少ないといい、保険が適用される手術が増えれば、さらに普及は進むとみられる。  09年からダビンチ手術を積極的に行っている藤田保健衛生大病院(愛知県豊明市)では19日、実績が1000件に達した。国内ではトップ10に入るという。  藤田保健衛生大病院は2台を臨床活用し、国内で2か所しかない製造販売会社認定のダビンチ手術のトレーニング施設を設け、別の2台で医師の教育も実施。東海地方では名古屋市立大病院や岐阜市の岐阜県総合医療センター、愛知県長久手市の愛知医科大病院、同県豊橋市の豊橋市民病院なども導入している。  課題は高額な治療費だ。12年4月に保険適用された前立腺がん手術以外は、200万~300万円が患者の自己負担となる。ただ、今秋、保険診療が併用される「先進医療」に胃がんや腎がんのダビンチ手術が認められた。実績を積めば保険適用の対象になる可能性がある。藤田保健衛生大病院の宇山一朗・上部消化管外科教授(54)は「普及拡大を見据え、より安全性を高めるため、医師の技量を上げる講習会などを実施していきたい」と話している。> とある。

 いろいろな "臓器" が、"iPS細胞" などから作製されている。
 この場合、"臓器作製" とは、単に "細胞分裂が面的に(二次元で)" 繰り広げられるだけでは足らない。"部分的な臓器" として、いわば "立体(構造)" として形成されなければ意味がない。


 ◆ 参照 当誌過去の "細胞 立体" 関連記事

 (1) iPS細胞から"胃の粘膜組織"作製に成功!この組織を使った試験管内の実験観察に期待!/当誌 2014.11.02
 (2) ラットの"神経細胞"で"人工脳"作成に成功(米研究チーム)!脳のような立体構造/反応!/当誌 2014.08.19
 (3) ヒトのiPS細胞から肝臓の元となる「小さな肝臓」を作りマウスの体内での機能に成功!/当誌 2014.07.05


 今回注目する下記引用サイト記事腎臓の立体組織作製に成功 幹細胞で岡山大・杏林大チーム/【共同通信】/2014.11.24 - 21:00 は、<腎臓を作り出すもとになる体性幹細胞をラットから採取し、体性幹細胞から立体的な腎臓構造を作製した> との画期的な研究成果を報じている。

 <腎臓に似た立体的な管状の組織を作ることに岡山大と杏林大(東京)のチームがラットで成功し、米科学誌ステムセルズ電子版に24日発表した。  チームによると、血液中の老廃物をろ過するなどして尿を作る腎臓は約100万個の組織「ネフロン」の集合体今回、腎臓を作り出すもとになる体性幹細胞をラットから採取し、培養法を工夫してネフロンに変化させた。体性幹細胞から立体的な腎臓構造を作製したのは世界初という。  今後、完全な形に近づけ、腎不全や糖尿病による腎臓病患者に移植する再生医療に役立てる> とある。

 "心筋梗塞" は、"心停止状態" 自体がリスクであるとともに、これによって引き起こされる "脳へのダメージ" に対しても警戒が必要とされている。
 心臓の危機を脱しても、その後、脳に後遺症が残ることを最小限に食い止めなければなないからだ。


 今回注目する下記引用サイト記事心停止後の脳へのダメージ 水素が抑制/NHK NEWS WEB/2014.11.24 - 04:39 は、<心筋梗塞などで心停止状態になった患者に水素ガスを吸わせると生存率が高まり、脳へのダメージも減らせる可能性がある> とする研究成果について報じている。

 <心筋梗塞などで心停止状態になった患者に水素ガスを吸わせると生存率が高まり、脳へのダメージも減らせる可能性があるとする研究成果を慶応大学のグループが発表しました。/  この研究を行ったのは、慶応大学の佐野元昭准教授らのグループです。グループでは、水素ガスに体の細胞が死ぬのを抑える働きがあることに注目し、心停止状態に陥ったネズミに蘇生の直後、水素ガスを吸わせる実験を行いました。  その結果、水素ガスを吸わせなかったネズミでは、1週間後の生存率が38%だったのに対し、水素ガスを吸わせたネズミでは71%に上り、脳の神経細胞のダメージも少なかったということです。/  救急医療の現場では現在、心停止した患者の体の温度を下げる低体温療法で脳のダメージを防いでますが、水素ガスの吸入は低体温療法に比べ簡単にできるということで、研究グループでは今後、臨床試験でヒトでの効果を確認したいとしています。  佐野准教授は「心臓が動き出せば命は助けられるが、社会復帰のためには脳に後遺症を残さないことが重要だ。水素ガスの吸入でその点を改善できると考えている」と話しています。> とある。

 "がんの早期発見" に向けた簡易アプローチは種々研究されている。
 中でも最も実用化に急接近しているのは、"血液検査" ではないかと見受けられる。


 ◆ 参照 当誌過去の "がん 血液検査" 関連記事

 (1) すい臓がんを"血液検査"で早期発見(味の素)!早期では"自覚症状"が少ないすい臓がん!/当誌 2014.10.09
 (2) がん早期発見の新たな血液検査法開発へ!"マイクロRNA"目印!国立がん研究センター他/当誌 2014.08.20
 (3) 微量の血液で大腸がん発見(国立がんセンター)!細胞が分泌する"エクソソーム"に着目!/当誌 2014.04.19


 今回注目する下記引用サイト記事肺がん、息で検査 パナソニックが20年メド実用化 微量ガス、センサーで検出/日本経済新聞/2014.11.20 - 13:30 は、"肺がん" の "早期発見 簡易アプローチ" として、<息で検査> を肩代りする技術を紹介している。 かなり高度な技術が組み込まれているようだが、外見は、まるで、"飲酒検査" の器具のようなイメージである。

 <パナソニックは吐く息が含む微量の生体ガスで肺がんを検査する技術を開発した。がんがあるとわずかに出てくる成分を高感度のセンサーで検出する。飲酒検査のような呼気を使う方法で病気を見つける新たな試みだ。2020年をめどに実用化を目指す/  糖尿病や乳がん、肺がんなど一部の病気は体臭や口臭が変わるとされ、匂いで病気を突き止める発想はあった。がんの発症で特有のガス成分が出ると考え、エックス線とは違う検査への応用に期待が膨らんだが、微量成分をとらえるのが難しかった。  新技術は牛乳パック大の装置に息を吹き込んで呼気を4万~10万倍に濃縮し、特定の成分に触れると光る細胞を使ったセンサーで調べる。冷却素子で息を冷やし、水滴に成分をとじ込める。数キロボルトの電圧で濃度を高め、数PPB(PPBは10億分の1)のガスでも検出できる/  同社は2012年、名古屋大学医学部の長谷川好規教授と共同で肺がん患者20人の尿が含む揮発成分を解析し、患者に目立つ9種類の分子を見つけた。いくつかは血液に混ざって肺にも達するとみて、呼気を簡単に分析できる技術を研究してきた。  将来は匂いから成分を特定する利点を生かし、空港での検疫や食品の安全性の確認などにも活用する考えだ。> とある。

 各地で検出されている "鳥インフル陽性反応!" が、今、警戒の的となっている。

 ◆ 参照 当誌過去の "鳥インフル" 関連記事

 (1) 千葉県長柄町で採取したカモ類のふん、鳥インフルエンザの"陽性"反応!確定検査へ!/当誌 2014.11.22
 (2) "宮城県栗原市"でオオハクチョウから鳥インフル! 簡易検査で"陽性"!確定検査へ!/当誌 2014.11.21
 (3) 東京都内で鳥インフル陽性!野鳥ホシハジロの死骸、詳細検査(強毒性かどうか?!)へ!/当誌 2014.11.19


 今回注目する下記引用サイト記事千葉の鳥インフル、高病原性 ウイルスを確認/【共同通信】/2014.11.22 - 00:35 は、既に "千葉県長柄町" で "カモ類のふんから鳥インフルエンザの陽性反応" が検出されていた問題で、<確定検査で高病原性の鳥インフルエンザウイルス(H5型)を検出> という結果が出たことを報じている。

 <千葉県長柄町の水辺で採取したカモ類のふんから鳥インフルエンザの陽性反応が出ていた問題で、環境省と県は21日、確定検査で高病原性の鳥インフルエンザウイルス(H5型)を検出したと発表した。  島根県でも今月、コハクチョウのふんから高病原性の鳥インフルエンザウイルスを検出しており、環境省は警戒レベルを2から最大の3に引き上げた。千葉県に緊急調査チームを派遣する。  千葉県は立ち入り検査の対象となる養鶏場を、ふんの採取場所の半径3キロ圏内から10キロ圏内まで拡大して監視を強化するが、「感染した鳥と密に接触していない限り、過度に心配する必要はない」と説明している。> とある。

 鳥インフルエンザの "陽性"反応(簡易検査)! が、国内の複数個所で確認されているのが現状だ。 それらは現在、"確定検査"(強毒性かどうか調べる)が進められている。

 ◆ 参照 当誌過去の "鳥インフル" 関連記事

 (1) "宮城県栗原市"でオオハクチョウから鳥インフル! 簡易検査で"陽性"!確定検査へ!/当誌 2014.11.21
 (2) 東京都内で鳥インフル陽性!野鳥ホシハジロの死骸、詳細検査(強毒性かどうか?!)へ!/当誌 2014.11.19


 ◆ 参照 その他の "鳥インフル" 関連記事

  <島根県安来市で採取された野鳥のふんから高病原性の鳥インフルエンザウイルスが検出されたことを受け、現地に野鳥調査チームを派遣した環境省は20日、鳥インフルエンザの発生をうかがわせる兆候は確認されなかったと明らかにした。> ( 島根県安来周辺の野鳥に異常なし 鳥インフルで環境省調査/【共同通信】/2014.11.20 - 12:17


 今回注目する下記引用サイト記事千葉で鳥インフル陽性 カモ類のふん、確定検査へ/【共同通信】/2014.11.20 - 21:18 は、<千葉県長柄町> で採取された <カモ類のふん> が "鳥インフルエンザの陽性反応" を示し、<確定検査> での結果待ちとなっている、と報じている。

 <千葉県は20日、同県長柄町で採取したカモ類のふんを簡易検査した結果、鳥インフルエンザの陽性反応が出たと発表した。動物衛生研究所(茨城県つくば市)で確定検査をして強毒性かどうかを調べる。  県によると、18日の定期検査で採取したカモのふん50検体を調べたところ、うち2検体が陽性反応を示した。周辺で死んだ野鳥は確認されていない。  確定検査は数日から1週間程度かかる見込みで、県は採取場所の半径10キロ圏内で野鳥の監視を強化し、付近の養鶏場を立ち入り検査するとしている。> とある。

 "東京都内" で、"鳥インフルの陽性反応!" が、野鳥のホシハジロの死骸から出たとの先日のニュースは、やはり、意表を衝くかたちでの驚きをもたらした。

 ◆ 参照 当誌過去の "鳥インフル" 関連記事

  東京都内で鳥インフル陽性!野鳥ホシハジロの死骸、詳細検査(強毒性かどうか?!)へ!/当誌 2014.11.19


 今回注目する下記引用サイト記事宮城でハクチョウから鳥インフル 簡易検査で陽性、確定検査へ/【共同通信】/2014.11.19 - 20:30 は、今度は、"宮城県栗原市" でオオハクチョウの死骸から鳥インフルエンザの陽性反応(簡易検査レベル)が出たとの事実を伝えている。

 <宮城県は19日、栗原市でオオハクチョウ1羽が死んでいるのが見つかり、環境省による簡易検査で、鳥インフルエンザの陽性反応が出たと発表した。北海道大で確定検査をして高病原性かどうか調べる。結果判明には数日から1週間程度かかる見込み。  宮城県などによると、東京都や島根県でも今月、野鳥やそのふんから鳥インフルエンザの陽性反応が出ている。  オオハクチョウは、栗原市にある国指定の「伊豆沼鳥獣保護区」で見つかった。周辺でほかに死んだ野鳥は確認されていない。環境省や県は、半径10キロ圏内で野鳥の監視を強化する。> とある。

 つい先ごろ報じられた "群馬大学病院" における <術後8人死亡の"腹腔鏡"肝臓切除手術問題> は、決して "がん手術" を他人事として済ますことができなくなっている多くの国民を、言い知れない不安に陥れた報道であった。
 しかも、その不安の源が、"医療技術" の拙さ云々のみならず、病院経営のあり方/倫理的姿勢への不信にも関係していそうなだけに、事態は深刻さを増している。


 ◆ 参照 当誌過去の "群馬大学病院" 関連記事

 (1) 術後8人死亡の"腹腔鏡"肝臓切除手術問題!保険手術と偽った診療報酬不正請求疑いも!/当誌 2014.11.18
 (2) "腹腔鏡"を使う肝臓切除手術!術後3か月以内に8人死亡!高難度肝切除、同一医師執刀/当誌 2014.11.16


 今回注目する下記引用サイト記事群大病院、十二指腸手術後に患者死亡...第一外科/yomiDr. ヨミドクター/2014.11.19 は、そうした問題の渦中にある "群馬大学病院" で "別件の手術" において、"医療過誤" に基づく "術後死亡" が発生していたことを伝えている。

 <群馬大病院の第一外科で、群馬県内の50歳代男性が受けた十二指腸の手術で医療過誤があり、手術の約11か月後に男性が死亡していたことがわかった。  18日夜に記者会見した野島美久院長らによると、男性は昨年4月、膵臓(すいぞう)に接する部分にできた十二指腸腫瘍を取り除く手術を受けた。腹腔鏡で観察しながら器具で十二指腸を持ち上げ、その後、開腹手術に切り替えて腫瘍を摘出したが、男性は手術後に肝障害を起こし、今年2月に肝不全で亡くなった。  同病院が昨年10月に設置した調査委員会では、開腹手術に切り替えた際、誤って胆管を傷付けたため、肝障害が起きた可能性があると判断。保険適用外で難易度の高い手術方法についても事前のインフォームド・コンセント(説明と同意)が不十分だったと認め、同病院は今年3月に遺族に謝罪した。> とある。

 しばらく話題として遠のいていた "鳥インフル" に関する一報が届いている。しかも、今回はその場所が "東京都内" だということでの緊張感が漂っている。

 ◆ 参照 当誌過去の "鳥インフル" 関連記事
  熊本で"H5型鳥インフルエンザウイルス"検出! 韓国で流行した"高病原性"ウイルスか?!/当誌 2014.04.14


 今回注目する下記引用サイト記事東京都内で鳥インフル陽性 野鳥の死骸、詳細検査へ/【共同通信】/2014.11.17 - 22:56 は、詳細な確定検査前の情報ではあるのだが、<東京都江東区> で、<野鳥のホシハジロ1羽> の死骸が発見され、<遺伝子検査で鳥インフルエンザの陽性反応> が出たとの第一報を報じている。

 <環境省は17日、東京都江東区で13日に野鳥のホシハジロ1羽が死んでいるのが見つかり、遺伝子検査で鳥インフルエンザの陽性反応が出たと発表した。強毒性かどうか調べるため、18日から確定検査を実施する。/  検査結果が判明するまでには数日から1週間程度かかる見込み。環境省は、ホシハジロの死骸が見つかった地点から半径10キロ圏内で野鳥の監視を強化する。/  鳥インフルエンザ(2014年4月14日)A型インフルエンザウイルスによる鳥の病気。家畜伝染病予防法では高病原性と低病原性に分けて指定し、高病原性に感染すると多くが死ぬ。国内では2010年秋から11年春に大流行した。肉や鶏卵を食べることによる感染は国内では確認されていないが、海外では生鳥の市場などで日常的に濃厚接触し感染したとする報告もある。世界保健機関(WHO)は、鳥インフルエンザに感染した人や豚の体内でウイルスの遺伝子が変異し、新型インフルエンザが発生する事態を警戒している。> とある。

 つい先日の術後3か月以内で8人の死亡患者が出た "腹腔鏡" 肝臓切除手術問題! は驚きと不安を誘う報道であった。

 何よりも厳密な調査によって事態の "医療的対応" の推移が明らかにされることが望まれていたはずである。

 ところが、"この問題" には、"医療的対応" の推移以前に "由々しき不正問題" が絡んでいるとの報道がなされた。

 ◆ 参照 当誌過去の "腹腔鏡" 関連記事

  "腹腔鏡"を使う肝臓切除手術!術後3か月以内に8人死亡!高難度肝切除、同一医師執刀/当誌 2014.11.16


 今回注目する下記引用サイト記事群馬大病院死亡...腹腔鏡 保険手術と偽る、診療報酬不正請求か/yomiDr. ヨミドクター/2014.11.17 は、"術後8人死亡の手術問題" が、"医療的対応" 上での問題解明以前に、"医療保険制度" に関わる "由々しき不正問題" を孕んでいるとする疑惑について報じている。

 <群馬大学病院(前橋市)で腹腔鏡(ふくくうきょう)を使う高難度の肝臓手術を受けた患者8人が死亡した問題で、病院側が保険適用外の手術を保険がきく手術として診療報酬を不正請求していた疑いのあることが、遺族らの証言などでわかった。  病院では、8人を含む保険適用外の56人の事例について調査を進めており、不正に受け取っていたと判明すれば健康保険組合などの保険者に返還するとみられる。  腹腔鏡を使う肝臓の切除手術は、比較的実施しやすい「部分切除」などについては2010年4月から保険適用されている。しかし、難易度の高い「区域切除」などの手術の場合は保険適用が認められていない。  14日開かれた記者会見で群馬大病院は、死亡した患者に行った手術がすべて保険適用外の難しい手術であることを認めた。保険適用外の手術は通常、費用は研究として病院持ちで行うか、自費診療として患者側が全額支払う形になる。  しかし、亡くなった8人のうち6人は、病院側がいずれも開腹手術や腹腔鏡による部分切除など、保険がきく手術を行ったことにして請求し、患者側も「保険の自己負担分だけを支払った」と証言している。  たとえば、保険診療で定められた腹腔鏡による部分切除の費用は約60万円で、患者が支払う自己負担は通常の3割なら約18万円になる。  遺族の多くは、保険診療なのかどうかの説明を事前に執刀医から受けていなかった。ある遺族は気になって尋ねたが、「保険で大丈夫ですよ」と言われたという。  今回のケースで不正請求があったかどうかについて、群馬大病院は読売新聞の取材に対し、「そういうケースもありうる」としている。  肝臓手術に詳しい外科医は「保険適用外の腹腔鏡手術を行う場合、病院側が臨床研究として医療費を負担できるほど研究費はなく、自費診療として患者に全額負担をお願いすると手術を受けてもらえない。こうしたことを背景に、群馬大も、実施件数を増やすために不正に保険請求したのではないか」と指摘している。(2014年11月17日 読売新聞)> とある。

 細胞には、"通常細胞" と、これらを増殖的に生み出す "幹細胞" とがある。 そして、この事実は、"正常細胞" と "がん細胞" に共通しており、"がん" にも "一般のがん細胞" があるとともに、これらを増殖的に生み出す "がん幹細胞" とがあることになる。
 なお、昨今の "がん治療" にあっては、再発や転移のない "根治" を目指す観点から、 "がん幹細胞" に焦点を合わせる研究が散見される。


 ◆ 参照 当誌過去の "がん,幹細胞" 関連記事

 (1) がん幹細胞は一種類だけではない!~マウスiPS細胞により世界で初めて証明~(岡山大)/当誌 2014.07.19
 (2) "iPS技術"で"がんの親玉:がん幹細胞"を作製(神戸大)!根源を叩く治療法開発等に貢献!/当誌 2014.07.11
 (3) 術後長期間を経て"再発・転移"する乳がんのメカニズムを解明!(国がん) 新治療法へ!?/当誌 2014.07.05


 今回注目する下記引用サイト記事幹細胞でがんを退治/47 NEWS 医療新世紀/2014.11.11 は、 "幹細胞" の特殊な働きに留意した上での <がん細胞を退治する幹細胞を開発したという研究結果> を報じている。

 <がん細胞を退治する幹細胞を開発したという研究結果を米ハーバード幹細胞研究所などのチームが米科学誌に発表した。  チームは、正常な細胞には働かず、がん細胞にだけ働く毒素に着目。遺伝子工学の技術を使い、人の神経幹細胞に毒素への耐性と毒素を放出する機能を持たせた。  マウスを使った実験で、脳腫瘍の大部分を除去した後、体内で分解するゲルに包んで、この幹細胞を入れたところ、毒素でがん細胞が死滅し、マウスの生存率が改善したという。  チームはさらに効果を上げる方法を研究して人への応用を目指す計画で、5年以内には臨床研究を始めたいとしている。> とある。

 各種医療技術の進展により、従来からの "開腹手術" が、患者への負担軽減との理由から "腹腔鏡手術" へと移行し、また "手術操作" が支援されたり、自動化されたりといった安全・便宜まで図られているとのことである。

 ◆ 参照 当誌過去の "腹腔鏡" 関連記事

 (1) 手術中の手ぶれ抑えます!手術支援ロボット「アイアームス」開発(信州大/デンソー)!/当誌 2014.09.27
 (2) 内視鏡ロボット手術 (腎細胞がん部分切除手術/神戸大病院)!国の先進医療に8月承認!/当誌 2014.09.05


 今回注目する下記引用サイト記事>腹腔鏡手術後8人死亡...高難度の肝切除、同一医師が執刀/yomiDr. ヨミドクター/2014.11.14> は、そうした "腹腔鏡" を使う "肝臓切除手術" でも "高度な技術が必要とされる「区域切除」" の患者8人が、その手術後約3か月以内に、肝不全などで亡くなったという事実を報じている。

 <群馬大学病院(前橋市)で2011~14年、腹腔鏡(ふくくうきょう)を使う高難度の肝臓手術を受けた患者約100人のうち、少なくとも8人が死亡し、病院が院内調査委員会を設置して調べていることがわかった。  8人を執刀したのはいずれも同じ医師。同病院ではこれらの手術は事前に院内の倫理審査を受ける必要があるとしているが、担当の外科は申請していなかった。  病院関係者によると、手術が行われたのは第二外科(消化器外科)。死亡した8人は60代~80代の男女で、肝臓がんなどの治療として腹腔鏡を使う肝臓切除手術を受けた。手術と死亡の因果関係は現時点では不明だが、8人は術後に容体が悪化し、約3か月以内に肝不全などで亡くなった。  事態を重く見た病院側は現在、同科肝胆膵(すい)(肝臓、胆道、膵臓)グループの全手術を停止している。/  腹腔鏡を使う肝臓切除手術は、比較的実施しやすい「部分切除」などに限り、10年4月に保険適用された。しかし、高度な技術が必要な「区域切除」などは有効性や安全性が十分に確認されていないとみなされ保険適用外だ。  同外科ではこうした保険適用外の手術を多く手がけており、8人が受けたのも同様の手術だったとみられている。これらの手術は、病院の倫理審査委員会に臨床研究として申請しなければならなかったが、第二外科は行っていなかった/  今年4月には千葉県がんセンターで、膵臓などの腹腔鏡手術を受けた患者が相次ぎ死亡していたことが明らかになり、10月時点で計11人の死亡患者について調べている。  群馬大病院は、725の病床を持つ北関東の医療拠点。重粒子線治療など最先端の医療も導入している。/  消化器がんに詳しいがん研有明病院の山口俊晴・消化器センター長の話「一般的には腹腔鏡による肝切除を受けた患者が短期間で死亡することは非常にまれだ8人が亡くなるのはきわめて多いといえる。調査委員会は原因を究明し、再発防止に努めるべきだ(2014年11月14日 読売新聞)> とある。

 "大腸がん" の手術法/治療法として長らく "当然視" されてきた "人工肛門" は、昨今ではあたかも "第二義的な選択肢" と見なされつつあるのかもしれない。
 <"人工肛門"避け、手術しても"肛門機能"を残す新手法登場!> のお陰である。


 ◆ 参照 当誌過去の "人工肛門" 関連記事

 (1) "人工肛門"回避の可能性拡大!"直腸がん"に究極の手術"ISR"!肛門括約筋を一部温存!/当誌 2014.10.21
 (2) 直腸がん:"人工肛門"避け、手術しても"肛門機能"を残す新手法登場!高くない再発率!/当誌 2013.11.04


 今回注目する下記引用サイト記事大腸がん、肛門残す手術法 2年後の排便「とても良い」3割 自分で排泄、満足感/朝日新聞/2014.11.11 - 05:00 は、次第に一般化しつつある "肛門を残す試み" である "新しい方法" について、体験患者の感想や、多くの体験者たちの評価を交えて実情を紹介している。

 <大腸がんの手術で、新しい方法が広がりつつある。肛門(こうもん)近くのがんは、これまで人工肛門が選択されてきたが、筋肉の一部を切り取って肛門を残す試みだ。ただ、排便機能が落ちる場合もあり、手術後の生活への影響を考えて選ぶ必要がある。/  千葉県柏市の女性(36)は2012年4月、ひどい貧血と腹痛で県内の病院を受診した。夏に大腸がんの一種の直腸がんと診断された。直腸の筋肉に及ぶ進行がんで、肛門から4センチの位置にあった。  がんが肛門から約5センチ以内にあった場合、手術で直腸と肛門を一緒に切り取るのが一般的。術後は腸の一部を脇腹から出して人工肛門をつくり、小さな袋を常時つけてそこに排泄(はいせつ)する。  女性は、医師から「肛門を残せる手術がある」と言われ、柏市内にある国立がん研究センター東病院を紹介された。3カ月の抗がん剤治療の後、括約筋間直腸切除術(ISR)という手術を受けた。  肛門には便がもれないようにしている括約筋がある。腸に近い内側にある「内肛門括約筋」は自分の意思でコントロールできないが、外側の「外肛門括約筋」はできる。  新しい手術法では、内外の二つの括約筋の間にメスを入れ、外肛門括約筋を残してがんを切り取る腸の状態が落ち着くまで手術から数カ月ほど人工肛門にする必要があるが、再手術で閉じれば、残った括約筋を使って自分の肛門から排泄できる内肛門括約筋を切り取る範囲はがんの位置や深さなどによって違い、この手術法ができないことがある  女性も人工肛門を約半年間経験した後、再手術を受けて再び自分の肛門で排泄できるようになった。「肛門を残せてよかった」  この手術法は、日本では2000年ごろから実施され始めた。直腸や肛門は骨盤の奥にあり、手術の際に見えづらい。神経を傷つけずに外肛門括約筋を残しながらがんを取り切るには、高い技術が求められる。  東病院では、がんの再発率が肛門ごと摘出した場合とほとんど変わらなかったという。伊藤雅昭・大腸外科医長は「自分の肛門から排泄を望む患者の満足感につながる」と話す。/  ■ 便漏れ起きる場合も  肛門を残す手術法でも、排便機能は術前とまったく同じとはいかない。筋肉や直腸が減った分、便漏れは起きやすくなってしまう。便をためておけずに、排便の回数が極端に増えることがある。排便障害に困って、再び人工肛門をつくる人もいる。  東病院など全国7施設では、2005~08年にこの手術を受けた110人を対象に経過を調べた。便漏れの頻度や便漏れ用パッドの使用頻度などから排便機能を評価する指標でみると、「とても良い」と判定された患者の割合は、人工肛門を閉じる手術の3カ月後では14%だったが、2年後には30%に増えていた。一方、「とても悪い」とされた患者は3カ月後の時点で24%おり、2年後でも7%いたという (福宮智代)> とある。

 "iPS細胞の医療応用" としての挑戦例が、本来の "再生医療" の分野での応用に加えて増え続けている。

 ◆ 参照 当誌過去の "iPS細胞" 関連記事

 (1) iPS細胞で作った心筋細胞をターゲットとして、心筋症悪化の体内物質を特定!(慶応大)/当誌 2014.11.13
 (2) iPS細胞から"胃の粘膜組織"作製に成功!この組織を使った試験管内の実験観察に期待!/当誌 2014.11.02
 (3) iPS細胞の医療応用"二つの流れ"!(1)"再生医療"分野、(2)難病向け治療薬研究"創薬"!/当誌 2014.09.21


 今回注目する下記引用サイト記事早老症患者からiPS作製 新薬や再生医療に活用へ/【共同通信】/2014.11.13 - 04:00 は、<若くして急激に老化が進んでしまう早老症「ウェルナー症候群」の患者の細胞から、人工多能性幹細胞(iPS細胞)を作ることに広島大や千葉大、東京女子医大のチームが成功> したと報じている。

 <若くして急激に老化が進んでしまう早老症「ウェルナー症候群」の患者の細胞から、人工多能性幹細胞(iPS細胞)を作ることに広島大や千葉大、東京女子医大のチームが成功し、12日付の米オンライン科学誌プロスワンに発表した。/  同症候群は遺伝性疾患で、糖尿病やがん、動脈硬化、骨粗しょう症などを合併することがある。  今回作ったiPS細胞は、合併症の患部の細胞に体外で変化させ、さまざまな化合物の効き目を確かめ新薬を開発したり、正常な遺伝子の細胞に変化させ移植する再生医療研究に活用したりできるという。> とある。

 "iPS細胞の医療応用" には、本来の "再生医療" の分野での応用に加えて、"『創薬』" など向けの研究の場というような重要な分野があることが注目され始めている。

 ◆ 参照 当誌過去の "iPS細胞の医療応用" 関連記事

 (1) iPS細胞から"胃の粘膜組織"作製に成功!この組織を使った試験管内の実験観察に期待!/当誌 2014.11.02
 (2) iPS細胞の医療応用"二つの流れ"!(1)"再生医療"分野、(2)難病向け治療薬研究"創薬"!/当誌 2014.09.21


 今回注目する下記引用サイト記事iPSで心筋症悪化の物質特定 慶応大福田教授ら米誌に発表/【共同通信】/2014.11.12 - 02:00 は、"患者のiPS細胞" で心筋細胞を作り、それを対象として<病気を悪化させる体内物質を突き止めた> との研究成果を報じている。
 研究の一環としての実験ができる場を、患者から採取して作り出した "iPS細胞" を介した環境で実施するといったアプローチが、ここでも定着しているかたちだ。


 <心臓の壁が厚くなり、全身に血液を送り出しにくくなる肥大型心筋症の患者の人工多能性幹細胞(iPS細胞)から心筋細胞を作り、病気を悪化させる体内物質を突き止めたと、慶応大医学部の福田恵一教授、湯浅慎介専任講師らが12日、米心臓協会誌に発表した。  既存の薬が状態を改善する可能性があることも分かったとしている。  健康な人の心筋細胞の内部では、筋原線維という糸状のタンパク質が整然と並んでいるが、患者の心筋細胞では並びが乱れていた。エンドセリン1という物質を加えると乱れがひどくなったが、細胞がこの物質を受け取れないようにする薬を与えると、異常が治った。> とある。

 "認知症" のおよそ半数を占めるとされる "アルツハイマー病" は、その発症メカニズムが未だ全容解明には至っておらず、根治治療法は叶っていない。
 そのため、治療の主眼は "いかに発症程度を抑制し、症状進行を遅らせるか......" にあるとされている。したがって、その兆候をいかに早期に発見するかが重要! となる。


 ◆ 参照 当誌過去の "アルツハイマー病,発見,予見" 関連記事

 (1) アルツハイマー病早期発見/治療に繋がるか?! アミロイドβ蓄積前の神経細胞異常発/当誌 2014.09.22
 (2) 嗅覚と目の検査でアルツハイマー病早期発見可か!?新しいバイオマーカーになり得るか!?/当誌 2014.07.16
 (3) 血液中タンパク質の組合せ特定で、"アルツハイマー"発症予見の検査法開発(英チーム)!/当誌 2014.07.10
 (4) "血液検査"でアルツハイマー予見、精度90%超!(米大学) 予防/早期治療に結びつくか?!/当誌 2014.03.11


 今回注目する下記引用サイト記事アルツハイマー病 血液で判定できる新技術/NHK NEWS WEB/2014.11.11 - 04:11 は、"血液が数滴あればできる" とされる "アルツハイマー病原因物質の蓄積判定" の検査技術の開発について報じている。
 <実用化されれば、健康診断の採血の際などに調べることも可能> だとされている。


 <血液を調べるだけでアルツハイマー病の原因となる物質が脳の中にたまっているかどうかを判定できる新たな技術を、国立長寿医療研究センターなどのグループが開発し、病気の早期発見につながると期待されています。/  この技術は、愛知県大府市にある国立長寿医療研究センターとノーベル賞を受賞した島津製作所の田中耕一さんのグループが共同で開発しました。  アルツハイマー病の患者は、発症の10年以上前から脳の中にアミロイドベータと呼ばれる物質がたまり始めることが分かっていますが、検査にはPETと呼ばれる画像診断装置や特殊な試薬などが必要で、簡単にはできませんでした。  今回、研究グループでは、アミロイドベータがたまった高齢者と健康な高齢者合わせて60人以上から血液を採取し、アミロイドベータがたまった人の血液では「APP669-711」と呼ばれるたんぱく質の量が僅かに変化していることを突き止めました。  この検査は、血液が数滴あればできるということで、実用化されれば、健康診断の採血の際などに調べることも可能になるということです。  国立長寿医療研究センター認知症先進医療開発センターの柳澤勝彦センター長は「発症前の患者が簡単に分かるようになれば、そうした患者を対象にした治療法の研究も進む。アルツハイマー病の予防薬の開発にも役立つはずだ」と話しています。> とある。

 "記憶" のメカニズム解明に関する研究は、"認知症" の治療と予防という喫緊の課題からの要請もあいまって、いろいろな角度からアプローチされている。

 ◆ 参照 当誌過去の "記憶,認知症" 関連記事

 (1) "認知症"が、"既存薬(シロスタゾール/インスリン)"でくい止められた!(NHKスペシャル)/当誌 2014.07.22
 (2) アルツハイマー病治療にもヒント?!インスリン受容体がシナプスまで運ばれて学習成立?!/当誌 2014.07.21
 (3) "カフェインは学習後に記憶力向上!"(米研究) 脳内海馬の"パターン分離"過程に関係?!/当誌 2014.03.27


 今回注目する下記引用サイト記事記憶形成・維持の物質特定 名古屋大「認知症診断に活用も」/日本経済新聞/2014.11.09 - 00:25 は、<脳の海馬にある「ガーディン」と呼ばれるタンパク質がリンと結合することで、記憶が形成、維持されていること> を確認したとの研究成果を報じている。
 ここでもまた、<認知症の新薬開発や新たな診断方法に活用できる可能性> が期待されている、とのことだ。


 <名古屋大大学院の山田清文教授(医療薬学)らの研究グループは8日までに、マウスを使った実験で、脳の海馬にある「ガーディン」と呼ばれるタンパク質がリンと結合することで、記憶が形成、維持されていることを確認し、米科学誌の電子版に発表した。「認知症の新薬開発や新たな診断方法に活用できる可能性がある」と話している。/  研究グループによると、海馬の細胞中にはガーディンのほか、BDNFやNMDA受容体などのタンパク質が存在。そのタンパク質の間を電気信号が伝わることで記憶が形成、維持されている。  グループはさまざまなタンパク質の中でも、細胞中のリンと結合し、活性化したガーディンが電気信号を仲介していると推測。通常のマウスと、遺伝子操作でリンと結合するガーディンを持たないマウスとを比較する実験を行った。  それぞれのマウスを床に電気が流れるケースに入れ、刺激を与えた上で、24時間後に同じケースに入れると、電気を流していなくても、通常のマウスはおびえた様子で動かなかったが、変異させたマウスは床の上を動き回り、電気刺激の記憶が低下しているように見られたという。〔共同〕> とある。

 日本国内でも感染が疑われるケースが相次いでいるエボラ出血熱。 その "水際対応" のあり方、とともに目が離せないのが "感染拡大状況" の実態だ。

 ◆ 参照 当誌過去の "エボラ出血熱" 関連記事
 (1) "エボラ熱疑い"の患者が国内で見つかったのは、10月末以来、計3人!"水際対応"の実際/当誌 2014.11.09
 (2) エボラ熱の大規模感染「人道の危機」として捉えるべき! ウイルス発見の博士に聞く!/当誌 2014.11.01
 (3) エボラウイルス検出されず!リベリア滞在で発熱の男性 引続き3日程度入院で経過観察!/当誌 2014.10.29
 (4) "エボラ出血熱"感染者数の試算:第二弾!膨れ上がって55万~140万人に達する可能性!/当誌 2014.09.25


 今回注目する下記引用サイト記事エボラ熱死者4960人 WHO、深刻な状況続く/【共同通信】/2014.11.08 - 05:03 は、一時、減少も伝えられた数字的状況であったが、<前回は集計方法を見直したため感染者、死者ともに下方修正されたが、再び上昇に転じた> という厳しい実情!が報じられている。

 <世界保健機関(WHO)は7日、西アフリカを中心に流行するエボラ出血熱の感染者(疑い例を含む)が4日までに8カ国で1万3268人に達し、うち4960人が死亡したとの集計を発表した。  リベリア、シエラレオネ、ギニアの3カ国では依然として深刻な状況が続いている。  5日発表の前回集計より感染者が226人、死者が142人増えた前回は集計方法を見直したため感染者、死者ともに下方修正されたが、再び上昇に転じた。  WHOは、感染が深刻な3カ国の状況について「大規模で厳密な感染封じ込めが求められている」と指摘した。> とある。

 予断を許さない "エボラ出血熱" の国際的感染状況にあって、"エボラ熱感染疑い" の患者は各国で発見され、警戒されている。

 ◆ 参照 当誌過去の "エボラ出血熱" 関連記事

 (1) エボラ熱の大規模感染「人道の危機」として捉えるべき! ウイルス発見の博士に聞く!/当誌 2014.11.01
 (2) エボラウイルス検出されず!リベリア滞在で発熱の男性 引続き3日程度入院で経過観察!/当誌 2014.10.29


 今回注目する下記引用サイト記事東京の男性はエボラ熱陰性 ギニア人女性も検査/【共同通信】/2014.11.08 - 06:24 は、日本国内でも、"エボラ熱感染疑い" の患者(10月末以来、計3人!)が発見され、それぞれの状況に応じて対応されていることを伝えている。

 <厚生労働省は8日、エボラ出血熱が流行している西アフリカのリベリアに滞在歴があり、帰国後に発熱があった東京都の60代の男性は、国立感染症研究所の血液検査でエボラウイルスが検出されず、陰性と判定されたと発表した。  関西空港に7日到着したギニア国籍の20代女性にも発熱が確認されており、検査を進める。  厚労省によると、2人とも現地でエボラ熱患者と接触していないという。男性は搬送先の特定感染症指定医療機関「国立国際医療研究センター」(東京都新宿区)で咽頭炎ギニア人女性は「りんくう総合医療センター」(大阪府泉佐野市)で熱帯熱マラリアと診断されていた。> とある。

 "精神疾患" の診療/治療は種々の点で難しさがあるとされている。(<精神疾患は検査などによる客観的な診断が難しく、医師により診断に違いが出たり、患者や家族に具体的な検査数値を示して説明しにくかったりすることがある。>)

 ◆ 参照 当誌過去の "" 関連記事
  <統合失調症は、およそ100人に1人弱がかかる頻度の高い病気です。
 統合失調症は、幻覚や妄想という症状が特徴的な精神疾患です。それに伴って、人々と交流しながら家庭や社会で生活を営む機能が障害を受け(生活の障害)、「感覚・思考・行動が病気のために歪んでいる」ことを自分で振り返って考えることが難しくなりやすい(病識の障害)、という特徴を併せもっています。
> ( "統合失調症"発症の鍵を握るとみられる体内物質が発見される!"ケモカイン"低下減少!/当誌 2013.11.05


 今回注目する下記引用サイト記事目の動きで統合失調症判別 大阪大、早期発見に/【共同通信】/2014.11.07 - 05:15 は、このような "精神疾患" の診療/治療の困難さに一石を投じるかたちとなった研究成果について報じている。

 <物を見る目の動きから、統合失調症かどうかを判別できることを大阪大と京都大のチームが7日までに発見した。チームの橋本亮太大阪大准教授(精神医学)は「早期診断法の開発につながる」としている。成果は国際的な精神医学誌電子版に掲載された。  チームによると、精神疾患は検査などによる客観的な診断が難しく、医師により診断に違いが出たり、患者や家族に具体的な検査数値を示して説明しにくかったりすることがある。  チームは統合失調症患者の目の動きに着目。画像や動画を自由に見てもらった場合、健常者に比べ、視線の動きが極端に少ないことが分かった> とある。

 "パーキンソン病" が "運動機能の悪化" を主症状とする疾患であることはよく知られてきたが、"認知機能" の障害、さらに言えば "認知症発症" との関係については、今ひとつ未解明であったようだ。

 今回注目する下記引用サイト記事東北大、パーキンソン病の悪化に関連する脳部位を特定/マイナビニュース/2014.11.04 は、"パーキンソン病" における "悪化部位" の状態変化から、その後の "運動障害" に加えた "認知障害"、"認知症発症" をも予測可能となる、と報じている。

 <東北大学は10月31日、パーキンソン病悪化に関連する因子(予後予測因子)の発見に成功したと発表した。/  パーキンソン病運動機能の悪化を主症状とする疾患で、長期の経過中に約8割の患者が認知症になることが知られている。しかし、現時点では病初期の段階で後の認知症の発症を予測することはできていなかった/  同研究では、53名の認知症のないパーキンソン病患者を対象に、3年の間隔を開けて2回の検査を施行し、初回の検査成績とその後3年間の検査成績の変化との関係について調査を実施。患者を以下の5つのグループに分け、運動機能、認知機能(記憶、視知覚、遂行機能)、局所ブドウ糖脳代謝の結果を比較した/  以上の結果から、記憶および視知覚に障害を認めるパーキンソン病患者は、認知機能はもちろん運動障害も急速に進行する可能性が示唆された。記憶および視知覚に障害を認めるパーキンソン病患者においては、これまで考えられていたよりも早い段階で大脳新皮質(側頭・頭頂・後頭葉)に神経変性が起こり、これが病状を急速に悪化させる要因になっていると考えられるという。  今回パーキンソン病の悪化要因が明らかになったことによって、予後予測や認知機能障害に対する早期介入に繋がることが期待される> とある。

 これまで "熱帯" 特有の感染症と見られてきた "デング熱" であったが、日本でも今年8月に感染者が確認され、世間をセンセーショナルに騒がせた。

 ◆ 参照 当誌過去の "デング熱" 関連記事

 (1) "デングウイルスを媒介しない蚊"1万匹放出(ブラジル)!抜本的なデング熱感染予防策!/当誌 2014.09.30
 (2) "デング熱"感染者が服用してはいけない"解熱剤"!血小板の値が大幅に低下して重症化!/当誌 2014.09.17
 (3) 代々木公園デング熱! 要するに海外での感染者から拡大か!? 事態はどう収束するのか?/当誌 2014.09.08


 今回注目する下記引用サイト記事デング熱ワクチンが効果と発表 仏の製薬会社、来年にも実用化/【共同通信】/2014.11.04 - 11:08 は、これまでに無かった "デング熱ワクチン" が、"仏の製薬会社" による臨床試験の結果、"来年にも実用化!" の運びとなる、と報じている。

 <フランスの製薬会社サノフィは3日、デング熱に対する世界初のワクチンの効果臨床試験で確認されたと発表した。来年後半にも実用化するとしている。  臨床試験は感染が広がっているアジアと中南米の10カ国で、約3万1千人を対象に実施。重症化して入院するリスクが80・3%減少したという。  サノフィは過去20年間デング熱のワクチン開発に取り組んできた。  デング熱はもともと熱帯に多い感染症だったが、日本でもことし8月に約70年ぶりに国内で感染した患者が確認されるなど感染地域が拡大している。有効な抗ウイルス薬やワクチンはなく対症療法が基本とされてきた。> とある。

 "iPS細胞の医療応用" には、"再生医療" に加えて、次のような "『創薬』" という重要な分野があることは、既に良く知られている。

 <iPS細胞の医療応用は大きく二つの流れがある。  一つは再生医療iPS細胞からつくった細胞や組織を患者に移植し、病気やけがで失った機能の回復を目指す。iPS細胞を使った臨床研究は目の難病ですでに始まり、理化学研究所の高橋政代プロジェクトリーダーらは12日に世界初の手術を実施し、注目を集めた。/  もう一つが今回のような難病の治療薬の研究だ。筋萎縮性側索硬化症(ALS)、筋ジストロフィー、アルツハイマー病など様々な病気でも同様の取り組みが進む。「再生医療は順調にいろんな先生が進めているが、やはり『創薬』をもっと強力に推進したい」。京都大iPS細胞研究所の山中伸弥所長は昨年末の朝日新聞のインタビューでこう話し、iPS細胞技術の普及に力を入れる意向を示していた。> ( iPS細胞の医療応用"二つの流れ"!(1)"再生医療"分野、(2)難病向け治療薬研究"創薬"!/当誌 2014.09.21

 ◆ 参照 当誌過去の "iPS細胞" 関連記事

  iPS細胞から"胃の粘膜組織"作製に成功!この組織を使った試験管内の実験観察に期待!/当誌 2014.11.02


 今回注目する下記引用サイト記事iPS創薬、海外勢追い上げ激しく 日本は大丈夫? 編集委員 安藤淳/日本経済新聞/2014.11.03 - 07:00 は、その "『創薬』" という分野における、"海外勢!" の目覚ましい展開ぶりに注目し、報じている。

 <カナダ屈指の神経系疾患専門機関、マクギル大学・モントリオール神経科学研究所・病院(MNI)は米欧の研究機関や製薬企業と組み、iPS細胞を使う大規模な創薬研究を始めた。パーキンソン病やALS(筋萎縮性側索硬化症)の治療薬開発を目指す。  英オックスフォード大学付属オックスフォード・パーキンソン病センターや米国のファイザー、メルク、スイスのノバルティスが参加する。「MNIオープン・アクセス・プラットフォーム」を結成済みで、細胞や解析データ、知識を出し合い創薬の基盤研究をする。  成果に関する特許は出願せず、誰もが自由に使えるようにする決まりだ。「初期の段階から特許を主張すれば、素早い開発の妨げになる」とMNIのプポン戦略的提携推進部長は狙いを説明する。参加企業は他社よりも先に、先端的な研究の動きやデータを把握できる利点がある。......> とある。

 これまで "肝臓がん/肝細胞がん" は、<有効な抗がん剤が存在しておらず、がん死亡原因第3位> となり続けている。それだけに、新しい治療法開発に対して少なからぬ期待が寄せられている。

 ◆ 参照 当誌過去の "肝臓がん治療法" 関連記事

  "タンパク質AIM"が、肝臓がんを除去され易くする(東大)!肝臓癌治療法の開発に期待!/当誌 2014.10.12


 今回注目する下記引用サイト記事愛媛大学など、肝がん治療の支援新技術/日本経済新聞/2014.11.02 は、<肝がんの治療法として、2004年に保険適用が認められた「ラジオ波治療」を支援するシステム> として、<3本の針と臓器を3次元表示するシステム> が開発されたことを報じている。"より効果的な治療" を可能にするものと期待されている。

 <愛媛大学は日立メディコ傘下の医療機器メーカー、日立アロカメディカルと共同で、肝臓に電極の入った針を刺し、熱で腫瘍を焼く肝がんの治療を支援する新技術を開発した。様々な角度から針の刺す位置をモニターで確認できるシステムで、医師が作業しやすくなる。同社が医療機関向けに2、3年後の製品化を目指す。  愛媛大医学部付属病院の広岡昌史講師らの研究チームが開発した。肝がんの治療法として、2004年に保険適用が認められた「ラジオ波治療」を支援するシステムだ。/  同治療は直径3センチメートルほどの腫瘍だと、周辺に3本の針を刺し、高周波の電流を流してがん細胞を死滅させる。この3本の針の位置関係が、正三角形に近いと1回の治療で終えることができる。だが、針の位置がずれると複数回の治療が必要となっていた。  研究チームは3本の針と臓器を3次元表示するシステムを開発した。超音波で取得したデータと、診断時に撮影しておいたコンピューター断層撮影装置(CT)画像をセンサーによる位置情報を使って連動させる。超音波はリアルタイムの計測に優れているが、臓器を3次元表示するには境界線が不明瞭で使いにくいため、この手法を採用した。/  愛媛大の倫理委員会で今年1月に承認され、21人の患者に臨床研究として適用した。治療は1回で終わり、その後の経過も良好だという。今後は学会で発表し、研究者の意見を聞いていく。  針と臓器を3次元表示するソフトウエアについて、日立アロカメディカルが厚生労働省に販売許可の申請をする方針だ。国内では中規模以上の病院でラジオ波治療を採用しており、一定の需要はあるとみている。欧米でも広く使われている手法であり、海外にも売り込んでいく計画だ。  愛媛大では年間で150人前後にラジオ波治療をしている。同省の13年の人口動態統計によると、肝がんの人口10万人当たりの死亡率は、愛媛県は全国4位と高水準に位置している。こうした背景から肝がんの治療を効率化するために開発した。> とある。

 ヒトを含む哺乳類は失われた "心筋細胞" を元に戻す自己再生能力を持っていないため、心筋梗塞、拡張型心筋症など "心筋細胞" の大量に失われてしまう事態が大いに警戒されることとなる。

 と同時に、そうした "心筋細胞" の喪失に備える種々の治療法も研究されている。

 ◆ 参照 当誌過去の "心筋細胞" 関連記事

  <心臓の心筋以外の細胞五つの遺伝子を入れて、拍動する心筋細胞に変えることに、慶応大の家田真樹特任講師らが人で成功した。作製効率や安全性を高めて、心筋梗塞(こうそく)などでダメージを受けた心筋を補う治療法の開発につなげたいという/ 急性の心筋梗塞を起こしたマウスの心臓の中で、心筋以外の細胞を心筋細胞に変えることに成功/ 将来的に人でも、心筋梗塞などの患者の心臓に遺伝子をカテーテルで送りこみ、治療に使える可能性がある> ( iPS細胞を使わずに"心筋細胞"を作製!慶大成功!"心筋梗塞"治療に遺伝子治療から光!/当誌 2013.07.17


 今回注目する下記引用サイト記事心臓の再生医療、世界初=心不全患者に細胞シート-テルモが申請/時事ドットコム/2014.10.31 - 12:22 は、<心不全で弱った心臓に移植し、心臓の血液を送り出す機能を回復させる> という <細胞シート> の "製品化申請(テルモ)" について伝えている。

 <テルモは31日、心不全患者を対象にした心筋再生医療の実用化に向け、筋肉組織を培養した細胞シートの製造・販売承認を厚生労働省に申請したと発表した。自らの体の細胞を使うため、患者への体の負担が少ないことが特長。承認されれば世界初の心筋再生医療を実現する製品となる。/  テルモが申請したのは、患者の太もも部分から採った筋肉組織を同社の研究施設内で培養して作製する直径約5センチほどの細胞シート心不全で弱った心臓に細胞シートを移植すると、心臓の血液を送り出す機能を回復させる。細胞シートの作製には約1カ月かかるという。> とある。

 "iPS細胞" 技術は、一方では "再生医療" 分野で "臓器細胞移植" などの目覚ましい成果を上げているとともに、従来は、不可能であった "臓器に関する試験管内での実験環境" などを提供するといった画期的な役割をも果している。

 ◆ 参照 当誌過去の "iPS細胞" 関連記事

 (1) "iPS細胞"発の網膜細胞移植手術へ2例目準備着々と! 神戸、先端医療センター病院!/当誌 2014.10.31
 (2) iPS細胞の医療応用"二つの流れ"!(1)"再生医療"分野、(2)難病向け治療薬研究"創薬"!/当誌 2014.09.21
 (3) "iPS細胞"技術は"再生医療"分野での成果に加え、「創薬」研究においても手堅く展開!/当誌 2014.09.20


 今回注目する下記引用サイト記事iPS細胞から胃の粘膜の組織作製に成功/NHK NEWS WEB/2014.10.31 - 07:21 は、<iPS細胞から胃の粘膜の組織作製に成功> という成果が生まれたことを報じている。
 差し当たって、<試験管の中で、ピロリ菌に感染し、がんが発症していく様子を直接観察できれば、病気の解明や新たな治療法の開発に大きく役立つ> と期待されている。


 <体のさまざまな組織になるiPS細胞から、食べ物を消化する胃の粘膜の組織を作り出すことに、アメリカの研究グループが成功しました。  アメリカのシンシナティ大学などの研究グループは、ヒトのiPS細胞を特殊なゲル状の物質の中で4週間ほど培養し、直径2ミリから4ミリの細胞の塊を作り出しました。  そして、この内部を調べると、食べ物を消化する胃の粘膜に似た立体的な組織が出来ていて、ヒトの胃と同じような多数のひだ状の組織の中には胃液を分泌する胃腺があることも確認されたということです。/  また、この組織に胃がんの原因の1つとされる「ピロリ菌」を感染させると、初期の胃がんで見られるような細胞の増殖も確認されました。  研究グループは、この組織を使えば、ピロリ菌によって健康な胃からがんがどのように引き起こされるのかを解明したり、新たな抗がん剤の開発を進めたりすることが可能になるのではないかとしています。  iPS細胞の研究に詳しい慶応大学の岡野栄之教授は、「これまでは、ヒトでは病気になったあとの胃の組織しか見ることができなかった。試験管の中で、ピロリ菌に感染し、がんが発症していく様子を直接観察できれば、病気の解明や新たな治療法の開発に大きく役立つ」と話しています。> とある。

 他に多く発生しているグローバルな問題と同様に、今回の "エボラ出血熱の大規模感染" という事態についても、日本は他国と同様に国際社会の一員としての適切な対応が求められている。現状の感染拡大状況は予断を許さない状況であり、取り返しのつかない事態にもなりかねない......。

 ◆ 参照 当誌過去の "エボラ出血熱" 関連記事

 (1) エボラウイルス検出されず!リベリア滞在で発熱の男性 引続き3日程度入院で経過観察!/当誌 2014.10.29
 (2) エボラ出血熱への警戒が尚一層強まる!ニューヨークの医師(MSF)感染判明とその情勢!/当誌 2014.10.27

 今回注目する下記引用サイト記事エボラ熱「人道の危機」 ウイルス発見の博士に聞く/朝日新聞 - 江木慎吾/2014.10.31 - 08:22 は、"エボラウイルス発見者の一人" でもある "ロンドン大学衛生熱帯医学大学院学長のピーター・ピオット博士" が、日本に対して以下のように語った、と伝えている。

 強調された点は、<西アフリカの状況を人道危機ととらえ、日本が得意な支援を生かすべきだ> という点がひとつ。 また、"水際対策" よりも、<「ウイルスが入ってくる準備を医療機関が整えることが大事だ」> という点になりそうである。


 <エボラウイルス発見者の一人で、国連エイズ計画(UNAIDS)事務局長としてエイズ対策を主導したロンドン大学衛生熱帯医学大学院学長のピーター・ピオット博士(65)が30日、都内で講演した。講演の質疑や朝日新聞とのインタビューで、いまのエボラ熱の大規模感染は「日本の一般大衆にとって直接の脅威にはなってはいない」としつつ、西アフリカの状況を人道危機ととらえ、日本が得意な支援を生かすべきだと語った。/  ピオット氏は「ウイルスが入ってくる準備を医療機関が整えることが大事だ」とし、水際対策について「空港での体温検査は、教育や注意喚起はともかく、科学的にあまり効果はない」と話した。ニューヨーク州などが西アフリカで感染者と接触した医師らに3週間の隔離措置を導入したことについても、感染地に赴く医師らの熱意をくじくとして知事に撤回を申し入れたという。  国境封鎖などで感染地を孤立化させれば、支援を困難にし、感染克服を阻害すると指摘する。「経済活動は止まり、貧困は拡大し、国が普通の機能を失ってしまう。保健衛生の問題ではなく、もはや人道危機だ」と話した。保健予算をエボラ対策に振り向ければ、エイズ、結核やマラリアなどその他の病気で死者が増えるだけになると分析した。/  米英は災害支援に経験豊富な軍を現地に送り込み、感染者の収容施設づくりなどに力を注いでいる。「人道援助に豊富な経験を持つ日本も、この方面で支援できる」と話した。  エボラ出血熱は、1人の感染者からでも大規模感染につながる。「感染が減少に向かっていたギニアで1人の葬儀に集まった人たちから再び拡大したことがわかっている。最後の1人まで気が抜けない」としながら、各国の支援や、現地で死者の埋葬方法を見直す動きが出てリベリアでは感染拡大がにぶっているとした。「クリスマスまでにすべての地域で感染が減少に転ずる可能性がある」と楽観的な見方を示した。  エボラウイルスに接触する危険性は、感染して死亡した人の遺体が最も高い。ものに付着したウイルスは数時間程度しかもたない。「難しい問題は医療関係者らが防護服を脱ぐ時だ。国境なき医師団(MSF)では、脱衣を監督するようにしている」と話した。  エボラウイルスが変異して感染力が強まった可能性について「変異したという証拠は何もない」と否定した。「変わったのはウイルスではなく、人の対応だ」として、過去に例を見ない今回の大規模感染は初動の遅れに原因があるとした。  感染者が快復しても社会に受け入れられない状態が続いていると指摘した。免疫のついた快復者を、感染者のケアにあてることによって社会復帰をはかることを提案した。(江木慎吾)> とある。

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