yasuo hirose: 2016年7月 アーカイブ

 <"三大療法"(除去手術/抗がん剤/放射線)で懸念され続けてきた "副作用" がないことから、"第4のがん治療法" とも評されている"免疫(細胞)療法" というアプローチ> が、幾度となく注目されている。

 ◆ 参照 当誌過去の "糖尿病治療薬" 関連記事

 (1) <横浜市立大学の研究グループは3日、糖尿病などの治療で用いられる薬剤のメトホルミンが、大腸ポリープ除去後に新規ポリープの発生を抑制することを確認したと発表した。世界初の報告で非常に注目されているという......> ( "糖尿病治療薬メトホルミン"服用で、"大腸がん"の予防効果を確認! (横浜市立大学)/当誌 2016.03.05

 (2) <"三大療法"(除去手術/抗がん剤/放射線)で懸念され続けてきた "副作用" がないことから、"第4のがん治療法" とも評されている"免疫(細胞)療法" というアプローチ。 このアプローチで焦点となっているのが "キラーT細胞" だ。 ......岡山大大学院医歯薬学総合研究科の鵜殿平一郎教授(免疫学)らの研究グループは、がん治療への効果が確認されている糖尿病治療薬「メトホルミン」について、がん細胞を破壊するキラーT細胞を活性化させる作用があることを突き止めた。従来のがん治療法と併用することで、治療の効果が高まる可能性があるという......> ( 糖尿病薬にがん細胞を破壊するキラーT細胞の活性作用あり!岡山大グループ効果解明!/当誌 2015.04.02


 今回注目する下記引用サイト記事糖尿病薬「メトホルミン」で、がん免疫アップ...岡山大チーム/yomiDr. ヨミドク/2016.07.28 は、  <糖尿病治療薬「メトホルミン」に、がんに対する免疫細胞の攻撃力を高める作用があることをマウスの実験で突き止めたという研究成果を、岡山大の 鵜殿 平一郎教授(免疫学)らのチームがまとめた。  免疫の力でがんを治療する「がん免疫療法」の効果を高められる可能性がある。大阪市で28日に開かれる日本がん免疫学会で発表する> と報じている。

 <......チームは、メトホルミンを服用する糖尿病患者は、がんの発症率や死亡率が低いとの報告が多いことに着目。がんを移植したマウスにメトホルミンの成分を加えた免疫細胞を注射し、約1か月後の腫瘍の大きさを調べたところ、ほとんど変わらなかった。何もしなかったマウスは、腫瘍が3倍以上大きくなった。  がん細胞は、免疫細胞の栄養分となる糖分を取り込むことで、攻撃から逃れる性質がある。チームは、メトホルミンが免疫細胞に十分な糖分を補給し、攻撃力を高めているとみている。  京都大の河本宏教授(免疫学)の話「メトホルミンは安価で使いやすく、理論的にも期待が持てる内容だ。高齢者では副作用もある薬のため、安全な使用法を検討する必要がある> とある。




















 高齢化に伴って、"がん罹患" の疑われるケースが増していたり、また "がん検診" が推奨されてもいるためか、<がんが疑われる組織や細胞> を診断しなければならない必要性が高まっているという。

 今回注目する下記引用サイト記事病理医不足、考えるときに/朝日新聞 - apital/2016.07.27 - 06:00 は、  <がんが疑われる組織や細胞を、顕微鏡などを使って悪性か良性かを診断するのは病理医の仕事だ。  厚生労働省の調査によると、2014年に全国で実施された病理診断は約376万件。05年比で1・75倍に増えた。手術の切除範囲を決める目的などで、がんの進展が疑われる部分を術中に採取して10分程度で診断する「術中迅速診断」をみると、この10年間で3倍増の約17万件になった。  病理診断に頼る場面が増える一方、その担い手には黄色信号がともる> と報じている。

 <......東大病院病理診断科の佐々木毅副部長の集計では、国内の病理専門医は15年5月現在、2258人いるが、5年後には2割近くが65歳以上になる。日々、顕微鏡に向かう地味な仕事というイメージもあってか、病理医を志す医学生は少数派だ。  しかし、病理医による正確な診断がなければがんの治療は成り立たない。埼玉県立がんセンターの黒住昌史(くろすみまさふみ)・病理診断科部長は「とりあえず20年間はシニアに頑張ってもらうとして、その間に社会全体で重要性を認識し、病理医を増やす対策を取る必要がある」と話す> とある。

 "iPS細胞による移植手術" には、大きな期待が託されている一方で、"多大な時間/コスト" の問題などの懸念も残されている。

 ◆ 参照 当誌過去の "iPS細胞 備蓄" 関連記事

 (1) <"iPS細胞" 技術を活かした "移植手術" は、既に、"加齢黄斑変性" の患者に対する成果などを収めているが、"iPS細胞による移植手術" には小さくない課題も残されている。"がん化" の可能性をはじめとして "多大な時間/コスト" の問題などが懸念されている......> ( 他人に移植しても拒絶反応が起こりにくい人の"iPS細胞"備蓄!東京でも"採血"!(京大)/当誌 2016.07.10

 (2) <......京都大学が特殊なタイプの免疫を持つ人からあらかじめ作って保管しているiPS細胞を使う「他家移植」という方法をとり、時間と費用を大幅に抑えることにしています......> ( "他人のiPS細胞"使った臨床研究(「他家移植」!という方法) 来年前半の手術へ準備!/当誌 2016.06.09


 今回注目する下記引用サイト記事iPS医療にAI活用 山中教授、安全性を評価/共同通信/2016.07.27 - 06:11 は、  <京都大の山中伸弥教授は27日までに、再生医療に使うために備蓄している人工多能性幹細胞(iPS細胞)の安全性の確認に、人工知能(AI)を取り入れる構想を明らかにした。患者に移植する前に、がんに関わる遺伝子に異常がないかAIで調べる> と報じている。

 <......iPS細胞の開発から10年を機に共同通信のインタビューに答えた。最先端のIT技術を積極的に導入して再生医療の安全性を高め、実用化を加速させたい考えだ。  山中氏は「膨大なゲノムデータの解析を、見落としなく、客観的に安全性を評価するのにAIを使いたい」と述べた> とある。

 血流が滞り血の塊(血栓)死亡リスクにもつながる "エコノミー症候群" は、乗り物などの狭い空間で、長時間にわたって身動きが抑えられる場合(車内での寝泊まりなど)に発生すると考えられている。 だが、注意すべきは、リスク発生はそうした特別な状況だけに限られるわけではない! とのことである。

 今回注目する下記引用サイト記事TVでエコノミー症候群 長時間で死亡リスク増/共同通信/2016.07.27 - 05:51 は、  <テレビを長時間見ると、静脈血栓塞栓症(エコノミークラス症候群)で死亡するリスクが増加することを、大阪大のチームが約8万6千人のデータ解析で解明し米医学誌電子版に27日発表した> と報じている。

 <......1日5時間以上見るとリスクは2時間半未満の2.5倍。脚を動かさず血流が滞り血の塊(血栓)ができたのが原因とみており、意識して動くことや脚のマッサージ、水分摂取を勧めている。  こうした因果関係を大規模調査で示したのは初めてと説明している。  チームは1988~90年に全国約8万6千人(当時40~79歳)に1日の平均テレビ視聴時間などを尋ねたアンケートとその後の死亡状況のデータを使用> とある。

 がん患者に対する "緩和医療" が、いろいろな角度から注目されている昨今である。"根治治療" のアプローチと併せて、あるいは別に、"生活の質改善" のための "放射線治療" が実施されているという。

 今回注目する下記引用サイト記事症状和らげる放射線の「緩和照射」 生活の質改善に期待  瀬川茂子/新聞社/2016.01.23 - 09:00 は、  <手術、薬と並ぶがん治療の三つの柱に位置づけられる放射線治療。実は痛みや呼吸困難などの症状を和らげるために使われることもある「緩和照射」と呼ばれ、生活の質の改善が期待できる。全身状態が良くなれば、その後に積極的な治療が受けられるようになる人もいる> と解説している。

 <......■ 低い線量、少ない体の負担  茨城県に住む女性(70)は4年前、腰痛で歩くのもつらくなり、紹介で受診した筑波大付属病院で進行した乳がんだと診断された。腰椎(ようつい)への骨転移があり、腰の痛みはそのためだった。  腰椎の神経が圧迫されるとしびれや歩行困難になる恐れがあった。抗がん剤による治療の前に、まずは入院して腰椎の部分に放射線を照射することになった。  15回の照射が終わり、腰の痛みは次第に薄らいだ。腰をかばい、重いものを持たないようにしていたが、気にすることもなくなった。  現在、抗がん剤を服用しながら通院を続けるが、筋肉をつけるために、近くの山にハイキングにも行く。「おかげさまで、普通の生活をしています」  放射線治療には、がんの根治や再発・転移のリスクを下げるために照射する以外に、痛みや神経への圧迫を取り除いて症状を和らげる「緩和照射」がある。根治はむずかしい進行がんで生活の質を上げるためなどに使われる。  筑波大の桜井英幸教授(放射線腫瘍(しゅよう)学)によると、根治目的の照射より通常、線量を下げて行われる。体の負担が少なく、高齢者や体力がない人でも受けられる。「症状をよくするためなので、線量を低くして副作用が出ないようにする」と桜井さんは話す。 ......以下略......> とある。

 がん治療で、患者から最も高い関心が向けられる指標は、いわゆる "5年生存率" と呼ばれる統計値> だと考えられている。 そのため、"この統計値" の信頼性と精度の向上が図られている。

 ◆ 参照 当誌過去の "5年生存率" 関連記事

  <がん治療で、患者から最も高い関心が向けられる指標は、いわゆる "5年生存率" と呼ばれる統計値だ。
 一定期間での "がん腫瘤" の "縮小/消滅" も重要な関心事とはなっても、言ってみれば "状況証拠(?)" 的事実に過ぎず、結局、"延命効果" の有無は、"5年生存率" の数値に如実に反映される。 したがって、がん治療の成果の有無は、この数値で表現されると言ってよさそうである。......国立がん研究センターは14日、2007年にがん診療連携拠点病院でがんと診断され、治療を始めた患者のデータをまとめ、5年後の生存率を公表した。乳がんは92・2%、大腸がんは72・1%、胃がんは71・2%と比較的高かったのに対して、肝臓がんは35・9%、肺がんは39・4%と厳しい状況が明らかになった。すべてのがんをまとめると64・3%だった......
> ( 肝臓がん:35.9%と肺がん:39.4%、厳しい生存率!治療開始5年後を集計(国立がん研セ)!/当誌 2015.09.16


 今回注目する下記引用サイト記事がん患者の5年生存率62・1%...64万人調査/新聞社/2016.07.22 は、  <国立がん研究センターは、がん患者5年後の生存率最新推計を発表した。全ての部位のがんを合わせた生存率は62・1%。男女別では男性が59・1%、女性が66・0%だった> と報じている。

 <......2006~08年にがんと診断された患者が対象。都道府県単位で登録したデータを基に、精度の高い21府県の約64万人の情報を集計した。がんの部位別で生存率が高かったのは、甲状腺93・7%皮膚92・4%男性の前立腺97・5%女性の乳房91・1%など。一方、 膵臓7・7%胆のう・胆管22・5%31・9%肝臓32・6%低かった。  03~05年に診断された患者を対象とした前回(13年発表)は、全体で58・6%で、今回は3・5ポイント上昇した。ただ、同センターは「前立腺や乳房など経過の良いがんが増えた影響が大きく、治療法の改善とは言えない」としている> とある。

 季節は今、煩わしいが鬱陶しい最中だ。 と言えば、昨今はブラジルの "ジカ熱" に目が向くわけだが、そう簡単に忘れてはいけないのが、"デング熱" なのかもしれない。

 ◆ 参照 当誌過去の "デング熱" 関連記事

 (1) "デング熱" 過去最多ペース!海外感染で発症80人に!やはりウイルス感染源は海外か?!/当誌 2015.05.27

 (2) あの代々木公園発の"デング熱"で、有力"抗体"発見(国際チーム)!ワクチン開発に期待!/当誌 2014.12.18


 今回注目する下記引用サイト記事フィリピン帰り・新潟県の女性、デング熱で死亡...国内11年ぶり/yomiDr. ヨミドク/2016.07.22 は、  <厚生労働省は22日、フィリピンから帰国した新潟県の30歳代女性が21日にデング熱のため死亡した、と発表した> と報じている。

 <......国内でデング熱による死亡が確認されたのは2005年以来、11年ぶり。女性はフィリピンで感染したとみられる。同省などによると、女性は6月29日~今月15日にフィリピンを訪問。滞在中から頭痛や発熱の症状があり、帰国後の16日に発疹や出血などのため、新潟市の医療機関に入院した。検査の結果、デング熱と診断された> とある。

 がん細胞などを、"ウイルス" の活用によって破壊するというアプローチは、かねてより注目されていた。

 ◆ 参照 当誌過去の "アデノウイルス" 関連記事

 (1) がんや腫瘍の原因となる未分化細胞!遺伝子"サバイビン"目印にアデノウイルスで駆逐!/当誌 2015.07.28

 (2) 再生医療で細胞のがん化や腫瘍の発生を防ぐ新技術!アデノウイルス活用!(鹿児島大)/当誌 2015.07.24

 (3) がん細胞狙い撃ち!正常細胞傷つけぬ"ウイルス薬"(ウイルス療法)治験開始へ(鹿児島大)/当誌 2015.06.10

 (4) がん細胞だけを破壊する"ウイルスの投与"と"放射線治療"とを併用する新療法!(岡山大)/当誌 2015.04.13


 今回注目する下記引用サイト記事食道がん、ウイルスで破壊...患者に治療効果/YOMIURI ONLINE/2016.07.21 - 15:31 は、  <がん細胞だけを破壊する特殊なウイルスを使った治療で、食道がん患者7人のうち5人で腫瘍が消えるなどの効果があったとする成果を、岡山大学のチームがまとめた。  28日から東京都内で開かれる日本遺伝子細胞治療学会で発表する。  ウイルスは正常な細胞では増殖しないため副作用も起こりにくいとし、2020年頃の薬事承認を目指す> と報じている。

 <......このウイルスは、岡山大の藤原俊義教授(消化器外科)らのチームが02年、風邪の原因となるアデノウイルスの遺伝子を操作して開発した。がん細胞に感染して増殖し、細胞を破壊するが、正常な細胞に感染した場合は自然に消える。  また、ウイルスには、がん細胞が放射線などで傷ついた自らのDNAを修復する機能を阻害し、細胞を死滅させる働きもある。放射線治療の効果を高めることも期待できるという。 ...... 以下略 ......> とある。

 昨日の記事に引き続き、あってはならない "医療事故" への注目となる。 今回のケースもまた、"患者の立場" を蔑ろにした点では共通しているが、まるで、「由(よ)らしむべし知(し)らしむべからず」とでも言うような医療側の姿勢が奇しくも照らし出されたかのように見えるのだが......。

 ◆ 参照 当誌過去の "医療事故" 関連記事

  「治療ミスで後遺症」(食道がん手術) 1億2000万円賠償!病院側に支払い命令、地裁!/当誌 2016.07.22

 今回注目する下記引用サイト記事手術中のミス患者に伝えず、千葉 2リットル大量出血/共同通信/2016.07.20 - 21:28 は、  <千葉県がんセンター(千葉市)で昨年12月、食道がんを患う県内の60代男性が食道摘出の手術を受けた際、医師らが機器の操作ミスで止血に手間取り、約2リットルの大量出血があったのに、患者側に伝えていなかったことが20日、関係者への取材で分かった。県には医療事故として報告していた> と報じている。

 <......関係者によると、センターは手術後、患者側に「止血に苦労した」などと伝えていた。手術後の経過は良好という。患者側は共同通信の取材に「病院からミスの話は全く聞いていない。今も治療を続けており病院を信じたい」としているが、重大な結果を招きかねないミスで、センターの説明責任が問われそうだ> とある。

 "医療事故" とその疑義については、一般患者からはどうしても "分かりにくい治療(専門性・複雑性)" が広がる現状で、人々の関心は高まらざるを得ない。 それは、単なる好奇心からではなく、「明日は我が身」か、という他人事ではない不安に包まれているからであろう。

 ◆ 参照 当誌過去の "医療事故" 関連記事

 (1) "抗がん剤"事故 228件!血管外漏れや過剰投与! 2010年以降/日本医療機能評価機構調査/当誌 2016.07.02

 (2) 腰部脊柱管狭窄症"手術ミス"で50代女性死亡!千葉の整形外科病院、昨年導入の新手法!/当誌 2016.05.19

 (3) "輸血で慢性肝炎"さらに3人(昨秋2人発症)! E型肝炎ウイルス感染、20~30代の患者!/当誌 2016.01.25


 今回注目する下記引用サイト記事「治療ミスで後遺症」...1億2000万円賠償、病院側に支払い命令/yomiDr. ヨミドク/2016.07.19 は、  <藤田保健衛生大病院(愛知県豊明市)で食道がんの手術を受けた際、医師が適切にビタミンB1を投与せず、運動障害などの後遺症が残ったとして、同県知多市の男性(60)が病院を運営する藤田学園らに約1億6600万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が15日、名古屋地裁であり、朝日貴浩裁判長は約1億2000万円の支払いを命じる判決を言い渡した> と報じている。

 <......判決によると、男性は2009年7月に食道がんの手術を受けた後、めまいや意識障害などの症状を訴え、8月にビタミンB1の欠乏で生じる「ウェルニッケ脳症」と診断された。医師が縫合不全を疑い、男性は手術後絶食を指示され、輸液で栄養を摂取していたが、同病院は1か月余りビタミンB1を投与しなかった男性は退院後も症状が進行。歩行が困難となり、日常生活のほとんどに介助が必要となった。  同学園は、脳症の診断後にビタミンB1を大量投与し、退院までに症状は改善したと主張したが、判決では、「男性がめまいなどの症状を訴えた後すみやかに投与せず、後遺症が残った」とし、原告の請求を認めた。   同学園は「判決内容を検討した上で、今後の対応を考えたい」とした> とある。

 がんの治療薬(抗がん剤)「オプジーボ」については、様々な点での "話題" を提供し続けてきたようである。

 ◆ 参照 当誌過去の "オプジーボ" 関連記事

 (1) がん新薬「オプジーボ」の併用で死亡例(間質性肺疾患発症)!臨床腫瘍学会が注意喚起!/当誌 2016.07.15

 (2) がんの治療薬「オプジーボ」など "費用対効果"検証(総医療費の抑制が目的)!(厚労省)/当誌 2016.04.30

 (3) 皮膚がん抗がん剤「オプジーボ」で、"重い糖尿病"を発症!厚労省が注意を呼びかけ!/当誌 2016.01.31

 (4) 皮膚がん治療薬"ニボルマブ"投与の患者が"重症筋無力症"で死亡!厚労省が注意指示!/当誌 2015.09.17


 今回注目する下記引用サイト記事免疫療法併用で男性死亡 がん新薬オプジーボ/共同通信/2016.07.19 - 21:06 は、  <新しい仕組みのがん治療薬「オプジーボ」使用後に、別のがん免疫療法を受けた60代男性が、副作用とみられる症状で死亡したとして、オプジーボを製造する小野薬品工業(大阪市)は19日、こうした治療を同時に行わないよう医師らに注意を呼び掛けた> と報じている。

 <......小野薬品によると、男性は肺がんで、オプジーボの投与から約3週間後に、自身から取り出した免疫細胞を活発にして体内に戻すがん免疫療法を自由診療で実施したとみられる。その後、多臓器不全となり心不全で死亡したという。  このほかにも5人に、がん免疫療法との併用で重い副作用が出たとの報告があった> とある。

 とかく、「先生にお任せします......」というスタイルで始まる治療(がん治療)にあって、その先生から処方された "抗がん剤" は、"唯々諾々" と受け容れ続けがちかと思われる。その結果、がん組織の大きさの一時的な縮小に一喜一憂しているうちに、取り返しがつかないほどの "副作用" の累積、そして苦痛・苦悩に行き当たってしまう......。

 ◆ 参照 当誌過去の "抗がん剤 やめどき" 関連記事

  <抗がん剤=殺全身細胞薬は、がん完治の薬ではない!だから"やめどき"が必ずや訪れる! というのが、"抗がん剤" 治療を受ける患者の基本姿勢! と考えるのが妥当......> ( "抗がん剤"治療には「やめどき」があり、自己決定を基に、悔いのない選択をすること!/当誌 2015.11.21


 今回注目する下記引用サイト記事抗がん剤 適切な時期にやめて寿命が延びたケースも/@niftyニュース/2016.07.17 - 16:00 は、  <新しい抗がん剤が認可、適用されると「夢の特効薬」ともてはやされがちだが、効果をみると、過大な期待は禁物だといったものも少なくない。たとえば昨年12月、肺がん新薬として公的医療保険が適用された「オプシーボ」は、がん細胞が縮小するなどの効果が表われるのは肺がん患者全体の2割程度。他の代表的な抗がん剤にしても、胃がんに使われる「サイラムザ(一般名:ラムシルマブ)」で延命効果が2.2か月など、シビアな数字が並ぶ> と解説している。

 <......『長尾クリニック』院長の長尾和宏氏が話す。  「抗がん剤を"がん細胞だけを殺す薬"、"がんを治す薬"と思っている方が多いですが、白血病や悪性リンパ腫など一部の血液がんを除き、多くの場合、完治を目指したものでなく、延命効果を期待して使われています。  抗がん剤副作用の強いものが多いため、治療を長く続けているうちにデメリット(副作用による健康への悪影響)がメリット(薬の効能)を上回る時がやってくる。その時点から治療は、『延命』でなく『縮命』へと本末転倒になってしまうのです」  「縮命」とは副作用などによるデメリットが上回り、寿命を縮めてしまう状態。加えて、肉体・精神的苦痛が増し、生きている喜びや楽しみが奪われ、本人も家族も苦しみと悔いに囚われる状態を指す。  「抗がん剤治療をやめただけで、嘘のように食事を取れるようになったり、病院から自宅に戻っただけでみるみる元気になっていく患者さんを私は何人も目にしてきました。抗がん剤を適切な時期にやめたことで、寿命が延びたものと考えています」(同前) ※週刊ポスト2016年7月22・29日号> とある。

 現在、"抗がん剤" 治療に対する "理解や評価" は安定しているのであろうか? 有り体に言えば、評価は分かれると言えそうだ......。 "抗がん剤" 治療が安定しているのは当然のことと強弁し、高圧的に言明(?)することだけでは済まないであろうし、かと言って感情的反発(?)だけで対応するのも問題が残りそうだ。

 今回注目する下記引用サイト記事抗がん剤治療の「真のアウトカム」は? 内科医・酒井健司の医心電信/apital 朝日新聞/2016.07.18 - 06:00 は、  <がんを一時的に小さくできても、死亡を減らさなかったり、つらい副作用があったりするなら、なんのための治療かよくわかりません抗がん剤治療を行う目的は、生存期間を延長したり、症状を緩和したりすることです。  つまり、奏効率は「代用のアウトカム」、生存期間の延長や生活の質の改善は「真のアウトカム」です。極端な話、がんが小さくならなくても、別の病気で死ぬまで大きくならずにいれば、治療は成功と言えます。> と解説している。

 <......抗がん剤の治療効果の指標の一つに「奏効率」があります。一言で言うと、「抗がん剤治療を受けた患者さんの中で、腫瘍(しゅよう)が小さくなった人の割合」です。  腫瘍の大きさはCTなどの画像検査で測定できます。抗がん剤治療前後で腫瘍の大きさを比較して、腫瘍消失したものが「完全奏功」30%以上小さくなったものが「部分奏功」です。抗がん剤治療を受けた人の中で、完全奏功または部分奏功の人の割合が奏効率です。  もちろん、奏効率は高い方がいいのですが、奏効率だけでは抗がん剤治療の善し悪しを判断することはできません。たとえば、高い奏効率(100%)の抗がん剤Aと、低い奏効率(0%)の抗がん剤Bがあったとしましょう。奏効率だけを考えると、圧倒的に抗がん剤Aのほうが良さそうに思えます。しかし、1年後の生存率という別の指標が次のようなものだったらどうでしょう。  抗がん剤Aを使うとすべての患者さんにおいて、腫瘍が小さくなります。しかし、腫瘍の縮小は一時的なもので、1年後までに50%の患者さんでがんが増大して亡くなります(一般的に、固形がんに対して抗がん剤治療を行い、がんが小さくなったとしても、そのうち効かなくなります)。  一方で、抗がん剤Bには腫瘍を小さくする効果はありません。しかし、1年後にがんが増大して亡くなる患者さんは20%です。抗がん剤Bは、腫瘍を小さくはできないけれども大きくならないように働くのです。  抗がん剤Aと抗がん剤B、どちらの治療を受けたいですか? どちらかを選ぶのであれば、私は抗がん剤Bのほうを受けたいです。CT画像上でがんが小さくなっても1年後に死んでしまうなら、がんが小さくならなくて死なないほうがましです。...... 抗がん剤の臨床試験では、奏効率よりも「全生存期間」(臨床試験を開始して死亡するまでの期間)のほうが重視されます。全生存期間を延ばす治療が良い治療とみなされます。  生活の質を考慮した指標もありますが、死亡と比較して評価が難しいです。一般的には、生活の質の悪化は生存期間を縮めますので、全生存期間を延ばす治療は生活の質も改善させると考えられます。  「抗がん剤はかえって命を縮める」という誤った主張がしばしば見られます。その論拠の一つに「抗がん剤奏効率だけで承認される」というものがありますが、現在では奏効率だけで承認されることはありません。もし抗がん剤を使うような病気にかかったときは、不正確な情報に惑わされず、主治医とよく相談してください。> とある。

 "肺移植"(脳死移植、生体間移植)については、ドナー提供臓器(肺) が決して豊富ではない現状であるがゆえに、"様々な工夫と挑戦!" が試みられている。 とりわけ、"岡山大病院" での "肺移植手術" の動向は、目を見張るばかりである。

 ◆ 参照 当誌過去の "岡山大 肺移植" 関連記事

  <この間、"肺移植"(脳死移植、生体間移植)については、"様々な工夫と挑戦!" が試みられてきた。ドナー提供臓器(肺) が決して豊富ではない現状から、やむを得ず 様々な工夫と挑戦!" が求められている、ということなのかもしれない。......岡山大病院は4日、北海道在住の男性(59)の左右両方の肺移植で、片方を脳死した人から、もう片方を生きている人から提供を受けた「ハイブリッド肺移植」の手術を実施、世界で初めて成功したと発表した。> ( 左右両肺移植 片方を脳死移植 もう片方を生体間移植="ハイブリッド移植"成功!岡山大/当誌 2015.04.06

 今回注目する下記引用サイト記事脳死者と生体の肺同時移植実施へ 岡山大病院、世界2例目/共同通信/2017.07.17 - 01:30 は、  <岡山大病院は16日深夜、肺の難病を抱える60代男性が、肺の片方を脳死した人から、もう一方を生きている人から提供を受ける「ハイブリッド移植手術」を17日朝に実施すると発表した。同手術は岡山大病院が昨年4月に世界で初めて成功し、同院によると、今回が世界で2例目となる> と報じている。

 <......男性は2012年5月、肺胞の壁が炎症を起こして固くなり、呼吸をしても酸素と二酸化炭素(CO2)の交換がしにくくなる「特発性間質性肺炎」と診断され、日本臓器移植ネットワークに登録してドナーが現れるのを待っていた。病院によると、右肺は脳死した人から、左肺は男性の息子から提供されるという> とある。

 "がん組織の増殖/転移" において、"がん細胞" と "(周囲の)血管" との間には、密接な "(連携)関係" が存在するのではないかと推定されてきた。

 ◆ 参照 当誌過去の "がん転移" 関連記事

 (1) がん転移防ぐ"抗体"開発!がん細胞が血小板を纏うことを阻止!(がん化学療法センター)/当誌 2016.04.26

 ◆ 参照 当誌過去の "血管新生" 関連記事

 (2) がん細胞周辺の血管の壁に特有の"裂け目"!この裂け目利用で、抗がん剤注入の可能性!/当誌 2016.02.17


 今回注目する下記引用サイト記事がん転移、血管からの分泌タンパク影響 北大チーム解明/どうしん/2016.07.15 - 05:00 は、  <北大遺伝子病制御研究所の樋田京子特任准教授の研究チームが、マウスの実験でがんが転移する新しいメカニズム解明した。がん細胞が血管の中を通って他の臓器に転移する際、血管から分泌されたタンパク質におびき寄せられていたこと確認がんの転移の早期診断や、治療薬の開発につながることが期待される> と報じている。

 <......がん細胞がもともとあった場所(原発巣)から血管内に入り込み、他の臓器に転移することは知られていたが、血管はがん細胞の通り道でしかないと思われていた。  研究チームの実験では、マウスのがんの中を走る血管の細胞からタンパク質が分泌され、これを感知したがん細胞が活性化、血管の内部に入り込んでいること確認した。  さらに大腸がんや肝臓がんが転移した人の血管を調べても、このタンパク質が分泌されていたことが分かった。正常組織の血管からは、このタンパク質は分泌されないという。血管から分泌されるタンパク質ががんの転移を促すことを突き止めたのは、世界で初めて> とある。

 高齢化が深まる時代環境で、"認知症罹患数" に加えて "がん罹患数" の増加が、やはり目を向けざるを得ない数値となっている。

 ◆ 参照 当誌過去の "がん罹患数" 関連記事

 (1) 15年のがんと診断される人:98万人と予測(死亡する人:37万900人)! (国立がん研セ)/当誌 2015.04.30

 (2) "今年のがん死亡は37万人"と初の予測! がん対策に寄与するための統計処理的な予測!/当誌 2014.07.14


 今回注目する下記引用サイト記事新規がん患者100万人超と予測 死者37万人、高齢化で増加/共同通信/2016.07.15 - 00:08 は、  <国立がん研究センターは15日、2016年新たにがんと診断される患者は101万200人、がんで死亡する人は37万4千人になるとの予測を発表した。新規の患者が100万人を超えるのは初めてで、高齢者の増加に伴い、発症する人が増えるとみている> と報じている。

 <......予測は、国や地域のがん対策の目標設定などに役立てるのが目的患者数の予測は昨年より2万8千人増えた実際の統計でも患者数は1970年代から一貫して増え続けているという。  予測された部位別の患者で最も多いのは、大腸がんの14万7200人。胃がん、肺がん、前立腺がん、乳がんと続き、上位5位は昨年と同じだった> とある。

 抗がん剤などのがん新薬は、新しい視点からの開発に基づき次々と医療現場に供されている。 だが、一方で、"(高)価格" に関する懸念や、"副作用" への心配が解消されているわけでもなさそうだ。

 ◆ 参照 当誌過去の "オプジーボ" 関連記事

 (1) がんの治療薬「オプジーボ」など "費用対効果"検証(総医療費の抑制が目的)!(厚労省)/当誌 2016.04.30

 (2) 皮膚がん抗がん剤「オプジーボ」で、"重い糖尿病"を発症!厚労省が注意を呼びかけ!/当誌 2016.01.31

 (3) <厚生労働省は15日、皮膚がんの一種「メラノーマ」の治療薬「オプジーボ」(一般名・ニボルマブ)投与された患者1人が、全身の筋力が低下する「重症筋無力症」を発症して死亡したとして、製造販売元の小野薬品工業(大阪市)に対し、薬の説明文書を改め、医師らに注意を呼びかけるよう指示した。この薬は、がん細胞の影響で抑えられていた免疫を再び活性化させる新しいタイプで、昨年7月に承認された。......> ( 皮膚がん治療薬"ニボルマブ"投与の患者が"重症筋無力症"で死亡!厚労省が注意指示!/当誌 2015.09.17


 今回注目する下記引用サイト記事がん新薬の併用で死亡例 臨床腫瘍学会が注意喚起/共同通信/2016.07.13 - 21:57 は、  <日本臨床腫瘍学会は13日、がんの新薬「オプジーボ」の投与後に、別の種類のがん治療薬を併用した肺がん患者が、副作用とみられる間質性肺疾患を発症し死亡した例があるとして注意喚起した> と報じている。

 <......オプジーボを製造する小野薬品工業は、影響が否定できない症例が7例あり、3例が死亡したとしている。併用された薬剤「タグリッソ」を製造するアストラゼネカは、投与中は十分に経過観察し、異常があれば中止するよう呼び掛けた。  両方の薬とも添付文書の「重大な副作用」に間質性肺疾患を記載している。厚生労働省は「情報を収集して専門家らと協議し、必要な対応を取りたい」と話した> とある。

 "老化" と "長寿" は、人間の "果てしなき課題" なのかもしれない。 そして、<"長寿" を担っているとされる "サーチュイン遺伝子" については、かねてより注目されており、この "遺伝子" を "目覚めさせる" には、"飢餓状態" が契機となる(食事量、カロリー摂取の制限を続けることによって活性化)>(関連記事 参照) といった期待なども指摘されている。

 ◆ 参照 当誌過去の "サーチュイン" 関連記事

 (1) 長寿は、その質の「健康寿命」として問われ始める!調査結果"沖縄"の例!(聖徳大教授)/当誌 2016.06.14

 (2) "ストレスによるうつを防ぐ働き"のある酵素(サーチュイン)を解明!マウスで (山口大)/当誌 2016.03.25

 (3) 長寿遺伝子とされる「サーチュイン」の働きを強めて、脳梗塞による"認知症"を防ぐ!/当誌 2014.09.13


 今回注目する下記引用サイト記事老化抑制物質を人に投与、慶大 病気予防に期待/共同通信/2016.07.11 - 19:43 は、  <慶応大は11日、高齢化によって増えるさまざまな病気の予防に役立てようと、老化に伴う症状を抑える効果がマウスでみられた物質を、人間に投与する臨床研究を始めたと発表した> と報じている。

 <......健康な人を対象に、まず安全性を確認するのが狙い。伊藤裕教授(内分泌代謝学)は「安全性が確認できれば将来、具体的な効果を調べたい」と話している。  投与するのは「ニコチンアミド・モノヌクレオチドNMN)」。人間や動物の体内にもともとあり、長寿遺伝子として知られる「サーチュイン」の働きを強める化合物の材料となる> とある。

 がんの治療技術は、様々に進展している。 また、"緩和ケア" という領域の整備拡充も進み、"末期がん患者のケア" にも種々の変化が見られるという。

 ◆ 参照 当誌過去の "末期がん" 関連記事

 (1) 末期のがん患者が在宅医療を選んでも寿命が縮む可能性は低いことを示す結果 (筑波大)/当誌 2016.04.08

 (2) 「クオリティー・オブ・デス(QOD、死の質)」指標/緩和ケア、1位は英国、日本は14位!/当誌 2015.10.20

 (3) がんの痛み、我慢しないで!がんでは、痛みを我慢する医学的メリットはまったく無し!/当誌 2015.02.11

 (4) がんの痛み取り除く治療「日本は先進国では最低水準」!必要以上に麻薬を怖がる風潮?!/当誌 2015.02.10

 (5) がんの"緩和ケア"、利用進まず(2.6% アフラック調査)!末期がんと同一視されている?/当誌 2014.07.13


 今回注目する下記引用サイト記事末期がん患者のケア不十分...専門病院以外の「一般病棟」での看取り51%/yomiDr. ヨミドク/2016.07.11 は、  <がん患者の半数が、がん専門病院以外の一般の病院で 看取られ、痛みやつらい症状を取り除く緩和ケア外来の利用率も低い、という調査結果をがん患者支援団体がまとめた。  がんの末期に質の高いケアが十分受けられていないとみられる> と報じている。

 <......NPO法人「HOPEプロジェクト」が昨年11月、患者を看取った遺族200人に調査を実施。看取った場所として最も多かったのは「総合病院の一般病棟」(51%)で、「自宅」が20%、がんセンターや全国のがん診療連携拠点病院などの「がん専門病院」が12%、末期がん患者に対応する「緩和ケア病棟」が10%だった。  一方、通院しながら痛みのコントロールなどを行う「緩和ケア外来」を利用したのは16%だけで、平均利用日数も月3・5日にとどまった。  桜井なおみ理事長は「がんが進行し、有効な治療がなくなると、専門病院から一般の病院に転院せざるを得ない患者が多い。痛みをコントロールしながら生活できる体制の確立が必要」と話している> とある。

 近年、<日本では「過去の病気」と見られがちな "結核" > が、"集団感染" という、言わば唐突なかたち(?)で衆目を集めることとなっている。

 ◆ 参照 当誌過去の "結核" 関連記事

 (1) 日本では「過去の病気」と見られがちな"結核"!世界で猛威 インド/中国で耐性菌拡大!/当誌 2016.05.26

 (2) 佐賀県、"結核の集団感染"(計10人)確認、80代の女性死亡!佐賀県の医療機関/当誌 2016.05.17


 今回注目する下記引用サイト記事病院などで21人が結核感染 北九州、6人発症/共同通信/2016.07.08 - 19:17 は、  <北九州市は8日、同市小倉北区の病院と高齢者施設で入院患者、職員計21人が結核に集団感染し、うち6人が発症したと発表した。別の病気で入院し、高齢者施設にも出入りしていた60代男性が結核を発症。市はこの男性から21人に感染が広がったとみて、詳しい原因を調べている> と報じている。

 <......市によると、60代男性は3月に結核と診断され、4月に死亡した。同室だった70代男性が5月に発症したため、病院がこの2人と接触した患者や職員計91人を検査し、集団感染が分かった> とある。

 有効な治療薬はないとされてきた "非アルコール性脂肪肝炎NASH)" などに対する治療薬への道が見え始めてきたという。


 今回注目する下記引用サイト記事タンパク質阻害し肝炎改善 マウスで確認、治療薬に道/共同通信/2016.07.08 - 19:32 は、  <特定のタンパク質の働き阻害すると、非アルコール性脂肪肝炎NASH)や動脈硬化改善することを突き止めたと、大阪大の小関正博助教(循環器内科)のチームが8日明らかにした。成果は英科学誌ネイチャー電子版に発表した> と報じている。

 <......NASHお酒を飲まない人でも脂肪分の取り過ぎなどで発症し、肝硬変や肝がんになる恐れがある生活習慣病有効な治療薬はないとされ、チームは「世界初の治療薬の早期開発、臨床応用につながる道筋を示した」と説明している。  チームによると、タンパク質は「TTC39B」。2009年に脂質代謝に関係すると報告されたが機能は不明だった> とある。

 "iPS細胞" 技術を活かした "移植手術" は、既に、"加齢黄斑変性" の患者に対する成果などを収めているが、"iPS細胞による移植手術" には小さくない課題も残されている。"がん化" の可能性をはじめとして "多大な時間/コスト" の問題などが懸念されている。
 そこで整備されつつあるのが<他人に移植しても拒絶反応が起こりにくい人の"iPS細胞"備蓄!> という医療体制だ。


 ◆ 参照 当誌過去の "iPS細胞 他人" 関連記事

  <......京都大学が特殊なタイプの免疫を持つ人からあらかじめ作って保管しているiPS細胞を使う「他家移植」という方法をとり、時間と費用を大幅に抑えることにしています。......> ( "他人のiPS細胞"使った臨床研究(「他家移植」!という方法) 来年前半の手術へ準備!/当誌 2016.06.09


 今回注目する下記引用サイト記事京大、iPS細胞備蓄へ東京でも採血
/日本経済新聞/2016.07.08 - 10:53 は、  <京都大学iPS細胞研究所は8日、再生医療に使うiPS細胞を備蓄する計画で、他人に移植しても拒絶反応を起こしにくいと思われる特殊な体質の人からの採血を東京でも始めると発表した。従来は京大病院でしか採血していなかった。関東地方に住む提供者の利便性を高め、日本人の大半に使えるiPS細胞の確保を進める> と報じている。

 <......東京海上グループの提携医療機関である海上ビル診療所(東京・千代田)と協力する。iPS細胞は患者の細胞から作ると、移植しても拒絶反応が起きない。ただコストが高く、移植までに時間がかかる。将来、再生医療を普及させるには、安全性を確かめたiPS細胞を多数備蓄しておく必要がある。  京大は日本赤十字社と協力し、献血者の中から特別な白血球の型を持つ人を見つけ、本人が同意すれば後日、採血し、備蓄用のiPS細胞を作っている。ただ、提供者に京都まで足を運んでもらう必要があった> とある。

 今回注目する下記引用サイト記事皮膚がん治療薬が効果 骨髄移植の免疫異常/共同通信/2016.07.07 - 23:37 は、  <白血病、悪性リンパ腫といった「血液がん」の患者に骨髄を移植した際に起きる免疫異常の防止に、皮膚がんの治療薬が効くことを佐賀大医学部の研究チームがマウス実験で初めて突き止めた。がんの再発を抑える効果も確認した。7日付の米科学誌電子版に発表した。チームは早期に臨床試験を始め、5~10年以内の実用化を目指す> と報じている。

 <......進藤岳郎助教(免疫学)は「移植を諦める人が減り、助かる命が増えるはずだ」と説明。将来は腎臓や肝臓といった臓器移植での免疫異常の防止に応用できる可能性があるという> とある。

 "認知症" は、その前段階である "MCI(軽度認知障害)" という症状の際に、生活習慣を改善するならば症状は回復し、何もせず放置するならば "発症 50%!" だと言われている。 それだけに、先ずは "早期発見" が必須だということになる。

 ◆ 参照 当誌過去の "認知症,早期発見" 関連記事

 (1) 帰省時、久しぶりに会った親の様子がどことなく以前と違う、認知症?早期発見の気付き/当誌 2016.01.06

 (2) 認知症の前段階"MCI(軽度認知障害)" 生活習慣改善で症状回復! 放置なら発症50%!/当誌 2015.12.12

 (3) おじいちゃん豹変!"急に怒りっぽくなった人"に潜む認知症リスク="易怒性"に要注意!/当誌 2015.11.27


 今回注目する下記引用サイト記事認知症の兆し、指先に?健診で早期発見の可能性
/47 NEWS - 医療新世紀/2016.07.05 は、  <国立長寿医療研究センター(愛知県大府市)と日立製作所(東京)の研究チームは、アルツハイマー型認知症の患者に「タッピング」という指の運動をさせると、健常者と違う特徴があることを突き止めた。  認知症特有の運動機能の低下が計測できれば、従来の診断法より早期かつ安全に兆候をつかまえられる可能性がある。研究チームはさらに多くの人で特徴を解析し、将来は健康診断などに応用して早期発見につなげたいとしている> と報じている。

 <......同センターの近藤和泉副院長(リハビリテーション医学)によると、認知症患者は、手先の運動機能が衰える傾向があることや左右の連係した運動に支障が出ることが分かっている。これをヒントに研究を計画し、認知症または認知症予備軍と診断された高齢者23人と、同世代の健常者22人の同意を得て、親指と人さし指の腹をポンポンとぶつけるタッピング運動をしてもらった。  指先に磁気センサーをかぶせる日立の独自技術で、左右の指を打つ強さや速度、間隔、指の振れ幅などの最大値や平均値を精密に計測。微細な違いを44項目にわたって解析した結果、認知症の人たちでは、両手の指を交互に打つときにその間隔や指と指が触れている時間に左右でばらつきが出やすいことが判明した。認知症が重症になるほどばらつきが大きくなることも分かった。脳の萎縮などが関係しているとみられるという。  認知症の診断には血液検査や脳の画像診断が有効だが、患者の負担が大きく、また、早期の場合は加齢やほかの病気の影響との区別がつきにくい難点がある> とある。

 "アルツハイマー病" に関しては、現在のところ有効な治療法を見出していないところから、その "早期発見と進行抑制" に意が注がれている。

 ◆ 参照 当誌過去直近の "アルツハイマー病" 関連記事

  アルツハイマー病原因物質(タウたんぱく質)の脳蓄積画像化!早期診断技術開発へ(京大)/当誌 2016.07.05


 今回注目する下記引用サイト記事アルツハイマー病の原因、検出に新手法 京大グループ/京都新聞/2016.07.06 - 08:38 は、  <アルツハイマー病原因タンパク質を検出する新たな手法を、京都大農学研究科の入江一浩教授と京都府立医科大の徳田隆彦教授らが開発した。より早く正確な診断につながる。英科学誌に4日、発表した> と報じている。

 <......アルツハイマー病の原因の一つには、「アミロイドβタンパク質Aβ)」がある。Aβは健常者にも存在するが、構造に変化が生じると神経毒性を持ち、蓄積してアルツハイマー病を発症する。  グループは、毒性を持つAβの特徴的な部位にくっつく抗体を、マウスを使って作った。実際のアルツハイマー病患者の脳脊髄液を使い試験的な検査も実施。患者では非患者と比べて統計的に有意に抗体が反応しており、検査に使える可能性が高いことを示した。また、この抗体とヒトの神経細胞を反応させたところ、Aβの神経毒性が弱まったことも確認した。  入江教授は「抗体を検査に応用できれば、早い段階でリスクを診断し、生活習慣の改善などで予防できる。また抗体をヒト用に作りかえれば治療に使える可能性がある」としている> とある。

  "善玉菌" と "悪玉菌" とに分類される "腸内細菌" や、それらで構成される "腸内フローラ" とも称される腸内環境のあり様は、われわれの健康維持にとってますます重要だと考えられている。

 ◆ 参照 当誌過去の "腸内細菌" 関連記事

 (1) "うつ病" やっぱり!? 腸内ビフィズス菌など"善玉菌"が少ない人ほどうつ病の割合が....../当誌 2016.06.20

 (2) またしても"腸内フローラ"!"腸炎、食物アレルギー"などを抑える仕組み解明!(慶応大)/当誌 2015.07.11


 今回注目する下記引用サイト記事悪玉菌狙い撃ち、抗体発見 腸整える、奈良先端大/共同通信/2016.07.05 - 00:05 は、  <大腸菌などの悪玉菌だけを捕らえて増殖を抑え、善玉菌はそのままにして腸内環境を整える「抗体」を、奈良先端科学技術大学院大(奈良県生駒市)の新蔵礼子教授らのチームがマウスで発見し、5日付の海外科学誌電子版に発表した。  下痢や下血、体重減少を引き起こす潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患の治療法開発につながる成果としている> と報じている。

 <......チームは、マウスの腸内にある抗体のうち、多くの種類の腸内細菌に結合する「W27IgA抗体」と呼ばれるタイプに注目。働きを調べると、大腸菌などの悪玉菌と強く結合して増殖を抑える一方、ビフィズス菌や乳酸菌のような善玉菌にはほとんど結合しなかった> とある。

 アルツハイマー病は、脳内の神経細胞周辺にタンパク質の「βアミロイド」、「高リン酸化タウ」が異常に蓄積することで発症する、と考えられている。

 ◆ 参照 当誌過去の "タウ" 関連記事
 (1) <アルツハイマー病は、脳内の神経細胞周辺にタンパク質の「βアミロイド」、「高リン酸化タウ」が異常に蓄積(=分解機能障害)されることで発症すると考えられている。 したがって、"タンパク質の異常な蓄積(=分解機能障害)" の仕組みが注目されることになる。> ( アルツハイマー病など"異常タンパク質が蓄積/分解する疾患の病態解明"に期待!(京大)/当誌 2016.01.16

 (2) アルツハイマー病 「原因減らす抗体開発」!原因物質"タウ"たんぱく質を減らす効果!/当誌 2015.01.11

 (3) アルツハイマー型認知症の原因物質:タウ蛋白質集積"画像化"に成功!早期診断に奏功!/当誌 2013.09.20


 今回注目する下記引用サイト記事アルツハイマー病原因物質の脳蓄積を画像化 京大/日本経済新聞/2016.07.04 - 01:00 は、  <京都大学の小野正博准教授や佐治英郎教授らは、アルツハイマー病の原因物質であるタウたんぱく質脳に蓄積する様子を画像でとらえる技術を開発した。新しい造影剤を使うことでタウたんぱく質分布がわかる早期診断技術として実用化を目指す> と報じている。

 <......タウたんぱく質アルツハイマー病患者の脳に蓄積し、神経細胞を壊す。開発した造影剤はベンゾイミダゾピリジンと呼ぶ芳香族化合物の仲間にヨウ素がくっついた構造をしている。死んだ患者の脳の切片を使って実験し、タウたんぱく質の濃度が高いところに多く集まることを確かめた。  撮影には単一光子放射断層撮影(SPECT)と呼ぶ装置を使う。国内に2000台弱と、がんの検査などに使う陽電子放射断層撮影(PET)よりも設置台数が多く、放射線による被曝(ひばく)線量も低い。多くの患者が使える> とある。

 高齢化の度が強まるばかりの国民としては、こうした "現政府の社会福祉切り捨て" 政策! の実態をこそ厳しく凝視しなければならない。 こともあろうに、"年金額の削減" にも手が付けられつつあり、財政削減という大義名分の矛先を、専ら、"もの言わぬ弱者" に振り向けてはばからない政府の姿勢には、何ら知恵が窺えないどころか、厚顔無恥/無知の気配が纏わりついている......。

 今回注目する下記引用サイト記事特養待機者が都内で減少 入所条件の厳格化が要因/共同通信/2016.07.01 - 19:37 は、  <都内の特別養護老人ホーム(特養)で2015年の待機者が、13年に比べて18%減少したことが1日、東京都高齢者福祉施設協議会の調査で分かった。背景には、政府の介護費抑制策で15年4月から新規の入所対象が重度の人に限定されたことなどがあり、全国で同様の状況が起きているとみられる> と報じている。

 <......要介護度が低くても生活面での介護に手間がかかる高齢者は多く、同協議会は「適切な施設に入ることができない人がいる可能性がある」と指摘している。  調査は今年1~2月、都内の特養457カ所を対象に実施し、242カ所から回答があった> とある。

 "抗がん剤" が頻繁に取り沙汰される昨今だ。 "思わぬところ" から、<治療に使われている抗がん剤と同程度の抗がん作用> を持つ物質が抽出された、という。

 今回注目する下記引用サイト記事オオキンケイギク 外来雑草から抗がん物質 岐阜大教授ら/毎日新聞/2016.06.30 - 15:43 は、  <全国の河川敷などで在来野草の生態系を壊し、厄介者となっている特定外来生物オオキンケイギク」の花に、抗がん作用のある物質が含まれていることを、岐阜大工学部の纐纈(こうけつ)守教授らが突きとめた。論文は今月、エルゼビア社(オランダ)発行の医薬品化学分野の学術誌に掲載された。研究室は、製薬への応用を目指している> と報じている。

 <......オオキンケイギクは北米原産のキク科の多年草。5〜7月ごろに直径5〜7センチのコスモスに似た形状の鮮やかな黄色の花を咲かせる。全国の道路のり面などで緑化に使われたが、繁殖力が強く、生態系を壊すとして、環境省が2006年に特定外来生物に指定。栽培や保管を原則禁止し、駆除を呼びかけている。  駆除後には捨てられる運命の花だが、色の濃い花や果実には一般的に抗酸化作用があるフラボノイド系化合物<が含まれることが多いとされる。纐纈教授らは医学的に有効利用できないかと約4年前に着目。大学近くで花を約3キロ分採取し、何百種類もある成分をアルコール抽出などして分けていき、6種類のフラボノイド系化合物を見つけた。さらに、その一つ「4−メトキシランセオレチン」が、がん細胞を死滅させる様子を実験で確認した。治療に使われている抗がん剤と同程度の抗がん作用だという。  纐纈教授は「オオキンケイギクがただの厄介者でないと分かった。活用できるようになれば」と期待を寄せている。 【野村阿悠子】> とある。

 がんの罹患数上昇とともに、治療法として "抗がん剤" 療法が選択されるケースの絶対数が増えていることも推定される。 それにしても、その "抗がん剤" 療法に関する "医療事故" の多さには目を見張らざるを得ない。


 今回注目する下記引用サイト記事抗がん剤事故 228件 血管外漏れや過剰投与 2010年以降・日本医療機能評価機構調査/毎日新聞/2016.06.29 は、  <国内で起きた医療事故情報を収集する公益財団法人・日本医療機能評価機構(東京都)は28日、抗がん剤に関する事故6年3カ月間で228件に上ったとの調査結果を公表した。平均すると1カ月に3件程度になる。患者の死亡例は20件、障害の残る可能性の高い例は26件で、全体の2割が重大な事故だった。抗がん剤はがんの有効な治療法だが、使い方を誤った時のリスクは高い> と報じている。

 <......調査は2010年から現在の方法で統計を取り始め、今年3月までの6年3カ月間の結果をまとめた。最も多かったのは「血管外への漏れ」(68件)で、副作用など患者の容体悪化 53件 ▽過剰投与 34件 ▽投与日・日数間違い 11件 ▽薬の種類の間違い 10件 ▽患者の間違い 6件 −−と続く。  半数以上の128件は看護師などの投与に伴うミスだったが、医師の処方の誤りも41件あった。個別のケースでは、薬剤師が暗算したことによる薬の濃度の間違いや、治療計画作成時の薬剤師の数値入力ミスなどが起きていた。【野田武】> とある。

 抜本的治療の決め手となるような "抗認知症薬" がなかなか見当たらない状況で、その手掛かりが模索され、種々の研究が進められているのが現状だ

 ◆ 参照 当誌過去の "抗認知症薬" 関連記事

  結核の治療薬"リファンピシン"に、"認知症"を予防、改善する作用!大阪市立大等チーム/当誌 2016.04.01


 今回注目する下記引用サイト記事大麻が脳にダメージ解明 認知症治療に応用期待/共同通信/2016.06.30 - 06:13 は、  <大麻に含まれる「カンナビノイド」という成分が脳の神経回路を壊すことを、大阪大の木村文隆准教授(神経科学)のチームがマウスの実験で突き止め、米科学誌電子版に30日までに発表した。  チームは、大麻摂取が脳に障害を与えること科学的に示したと説明している> と報じている。

 <......木村准教授は「人間の脳内にはカンナビノイドに似た物質がもともとあり、カンナビノイドの働きを止めて神経回路の破壊を抑えることで、脳の損傷や認知症の治療に応用できる可能性もある」と話している。  カンナビノイドは、気分が高揚するなどの精神作用を起こすことが知られている> とある。

2020年11月

1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30          














関連サイトへのリンク


  • 電子書籍(eBooks)制作にフォーカスしたサイト
  • 明けない夜はないことを確信するサイト
  • Green(地球環境改善)にフォーカスしたサイト
  • ソフトウェア技術者やSEのための評価と育成、人事考課制度を考えるサイト
  • さまざまな業種・業態でご利用可能なモバイル活用の予約システム!
  • 創作小説『海念と保兵衛』のサイト
  • 創作小説『かもめたちの行方』のサイト
  • 当ブログ推奨の商品を展示したAmazon ストアー!
  • 当AdhocBlogブログの過去のエントリー
  • 株式会社アドホクラット当時のサイト

★売れ筋! No.1!
家庭用"放射線測定器"

日本通信 bモバイルWiFi ルータ+1 ヶ月定額SIM BM-U300W-1M
価格:¥ 20,208
国内配送料無料 Amazon





このアーカイブについて

このページには、yasuo hirose2016年7月に書いたブログ記事が含まれています。

前のアーカイブは、
 yasuo hirose: 2016年6月
です。

次のアーカイブは、
 yasuo hirose: 2016年8月
です。

最近のコンテンツは、
 インデックスページ
で見られます。

過去に書かれたものは、
 アーカイブのページ
で見られます。

年月別アーカイブ