2016年6月 アーカイブ

 "医療/介護" サイドからは、何がしかの言い分があるのかも知れない "身体拘束" という行為。 "被介護者" の数が増えこそすれ減ることが考えにくい現状、今後を考えると、危惧の念が深まらざるを得ない......。

 ◆ 参照 当誌過去の "身体拘束" 関連記事

 (1) 精神科で患者拘束1万人、10年で2倍に!「保護室」隔離患者も約3割増! 2013年度調査/当誌 2016.05.11

 (2) 介護施設"虐待"、過去最多300件、被害の7割認知症! 明日は我が身の"薄ら気味悪さ"!/当誌 2016.02.22

 (3) "認知症"の凄まじい現状!八方手を尽くした先、やむにやまれず精神科病院にたどり着く/当誌 2014.06.04


 今回注目する下記引用サイト記事高齢者の身体拘束は6割超 気力奪い、症状悪化も/共同通信/2016.06.28 - 18:02 は、  <全日本病院協会(東京)が、厚生労働省作成の高齢者に関する「身体拘束ゼロへの手引き」の達成状況を調査した結果、回答があった約680の病院や介護施設の6割超が、「体や手足をひもで縛る」など原則禁止として例示された11行為のいずれかを行うことがあるとしたことが28日、分かった。このうち「一般病棟」は9割超が「ある」と回答、「介護施設」は3~4割だった> と報じている。

 <......同協会の木下毅常任理事は「身体拘束を受けることで気力が失われ、症状が悪化する恐れもある施設の管理者が意識を高め、現場職員への指導を徹底する必要がある」と指摘した> とある。




















 子宮頸がんワクチン」の接種と症状との因果関係問題は、長期に渡って、いわば "判断保留状態(?!)" となったままだ。

 ◆ 参照 当誌過去の "子宮頸がん" 関連記事

 (1) 「子宮頸がんワクチン」副作用問題で、"17歳女子生徒"が医療関係の集会で思い語る!/当誌 2015.12.15

 (2) "子宮頸がんワクチン"接種後に痛みなどの訴え相次ぐ問題で"患者6人に初救済"!厚労省/当誌 2015.09.21


 今回注目する下記引用サイト記事ワクチン因果関係判断せず 名古屋市、子宮頸がん調査/共同通信/2016.06.27 - 17:29 は、  <子宮頸がんワクチンを接種後に全身の痛みやしびれが報告されている問題で、約7万人を対象に調査をしている名古屋市は27日までに、調査結果をまとめた。ワクチン接種と症状との因果関係の判断はせずデータのみの内容で、河村たかし市長は記者会見で「市の調査では限界がある。国の動きを見守りたい」と述べた> と報じている。

 <......市は昨年12月に速報値を公表、「接種者に有意に多い症状はなかった」との見解を示した。しかし市民団体などから異論があり、今回は評価を盛り込まなかった。市保健医療課は「結果の解析にはさまざまな意見があり、市が評価する立場にない」とした> とある。

 相変わらず、地域の "防災システム" のラウドスピーカーからは、地元住民に向けて、"行方が分からなくなった高齢者(徘徊)" に関する協力要請のアナウンスが、日々聞こえて来る。 その頻度は、一向に収まる気配がないようだ。

 ◆ 参照 当誌過去の "徘徊" 関連記事

 (1) <認知症の高齢者に、位置情報を知らせる送信機を持ってもらい、自宅周辺で行方が分からなくなった際、速やかに見つけられるシステムを大阪市立大などのチームが開発......> ( "認知症の行方不明者"を早期発見!位置情報発信の送信/受信システム開発(大阪市立大)/当誌 2015.10.21

 (2) 必見TV番組!"認知症800万人"時代 行方不明者1万人 ~知られざる徘徊の実態~(NHK)!/当誌 2014.05.11


 今回注目する下記引用サイト記事高齢者の服、帽子などにQRコード...読み取れば連絡先/yomiDr. ヨミドク/2016.06.23 は、  <栃木県那珂川町が今年度から、QRコードを利用した高齢者などの見守り事業を行っている。  異常を発見した人がコードを読み取って管理会社に連絡すると、会社が家族などに通知する。外出先での急病や認知症のため行方不明になった場合などに活用できると期待している> と報じている。

 <......町は独り暮らしの高齢者宅などに「緊急通報装置」を配備しており、自宅内の異変を通報できるようにしている。自宅外での異変の際に有効なツールとしてQRコードに着目し、このシステムを取り扱う情報通信会社「アイネット」(本社・福島県会津若松市)と提携した。  服などにQRコード入りのシールを貼り、スマートフォンなどで読み取ると個人情報の管理会社の連絡先が表示される仕組み。発見者が管理会社に連絡すると、事前登録された情報をもとに会社が家族などに通知する。  町は緊急通報装置を設置している約70人にシールを配布。さらに、独り暮らしで障害を持っている人、認知症状があると医師が診断した人などを対象にシールの申し込みを受け付けている。シール代や登録料は町が負担する。  町健康福祉課は「徘徊している人などを保護した人がこのシステムを知っていることが重要。対象者を募集するとともに、システムの周知に努めたい」としている。問い合わせは同課(0287・92・1119)> とある。

 子どもたちの医療現場にまで"貧困" の厳しい現実が滲み渡っている。 いい加減に、政府もメディア実態の黙殺"キレイ事ばかり"の吹聴を慎んだらどうか!

 ◆ 参照 "貧困 子ども" 関連記事

  <......3年ぶりに診察する小学3年の男児(9)の口内を見て、医師は「やはりそうなってしまったか」と思った。10本の乳歯が、すべて根だけになっていた。......「窓口で払うお金がなかった」と母親(36)は振り返る。男児の乳歯は抜くしかなかった。今あるのは永久歯が10本ほど。うち2本はむし歯だ......> ( (子どもと貧困)むし歯、乳歯10本が根だけに 母子家庭の9歳、通院できず/朝日新聞/2015.10.14


 今回注目する下記引用サイト記事歯が悪い児童の半数、受診せず 貧困背景、大阪・公立小で調査/共同通信/2016.06.23 - 17:02 は、  <大阪府の公立小の歯科検診で約2万4900人の児童が「受診が必要」とされたのに、半数以上がその後受診していなかったことが約190校への調査で分かったと、大阪府歯科保険医協会が23日明らかにした> と報じている。

 <......虫歯が十数本あったり歯がぼろぼろになったりしている「口腔崩壊」の児童は89校で確認された。同協会は「背景には貧困や生活習慣、ネグレクト(育児放棄)など、家庭の問題がうかがえる。まずは行政による医療費助成の拡充が必要だ」と指摘している。  昨年2月、府内の全公立小約千校にアンケートし、192校から回答があった> とある。

 "治療薬" によって "複数の患者が死亡するケース" が報じられる度に、みすみす "薬で死ぬ!" ということの理不尽さに思いが至るとともに、併せて、厚生労働省による "医薬品の承認" への疑念が立ち上がってくる。


 ◆ 参照 当誌過去の "治療薬 死亡" 関連記事

 (1) C型肝炎治療薬「ヴィキラックス」に複数の死亡を含む重い副作用!厚労省を善処指示!/当誌 2015.12.01

 (2) 皮膚がん治療薬"ニボルマブ"投与の患者が"重症筋無力症"で死亡!厚労省が注意指示!/当誌 2015.09.17


 今回注目する下記引用サイト記事統合失調症薬「ゼプリオン」使用後85人死亡...原因究明と全患者調査を要望/yomiDr. ヨミドク/2016.06.23 は、  <統合失調症治療薬ゼプリオン」の使用後に死亡した患者が、市販後2年余りで85人に上るとして、患者支援団体のNPO法人地域精神保健福祉機構は21日、厚生労働省に原因究明と使用中の全患者の追跡調査を求める要望書を提出した> と報じている。

 <......ゼプリオンは2013年11月発売の注射剤。4週に1度の使用で効果が続く。死亡報告が続いたため、厚労省は14年4月、販売元のヤンセンファーマ社に医療関係者への注意喚起を求めた。以後も突然死などの報告があり、医薬品医療機器総合機構(PMDA)に報告された死亡者数は今年2月までに計85人に上るが、ゼプリオンと死亡との因果関係は分かっていない。   記者会見した地域精神保健福祉機構の島田豊彰専務理事は「同じ成分や類似成分の別の薬よりも、ゼプリオンの死亡報告は明らかに多い。厚労省は販売会社に詳細な調査を求め、原因を早急に明らかにしてほしい」と訴えた> とある。

 

 がん治療法には、"三大療法"(除去手術/抗がん剤/放射線)と、加えて "第4のがん治療法" とも評される "がん免疫療法" とがある。それぞれは、個々の症状、ケースに応じて採用されている。 そして、もっとも長く実施されて来たのが "除去手術法" であり、これについては、いろいろな評価があるようだ。


 今回注目する下記引用サイト記事「切るしかない」にダマされるな! がんでも受けてはいけない手術 手術至上主義はおかしい/週刊現代 - 現代ビジネス/2016.06.23 は、  <■ 切ったらむしろ悪くなる  「がんは千人千様、がん細胞の性質が異なります。単純に、原発のがん(最初にできたがん)を切除できれば治るとか、長生きできると考えるのは誤りなのです。  周囲への浸潤の強いがんを無理に切除しても、散らばっている目に見えないがん細胞を全部切除することは不可能で、手術後の後遺症で苦しんでいるうちに、間もなく再発します。  高度に進行したがんに対して無理に切除手術をすると、がん細胞の遺伝子が変化して悪性度が高くなることがあるのです」  多摩がん検診センター所長などを歴任し、日の出ヶ丘病院のホスピスでがん患者の緩和ケアに携わってきた小野寺時夫医師は、こう話す> と伝えている。

 <......がんは、取るしかない。患部をすべて取り切るには、やはりメスを身体に入れるのが一番だ----。  かつては、多くの医師がそんな風に考え、「もう切るしかありません」と患者に手術を勧めてきた。  だが現在では、放射線治療の技術も向上。作詞家のなかにし礼氏をがんから生還させたことで知られる陽子線治療なども登場した。さまざまな抗がん剤も開発され、治療の選択肢は大幅に増えている。  ところが、いまだに一部の医師は古い考えを捨てられず、「とにかく切りましょう」と手術を主張するのだ。  こんな実例もある。  埼玉県在住だった当時58歳の男性は、初期の膵臓がんと診断された。がんのサイズは1cm以下。担当医は「小さくてよかった。取ってしまえば治ります」と手術を勧めた。  ところが手術から半年後、男性はがんが再発したと知らされた。手術でがんを切ったことでがん細胞が全身に散り、複数の臓器に転移したのだ。多発したがんはもはや手術では取りきれないとされ、抗がん剤治療を続けたが、約1年の闘病生活後、世を去ったという。  なぜ、一部の医師はやたらと手術に固執するのか。小野寺氏はその背景をこう明かす。  「外科系の医師は『手術こそが仕事で、手術できないのは自分の敗北だ』と考えがちです。また患者のためになるかを慎重に考えるよりも、手術の症例数を増やしたいと考えたり、手術が大手術で困難なほどやりがいがあると感じたりしてしまう傾向もある。とくに若い医師は、大手術をしたい欲望が強いでしょう」  がんと長年向き合ってきた専門医たちは、そんな手術至上主義とは正反対の現実を経験している。小野寺氏はこう話す。  「ある精神科の女性医師を診たことがあります。彼女は70歳のとき、胸のしこりに気がつきました。2年後、外科医に手術を勧められたのですが、『72歳まで生きたのだし、手術はしない』と決断した。彼女はそのまま92歳まで約20年生き、老衰で亡くなった。そういうこともあるのです」  他にも食道がんで余命2~3ヵ月と言われた患者が4年生きた例など、数ヵ月の命とされた人が年単位で生きることは決して珍しくないという。  ■ 手術なしで生存率90%超  手術が最適の治療というわけでは決してない。小野寺氏は、こう話す。  「私は基本的にステージI、IIのがんは切除をするほうがよいと考えますが、頭頸部がんなら放射線治療が第一選択肢です。ステージIIIでは、大腸がんや胃がんなら手術のほうがよい場合が多いですが、肺がんや食道がんには放射線や抗がん剤による化学療法が安全です」  ―― 中略 ――  もちろん手術が最適な治療という場合もあるだろう。大腸がんや胃がんなど消化器系のがんでは、早期発見と適切な手術によって大事に至らず、再発もしない例も多い。  一方で、とくに年齢を重ねた60代以上の人の場合、手術以外の選択肢を検討したほうがよいがんもある。  ―― 中略 ――  そもそも、メスで身体を開く手術にはリスクがある上に、60代以上の身体には負担も大きい。人生の最終幕に向け、医者の言葉を鵜呑みにして取り返しのつかないことになれば、きっと後悔するだろう。医者はあなたの人生に責任など負ってくれないことを、忘れてはならない  「週刊現代」2016年6月25日号> とある。

 "認知症" の原因究明は、"脳生理学" の分野で深められている一方で、他方では、日常の "生活習慣" のあり方などへと視野を広げて探求されつつある。

 ◆ 参照 当誌過去の "認知症 調査" 関連記事

 (1) <英国では20年前に比べ、1年間に認知症になる人の割合が20%減ったとの研究を、英ケンブリッジ大のチームがまとめた。減ったのは主に男性。  原因は不明だが、喫煙の減少や、血管の状態の改善などが影響した可能性があるという。社会全体で健康増進を図れば、認知症の増加が抑えられる可能性が示された......> ( "英の認知症" 20年で"20%減"の快挙!やればできる"社会全体での対策可能性"の追及を!/当誌 2016.05.28

 (2) <他者との交流が週1回未満の高齢者は、要介護や認知症になる危険性が、毎日頻繁に交流している人より約1・4倍高まること / 月1回未満の人は、要介護や認知症に限らず、すべての要因による死亡リスクも高まる。社会的に孤立するほど、健康への悪影響も深刻化すること> など、"独居老人" にとっての客観的なリスク......> ( 人付き合い週1未満で 要介護リスク1・4倍!月1回未満では 認知症の危険性が約1・5倍!/当誌 2015.04.27

 (3) <健康診断の血液検査項目の赤血球数やHDL(善玉)コレステロール値、アルブミン値が低いと、認知機能の低下が2~3倍起きやすいとの研究結果を、東京都健康長寿医療センター研究所のグループがまとめた。栄養が低い状態が将来の認知症のリスクを高めることを示す結果......> ( 高齢者は"認知機能"を維持するためにも、肉や魚、牛乳などを積極的に!粗食ではなく!/当誌 2014.07.17


 今回注目する下記引用サイト記事認知症予防へ大規模調査 生活習慣のリスク探る/日本経済新聞/2016.06.22 - 20:55 は、  <認知症予防に役立てるため、40歳以上の健康な人にインターネットで登録してもらい、定期的なアンケートを通じて発症に関わる生活習慣のリスクを探る研究を始めると国立精神・神経医療研究センターなどが22日、発表した。  本年度は8千人、5年間で数万人の登録を計画しており、患者ではない人を対象とした初の大規模研究。7月5日からホームページで登録を受け付ける。  認知症の多くは、長期間かけて軽度認知障害などを経て発症し、予防や超早期の発見が課題。食事や運動などの生活習慣が発症に関わる可能性も指摘されている> と報じている。

 <......希望者は氏名や性別、学歴などの基本情報を登録し、病歴や睡眠、食生活、日常の認知機能などに関する約160項目のアンケートに答える。その後、電話で単語の記憶を確かめる検査も受ける。アンケートと検査は半年ごとに繰り返す。  研究チームは大量に集めたデータを分析。記憶力の低下につながる生活習慣の要因を調べ、発症の予防に役立てることを目指す。  登録者には、認知症に関する最新の医療などの情報が提供され、希望すれば開発中の治療薬や予防薬の治験に参加するための案内も届く。〔共同〕> とある。

 <確定診断時には既に進行し切除できない場合が多い難治性> とされている「肺がん・膵臓がん」に対する "治療薬/早期発見診断薬" などの開発につながることが期待される、新たな研究動向。


 今回注目する下記引用サイト記事がん悪化のタンパク質特定 阪大、難治性の「肺」「膵臓」/日本経済新聞/2016.06.21 - 11:42 は、  <早期発見が困難で死亡率の高い肺がんと膵臓(すいぞう)がん悪化させるタンパク質特定したと、大阪大の菊池章教授(生化学)のチームが21日、米医学誌電子版に発表した。  このタンパク質の働きを阻害する抗体を使い、がんの増殖を抑えることにもマウスで成功した> と報じている。

 <......チームによると、これらのがんは確定診断時には既に進行し切除できない場合が多い難治性だが、新たな抗がん剤や、タンパク質を指標とした早期発見の診断薬の開発につながる可能性がある。  チームは、がんを悪化させることが報告されているタンパク質「Dkk1」が、がん細胞の表面でタンパク質「CKAP4」と結合すると、がん細胞の増殖を促進することを突き止めた。関連病院の患者を調べた結果、両タンパク質が過剰に増えていた場合、死亡率や再発率が比較的高かった。  CKAP4の働きを阻害する抗体を作り、両タンパク質が増えた状態のがん細胞を移植したマウスに投与すると、がんの増殖を抑えられた〔共同〕> とある。

 どんな痛みも辛くない痛みはない。さらに、痛みの箇所が特定しにくいような "痛み"( 痛覚受容器の刺激ではなく,末梢神経系あるいは中枢神経系における損傷または機能障害に起因する痛み )は、"神経障害性疼痛(とうつう)" と呼ばれ、甚だ辛くて苦しいものとなる。


 今回注目する下記引用サイト記事「人類史上最悪の痛み」神経障害性疼痛の治療薬、世界初の臨床試験へ は、  <九州大と製薬会社「日本ケミファ」(東京)などは17日、難治性の「神経障害性 疼痛の治療薬実用化に向け、世界初の臨床試験を8月から開始すると発表した。  同疼痛は、がんや糖尿病などで神経が傷ついて発症する。肌に触れるだけで激痛を感じる場合もあり、世界に数千万人の患者がいると推定されるが、有効な治療薬はない> と報じている。

 <......同大の井上和秀副学長(神経薬理学)らは2003年、「P2X4受容体」というたんぱく質の増加が痛みの原因の一つと解明。研究を続け、これを抑制する阻害薬を発見した。臨床試験では、来年3月まで健康な成人男性に阻害薬を投与し、安全性などを確かめる。その後、患者への投与も行って有効性を確認するなどし、6、7年後の実用化を目指すという。  井上副学長は「『人類史上最悪の痛み』と呼ばれる疼痛をなくし、心身に良い効果が出る薬を開発したい」と話した> とある。

 つい先日、惜しくも亡くなったプロボクシングの元ヘビー級チャンピオン、モハメド・アリ氏の直接的死因は "敗血症" によるショック死だったと言う。 "敗血症" は、感染に対する制御不能な生体反応に起因する生命を脅かすような臓器障害であり、細菌感染症が全身に波及したものと見なされる。非常に重篤な状態となり、無治療ではショック、播種性血管内凝固症候群(DIC)、多臓器不全などから早晩死に至る、とされている。

 今回注目する下記引用サイト記事敗血症を改善する物質特定 治療法開発に期待、岡山大/共同通信/2016.06.17 - 19:12 は、  <細菌やウイルスなどの感染症により全身の炎症や多臓器不全が起きる「敗血症」を改善させる血中のタンパク質をマウスで特定したと、岡山大の西堀正洋教授(薬理学)のチームが17日明らかにした。効果的な治療法の開発が期待できるとしており、成果は国際科学誌電子版に掲載された> と報じている。

 <......このタンパク質は、肝臓から血中に分泌される血漿タンパク質の一種「HRG」。HRGが少なくなると、肺や臓器の血管内に血の塊(血栓)ができて、呼吸不全や多臓器不全を引き起こすことが分かった。  西堀教授は「HRGを投与する治療法が考えられ、抗生物質との併用も可能だろう」と話した> とある。

 "腸内細菌" の果している役割は、重要かつ多彩だと指摘され続けている。 "腸は第二の脳" と評されることもあったりする。 また、"腸内細菌" と "脳内で起きる現象" との間の相関関係を指摘する声もある。

 ◆ 参照 当誌過去の "腸内細菌" 関連記事

 (1) <腸内細菌は、脳に大きな影響を与えている可能性がある。動物を使ったいくつかの研究で、腸内細菌の状況と脳内で起きる現象との間に、明らかな相関があることが示唆されている。......> ( 性格は「腸内細菌」によって決まる、脳への影響!:研究結果(アイルランド国立大学)/当誌 2015.05.19

 (2) <......腸内細菌は消化機能だけでなく、ビタミン類を合成したり、免疫を活性化して病原菌を排除したりする働きも担っています。さらに、幸福感をもたらすドーパミンやセロトニンといった「幸せ物質」の前駆体(ある物質が生成される前段階の物質)を合成し、脳へ送り込んでいるのも腸内細菌......> ( 今注目の"免疫力"の本命:"腸"という臓器!"腸は第2の脳"どころか脳より賢い腸に従え!/当誌 2014.03.07

 (3) ヨーグルトは脳に効く:心と身体の謎/不安や心的苦痛に苛まれる現代人への朗報 ....../当誌 2011.10.03


 今回注目する下記引用サイト記事うつ病 やっぱり!? 腸内「善玉菌」が少ない人ほど.../毎日新聞/2016.06.18 - 10:04 は、  <うつ病の人は健康な人と比べて、ビフィズス菌など「善玉菌」の数が腸内に少なく、菌数が一定以下だとうつ病患者の割合が高くなるとの研究結果を、国立精神・神経医療研究センターとヤクルトの共同チームがまとめ、オランダの科学誌に発表した。腸内細菌は近年、脳の機能に影響を与えるとの研究発表が相次いでおり、チームは善玉菌の減少がうつ病発症のリスクを高める可能性があるとみている> と報じている。

 <......うつ病患者は医療機関の受診者だけで推計約73万人おり、実際はその数倍いるとされる。チームはうつ病患者43人と健康な57人を対象に、体にいいとされる腸内の善玉菌数を調べた。  その結果、ビフィズス菌の便1グラム当たりの量(中央値)は、うつ病患者で約32億個、健康な人では約100億個。ラクトバチルス菌(同)は、うつ病患者が79万個、健康な人が398万個だった。また、ビフィズス菌が約34億個以下、ラクトバチルス菌が約309万個以下の人はうつ病の割合が高くなり、発症リスクはそれぞれ3倍、2.5倍になると分析した。  腸内細菌の関与が指摘され、ストレスなどで悪化する「過敏性腸症候群」を患っている割合も、うつ病の人は高かった。チームは今後、乳酸菌飲料などの摂取でうつ病が改善するかどうかや、菌の種類による効果の違いを研究する予定で、同センターの功刀(くぬぎ)浩・疾病研究第3部長は「医薬品開発にもつなげたい」と話す。【堀井恵里子】> とある。

 糖尿病の恐さが、数々の"合併症" にあることはよく知られている。そんな中、"足病変" (→ 足の切断)の推移は、どちらかと言えば警戒が疎んじられているのかもしれない......。

 今回注目する下記引用サイト記事糖尿病の足病変に注目を リスク高い5項目示す/新聞社/2016.06.14 は、  <糖尿病による足の病変は、悪化すると足を切断しなければならないこともある深刻な合併症だ。しかし、医療現場では注目がまだ不十分だとして、関心を持つ医師らでつくる団体が、リスクの高い患者を見分けるのに役立つと期待されるチェック項目をまとめた> と報じている。

 <......団体は足の切断を減らそうと活動している「アクト・アゲンスト・アンプテーション」(代表理事・大浦紀彦杏林大教授)。  項目は五つ。東京都済生会中央病院での研究で明らかになった。担当した富田益臣医師(糖尿病内分泌)によると、200人余りの患者を調べた結果、(1)糖尿病歴が15年以上 (2)両目の矯正視力が平均0・5以下 (3)腎臓の機能が低下 (4)1人暮らし (5)安全靴などを履く立ち仕事に従事 ― が、足の病変との関係が深いことが分かった。  富田医師らは5項目を点数化し、当てはまる項目の点数合計が7点以上だと、神経障害や血流障害から足の病変が起きるリスクが高いと結論づけた。こうした患者には、足の診察を率先して行うことが望ましいとしている。  足の病変網膜症や腎症と並ぶ、糖尿病の主要な合併症で、予防したり進行を食い止めたりするには、医師が患者の素足を定期的にチェックするのが望ましいとされる。しかし現実の実施率は高くない。  富田医師は「比較的簡便に判定できる5項目に注目することで、医療者が患者さんの足を見る機会が少しでも増え、患者さんが自分の足に向ける関心が高まるよう期待している」と話す> とある。

 がん組織に対する放射線治療では、"放射線の被曝量/線量" によって、周囲の正常組織が損なわれるという副作用を来たすことがある。 特に、"舌がん" のようなその部位が口内という場合、かなりのリスキーさが伴うと懸念されている。


 今回注目する下記引用サイト記事舌がん放射線治療を安全に 口内器具開発、大阪大/共同通信/2016.06.16 - 19:16 は、  <舌がんの放射線治療の際、口内に取り付け、放射線による副作用を防ぐ器具を開発し、臨床応用に成功したと大阪大の村上秀明准教授(歯科放射線学)のチームが16日発表した。成果は米オンライン科学誌に発表した> と報じている。

 <......これまでは、周辺の歯肉や顎の骨まで傷めてしまうなどの副作用が懸念され、切除手術が選択されることが多かったが、安全な放射線治療につなげられるという。  器具はマウスピース状の樹脂製で、舌と下の歯の歯茎の間などに固定する> とある。

 がんの "早期発見/早期治療" に向けた検査法では、"血液検査" と "尿検査"( 昨日注目 "尿検査"で"がんにかかっているかを判別"する技術を開発!老廃物解析で!(日立と住商)/当誌 2016.06.16) とが両雄だとされている。

 ◆ 参照 当誌過去の "血液検査 がん" 関連記事

 (1) 早期発見が難しい"膵臓がんの血液検査法"(特定RNAの含有量測定)を開発!(東大病院)/当誌 2016.06.06

 (2) わずかな血液で "がん遺伝子(遺伝子異常)"60種類検出!多くのがんに対応 (国がん研セ)/当誌 2015.12.29

 (3) 味の素の"がんスクリーニング検査「AICS」"、早期発見が難しい"膵臓がん"にも対応!/当誌 2015.08.10

 (4) 味の素 "血液検査"で膵臓がんリスク判定 早期発見!人間ドックのオプション検査開始!/当誌 2015.06.15


 今回注目する下記引用サイト記事血液調べがん早期発見 遺伝子研など、技術高め検査普及へ/日本経済新聞/2016.06.16 - 07:00 は、"血液検査法" の最新動向に注目し、  <検査受託会社の日本遺伝子研究所(仙台市)は米国企業との共同研究で血液からがんを早期に発見する検査手法を新たに確立した。検査板に血液を流し、微細な溝にかかった体内物質からがん細胞を見分ける仕組み。実証実験で9割のがん検出成果が得られたという。今後大学との研究を進めて技術の信頼性を高め、全国の医療機関からの受託を目指す> と報じている。

 <......遺伝子研は現在、白血病患者の染色体検査などを医療機関から請け負っている。今回は検査機器メーカーの米セルシー(ミシガン州)と共同で、プレパラートに似た板の微細な溝に血液を流すことで早期のがん細胞を発見する技術を確立した。  板の溝には直径8ミクロンの微細な穴を無数に空けており、穴を通過できずに引っかかった体内物質の中にがん細胞がないかを確認する。セルシーとの研究で、血液を板に流し込む際に細胞を壊さずに検査する技術を確立できたという。  遺伝子研はセルシーの機器を導入し、実際のがん患者150人以上の血液を調べた結果、約90%の患者の血液からがん細胞を検出したという。  一般的な検査では直径5ミリメートル程度以上のがん組織が見つかることが多いが、新技術では1~3ミリ程度の早期がんから発見できる可能性があると同社は説明している。がんは1ミリ程度まで大きくなると、血液中にがん細胞が流れ出すとの研究に基づいているという。  今後は国内の大学医学部などとの共同研究も進め、技術の信頼性を高める。将来的には全国の医療機関から受託して検査の普及をめざす。  医療機関で同社の早期がん検査を受ける場合、患者が払う費用は1回あたり10万円程度になる見通しがんは長年にわたって日本人の死因の上位を占め続け、早期発見と早期治療が一段と重要になっている> とある。

 がんの "早期発見/早期治療" の視点からすれば、早い時期での "がん検査" は大前提とされる。 そして、その "がん検査" は、できるだけ被験者の負担が小さく、簡易である検査方法が求められ、その結果、"血液検査" のみならず "尿検査" という方法まで試みられるに至っている。

 ◆ 参照 当誌過去の "尿 がん" 関連記事

  <体長1ミリメートルほどの線虫を使ってがんを早期発見する新手法を開発した九州大学の広津崇亮助教は、この手法を事業化するベンチャーのスマートエレガンス(福岡県久留米市)を設立し、3月から活動を開始した。線虫を使って尿のわずかな臭いの違いを判別する手法で、患者の負担が少ない。国内の病院と臨床試験を進め、3年後の実用化を目指す......> ( "線虫" でがん早期発見!血液検査に比べてコストも安い!九大助教がベンチャー設立!/当誌 2016.03.08


 今回注目する下記引用サイト記事尿で簡易にがん検査 日立と住商、新技術を開発/共同通信/2016.06.14 - 15:59 は、  <日立製作所と住友商事グループは14日、尿検査でがんにかかっているかを判別する技術を開発したと発表した。現在主流の血液を使った検査よりも簡易で、費用も安くなる可能性があるという。臨床データを積み上げ、実用化を目指す> と報じている。

 <......日立と住商ファーマインターナショナル(東京)が、乳がん大腸がんの患者と健常者を各15人ずつ調べた。尿に含まれる1300種類以上の老廃物を解析したところ、乳がん大腸がんの患者でそれぞれ、特定の老廃物が増減していた。  がん患者かを判別できるほか、乳がん大腸がんの違いも明確に出たという> とある。

 がん治療で駆使される抗がん剤、放射線は、ともに小さくはない副作用が警戒されている。その攻撃が、がん細胞に止まらず正常細胞へも及ぶという点だ。 これを回避するために、がん細胞のみを "ピンポイントで狙い撃つ" 仕掛け("分子標的型抗がん剤" も同様)が種々工夫されることになる。 そして、"放射線" 治療についても "体内埋め込み型" 治療法の研究が進められている。

 ◆ 参照 当誌過去の "放射線" 関連記事

  <国立がん研究センターは1日、がん細胞だけをピンポイントで狙い撃つ最新の放射線治療装置を公開した。正常な細胞を傷つけず、副作用が少ないという。2017年3月ごろをメドに皮膚がんの一種である悪性黒色腫(メラノーマ)などを対象に臨床試験を始める計画だ。 最新の治療はホウ素中性子捕捉療法と呼ぶ。患者にホウ素を含む薬剤を投与し、がん細胞に取り込ませたうえ、加速器を利用して中性子を当てる......> ( がん細胞だけを狙い撃ち!"ホウ素中性子捕捉療法" に基づく最新装置公開!(がん研セ)/当誌 2016.03.04


 今回注目する下記引用サイト記事体内で放射線を放つがん治療薬 マウスで効果、量子科学研/共同通信/2016.06.13 - 13:29 は、  <体内で放射線を放ち、ピンポイントがん細胞をたたく薬剤を開発したと、量子科学技術研究開発機構(千葉市)が13日発表した。がんを移植したマウスへの投与実験でがんの大きさが半分に縮小したとしている> と報じている。

 <......対象のがんは、副腎に発生する褐色細胞腫。国内では年間約3千人が発症するがんで、患者の大半は外科手術で治るが、1割は全身に転移して有効な治療法がなくなる。  研究チームは、同機構の高崎量子応用研究所(群馬県高崎市)などの加速器を使い、放射線の一種アルファ線を放つ元素「アスタチン211」を製造。褐色細胞腫に取り込まれる物質に組み込んだ> とある。

 "寿命" は、ひたすら "長寿" を目指す観点で考えられてきたのかもしれない。 そして、"長寿" に向けた種々の研究もなされてきた。

 ◆ 参照 当誌過去の "寿命" 関連記事

 (1) 染色体の末端にあって長さが"余命の目安"とされる"テロメア"と"地中海式ダイエット"!/当誌 2015.01.14

 (2) 長寿遺伝子とされる「サーチュイン」の働きを強めて、脳梗塞による"認知症"を防ぐ!/当誌 2014.09.13

 (3) "長寿"促進の薬開発につながるか!? "長寿遺伝子Sirt1"関連の"肺で働く2タンパク質"!/当誌 2014.05.14


 今回注目する下記引用サイト記事長寿の質、沖縄は全国最下位 「健康寿命」男47位、女46位 聖徳大教授調査/琉球新報/2016.06.12 - 05:04 は、  <平均寿命(余命)のうち、介護を受けたり寝たきりになったりせず健康に日常生活を送ることができる期間を示す「健康寿命(余命)」が占める割合は、全国47都道府県で沖縄は男性90・4%で47位、女性は83・7%で46位であることが分かった。男性1位は茨城の93%、女性は静岡の87・1%だった。茨城県立健康プラザ研究員の栗盛須雅子聖徳大学看護学部教授が2010~14年の5年間について調べた。5年間にわたる調査の実施は初めて。栗盛氏は「沖縄は65歳の平均寿命は男性2位、女性1位だが、長生きしても障がいを持つ期間も長い。質を見ると、高齢者の健康は深刻な状態だ」と指摘している> と報じている。

 <......65歳の健康寿命については、沖縄は男女とも6位で、女性は平均寿命よりも順位は低い。障がいを持つ人の割合では少ない順に沖縄の男性は44位、女性は34位と下位に位置しており、割合は高い。要介護認定者や要介護度の重い人が多く、高齢者の生活の質が悪いことを意味しているという。――以下略――> とある。

 ここに来て、"耐性菌(多剤耐性菌)" の問題が世界的に危惧されるようになった。 昨日も、ワースト・ケースとしか言うほかない "「スーパー耐性菌(superbug)」" に注目したばかりだ。

 ◆ 参照 当誌過去の "耐性菌" 関連記事

  <既存の全ての抗生物質に耐性をもつ細菌感染が、米国内で初めて確認された。この数年、どの抗生物質も効かない「スーパー耐性菌(superbug)」がいずれ出現すると警告されてきたが、今回のペンシルベニア州の49歳女性の例は、その日が近いことを示唆するものである。  「緊急に対処しなければ、抗生物質の限界が来る」と、米国疾病管理予防センター(CDC)のTom Frieden氏は、米ワシントンD.C.で開催されたナショナルプレスクラブのイベントで述べている。今回の患者は命を取りとめたが、耐性が他の細菌にも拡大する恐れがあるという......> ( 「スーパー耐性菌」(全ての抗生物質に"耐性"を持つ!) 米国内で初の感染例を確認!/当誌 2016.06.12


 今回注目する下記引用サイト記事広がる耐性菌、厚労省が対策強化へ 国際連携や監視拡大/朝日新聞/2016.06.10 - 15:17 は、  <世界的に抗菌薬(抗生物質)が効かない耐性菌が増えている問題で、厚生労働省が対策を強化する。日本で報告例がない耐性菌もすぐに探知できるよう国際連携し、患者の治療に生かす。院内感染を防ぐ国の枠組みへ病院の参加も促す。10日の感染症部会で専門家会議の設置を決め、監視体制や抗菌薬の適正使用を議論する> と報じている。

 <......耐性菌は、抗菌薬使い過ぎや、菌がまだ体に残っているのに薬の服用をやめるなど不適切な使用が原因。感染をくり返し、ほかの薬が使われると、複数の薬が効かない多剤耐性菌になり、治療が難しくなる。耐性菌による死者は2013年は世界で少なくとも70万人とされ、国境を越える人の往来が急増する中、50年には1千万人に上るとする推計もある。5月の伊勢志摩サミットの首脳宣言でも重要課題に位置づけられた。  ログイン前の続きそこで厚労省は、世界保健機関(WHO)による耐性菌監視の枠組みに参加する。日本になかった耐性菌に感染した患者が出た場合、国際的なデータベースをもとに海外での治療法を参考にするほか、医薬品を緊急輸入するなどして耐性菌の急激な増加を防ぐ。  院内感染を防ぐための国の監視体制「JANIS」の対象病院も広げる。1月現在で、主に微生物検査室を持つ1859病院が参加するが、全病院の2割ほど。検査を外注する病院のデータも幅広く生かすため、検査室がない病院も診療報酬の加算などで参加を促す仕組みを検討する。  感染症法で報告義務がある耐性菌は7種類だが、JANISでは、日本で未確認でも海外情報で緊急性が高い耐性菌も報告対象に加える方針。  また、医療系の学会ごとに決められている抗菌薬の使用指針も共通化し、処方された抗菌薬は飲み切るなど患者向けの適正使用の啓発もする。(福宮智代)> とある。

 世界は "ペニシリン以前の時代" に戻ろうとしている?> とさえ危惧されるのが、"細菌感染症" の深刻な現状......。 "薬剤耐性菌/多剤耐性菌" の猛威が鎮静化しないのだ。

 ◆ 参照 当誌過去の "耐性菌" 関連記事

 (1) "抗生物質"の使用減で"薬剤耐性菌"拡大防ぐ!5年で3分の2に減らす!厚労省の行動計画/当誌 2016.04.03

 (2) <海外に半年以上滞在した日本人の約半数が、複数の抗生物質が効かない多剤耐性菌の「ESBL産生大腸菌」に感染していたこと。渡航先別では、サハラ以南のアフリカが最多の7人、東南アジア6人、南アジア5人、中東・北アフリカ4人......> ( 海外に半年以上滞在した人、半数が"多剤耐性菌"(ESBL産生大腸菌)に感染!(東京医大)/当誌 2015.05.11

 (3) 世界は"ペニシリン以前の時代"に戻ろうとしている?WHO 世界中の"耐性菌感染"に警告!/当誌 2014.05.02


 今回注目する下記引用サイト記事スーパー耐性菌、米国内で初の感染例を確認/医療NEWS/2016.06.09 - 10:00 は、  <既存の全ての抗生物質耐性をもつ細菌感染が、米国内で初めて確認された。この数年、どの抗生物質も効かない「スーパー耐性菌(superbug)」がいずれ出現すると警告されてきたが、今回のペンシルベニア州の49歳女性の例は、その日が近いことを示唆するものである。  「緊急に対処しなければ、抗生物質の限界が来る」と、米国疾病管理予防センター(CDC)のTom Frieden氏は、米ワシントンD.C.で開催されたナショナルプレスクラブのイベントで述べている。今回の患者は命を取りとめたが、耐性が他の細菌にも拡大する恐れがあるという> と報じている。

 <......女性は、尿路感染症でクリニックを受診した。原因はよくみられる大腸菌への感染だったが、検査では第一選択の抗生物質に対する耐性遺伝子が認められた。他の抗生物質が奏効したものの、その後の検査で、特定の大腸菌がコリスチンという薬剤への耐性をもつことが判明した。  AP通信によると、コリスチンは副作用がひどいために1970年代に人気を失った古い抗生物質だが、現在はカルバペネム系抗生物質耐性をもつ難治性の細菌に対して使用されている。カルバペネムは最後の砦とされる薬剤の1つで、カルバペネムカネバペネム耐性菌コリスチンに対しても耐性を獲得すると、感染症の治療選択肢はもう存在しないという。  CDCの新興感染症プログラムを監督するBeth Bell氏は、「これは忌まわしいパズルの新たな1ピースである」と述べる。世界ではスーパー耐性菌の症例が既に認められていたが、米国内で発生したのは今回が初めて。米ウォルター・リード軍人医療センター(メリーランド州ベセスダ)の研究グループが今回の感染例を確認し、米国微生物学会の会誌に5月26日報告された。  この女性は最近米国外に出ておらず、CDCおよびペンシルベニア州保健当局はコリスチン耐性大腸菌の感染経路の解明に努めている。コリスチン耐性遺伝子はカナダ、中国、ヨーロッパのヒトや動物に認められている。AP通信によれば、米国保健当局は先ごろ米国内のブタでコリスチン耐性大腸菌が見つかったと報告しているが、今回の症例との関連は考えにくいとのこと。(HealthDay News 2016年5月27日)> とある。

 これだけ、がんの話題が身辺に迫ると、"発がん物質" に加えて、リスクが危ぶまれるその周辺の物質が警戒され、また逆に "発がん予防効果あり" とされるものへの関心も高まる。

 ◆ 参照 当誌過去の "コーヒー がん" 関連記事

  がん予防!"喫煙"と"感染"をなくせば、日本人のがんは3割程度減る計算(国立がん研)!/当誌 2014.06.23


 今回注目する下記引用サイト記事コーヒーの予防効果 中川恵一/日本経済新聞/2016.06.09 夕刊 は、  <膀胱(ぼうこう)がんの最大の原因は喫煙です。ただ、たばこの煙に含まれる発がん物質以外にも、カフェイン、ヒ素、芳香族アミンなど、様々な化学物質も膀胱がんのリスクを高めます。  腎臓で濾過(ろか)された血液中の発がん物質膀胱に集まり、粘膜の細胞のがん化を促進します。  濃縮された尿が長時間膀胱内にとどまっているとリスクが高まりますから、十分に水分をとって発がん物質の濃度を下げ、排尿の頻度を増やせばリスクを下げることができます。  米国人約4800人を追跡調査した疫学研究でも、最も水分をとっていたグループ(1日あたり2531ミリリットル超)では、最も少ないグループ(1290ミリリットル未満)と比べて、膀胱がんの発症リスクは51%にまで下がっていました。禁煙と十分な水分摂取が膀胱がん予防のカギといえるでしょう。  カフェインの作用で膀胱がんを増やすコーヒーですが、肝臓がん、子宮体がん、大腸がんなど、多くのがんの予防に有効であるとみられることがこれまでの研究から分かってきました。  とくに、肝臓がんでは、コーヒーをほぼ毎日飲む人では、男女とも肝臓がんのリスクが約半分に減少しています。飲む量が増えるほどリスクは低下し、1日5杯以上飲む人では、肝臓がんの発症率は4分の1にまで低下していました。  コーヒー大国とされるブラジルのサンパウロ在住の日系1世の肝臓がんによる死亡率は日本国内の半分以下など、肝臓がんに対するコーヒーの予防効果はほぼ確実とされています。  宮城県の約3万9千人を対象にした調査でも、コーヒーを飲む人では、口腔(こうくう)、咽頭、食道がんの発症リスクは5割程度低くなっていました。  こうしたがんのリスクを高める喫煙や飲酒の習慣を持っている人でも、コーヒーを飲むと予防の効果が認められましたから、私のような酒飲みには朗報です。  コーヒーは心臓病や脳卒中の予防にも有効で、全死亡率を下げるとの研究もあります。私は大のコーヒー好きで、水分を十分とることを心がけながら、1日5杯は飲んでいます。(東京大学病院准教授)> と伝えている。

 "脳の血管が詰まったり破れたりすることで脳細胞の壊死を生ずる疾患" である "脳卒中" は、年間約30万人が新たに罹患し、年間約12.4万人が死亡(わが国の死因第4位)しているとされる。 また、命を取り留めることができた場合にも、"早期のリハビリが勝負!" とされ、"後遺症を長引かせない" ことが鉄則とされている。

 ◆ 参照 当誌過去の "脳卒中 リハビリ" 関連記事

  <脳卒中などで脳の一部が損傷して失われた運動機能がリハビリで回復するのは、損傷した部分が果たしていた役割を別の部分が肩代わりするからだと、産業技術総合研究所(茨城県つくば市)などの研究チームが7日、米科学誌電子版に発表......> ( 脳卒中などの脳損傷の回復は、脳の別の部分が肩代わり! 効果的なリハビリ開発に道!/当誌 2015.01.08


 今回注目する下記引用サイト記事脳卒中リハビリ環境に不満/47NEWS 医療新世紀/2016.06.07 は、  <脳卒中後遺症を抱えた人の半数余りが、病院退院後のリハビリ環境不満を持っているとの調査結果を、NPO法人脳梗塞リハビリ研究会(東京)などが発表した> と報じている。

 <......20~60代の脳卒中経験者620人について今年1月、インターネットで本人と家族に調査。退院時に何らかの後遺症があった305人のうち、「退院後のリハビリ環境が十分でない」との設問に「そう思う」「どちらかというとそう思う」と答えた人は計54%に上った。  具体的な要望を見ると、「維持でなく症状を改善したい」「回数や時間の制限なくやりたい」「専門家のリハビリを継続したい」などが多かった> とある。

 "iPS細胞" 技術を活かした "移植手術" は、既に、"加齢黄斑変性" の患者に対して実施され成功を収めている。 ただ、"iPS細胞による移植手術" には小さくない課題が残されており、"がん化" の可能性についての対応や "多大な時間/コスト" の問題などが懸念されている。

 ◆ 参照 当誌過去の "iPS 加齢黄斑変性" 関連記事

  "加齢黄斑変性"患者への"iPS細胞移植"手術経過、1年後も患者「良好」!(理化学研究所)/当誌 2015.10.04


 今回注目する下記引用サイト記事他人のiPS細胞使った臨床研究 来年前半の手術へ準備/NHK NEWS WEB/2016.06.07 - 05:58 は、  <他人に移植しても拒絶反応が起きにくい特殊なiPS細胞を使って重い目の病気の患者を治療しようという世界初の臨床研究について、理化学研究所などのグループは、来年の前半にも手術を行う方向で準備を進めることにしています> と報じている。

 <......神戸市にある理化学研究所と、神戸市立医療センター中央市民病院、それに京都大学と大阪大学で作るグループは、6日、「加齢黄斑変性」という重い目の病気の患者に、拒絶反応が起きにくいiPS細胞から作った網膜の組織を移植する世界初の臨床研究の計画を明らかにしました。  患者本人からiPS細胞を作るこれまでの方法では半年以上の期間数千万円に上る費用がかかりましたが、京都大学が特殊なタイプの免疫を持つ人からあらかじめ作って保管しているiPS細胞を使う「他家移植」という方法をとり、時間と費用を大幅に抑えることにしています。  移植手術は神戸市の中央市民病院と大阪大学附属病院で行う予定で、組織をシート状にして目に入れる方法や、細胞を液体に入れて注入する方法を行い、安全性や効果を調べることにしています。  研究グループは、今月にも中央市民病院の倫理委員会に諮ったうえで再生医療に関する大阪大学の委員会に実施を申請する方針です。  そして、国も含めて承認が得られれば、来年の前半にも手術を行う方向で準備を進めることにしています> とある。

 "アルツハイマー病" は、脳内にタンパク質 "アミロイドベータ" が老廃物として蓄積することによって引き起こされる点は、周知の事実となっている。 だだ、"なぜそれが発生するのか?" という仕組みなどについては、残念ながらほとんど未解明のままだとしか言うほかはない。

 ◆ 参照 当誌過去の "アルツハイマー アミロイドベータ" 関連記事

 (1) アルツハイマー病 「原因減らす抗体開発」!原因物質"タウ"たんぱく質を減らす効果!/当誌 2015.01.01

 (2) アルツハイマー病早期発見/治療に繋がるか?! アミロイドβ蓄積前の神経細胞異常発見!/当誌 2014.09.22

 (3) アルツハイマー抑制タンパク質"ILEI"を発見(滋賀医科大)!副作用回避!治療薬に期待!/当誌 2014.06.06

 今回注目する下記引用サイト記事アルツハイマー病は「脳が感染と戦った結果」なのか:研究結果/WIRED/2014.06.03 - FRI 11:00 は、  <アルツハイマー病の原因とされてきたタンパク質の塊アミロイドベータ」は、脳に侵入した細菌に対抗しようとする物質かもしれない。マウスと線虫を用いた研究で、「感染症原因説」を示唆する結果が示された。> という、ある意味で興味深い "研究結果" を伝えている。

 <......アルツハイマー病患者の脳回路を破壊するとされてきたタンパク質の塊アミロイドベータ」は、単なる老廃物の蓄積ではなく、細菌との戦いによって生じたものかもしれないという研究結果が示された。  アミロイドベータはこれまで、無価値な蓄積と考えられてきた。そして、アルツハイマー病の治療に関する研究は、脳の詰まりを取り除き、アミロイドベータを消し去ることに集中していた。ところが、マウスと線虫を用いた最新の研究は、アミロイドベータは侵入してきた細菌を閉じ込め、脳を守るために仕掛けられた頑丈な罠かもしれないことを示唆している。  ハーヴァード大学で行われ、『Science Translational Medicine』誌に研究論文が掲載された今回の研究では、アミロイドベータを過剰に生成するよう遺伝子操作されたマウスと、普通のマウスの両方に関して、脳に致死量の細菌を注入。一夜明けると、アルツハイマー病のモデルとしてつくられたマウスは、アルツハイマー病患者に見られるものとよく似たタンパク質のプラークを生成しており、プラークの中心には細菌の細胞が閉じ込められていた。一方、普通のマウスはプラークを生成せず、早く命を落とした。  線虫でも同様の結果が出た。細菌や酵母を注入すると、アミロイドベータを過剰に生成する個体の方が長生きしたのだ。  研究チームによると、脳が感染と戦った結果、アルツハイマー病が引き起こされている可能性があるというこの仮説は論争を呼んでおり、現時点では推測の域を出ないが、変性疾患であるアルツハイマー病治療や予防に関する考え方を劇的に変えてしまう可能性を秘めている。...... (以下略) > とある。

 その増加が懸念されている "うつ病" は、従来、医師による問診が中心となってきた。 そこに、新たな "検査機器" が登場したようだ。

 今回注目する下記引用サイト記事うつ病、脳血液量で診断 滋賀県立精神医療センター導入/京都新聞/2016.06.05 - 11:09 は、  <医師による問診が中心となっているうつ病の診療で、脳の血液量の計測データを診断に活用する「光トポグラフィー検査」がこのほど、滋賀県立精神医療センター(草津市)に導入された。県内の医療機関では初の保険適用となり、同センターは「うつ状態の背景に何があるか早期に分かるようになる」としている> と報じている。

 <......光トポグラフィー検査は、身体に害のない近赤外線を出す装置を付けた帽子をかぶり、簡単な質問に答えているときの脳血液量の変化をみる反応のパターンうつ病そううつ病統合失調症で異なるため、診断を補助するデータとして活用する。  同センターの大井健病院長は「うつか、そううつかの判断は経過を見ないと分からなかったが、検査により早期に発見し、症状に応じた投薬が可能になる」としている。  光トポグラフィー検査の保険適用には厚生労働省が定める施設の基準を満たす必要がある。同センターは今年2月に約2500万円で検査機器を購入し、研修などで態勢を整えてきた。  検査は予約制。かかりつけの医師の紹介状が必要となる。1泊2日の入院検査で患者の自己負担は3割の場合約1万5千円となる。問い合わせは同センターTEL077(567)5001> とある。

 "膵臓がん" が抱える最大の問題点は、"自覚症状も少なく" 、"早期発見が困難!" だとされる。そのため、発見された時点では、手の施しようが無く、高い死亡率に至る。 だが、漸く "早期発見" の検査法が着手され始めた。

 ◆ 参照 当誌過去の "膵臓がん 早期発見" 関連記事

 (1) 味の素 "血液検査"で膵臓がんリスク判定 早期発見!人間ドックのオプション検査開始!/当誌 2015.06.15

 (2) すい臓がんを"血液検査"で早期発見(味の素)!早期では"自覚症状"が少ないすい臓がん!/当誌 2014.10.09


 今回注目する下記引用サイト記事早期発見が難しい膵臓がんの血液検査法を開発...東大/yomiDr. ヨミドク/2016.06.04 は、  <早期発見が難しい 膵臓 がん血液検査で見つけ出す技術を開発したと、東京大学のチームが米医学誌に発表した。早い段階でがんを見つけ、治療成績の向上につなげたい考えだ> と報じている。

 <......東大病院の岸川孝弘医師(消化器内科)らは、膵臓がん患者の血液特定のRNA(リボ核酸)が健康な人より多く含まれていることに着目。このRNAだけにくっつく特殊な物質を開発し、わずかな血液でも量を測定できるようにした。  膵臓がん患者と健康な人の計60人で調べたところ、患者の血液には、このRNAが健康な人の5~6倍含まれていた膵臓がんになる可能性がある良性腫瘍の患者でも、このRNAは増えていた。  膵臓がん臓器別のがん死亡者で4番目に多い進行がんの5年生存率10%未満だが、転移がない早期がんでは40%程度というデータがある。  岸川医師は「がんの前段階から経過を見て必要な時期に治療することが可能になるかもしれない。検査法として確立したい」と話している> とある。

 "加齢による動脈硬化" は、"心臓/血管疾患" 発症の原因になったり、リスクの高い病(動脈瘤破裂など)を引き起こしたりするとして警戒されている。

 ◆ 参照 当誌過去の "動脈硬化" 関連記事

 (1) 新型"ステント(網状の筒)"で、"脳動脈瘤"破裂防ぎ治療!国立循環器センターが治験へ/当誌 2016.05.08

 (2) <血管の内壁を構成し、血液と触れる「血管内皮細胞」と呼ばれる部分からは一酸化窒素(NO)が出る。この一酸化窒素には血管を拡張し、しなやかにすることで、動脈硬化を防ぐ作用がある。「血管力が高いと血管内皮細胞から一酸化窒素がたくさん出て、それによっていっそう血管力が高まっていきます。......有酸素運動には血管を拡張させる作用があり、一酸化窒素の分泌を増やす。水泳も悪くないが、特にいいのはウオーキング。ふくらはぎは「第二の心臓」と呼ばれるほどで、ふくらはぎの筋肉を動かすことで下半身の血流が良くなる。......> ( 「血液ドロドロ」より気になる「血管力」の低下!血管内"一酸化窒素"が硬化を防ぐ!/当誌 2015.12.16


 今回注目する下記引用サイト記事血管の若さ、持久力と関係 有酸素運動が有効か/47NEWS 医療新世紀/2016.05.31 は、  <持久力がある人は、加齢による動脈硬化が食い止められている可能性があるとする研究を、国立健康・栄養研究所のチームが専門誌に発表した> と報じている。

 <......同研究所健康増進研究部の丸藤祐子研究員らは、東京都と岡山県の26~69歳の健康な男女計470人について、持久力がその後の動脈硬化の進み具合とどう関係していくかを調べた。  持久力は、自転車をこいでいる間の1分当たりの最大酸素摂取量で評価動脈硬化の度合いは、血管を脈の波が伝わる速さで判定し、研究開始時から2年後までに血管がどれだけ硬くなったか、変化を調べた。  対象者を研究開始時の持久力で「低い・中間・高い」の3グループに分け、年齢や体格、血糖値、中性脂肪などの影響を考慮して比較した。その結果、持久力の低いグループはほかのグループより動脈硬化が進行していたのに対し、持久力の高いグループでは2年後にも変化がほとんどなく、動脈硬化が食い止められていたことが分かった。中間グループの進行度合いは、その中間程度だった。  持久力の高いグループには、ジョギングや水泳、ダンスなど有酸素運動を習慣にしている人が多く、活動的だった。これらの運動は持久力を高める効果があるとされる。持久力は、過去の研究でも、死亡率低下や心血管疾患発症率の低下と関係があることが示されている。  丸藤さんらは今後、筋力や瞬発力、柔軟性といった持久力以外の体力と動脈硬化との関係も明らかにし、ストレッチのような、より取り組みやすい運動でも動脈硬化を予防できるかどうかを確かめたいとしている> とある。

  "早期発見" → "早期治療" → "治癒" という三段論法から、盛んに "がん検診" が推奨されている。 だが、それは一つの立場だとする見解が無いわけではない。

 ◆ 参照 当誌過去の "がん検診" 関連記事

 (1) "がん検診・検査"で受検者が不安に思うことは? 「費用」よりも多かった回答とは?/当誌 2016.05.10

 (2) "不要ながん治療"が患者を殺す?"がん診断"の9割は間違い?治療やめたら治る例も!/当誌 2016.01.01

 (3) 『医者に殺されない47の心得 医療と薬を遠ざけて 元気に 長生きする方法』はお薦め!/当誌 2014.02.22

 (4) 初期のがん、治療すべきか ― 議論促す日米の研究結果 甲状腺がんと"活発な監視療法"/当誌 2015.10.23

 (5) "前立腺がん検診"は過剰医療なのか?米国での"PSAスクリーニング検査"非推奨の効果!/当誌 2015.06.29

 (6) "がん検診&早期発見"は無意味? 治療で"寿命縮める"? 本当に受けるべき検診は?/当誌 2015.07.16

 (7) "がん検診"のデメリットの一つ、"偽陽性"!"要精密"でも余り心配し過ぎる必要はない!/当誌 2015.06.03


 今回注目する下記引用サイト記事肺がんをCTで早期発見しても長生きできないかもしれない 4,104人の死亡率から/MEDLEY/2016.06.01 は、  <がんになるのではないかと心配で検診を受けても、結果につながるとは限りません。毎年CTの検査をして肺がん早期発見しても死亡率には違いがなかったという研究結果が報告されました> と報じている。

 <......この研究は、デンマークの研究班が、毎年CTの検査を行うことで肺がんが発見されるか、また死亡率に影響があるかを調べたものです。  50歳から70歳の喫煙者4,104人が対象となりました。対象者は、5年間続けて毎年CT肺がんスクリーニング(病気を見つけ出す検査)を受けるグループと、スクリーニングは受けないグループにランダムに分けられました。最後のスクリーニングから5年以上経過した時点で、スクリーニングを受けたグループと、受けなかったグループの死亡率が比較されました。  次の結果が得られました。 ......  スクリーニングを受けたグループのほうが、受けなかったグループよりも早期肺がんが多く発見されました。しかし、全体として死亡率に差がなく、肺がんによる死亡に限って比較しても差がありませんでした。  がんはある程度進行してから全身に強く影響するようになります。また、進行の度合いに応じた治療法が長年のうちに進歩してきています。少し大きくなってからでも発見して治療できるがんを、もっと早く見つけても結果が変わらない場合はあるかもしれませんがんが発見されることで心理的な負担が増えることや、CTで放射線を浴びてしまうことなど、悪い面も同時に考える必要があります。  前立腺がん乳がんの検査では、結果に違いがないので早くからスクリーニングをしすぎるべきではないという意見があります。  がん検診を受けようとするときは、何を目的にするのか、どんな結果が予想できるのかをよく聞きましょう> とある。

 "薬剤の使用/処方" にあっては、言うまでもなく "適量処方" という条件が欠かせない。 これは、"抗認知症薬" についても同様である以上に、"適量処方" を "超える場合" には "興奮や怒りっぽくなるといった症状の副作用" が引き起こされるとも指摘されている。

 ◆ 参照 当誌過去の "抗認知症薬" 関連記事

  <高齢者医療に取り組む医師らでつくる認知症治療研究会が13日、横浜市で開かれ、「抗認知症薬の適量処方を実現する会」(兵庫県)の代表、長尾和宏医師が、抗認知症薬の副作用とみられる興奮などの症例が約100件集まったとの中間集計結果を発表した。  長尾氏は「多くの医師や家族は、興奮や怒りっぽくなるといった症状を薬の副作用だと思っていない。症例を千件集め、厚生労働省に薬の適量使用を提言したい」と話した。8月、東京都内で集計結果の報告会を開く> ( "認知症薬(抗認知症薬)の副作用" 100件!興奮や怒りっぽくなる症状!中間集計結果!/当誌 2016.03.15


 今回注目する下記引用サイト記事厚労省、認知症薬の少量投与容認 6月1日付で周知/共同通信/2016.06.01 - 02:03 は、  <高齢者医療に取り組む医師らが抗認知症薬の少量処方を認めるよう求めている問題で、厚生労働省は31日までに、添付文書で定めた規定量未満での少量投与を容認し、周知することを決めた> と報じている。

 <......認知症の進行を遅らせる「アリセプト」(一般名ドネペジル)などの抗認知症には、少量から始めて有効量まで増量する使用規定がある。規定通りに投与すると、患者によっては興奮や歩行障害、飲み込み障害などの副作用が出て介護が困難になる医師らのグループが指摘していた。  厚労省は6月1日付で各都道府県の国保連の中央会などに、規定量未満の投与も症例に応じて薬剤費を支払うよう求める事務連絡を出す> とある。

 <心臓の出口にある弁が硬くなって、しっかり開け閉めできなくなる心臓弁膜症> は、"息切れ、足のむくみ" といった症状に加えて、"脳梗塞" の原因にもなる、警戒されるべき病気。 外科的治療法としては、"人工弁" の植え込み術で対応されてきた。

 ◆ 参照 当誌過去の "心臓弁" 関連記事

  <心臓の出口にある弁が硬くなって、しっかり開け閉めできなくなる心臓弁膜症カテーテル(細い管)で心臓まで人工弁を運び、留め置く治療法が普及してきた。胸を切り開いて人工弁に取り換える一般的な手術と比べ、体への負担が小さい利点がある。高齢化によって、さらに広がるとみられている。......> ( "心臓弁膜症"に、"経カテーテル的大動脈弁植え込み術(TAVI)"! 高齢者にも負担軽く!/当誌 2014.10.06


 今回注目する下記引用サイト記事不要心臓弁を加工し移植 国内患者提供は初、大阪大/共同通信/2016.05.31 - 21:20 は、  <大阪大の澤芳樹教授(心臓血管外科)のチームは31日、心臓移植を受けた患者から不要になった元の心臓の弁を提供してもらい、特殊な方法で加工した上で、心臓弁の疾患がある別の患者に移植する手術に成功したと発表した> と報じている。

 <......5月13日に大阪大病院で実施。国内3例目で、これまでは新鮮な状態を保つため、共同研究機関があるドイツで摘出、加工した弁を使っていたが、今回初めて日本で摘出した弁を用いた。  チームは「加工を施すことで再手術のリスクが低くなるほか、本来は廃棄される弁を有効利用できる。普及を進めたい」と説明している> とある。

 多くの種類のがんで発病リスクを引き上げている> のが "喫煙" だとされる。 さらに、<自分がたばこを吸わないのに他人が吸うたばこの煙にさらされる受動喫煙> もまた、死に至るリスクを伴うという。

 ◆ 参照 当誌過去の "受動喫煙" 関連記事

  <喫煙は、多くの種類のがんで発病リスクを引き上げている。喫煙が原因のがんは、がん全体のうち、男性では約3割、女性では5%だった。受動喫煙でも原因になる。井上さんは「吸わない人も、たばこの煙に近づかないよう気をつける必要がある」と助言する> ( がん予防!"喫煙"と"感染"をなくせば、日本人のがんは3割程度減る計算(国立がん研)!/当誌 2014.06.23


 今回注目する下記引用サイト記事受動喫煙で1万5千人死亡 半数以上が脳卒中 厚労省研究班/産経ニュース/2016.05.30 - 22:59 は、  <受動喫煙が原因で死亡する人は、国内で年間約1万5000人に上るとの推計を厚生労働省の研究班が30日までにまとめた。平成22年の推計では約6800人で、その後に脳卒中との因果関係が明らかになったことから、脳卒中による死亡の約8000人が上積みされ、2倍以上になった> を報じている。

 <......研究班は、自分がたばこを吸わないのに他人が吸うたばこの煙にさらされる受動喫煙の割合や、受動喫煙と因果関係があるとされる肺がん、心筋梗塞を中心とする虚血性心疾患、脳卒中などによる死亡統計を基に年間の死亡数を推計した。  肺がんで2480人、虚血性心疾患で4460人、脳卒中で8010人、乳幼児突然死症候群(SIDS)で70人が死亡するとの結果になった。職場では男性3680人、女性は4110人、家庭では男性840人、女性6320人が死亡すると推計した> とある。

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