yasuo hirose: 2016年3月 アーカイブ

 "がんとその組織" への攻撃においては、正常細胞とは明確に異なる "がん細胞特有の性格や要素" に着眼することが不可欠だと考えられている。

 今回注目する下記引用サイト記事がん細胞エネルギー制御 岐阜大院教授、遺伝子特定/岐阜新聞/2016.03.29 - 08:48 は、  <岐阜大大学院連合創薬医療情報研究科の赤尾幸博教授(63)=がん分子生物学=が、がん細胞のエネルギー獲得を司り、がん細胞の生存を左右する遺伝子を発見した。エネルギー生成を絶つため、この遺伝子を分解する次世代医薬も開発中。投薬実験では、がん細胞が飢餓死したり、小動物のがん腫瘍が縮小したりする効果が確認された。赤尾教授は「ヒト対象の新薬として7~8年後の実用化を目指したい」と話している> と報じている。

 <......赤尾教授によると、がん細胞のエネルギー生成にターゲットを絞った創薬は初めて。白血病や大腸がんといったがんの種別にかかわらず効果を発揮する可能性がある。成果をまとめた論文がオンラインの国際科学誌オンコターゲットに公開された。  がん細胞は、グルコース(糖)を分解して高エネルギー化合物のATP(アデノシン3リン酸)を生み出す「解糖系」と呼ばれる仕組みで生存や増殖のエネルギーを得ている。  赤尾教授はさまざまな患者のがん細胞を解析し、解糖系を機能させるための酵素をつくるよう仕向ける遺伝子「PTBP1」を特定した。がん種別を問わず、正常な細胞よりこの遺伝子の量が多くなっていたことに注目した。  次世代医薬PTBP1を分解する核酸医薬で、化学合成が可能。赤尾教授がヒトの大腸がんの細胞に投与したところ、2、3日で分解され、がん細胞も著しく減少した。さらにマウスの腫瘍に注射したところ2回目以降、腫瘍が小さくなり消失した。新年度以降に犬の自然発症がんでも試し、ヒトへの応用を目指す。  正常な細胞は、別の酵素の作用により、ミトコンドリアで効率よくATPをつくる仕組みを主に働かせてエネルギーを得ている。赤尾教授は「がん細胞に特有のPTBP1に標的を絞って攻撃する薬が使用できれば正常な細胞が傷つかず、人体への負担が減らせる利点がある」と話している> とある。




















 "「万能細胞」=iPS細胞" との認識が一般化する中で、同様に 「万能細胞」" である "ES細胞(胚性幹細胞)" が再注目されつつある。

 今回注目する下記引用サイト記事ES細胞の作製拠点、都内・京都に2施設...実用化を加速へ/yomiDr. ヨミドク/2016.03.28 は、  <国立成育医療研究センター(東京都)と京都大(京都府)は、再生医療に活用するES細胞(胚性幹細胞)作製、保管する拠点作りに乗り出した。2施設は2年以内に新しい細胞を作り、全国の大学などに分配する。iPS細胞(人工多能性幹細胞)と同じ「万能細胞」であるES細胞実用化を加速させる狙いがある> と報じている。

 <......ES細胞は、不妊治療で不要になった受精卵の一部を取り出し、培養して作る。目的の細胞に変化させて患部に移植し、失った機能を回復させる。  2施設は動物実験など基礎研究用のES細胞を作っていたが、日本医療研究開発機構の支援を受け、新たに医療用の細胞を作製する。ES細胞は、移植を受ける患者と別の人から作られるが、移植しても免疫の拒絶反応が起きにくいタイプをそろえたい考えだ。作った細胞は臨床研究向けに保管し、製造法などの情報管理や遺伝子の分析を行い、安全性を高める。細胞を企業に提供し、製品開発に使ってもらう計画もある。  受精卵を壊して作るES細胞生命倫理上の議論があり、臨床研究向けの作製が国の指針で禁止されてきたが、2014年の新指針策定で認められた。一方、北米や英国では、目の難病などを治療するためES細胞を使う臨床試験が約50件実施されている。血液などに遺伝子を導入して作るiPS細胞がん化の懸念があり、再生医療への応用ではES細胞のほうが安心と考える研究者もいる。  同センター研究所の阿久津英憲部長は「iPS細胞ES細胞の両方を治療に活用できる環境を整えるのが望ましい」と話している> とある。

 "アスベストを吸引して肺に発生するがんの一種「中皮腫」" の社会的問題の一つは、やはり "的確な診断" に基づく "迅速な労災認定" かと思われる。 が、「中皮腫」として診断されなければ何も始まらないわけだ......

 今回注目する下記引用サイト記事(神奈川)県立がんセンター 中皮腫にできるたんぱく質発見 抗体の開発にも成功 は、  <(神奈川)県立がんセンターは、アスベストを吸引して肺に発生するがんの一種「中皮腫」の表面にしかできないたんぱく質を発見したと発表した。これに伴い、99%の確率で中皮腫の診断を可能とする抗体の開発にも成功したという。同センターは「的確な診断と早期治療の実現、迅速な労災認定が可能となる大きな発見」としている。【大場弘行】> と報じている。

 <......同センターと東京大との共同研究。中皮腫の治療は早期の手術が有効とされるが、広範囲に広がるためCT画像で見分けるのが難しいうえ、複数の抗体を使っても類似のがんと誤診してしまうケースがあり診断が難しかった。  こうした課題を解決しようと、同センター臨床研究所の辻祥太郎主任研究員が約3年前、マウスを使った実験で中皮腫に反応する抗体を開発。この抗体を使い、中皮腫の表面にできる特殊なたんぱく質を特定したという。  研究の成果は2月に特許申請しており、2016年度内に、提携する企業が病理診断薬の製品化を予定している。また、臨床試験などを経て抗体を使った治療の実現や健康診断での活用を目指すという。  同センター臨床研究所の今井浩三所長は「抗体はこれまでの診断を大きく変え、治療に応用できたら特効薬になる。アスベスト被害は日本に限らず中国や東南アジアなどでも出る恐れがあり、実用化を急ぎたい」と話した> とある。

 "ウォーキング" が "身体に良い" という事実は、すでに多くの中高年の人々にも知れ渡っている。 が、実際遊歩道などに出てみると、気になる "ウォーキング" スタイルの人たちが多い。 「歩きゃいいんでしょ!」と言わぬばかりに、テレテレと歩いている方が少なくない......。 せっかくの "ウォーキング" なのだから、もうちょっと工夫してもいいのかな、と思わされるわけだ......

 ◆ 参照 当誌過去の "ウォーキング" 関連記事

 (1) "軽い運動でも脳の認知機能向上" が新たな実験結果で判明!"認知症予防"に繋がるか?!/当誌 2014.05.24

 (2) "認知症"と脳の"ワーキングメモリ"! "早足歩行"で認知機能低下を抑制――熊本大学!/当誌 2014.05.04

 (3) "アルツハイマー型認知症"予防策の一つ!"有酸素運動"で"酵素:ネプリライシン"強化!/当誌 2014.04.01


 今回注目する下記引用サイト記事健康に良いウォーキング法...「インターバル速歩」って何?/yomiDr. ヨミドク/2016.03.25 は、  <老化は足から」と言われる。ウォーキングに取り組む中高年も多いが、ただ長く歩けばよいというものではないらしい。  信州大教授(スポーツ医科学)の能勢博さんは、健康によいとされる「1日1万歩」を5か月間続ける人と、特別な運動をしない人の健康状態や体力を比較調査した。両グループの健康状態に明らかな差は認められなかった。能勢さんは「1万歩を稼ぐには1時間半以上かかる。長続きしない人も多い」と指摘する。  そこで、能勢さんは1日30分で効果がある「インターバル速歩」を考案した。ややきついと感じる速歩きと、楽なゆっくり歩きを3分間ずつ1日5セット、週4日以上を目安に行う。一度に5セットできない場合は、朝昼晩などに分けて行ってもよい> と薦めている。

 <......ややきつい運動には、体力をつける効果があり、インターバル速歩を5か月間続けると、筋力と持久力が平均10%向上した。高血圧や高血糖、肥満などは平均10%改善するという。能勢さんは「インターバル速歩は、関節痛やうつ症状の改善にも効果がある。医療費の抑制にもつながる。ぜひ習慣づけてほしい」と話す> とある。

  既に、日本国内でも "複数の感染者" ( 愛知40代女性がジカ熱感染 4例目、中南米に滞在歴/共同通信/2016.03.24 - 16:43 ) が現れている "ジカ熱感染" だ。 そして、懸念されるのが "小頭症" だと言われている。

 ◆ 参照 当誌過去の "ジカ熱,小頭症" 関連記事

  <【ジュネーブ共同】 世界保健機関(WHO)でジカ熱対応チームのトップを務めるエイルワード氏は19日、ジュネーブで記者会見し、妊婦の感染と新生児の小頭症との関連について、ますます疑いが濃厚になっているとの見解を示した> ( "ジカ熱"と"小頭症"との関連、ますます疑いが濃厚に!世界保健機関(WHO)高官が見解!/当誌 2016.02.23


 今回注目する下記引用サイト記事ジカ熱、妊娠4カ月が危険? 小頭症の発症/共同通信/2016.03.25 - 03:01 は、  <【ワシントン共同】 ジカ熱に感染した妊婦から小頭症の子どもが生まれたのは、妊婦が妊娠4カ月前後に発症したことと関係が深そうだとする研究成果を、英オックスフォード大などのチームが25日付の米科学誌サイエンスに発表した> と報じている。

 <......チームは、2015年11月から16年1月にブラジルで報告され、妊婦のジカ熱感染で赤ちゃんが小頭症になったとみられる1118のケースを分析。すると妊娠17週目ごろに発症した場合は小頭症の危険が高いことが分かった。ただ「因果関係はまだ分からない」としている> とある。

 "変形性関節症" の効き目のある治療法は、苦しむ中高年の患者さんたちから強く待ち望まれている。

 ◆ 参照 当誌過去の "変形性関節症" 関連記事

 (1) 根本的な治療法が無い"変形性関節症"!"遺伝子"投与で抑制!マウス実験で東京大チーム/当誌 2016.01.07

 (2) "幹細胞移植"で"変形性膝関節症"を修復させる再生医療の臨床研究開始!(東京医歯大)/当誌 2015.07.03


 今回注目する下記引用サイト記事ワラビ成分が関節症抑制 iPS使い確認、京大/共同通信/2016.03.24 - 20:32 は、  <ワラビをあく抜きすると出る物質「プテロシンB」に、変形性関節症の進行を抑える働きがあることが分かったと、京都大iPS細胞研究所などのチームが24日、英科学誌電子版に発表した。  チームによると変形性関節症は、関節が滑らかに動くために必要な軟骨が薄くなり、膝などの関節に痛みや腫れが出る。  人の人工多能性幹細胞(iPS細胞)から作製した軟骨細胞にプテロシンBを加えて4週間培養した実験で、変形性関節症で起きる軟骨細胞の変質を抑制できた> と報じている。

 <......妻木範行教授は、ワラビをたくさん食べても効果はないと断った上で「治療薬開発のヒントになるだろう」と説明した> とある。

 "サーチュイン遺伝子" についての話題は、かねてより注目されてきた。 "長寿" 促進のほか、老化症状を防ぎ改善するなどの働きがある、というのである。

 ◆ 参照 当誌過去の "サーチュイン" 関連記事

 (1) <"長寿" を担っているとされる "サーチュイン遺伝子" については、かねてより注目されており、この "遺伝子" を "目覚めさせる" には、"飢餓状態" が契機となる(食事量、カロリー摂取の制限を続けることによって活性化)とか、赤ワインやぶどうの皮に含まれ "レスベラトロール" の服用が効果的だとか......、と。> ( 長寿遺伝子とされる「サーチュイン」の働きを強めて、脳梗塞による"認知症"を防ぐ!/当誌 2014.09.13

 (2) "長寿"促進の薬開発につながるか!? "長寿遺伝子Sirt1"関連の"肺で働く2タンパク質"!/当誌 2014.00.00

 (3) <40代〜60代の被験者4人での実証実験では30パーセント減らした食事を3〜7週間続けただけで、長寿を担っているサーチュイン遺伝子が目覚めて働き始めた/ サーチュイン遺伝子は殆ど休眠中で、その結果、老化が進行/ 飢餓状態になると目覚め、細胞中のミトコンドリアを活性化/ 活性酸素の害を防ぎ、免疫力低下、動脈硬化、高血糖、惚け、骨粗鬆症、脱毛白髪等の老化症状を防ぎ改善して、美肌と持久力と抗がん作用を高める......> ( "長寿遺伝子サーチュイン"と"中年太り"との関係が解明!"肥満/メタボ"では長寿不可!?/当誌 2013.12.28


 今回注目する下記引用サイト記事ストレスうつ防ぐ酵素解明 マウスで、山口大
/共同通信/2016.03.24 - 01:00 は、  <脳神経細胞などにある「サーチュイン」という酵素に、ストレスによるうつを防ぐ働きがあるとみられることを、山口大のチームがマウスを使って明らかにし、23日付の海外専門誌電子版に発表した。  チームはこれまで、うつ病患者は血液中のサーチュイン量が少ないとの報告をしているが、ストレスによるうつにどう影響するかは不明だった> と報じている。

 <......内田周作講師(分子精神医学)は「ストレスによる精神疾患の原因解明や新たな治療薬の開発が期待できる」と話した。  内田講師によると、サーチュインを作る遺伝子は老化を防ぐ長寿遺伝子として知られ、記憶や睡眠、肥満にも関わるとされる> とある。

 いつのまに、この国はこんなに "情けない国(?!)" になってしまったのか......。 あえて注目するのは、こうした "情けなさ(?!)" は、今後、解消されていくと考えられるよりも、増幅されていくのでは( "生活保護世帯" も増加の一途!)という予感が否定できないからだ。

 今回注目する下記引用サイト記事受診遅れで63人死亡、15年 無保険、窓口負担分払えず/共同通信/2016.03.22 - 17:20 は、  <経済的な理由で国民健康保険の保険料が払えずに「無保険」状態になったり、保険証を持っていても医療費の窓口負担分が払えなかったりしたために受診が遅れ、死亡した人が2015年に32都道府県で63人に上ったことが22日、全日本民主医療機関連合会(民医連)の調査で分かった。無職や非正規労働者が多く、家族全員が無保険という世帯もあった> と報じている。

 <......調査は民医連に加盟する病院と診療所計646施設が対象。担当者は「全体からみれば氷山の一角働き盛りの世代も増えており、行政による早急な対策が必要」としている> とある。

 "ウイルス感染の媒介となる蚊" の退治対策として、 "蚊駆除用薬剤散布" という対応とは異なった "画期的に賢い対策!" が、"デング熱感染" 予防の際には注目されたことがあった。

 ◆ 参照 当誌過去の "蚊" 関連記事
  <デング熱が毎年のように流行するブラジルで、デングウイルスを媒介しない蚊を自然界に増やすことで、人間への感染拡大を防ぐ新たな試みが始まった。ウイルスの免疫を持たせた計1万匹の蚊を放し、感染源の蚊と交配させる計画で、研究者は「画期的な予防法になる」と期待している。......> ( "デングウイルスを媒介しない蚊"1万匹放出(ブラジル)!抜本的なデング熱感染予防策!/当誌 2014.09.30


 今回注目する下記引用サイト記事WHO、遺伝子組み換え蚊を推奨 ジカ熱対策で声明発表/共同通信/2016.03.19 - 10:17 は、  <【ジュネーブ共同】世界保健機関(WHO)は18日、ブラジルなど中南米を中心に広がるジカ熱対策で、ジカウイルスを媒介する蚊を抑制するため、遺伝子組み換えの蚊を活用することを推奨する声明を発表した。  生まれた蚊が成虫になる前に死ぬよう、オスの親の蚊を遺伝子操作し放出する実験事業を行うことを求めている> と報じている。

 <......またWHOは、ボルバキアという細菌の活用も推奨。蚊をボルバキアに感染させると、蚊の体内のジカウイルス増殖を抑えられるという。  WHOは声明で「ジカ熱対策には、ウイルスを媒介する蚊の抑制が最も効果的な方法だ」と強調した> とある。

 "網膜色素変性症" や "加齢黄斑変性症" での失明は、光を受け取る視細胞が損なわれるが、脳に情報を伝える神経節細胞は正常な状態のままである。したがって、光を受け取る機能が回復できれば、見えるようになる。 そこから、"光を受け取る視細胞" の回復が注目されるわけだ。

 ◆ 参照 当誌過去の "網膜色素変性症" 関連記事

 (1) <≪緑藻に光を感じる遺伝子がある≫ という事実、そして、これを応用すれば、脳に情報を伝える神経節細胞が正常な状態のままの場合には、視覚の回復が望める!という研究成果......> ( 失明や視力低下する難病「網膜色素変性症」治療手法を使った臨床応用開始!(岩手大)/当誌 2016.02.24
 (2) 藻の遺伝子注入での視覚回復研究/"幅広い色をも感知"できる視覚回復に成功(岩手大)!/当誌 2014.05.15


 今回注目する下記引用サイト記事藻の遺伝子で視覚回復臨床試験 世界初、米チームが実施へ/共同通信/2016.03.19 - 18:19 は、 <【ワシントン共同】米テキサス州のサウスウエスト網膜財団などのチームが、光を感じる網膜の異常で著しく視力が低下した人や失明した患者の目緑藻の遺伝子を入れて、視覚の回復を目指す治療の臨床試験を近く実施することが19日、分かった。チームによると、この遺伝子治療の臨床試験は世界初という> と報じている。

 <......網膜の細胞の代わりに、緑藻遺伝子が作り出すタンパク質が光を感知する仕組み。ラットなどの動物実験で有効性が確認された。  治療は、網膜の最深部で光を感じる「視細胞」が変性し機能を失う「網膜色素変性症」の患者が対象。最大15人に緑藻の一種の遺伝子を目に注射し、網膜の細胞に入れる> とある。

 

 現状の "認知症" 問題については、<どうも問題は、"クスリ漬け" どころか "クスリ過剰処方の押し付け(?!)" なのではないか> との危惧の念からの記事に注目したばかりだ。

 ◆ 参照 当誌過去の "認知症薬" 関連記事
  <「抗認知症薬の適量処方を実現する会」(兵庫県)の代表、長尾和宏医師が、抗認知症薬の副作用とみられる興奮などの症例が約100件集まったとの中間集計結果を発表した......> ( "認知症薬(抗認知症薬)の副作用" 100件!興奮や怒りっぽくなる症状!中間集計結果!/当誌 2016.03.15


 今回注目する下記引用サイト記事認知症は誰がつくる/47NEWS 医療新世紀/2016.03.15 は、  <病気に仕立てる"犯人"に挙げられているのは、介護保険制度、入院、厚生労働省、医学会や製薬会社。介護現場や家族にも容赦がない。  人間関係が失われ、生活習慣の急な変化が認知症を生み出していることに気付かされる。認知症の見方が変わる一冊だ。> と紹介している。

 <......政府の推計によると、2025年には日本の高齢者の5人に1人が認知症になるという。認知症は果たして病気なのか、老いの一つのありようではないのか―。宅老所よりあい(福岡)代表の村瀬孝生さんと介護ライターの東田勉さんの、そんな視点での対談をまとめた「認知症をつくっているのは誰なのか」(SB新書、864円)が出版された。> とある。

 初期アルツハイマー病で失われた記憶> の <取り戻し成功!> については、つい先日に注目した。

 ◆ 参照 当誌過去の "アルツハイマー 記憶" 関連記事

  初期アルツハイマー病で失われた記憶、脳の神経細胞を働かせて取り戻し成功!マウスで/当誌 2016.03.18


 今回注目する下記引用サイト記事アルツハイマー病の記憶戻す実験成功...利根川進氏ら、マウスで/yomiDr. ヨミドク/2016.03.17 は、同じ事柄の報道であるが、 <アルツハイマー病のマウスを使った実験で、思い出せなくなった記憶を引き出すことに成功したとの研究成果を、理化学研究所の利根川進・脳科学総合研究センター長らが、英科学誌ネイチャーで17日発表する。研究チームは「アルツハイマー病は、記憶が消えるのではなく、記憶を思い出す機能が働かなくなる病気であることを示唆する結果だ」としている> と報じている。

 <......研究チームは正常なマウスとアルツハイマー病のマウスを飼育箱に入れ、それぞれ脚に弱い電流を流して、不快な体験として記憶させた。その後、箱から出し、24時間後、箱に戻した。正常なマウスは不快な体験を思い出しておびえたが、アルツハイマー病のマウスは変化を見せなかった。そこで、脚に電流が流れた時の記憶を担っているとみられた脳細胞を刺激すると正常なマウスと同じようにおびえるようになった> とある。

 糖尿病の抜本的治療の基本が、<インスリンを分泌する組織細胞「膵島(すいとう)」> の活性化や、あるいはその移植にあることはよく知られている。

 ◆ 参照 当誌過去の "膵島" 関連記事
  <"糖尿病新治療法" として、インスリンを分泌する組織細胞「膵島(すいとう)」を、"拒絶反応" を伴わずに "皮膚の下" に移植するという点が "新しい特徴!" である、と報じられている> ( 糖尿病に"新"治療法!"膵島を皮膚下に移植"!ラット実験で成功/拒絶反応なし(京大)!/当誌 2014.06.21


 今回注目する下記引用サイト記事糖尿病、豚の細胞で改善...膵島移植し血糖値低下/yomiDr. ヨミドク/2016.03.17 は、  <大塚製薬工場(本社・徳島県鳴門市)は、糖尿病治療のため、豚の膵島(すいとう)をカプセルに封入して移植する臨床研究をアルゼンチンで患者4人に実施し、全員の血糖を下げられたことを明らかにした> と報じている。

 <......同社は実用化に向け日米で研究開発を進める計画で、成果を17日から大阪市で始まる日本再生医療学会で発表する。  臨床研究を実施したのは、同社がニュージーランドのバイオベンチャーと現地に設立した合弁会社。対象は、膵臓にある膵島の細胞が破壊され、血糖を下げる働きのあるインスリンを分泌できない1型糖尿病の患者。通常、インスリンを注射する治療が行われるが、効き過ぎると、低血糖で意識障害を引き起こす危険がある。  国内では、人の脳死提供者からの膵島の移植も行われているが、提供者不足で実施は年数件にとどまる。iPS細胞(人工多能性幹細胞)からインスリンを出す細胞を作る研究は、臨床応用まで、まだ数年以上かかる見通しだ。  合弁会社は、豚の膵島から分泌されるインスリンの構造や機能が人とほぼ同じであることに着目。豚の膵臓から採取した膵島を直径0・5ミリの特殊な素材のカプセルで覆い、免疫拒絶反応を起こさず、インスリンがしみ出るように加工これを患者4人に体重1キロあたり2万個を2回に分けて点滴で腹部に移植した。  豚のウイルスなどが人へ感染するのを防ぐため、無菌の清潔な環境で飼育した豚の間に生まれた子供の豚を移植に使った。  その結果血糖の状態を示すヘモグロビンA1cは4人全員で下がり、平均値では2年以上にわたり糖尿病治療の目標となる7%未満を維持した。3人はインスリン注射の量を減らすことができた。重い健康被害は起きなかった。  東北大の後藤昌史教授(移植再生医学)の話「人の膵島移植の提供者が少ない中、豚の膵島が活用できるようになれば、多くの重症な糖尿病患者を救えると期待される  (2016年3月17日 読売新聞)> とある。

 "記憶" の危うさが危惧される病気の "認知症" は、では、"記憶" のメカニズムとは? という切実な問いを、切迫感をもって表面化させることになっている。
 そして、"シナプス"(ニューロン間の接合部位)という視点に対して、新たな "記憶痕跡" という視点をも導入させている......。


 ◆ 参照 当誌過去の "記憶" 関連記事

  <認知症などで過去を思い出せないのは、記憶が失われたのではなく、残っているのに取り出せないだけ――。そんな可能性を示すマウス実験の成果を、理化学研究所のグループが29日付米科学誌サイエンスに発表。記憶障害の仕組み解明につながる可能性がある。(記憶の固定化に不可欠な)記憶痕跡と呼ばれる神経細胞群の細胞どうしのつながりを強める「シナプス増強」。(しかし、それがなくても、)記憶痕跡の細胞群に直接、記憶が保存されていること......> ( 認知症などで思い出せないのは、記憶消失ではなく残る記憶が取り出せないだけ!(理研)/当誌 2015.05.30


 今回注目する下記引用サイト記事認知症、思い出せないだけ マウスの記憶は存在/共同通信/2016.03.17 - 03:01 は、  <認知症の一種であるアルツハイマー病の初期に失われた記憶を、脳の神経細胞を働かせて取り戻すことにマウスで成功したと、理化学研究所の利根川進・脳科学総合研究センター長らのチームが16日付の英科学誌ネイチャー電子版に発表した> と報じている。

 <......アルツハイマー病の初期症状の「物忘れ」が生じる仕組みの解明につながる成果。利根川氏は「患者は記憶を正しく形成できないのではなく、思い出せないだけかもしれない」と話している> とある。

 原因の解明が困難であるがゆえに "難病パーキンソン病" とされてきた "パーキンソン病" も、次第に解明が進み、"治療法開発" への手掛かり、足掛かりが垣間見えるようになってきた。

 ◆ 参照 当誌過去の "パーキンソン病" 関連記事

 (1) "iPS細胞"から"神経細胞"作製、大脳皮質や脊髄へと簡単に作り分ける方法開発!(慶大)/当誌 2015.11.15

 (2) "遺伝子治療"で難病改善!"AADC欠損症(神経伝達物質に関連)"の子ども (自治医大)/当誌 2015.11.12

 (3) "パーキンソン病"をMRI画像診断!症状を診ての診断→症状が出る前の早期発見に期待!/当誌 2015.08.12

 (4) "パーキンソン病"の進行に"炎症性物質"の血中濃度が関係と判明!(京都宇多野病院調査)/当誌 2015.07.31

 (5) 脳に"iPS神経細胞"移植へ!"パーキンソン病"治療めざす臨床研究!(京大iPS細胞研究所)/当誌 2015.05.20

 (6) パーキンソン病の悪化における運動障害と認知障害!認知症の発症もある程度予測可能?/当誌 2014.11.07


 今回注目する下記引用サイト記事難病パーキンソン病の進行抑制 マウスで成功、治療法開発に道/共同通信/2016.03.14 - 19:35 は、  <手足の震えや体のこわばりが起こる難病「パーキンソン病」の進行を、神経細胞内の特定のタンパク質の働きを強めて抑えることに、大阪大の望月秀樹教授(神経内科学)のチームがマウスで成功し、14日付の英科学誌電子版に発表した> と報じている。

 <......このタンパク質はネクジン神経細胞の死滅により起きるパーキンソン病で、死滅を防ぐ機能があった。  望月教授は「ネクジンを作る遺伝子を脳内へ安全に送り込み、治療につなげる臨床研究を数年以内に始めたい」と話す。  パーキンソン病は、脳の神経伝達物質ドーパミンを出す神経細胞が減って起きる> とある。

 従来、心臓の僧帽弁膜症の手術では、<ブタやウシの組織で作る「生体弁」や炭素素材などでできた「機械弁」の人工弁に置き換える> 手法が採られ、残念なことに合併症のリスクやそのほかの随伴する問題が避けられなかったといわれる。

 今回注目する下記引用サイト記事心臓僧帽弁膜症に新手術法、心膜で弁作製...患者の負担減/yomiDr. ヨミドク/2016.03.14 は、  <榊原記念病院(東京都府中市)は、心臓の僧帽弁膜症患者に対する新たな手術方法を開発したと発表した。いたんだ僧帽弁の代わりに、心臓を包む心膜で弁を作製する方法で、従来の「人工弁」より利点が大きいという> と報じている。

 <......僧帽弁膜症左心房と左心室の間にある僧帽弁の働きが悪くなり、血液の逆流などを生じる病気。  治療では弁を修復する弁形成手術を行うが、全体の約4割の患者は弁のいたみが大きいため、ブタやウシの組織で作る「生体弁」や炭素素材などでできた「機械弁」の人工弁に置き換える。  しかし、合併症のリスクがあるほか、生体弁では再手術が必要になる場合があり、機械弁では血液の塊ができるのを防ぐ薬の服用が必要となる。  同病院先進医療研究室の加瀬川均室長らは患者の心膜を採取し、体外で弁を作製した後、僧帽弁と置き換える手術方法を開発した。自分の体の組織を使うので拒絶反応がなく、服薬も不要。生体弁は1個約90万円、機械弁は約81万円するが、この弁だと約27万円で作製でき、医療費も節約できるという。  2011年から臨床研究を開始し、12例を実施。今後1年間で同病院など全国6病院で25例を予定している。同病院は「国内で年間約5700人の患者に適用可能とみられる。再手術や服薬など患者の負担を軽減できるのは大きい」としている。 (2016年3月14日 読売新聞)> とある。

 とんでもない話! どうも問題は、"クスリ漬け" どころか "クスリ過剰処方の押し付け(?!)" なのではないか、という驚くべき実態が見えてきたりもする......。

 ◆ 参照 当誌過去の "抗認知症薬" 関連記事

 (1) "認知症"治療・予防薬、新薬の登場は?早くて2020年ごろと想定されるも簡単ではない!/当誌 2016.02.03

 (2) <認知症の進行を遅らせる抗認知症薬を規定の有効量を下回って少量投与した場合、過去3年間で全国の国民健康保険団体連合会(国保連)のうち9県が医療機関からの診療報酬支払い請求を認めない査定をしたことが、共同通信の調査で21日、分かった。26都県では、認めない査定はなかったとし、12県が少量投与を認めるべきだとするなど、抗認知症薬の扱いに地域差があった。  興奮などの副作用を避けるため少量投与した医師側が不利益を受けたとの指摘がある。個々の患者に適した認知症医療に向けた審査の在り方が課題となりそうだ。> ( 抗認知症薬、処方の審査に地域差!9県で少量投与認めず!少量投与の医師側が不利益!/当誌 2015.11.24


 今回注目する下記引用サイト記事認知症薬の副作用100件 興奮など、中間集計結果/共同通信/2016.03.13 - 17:59 は、  <高齢者医療に取り組む医師らでつくる認知症治療研究会が13日、横浜市で開かれ、「抗認知症薬の適量処方を実現する会」(兵庫県)の代表、長尾和宏医師が、抗認知症薬の副作用とみられる興奮などの症例が約100件集まったとの中間集計結果を発表した> と報じている。

 <......長尾氏は「多くの医師や家族は、興奮や怒りっぽくなるといった症状を薬の副作用だと思っていない。症例を千件集め、厚生労働省に薬の適量使用を提言したい」と話した。8月、東京都内で集計結果の報告会を開く> とある。

 がんと "エクソソーム(細胞間の情報伝達物質)" との間には、かなり因縁深い関係がありそうな気配である。

 ◆ 参照 当誌過去の "エクソソーム" 関連記事

 (1) 血中を漂うがん細胞の検出技術、捕捉技術などの開発で"転移"予測! (鹿児島大,名大)/当誌 2015.12.22

 (2) "がんの転移" 予測可能に!足場の粒("エクソソーム")を先行させ定着!転移先は一定!/当誌 2015.11.28

 (3) "抗がん剤"を"エクソソーム"で大量にがん細胞へ送り込み"狙い撃ち"効果!(大阪府立大)/当誌 2015.11.25

 (4) がん細胞が"転移する仕組み"の一部を解明!がん新薬/分子標的薬開発への期待!(富大)/当誌 2015.07.10

 (5) 脳へのがん転移!がん細胞が出す特殊な物質(エクソソーム)が脳血管を破壊して発生!/当誌 2015.04.03


 今回注目する下記引用サイト記事がん早期発見機器開発 シスメックスとケンウッド/神戸新聞/2016.03.12 - 09:41 は、  <医療用検査機器大手のシスメックス(神戸市中央区)は、映像機器メーカーのJVCケンウッド(横浜市)と診断機器を開発すると発表した。細胞間の情報伝達物質「エクソソーム」を検出、分析することで、がんの早期発見などにつなげる。 エクソソームは、体内でタンパク質をつくるための遺伝情報などを細胞間で伝達する小さな胞状の物質。血液や唾液、尿などの体液に含まれる。その変化で疾患の進行状況などが分かるとされ、近年注目されている> と報じている。

 <......シスメックスは、JVCケンウッドに、光ディスクなど映像関連の技術を用いてエクソソームの検出や測定機器の開発を委託。シスメックスは、検出したエクソソームをさらに試薬などで分析し、がんなどを診断する。  開発契約は2017年9月末まで。シスメックスは「身体への負担が少ない方法でがんの早期発見などに役立てる開発を目指したい」としている。 (黒田耕司)> とある。

 先日も注目したように、"iPS細胞" からは、身体のさまざまな臓器、部位の細胞・組織が作製されている昨今である。 そして、"目の主要な部位の細胞" もまたその例に洩れない。

 ◆ 参照 当誌過去の "iPS細胞,目" 関連記事

  <人の人工多能性幹細胞(iPS細胞)から、角膜の一部や水晶体、網膜など目の主要な部位の細胞をまとめて作ることに大阪大の西田幸二教授(眼科学)のチームが世界で初めて成功し、9日付英科学誌ネイチャー電子版に発表......> ( "iPS細胞"から目の主要細胞(角膜、水晶体、網膜など)まとめて作製、世界初!(大阪大)/当誌 2016.03.11


 今回注目する下記引用サイト記事iPS角膜上皮、動物実験で効果...阪大チーム/yomiDr. ヨミドク/2016.03.10 は、  <人のiPS細胞(人工多能性幹細胞)から、目の角膜の一部「角膜上皮」を作り、動物に移植して治療効果を確認したと、大阪大の西田幸二教授(眼科学)らが発表した。 iPS細胞から角膜上皮を作った例はあるが、再生医療のための効果を実証したのは初めて> と報じている。

 <......角膜の難病患者に移植する臨床研究の実施を2016年度末までに申請したいとしている。論文が10日付の英科学誌ネイチャー(電子版)に掲載される。  黒目を覆う角膜のうち、最も外側の組織が角膜上皮で、異物が目の中に侵入するのを防ぐ機能がある。西田教授らは、人のiPS細胞に試薬を加えて培養し、目の元になる細胞塊を作った。そこから、角膜上皮の元になる細胞を分離し、特殊なたんぱく質を加えて、透明な角膜上皮のシートを作った。  角膜上皮がないウサギの目にシートを移植し、目の表面に異物を点滴したところ、異物は目の内部に侵入せず、シートが働いていることを確認できたという。  臨床研究の対象は、スティーブンス・ジョンソン症候群や眼類天疱瘡(がんるいてんぽうそう)など、角膜上皮の幹細胞が傷つき、視力障害が起きる難病患者で、全国で1年に約500人が発症するとされる。西田教授は「角膜上皮の難病の新しい治療につながる大きな一歩だ」と話す。  iPS細胞から作った目の主な組織では、理化学研究所が網膜を作製し、人に移植する世界初の手術を14年に行っている (2016年3月10日 読売新聞)> とある。

 体の一部がへこんだ患者再建手術> の場合、<体の別の場所から大きな組織を血管付きで移植することが多かった> そうである。 だが、これは "かなり困難な手術" だとされている。


 今回注目する下記引用サイト記事脂肪再生し顔に移植  琉大医学部、国内初の新治療確立へ/琉球新報/2016.03.10 - 05:05 は、そうした "困難さ" を克服すると目される "新治療法" に関するものだ。  <琉球大医学部は9日、培養した脂肪組織由来幹細胞(ADSCs)を用いた顔面変形の再生治療に国内で初めて成功したと発表した。上顎洞(じょうがくどう)がん手術で顔の一部がへこんだ70代男性患者からADSCsを採取して同大再生医療研究センターで培養し、へこんだ部分移植する手術を実施した。新年度中にこめかみや足のへこみなど3例の再生治療をし、移植治療技術を確立する。肝硬変、心筋梗塞などの治療にも応用できる可能性があるという> と報じている。

 <......1月に患者の腹部からADSCsを採取し、約1カ月半培養した。培養後に脂肪を混ぜ、顔に注射する手術は今月2日に行った。男性は5日に退院、経過良好という。清水雄介形成外科特命教授が手術した。  体の一部がへこんだ患者再建手術は、体の別の場所から大きな組織を血管付きで移植することが多かったが、移植組織と移植先の血管を顕微鏡下でつなぐ困難さがあった。ADSCsを大量培養して脂肪と共に移植する技術が確立されれば、新たな治療の選択肢が増える可能性がある。  幹細胞骨髄や末梢(まっしょう)血由来のものなどがあるが、脂肪由来だと安全で十分な量を確保しやすい将来的には他人の幹細胞を用いた研究も進める予定だ。  同センターは昨年4月に開所。ロート製薬と共同で研究していた。須加原一博副学長は「沖縄の国際医療拠点形成に大きく寄与すると期待している」と述べた> とある。

 "iPS細胞" からは、さまざまな臓器や部位の作製が試みられ、中には "立体組織" を形作るものも現れ始めている。

 ◆ 参照 当誌過去の "iPS細胞 立体" 関連記事

 (1) "iPS細胞"を使って立体的な"人の耳の軟骨"を作製することに成功!(東大・京大チーム)/当誌 2016.01.24

 (2) iPS細胞から作った腎臓のもとになる細胞で"腎機能"回復!マウスに移植!(京大チーム)/当誌 2015.07.23

 (3) 腎臓病に朗報!"体性幹細胞"からの"腎臓の立体組織"作製に成功!岡山大・杏林大など!/当誌 2014.11.26

 (4) iPS細胞から"胃の粘膜組織"作製に成功!この組織を使った試験管内の実験観察に期待!/当誌 2014.11.02

 (5) ラットの"神経細胞"で"人工脳"作成に成功(米研究チーム)!脳のような立体構造/反応!/当誌 2014.08.19

 (6) ヒトのiPS細胞から肝臓の元となる「小さな肝臓」を作りマウスの体内での機能に成功!/当誌 2013.07.05


 今回注目する下記引用サイト記事iPSから目の主要細胞 大阪大が作製、世界初/共同通信/2016.03.10 - 05:00 は、  <人の人工多能性幹細胞(iPS細胞)から、角膜の一部や水晶体、網膜など目の主要な部位の細胞をまとめて作ることに大阪大の西田幸二教授(眼科学)のチームが世界で初めて成功し、9日付英科学誌ネイチャー電子版に発表した> と報じている。

 <......目のレンズに当たる角膜部分をウサギに移植し、機能させることにも成功iPS細胞による機能的な角膜細胞作製は初めてとしており、けがや病気で傷ついた角膜再生の臨床研究実施を2016年度末にも学内倫理委員会へ申請する。  他の部位も含め立体的な組織ができたわけではないが、複雑な構造を持つ目の再生医療に将来つながる可能性がある> とある。

 "がん免疫細胞" との関係においては、がんに向かう免疫細胞による攻撃の機能だけではなく、がんが免疫機能を抑制するといった "制御性T細胞" の働きのあることが報告されてきた。

 ◆ 参照 当誌過去の "制御性T細胞" 関連記事

 (1) <"がん細胞" と "免疫細胞" との関係では、"がん細胞" が "免疫の働きを抑える機構" ( "制御性T細胞" ) を持つため、この "機構" を、逆に抑制することで "免疫細胞" に "がん細胞" を攻撃させる...... 、という治療アプローチが注目されたりもしている。> ( 従来の抗がん剤効かない患者、がんを攻撃する"免疫細胞を活性化する薬"の投与が効果!/当誌 2015.11.07

 (2) "免疫"活用"がん細胞"攻撃!慶大や京大が種々のアプローチで、"がん免疫治療法"研究!/当誌 2015.10.06


 今回注目する下記引用サイト記事マラリアに感染すると免役低下...関与?のT細胞、長崎大グループが発見/yomiDr. ヨミドク/2016.03.09 は、  <長崎大医学部の由井克之教授(感染免疫学)らの研究グループは、マラリア感染によって体内に生じる特有の制御性T細胞を発見した、と発表した。  制御性T細胞免疫反応を抑える働きをするもので、これまで見つかっている制御性T細胞とは異なるという。米科学誌「イミュニティー」(電子版)に9日掲載された> と報じている。

 <......T細胞は免疫細胞のひとつで、そのうち制御性T細胞は体内の異物に対する攻撃にブレーキをかける作用があるがんなどで働く制御性T細胞があることは知られていた。  研究グループは、マラリアに感染させたマウスに、免疫細胞の増殖を抑える細胞が存在すること発見この制御性T細胞が作るインターロイキン27(IL―27)というたんぱく質が作用していることを確認した。これまで知られている制御性T細胞とは異なるとして、Tr27細胞と名付けた。  由井教授によると、マラリアに感染する他の感染症にかかりやすくなるなど、免疫が低下することが知られているが、詳しい仕組みはわかっていない。マラリアが悪化する原因のひとつに、この細胞が関与している可能性があるという。  由井教授は「Tr27細胞を適切にコントロールできるようになれば、マラリアをはじめとする感染症の治療に役立つことが期待される」としている> とある。

 "原発事故がん" との関係が、相変わらず注目され続けているのは、やはり、"決して無関係とは言えない実態!" が控えているからなのか......。

 ◆ 参照 当誌過去の "甲状腺がん" 関連記事

 (1) 川内原発 再稼働後初の"ヨウ素剤"配布!原発事故の際、服用で"甲状腺被ばく"防ぐ効果/当誌 2015.11.17

 (2) "原発作業員"の"がん死亡リスク" 増加! 低線量被ばく(100ミリシーベルト以下)でも!/当誌 2015.10.24

 (3) 「被ばくで発症」と主張する分析結果!福島原発事故後見つかっている"甲状腺がん"!/当誌 2015.10.08

 (4) 福島で"甲状腺がん"増加か!? 子ども4人 放射線影響か確認 チェルノブイリの前例も!/当誌 2014.12.25


 今回注目する下記引用サイト記事原発事故とがんの関係「解明を」 国際学会、政府と県に/共同通信/2016.03.07 - 10:55 は、  <東京電力福島第1原発事故の健康影響を調べる福島県の県民健康調査に関連し、米国に事務局を置く国際環境疫学会が日本政府や同県に、原発事故がん関係を解明するよう求める書簡を出していたことが7日までに分かった。書簡は1月22日付> と報じている。

 <......学会には約60カ国の研究者が参加。昨年10月、岡山大の津田敏秀教授が「福島県の子どもの甲状腺がん発症率は日本全体と比べ、12倍以上」などとする分析結果を学会誌に発表。書簡では「リスクが従来の推定よりはるかに高いことを示す科学的証拠を憂慮している」とした。  住民の健康を記録・追跡調査し、原発事故によるリスクを評価するよう求めた> とある。

 "がんの早期発見のための診断手法" がさまざまに開発されている。その中でも、"線虫" を活用して、"尿一滴" から行う "がん診断" が、話題となってきた。

 ◆ 参照 当誌過去の "線虫" 関連記事

 (1) 尿1滴での"線虫"活用のがん診断手法"n-nose"!苦痛なく簡便で素早く低コスト目指し!/当誌 2015.09.13

 (2) がんを"尿の匂い"で発見!匂いをかぎ分ける"線虫"を利用!実用化を目指す!(九大など)/当誌 2015.03.16


 今回注目する下記引用サイト記事線虫でがん早期発見、九大助教がベンチャー設立/日本経済新聞/2016.03.06 - 23:48 は、  <体長1ミリメートルほどの線虫を使ってがんを早期発見する新手法を開発した九州大学の広津崇亮助教は、この手法を事業化するベンチャーのスマートエレガンス(福岡県久留米市)を設立し、3月から活動を開始した。線虫を使って尿のわずかな臭いの違いを判別する手法で、患者の負担が少ない。国内の病院と臨床試験を進め、3年後の実用化を目指す> と報じている。

 <......線虫はイヌと同様、嗅覚に優れているがん患者と健常者の尿をかぎ分け、がん患者の尿を好んで寄りつく性質がある。大腸がんや胃がん、乳がん患者と健常者の尿をかがせる実験では、がん患者の95%を見つけることができた。線虫は冷凍保存でき、血液検査に比べてコストも安い。  スマートエレガンスは医師の田村拓也氏が社長となり、広津助教は取締役に就任した。今後はがん患者200~300人を対象にした臨床試験を国内の病院と進め、手法の有用性を確かめる。健常者についてのデータも集積し、検査にかかるコストを見極めたうえで事業化する。> とある。

 解熱鎮痛薬の「アスピリン」が、"大腸がん" を予防するのではないか、との研究については、これまでにも何度も注目されてきた。

 ◆ 参照 当誌過去の "大腸がん,アスピリン" 関連記事

 (1) 既存薬を別の病気の治療に活用する「ドラッグリポジショニング」の"効率化手法"開発!/当誌 2016.02.09

 (2) 解熱鎮痛薬の「アスピリン」の"大腸がん予防効果"を確かめる"7000人規模の臨床試験"!/当誌 2015.12.07

 (3) 既存薬"アスピリン"の低用量常用/長期間服用で"膵臓がん"リスク抑制という研究成果!/当誌 2014.07.03


 今回注目する下記引用サイト記事「アスピリンでがんリスク低下」に新根拠、米研究/時事ドットコム/2016.03.04 - 18:37 は、  <【マイアミAFP=時事】アスピリンを定期的に服用することで、主に大腸や胃などの消化管がん発症リスクが有意に減少するとの研究結果が3日、米国医師会(AMA)発行の医学誌「JAMA腫瘍学」に発表された。 研究は、アスピリンの使用で大腸内視鏡検査などのすでに確立されている予防的スクリーニング検査を代替するのではなく、補うようにすべきだと示唆している> と報じている。

 <......研究論文の主執筆者、米マサチューセッツ総合病院のアンドリュー・チャン氏は「これで多くの人々、特に心疾患予防といった(アスピリンを)定期的に服用する理由がある人々に、大腸がんのリスクを減らすためアスピリンの服用を検討することを推奨できる」と話す。  「アスピリンの使用が、スクリーニング検査で予防されると考えられる数に加えてかなり多数の大腸がん症例の予防につながると考えられること、そして、がんのスクリーニング検査に投じるべきリソースが不足している状況ではその恩恵はさらに大きくなる可能性があることを、今回の結果は示唆している」  定期的なアスピリン服用が大腸がん予防の助けになることは、これまでの研究でも示されていたが、あらゆる種類のがんに対するアスピリンの予防効果はそれほど明らかにされていなかった。  そこで研究チームは、看護師や医療従事者13万6000人近くを対象とする健康調査で収集された32年分相当のデータを分析した。  ■5年間の継続服用で効果  その結果、常用量または低用量のアスピリンを週に2回以上服用している人々は、アスピリンの定期的な服用を報告しなかった人々に比べて、あらゆる種類のがんの発症リスクが3%低いことが分かった。  アスピリンの予防効果は「標準錠剤を週に0.5~1.5錠または低用量錠剤を1日1錠、5年間継続して服用した後に現れた」と論文は指摘している。  アスピリンの使用は、大腸がんのリスクを19%、各種の消化管がんのリスクを15%、それぞれ減少させた。  論文によると、定期的なアスピリンの服用によって「米国で年間3万近くの消化管腫瘍を予防できる可能性がある」という。......  米国予防医学専門委員会は、多くの米国成人の大腸がんと心臓血管疾患を予防するために、アスピリンを推奨している。【翻訳編集AFPBBNews】 〔AFP=時事〕(2016/03/04-18:37)> とある。

 患者数が多いと想定されるだけに、"変形性関節症" の治療法はさまざまに検討、開発されている。

 ◆ 参照 当誌過去の "変形性関節症" 関連記事

 (1) 根本的な治療法が無い"変形性関節症"!"遺伝子"投与で抑制!マウス実験で東京大チーム/当誌 2016.01.07

 (2) "幹細胞移植"で"変形性膝関節症"を修復させる再生医療の臨床研究開始!(東京医歯大)/当誌 2014.00.00

 (3) "中高年齢"泣かせの"変形性関節症"を早期発見する技術!特殊な顕微鏡で!(愛媛大院)/当誌 2015.03.17

 (4) 関節の欠損軟骨修復治療!鉄粉を取り込ませた"幹細胞"を磁石で患部に集め!(広島大)/当誌 2015.02.08

 (5) 将来的には変形性関節症の治療にも生かせる可能性がある"自家培養軟骨移植手術"成功!/当誌 2015.01.26


 今回注目する下記引用サイト記事抗菌力高めた人工関節を開発 手術後の感染症防ぐ効果期待/共同通信/2016.03.04 - 17:10 は、  <佐賀大と京セラメディカル(大阪市)は4日、酸化銀を表面に塗ることで抗菌力を高めた人工関節を開発し、製造販売する承認を厚生労働省から得たと発表した。 人工関節を埋め込む手術の後で起きる感染症を防ぐ効果が期待される。4月から佐賀大病院で患者に使ってもらい、感染症の防止効果がどの程度あるかを確かめる> と報じている。

 <......佐賀大病院の馬渡正明教授(股関節外科)は「感染症を起こしやすい糖尿病や肝機能異常の患者に使うことでリスクを減らすことができる」と話している。  加齢などで関節の軟骨がすり減り、歩いたり座ったりする際に強い痛みが起きる変形性関節症などが対象> とある。

 解熱鎮痛薬の「アスピリン」が、"大腸がん" を予防するのではないか、と思われるケースのように、"既存薬" が別の病気に対する "薬効" を発揮する例は少なくない。

 ◆ 参照 当誌過去の "大腸がん,アスピリン" 関連記事

 (1) 既存薬を別の病気の治療に活用する「ドラッグリポジショニング」の"効率化手法"開発!/当誌 2016.02.09

 (2) 解熱鎮痛薬の「アスピリン」の"大腸がん予防効果"を確かめる"7000人規模の臨床試験"!/当誌 2015.12.07

 (3) 既存薬"アスピリン"の低用量常用/長期間服用で"膵臓がん"リスク抑制という研究成果!/当誌 2014.07.03


 今回注目する下記引用サイト記事糖尿病治療薬メトホルミンに大腸がん予防効果
/財経新聞/2016.03.04 - 04:57
 は、  <横浜市立大学の研究グループは3日、糖尿病などの治療で用いられる薬剤のメトホルミンが、大腸ポリープ除去後に新規ポリープの発生を抑制することを確認したと発表した。世界初の報告で非常に注目されているという> と報じている。

 <......糖尿病の治療薬の1つメトホルミンの服用者は、非服用者と比べてがんの発生が低く、特に大腸がんに対して予防効果を示唆する報告が多数なされていた。同大の中島淳教授らのグループは、大腸ポリープを内視鏡切除しポリープがない状態になった患者を対象に試験を実施した。メトホルミンを服用すると、1年後の内視鏡検査で大腸前がん病変である腺腫の新規発生や再発率が、服用しない患者に比べ40%低下した。  薬剤を用いて疾病を予防する概念は「化学予防」と呼ばれている。大腸がんについては、アスピリンや非ステロイド性抗炎症薬などに予防効果はあるものの副作用もあることから、予防法として確立していない。化学予防薬に必要な条件として、副作用が少ないこと、服用しやすいこと、安価なことなどがある。メトホルミンはこの条件を全て満たす薬剤で、今後の大腸がん予防法の確立と大腸がんの克服が期待されるという。(阪木朱玲)> とある。

 "がん細胞を攻撃する治療としての放射線" が、それ以外の正常細胞や部位に悪影響を及ぼしてしまう副作用を、何とか抑えたいとする方法は既に開発されている。  "がん細胞だけを狙い撃ちする放射線治療「ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)」" がそれだ。

 ◆ 参照 当誌過去の "ホウ素中性子捕捉療法" 関連記事

 (1) "がん狙い撃ち"放射線治療="ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)"、実用化に向け最終治験!/当誌 2016.01.09

 (2) <がん細胞だけを狙い撃ちする放射線治療「ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)」を、顔や首にできる「頭頸(とうけい)部がん」の末期患者37人に行ったところ、半数以上でがんを消すことに成功したとの臨床研究結果を、大阪大や京都大などのチームがまとめた。29日から京都市で始まる日本癌(がん)治療学会で発表する。  BNCTは、がん細胞に取り込まれやすいホウ素化合物を点滴し、弱い中性子線を1時間ほど照射する。中性子を吸収したホウ素は核分裂して別の放射線を出し、がん細胞を内側から破壊する。ホウ素から出る放射線は細胞1個分ほどの範囲しか届かないため、正常な細胞を傷つけず、副作用は小さいとされる。......> ( "中性子線&ホウ素"でがん狙い撃ち!頭頸部末期患者,半数以上で腫瘍消失!"BNCT"療法!/当誌 2015.10.30


 今回注目する下記引用サイト記事がん細胞だけ狙い撃ち 国立がん研究センター、最新装置公開/日本経済新聞/2016.03.01 - 21:53 は、  <国立がん研究センターは1日、がん細胞だけをピンポイントで狙い撃つ最新の放射線治療装置を公開した。正常な細胞を傷つけず、副作用が少ないという。2017年3月ごろをメドに皮膚がんの一種である悪性黒色腫(メラノーマ)などを対象に臨床試験を始める計画だ。 最新の治療はホウ素中性子捕捉療法と呼ぶ。患者にホウ素を含む薬剤を投与し、がん細胞に取り込ませたうえ、加速器を利用して中性子を当てる> と報じている。

 <......中性子がホウ素にぶつかり、アルファ線とリチウム粒子が発生してがん細胞を内部から破壊する。正常細胞への影響はエックス線や陽子線、重粒子線を使う放射線治療よりも少ないとされる。  国立がん研究センターが導入した装置は、中性子を横からでなく上から当てるので、開腹手術中の患者にも照射できる可能性がある。皮膚がん以外にも応用が期待される。  ホウ素中性子捕捉療法は、日本では原子炉から出る中性子を使って研究されてきた。中性子の発生に使える小型の加速器が登場し、病院でも治療できる体制が整った。各地で臨床応用をめざす計画が進んでいる> とある。

 免疫細胞の一種である「T細胞」を、"活性化" させてがん細胞を攻撃させるアプローチは、これまでにも試みられている。

 ◆ 参照 当誌過去の "がん,免疫" 関連記事

  <ウイルスに感染した細胞やがん細胞などを攻撃する免疫細胞の一種「T細胞」を一度、人工多能性幹細胞(iPS細胞)にした上で、同じ能力を持つ「元気」なT細胞に再生させることに世界で初めて成功したと、東京大の中内啓光(ひろみつ)教授らのグループが発表した。このT細胞を患者の体に戻すことで、がんなどの新たな治療法につながる。......> ( 攻撃能力の落ちた"免疫細胞をiPS細胞に変えて増殖"!免疫細胞が若返り攻撃能力回復!/当誌 2014.00.00


 今回注目する下記引用サイト記事 :  は、  <大阪大学の岩堀幸太特任講師らは、外敵から身を守る免疫細胞がん細胞を見分ける能力を高め、密着させて集中的に攻撃する技術を開発した。がん細胞の表面にあるたんぱく質を目印に使い遺伝子操作する。肺がんのマウスを使った実験では、余命が2倍以上延びた識別に使うたんぱく質を変えれば、様々ながんに使えるという> と報じている。

 <......米ベイラー医科大学との成果。新しいがん治療法として5~10年後の臨床応用を目指す。  研究チームは免疫細胞の一種のT細胞を健康な人の血液から取り出し、がん細胞を識別するための情報が組み込まれた遺伝子を導入した。このT細胞には、がん細胞の表面に現れるたんぱく質とくっつく抗体ができた。  体内に戻すと、遺伝子を改変したT細胞はがん細胞に密着して攻撃するようになる。このT細胞が出す物質によって、他のT細胞が呼び寄せられ、多数ががん細胞を攻撃するようになり、治療効果が高まるという。  5匹のマウスに人間の肺がんを移植し、遺伝子を組み換えたT細胞を注射した。がんを移植したマウスは100日もたたずに死んでしまうが、注射されたマウスは最長で約200日生き続けた。  改変する遺伝子のがん細胞を識別する情報を変えれば、肺以外のがんにも使えるという> とある。

 近年のがん治療は、「個別化医療」へと向かっていると言われる。 患者から採取したがん細胞の遺伝情報を調べ、それぞれの患者に合った効き目の高い抗がん剤を選ぶ新しい治療法のことである。
 ◆ 参照 当誌過去の "遺伝子異常,個別化医療" 関連記事

 (1) "100種類の遺伝子異常"検査、患者に応じた治療へ!来年1月から臨床研究 (国立がん研)/当誌 2015.11.16
 (2) "遺伝子異常"調べ、"抗がん剤"選択!米で臨床試験へ!"別の臓器向けでも効く"可能性!/当誌 2015.08.03
 (3) 患者から採取したがん細胞の"遺伝情報"で各々の患者に合った"個別化医療"!(がん研セ)/当誌 2015.03.12


 今回注目する下記引用サイト記事抗がん剤、遺伝子調べ患者に最適化 北大病院4月に道内初導入/どうしんウェブ/2016.02.28 - 16:46 は、  <北大病院(札幌市北区、宝金清博病院長)が、がん患者が持つがん関連の遺伝子の変化を一度で網羅的に調べる「がん遺伝子検査」を4月から始めることが27日、分かった。個々の患者に最適な薬(抗がん剤)を探すことができる最先端の検査で、自分に効かない薬による治療で苦しむ患者には朗報だ。道内初の導入で、国内でも京都大、岡山大の両病院に次ぎ3施設目。遺伝子情報に基づく、がんの個別化医療が道内でも実現する> と報じている。

 <......27日に札幌で開かれた北海道癌(がん)治療研究会の学術講演会で、北大大学院の西原広史特任教授(探索病理学)が明らかにした。  がん細胞に起きる遺伝子の変化は、同じ部位のがんの患者でも人によって違いがある。一方で近年、どの遺伝子の変化に、どんな薬が効くのかが解明されつつある。遺伝子の変化を網羅的につかめれば、一人一人に最適な薬を見つけられる従来は自分に効かない薬とは分からずに治療を続け、治らないうえに副作用に苦しむケースもあった。  今回始めるがん遺伝子検査は、保険診療が適用されないため、自由診療となる見通しだ。北大病院は検査費をまだ公表していないが、京大病院は約88万円、岡山大病院は約100万円。  検査開始に合わせ、北大病院は専門の「がん遺伝子診断部」と「がん遺伝子診断外来」を新設する。検査対象はがん治療中や、がんと診断された患者ら。患者から取ったがん細胞を含む検体を、院内にある遺伝子解析の最新機器(次世代シークエンサー)で調べる> とある。

2020年11月

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